天鳳の場合は自動和了ボタンがあるため、何も考えずに手を進めていると、
うっかり飛ばしてしまうというミスも起こりうる。
天鳳の場合は3着でもポイントイーブンであるため、
それが常に悪いというわけではないが、
着順上昇が十分に狙える位置にいるなら、
与えられたチャンスは最大限に生かしたいと考える。
逆転計算をする上で、考えるべき重要なポイントは以下のとおりだ。
@まずは飛び寸を飛ばして即トップになる条件を考える
飛ばしてトップで即終了。これがベストシナリオであることは言うまでもないが、
麻雀というのは相手の息の根を止めない限り、何が起こるかわからないゲームだ。
飛ばし損ねた結果が、まさかの逆転劇を生んだ経験を皆さんも数知れず経験していることと思う。
麻雀において、チャンスというのはそれほど頻繁におとずれるものではなく、
あとほんのわずかの勝機を逃してしまった後に待っている結果というのはなかなか良いものにはならない。
だから、チャンス手をもらったらこの局で決めるという覚悟で躊躇なく飛ばしにかかるべきだ。
A逆転条件が厳しい場合は、逆に飛び寸が飛ばないような手作りをする
上との点差が大きく、一撃で決められない状況というのもよくあることだし、
そもそも自分の手がそう都合よく入るわけでもない。
そのような場合は、自分のあがりで飛び寸が飛ばないように打点調整を図る必要がある。
仕掛けてわざと安くして、飛び寸からの出あがりを可能にしたり、
リーチツモでギリギリ飛ばない水準に手役を抑えることを考える。
見逃しは様々な紛れが起こって、自分にとって不利に働きやすいので、
できるだけ飛び寸からも見逃さないような手作りを心掛けることが必要となってくる。
天鳳の場合は迷ったら飛ばしてしまっても構わないと私は考えている。
いずれにしても、自分の手牌との勘案ということになってくるが、
飛び寸がいる=自分がラスのリスクが低い、ということであり、
こういう伸び伸び打てる状況だからこそ、
上位を楽に勝たせない、着順上昇の意識を強く持つことが重要であると言えるだろう。
それでは、実戦例を見ていこう。
@まずは飛び寸を飛ばして即トップになる条件を考える

東3局1本場、32300点持ちトップ目の北家。
上位3者が僅差の三つ巴で、対面が7800点のダンラスとなっている。
好配牌からチートイドラドラのテンパイとなったが、さてどうしよう?

リーチした。
こんなもんは場況関係なく即リーチで良さそうだが、
これが鉄リーチなのは、ダマで対面から出ても6400で飛ばないからだ。
対面から出あがって終わらせるつもりでリーチする。

親の仕掛けが入って混沌としたが、対面から出て成った。
無駄に裏裏で12000。
親はテンパイだったが、
それよりも上家の手が恐ろしいことになっていた。
親の14pがギリギリ間に合った恰好だが、
自分が有利であるというのは常に錯覚なのであり、
麻雀の怖さがこの絵からも見て取れるだろう。

別の半荘。
東4局1本場、31100点持ち現状2着目の南家。
点棒状況は自分から順に、31100、6200、36800、25900となっている。
ドラドラ含みのチャンス手から、東をポンして1枚切るところ。
さて、何を切る?

枚数無視して7m切りとした。
ドラ8m切りであがり率を高めるのは安定した打ち方ではあるが、
トップ目との点差が5700点かつ下家の点棒が6200点となっているので、
ここはリスク覚悟で下家を飛ばして即終了の可能性を見た。
ここで3900の加点をしてもやはり勝ち切るまでがまた大変だという印象が強い。

ほどなく下家のリーチ宣言牌を捕らえてラスト。
狙いが上手くはまってトップを奪取することに成功した。
もちろんこれが裏目と出ることもあろうが、
重要なのは、飛ばして即終了というビジョンが描けているかどうか、だ。

別の半荘。
東3局、27800点持ち2着目の親番。
点棒状況は自分から順に、27800、2400、19500、50300。
下家が飛び寸で、上家が特大トップと、赤ありではありがちな点棒状況となっている。
チャンス手をもらい、絶好のカン6pを引いてテンパイしたところ。
さて、どうしよう?

7s切りで再構築とした。
ポイントはトップ目との点差で、22500点差というと何かピンと来ないだろうか?
そう、6000オール一撃でぴったり捲れる点差なのだ。
4000オールでは捲れない上に下家を飛ばしてしまうので断固拒否。
となると、ツモあがりできないテンパイに取っても仕方ない。
つまりここは、リーチツモ+裏1程度で6000オールになる手組みを目指したい。
最も現実的にはメンタンピンツモ赤+裏1だろう。
最悪フリテンリーチでもいいのでメンタンピンをまずは見る。

3pをツモってわけがわからなくなった。
さて、何を切る?

3m切りと迷ったが、5s切りとした。
3m切りの方が連続形が生きて自然な着手なのだが、
唯一36s先埋まりの36p待ちの最終形が嫌だ。
5sを残すとこのパターンは結構ありそうで、
それならマンズの単純両面形の方がツモあがりには向いていると考えた。
一方、浮き牌が3mだとタンヤオがつかない可能性があるため、
純粋な期待値とすればやはり3m切りが有利だろう。
浮き牌が456mの場合は、タンヤオが確定するため、
その差は縮まると考えられる。
ピンズは複雑な形だが、14p258pツモで好形テンパイ。
イーペーコーが絡んでいるためいずれも条件には不都合がない。

これがピタリとはまり、最高の4mツモでのテンパイ。即リーチに踏み切る。
これだと赤5mツモでも条件成就。
期待感に胸躍らせる。
ちなみに下家からすぐに出たらどうするか?
考えどころだが、この局面では見逃さないつもり。
なぜなら、ツモで逆転確定ではないからだ。
対面との点差も大きくないし、ツモ裏期待で見逃すほど余裕のある状況でもないだろう。

長引いたがツモぉ!
赤じゃないので裏が乗るかどうか。
ワクワクドキドキ来いやあ!

あるいみEND!(ノω・、) ウゥ・・
私も裏ドラの乗らない歳になったかぁ。
逆転の構想としてはまあ満足かな。
A逆転条件が厳しい場合は、逆に飛び寸が飛ばないような手作りをする

南1局、36300点持ち2着目の南家。
点棒状況は自分から順に、36300、7100、2100、54500と2人が瀕死状態。
上家の大トップ目が親番。
自分はドラドラの好手が入り、わずか4巡目にテンパイした。
さて、どうしよう?

即リーチとした。
ここでのポイントはラス目の持ち点が2100点というところで、
満ツモならOKだが、ハネツモだと飛んでしまう。
つまりここから好形を作りに行ったり、うっかり赤でも引いてしまうと、
ピンフや赤でハネ満ツモあがりになる可能性が高まってしまう。
裏1でハネ満にならないように、これ以上のファン数UPは願い下げなのだ。
即リーチなら、天変地異でも起こらない限りツモでハネ満にはならない。
ちなみにここでも脇から出ても見逃さない(最終盤の対面からのみ見逃す)。
ステップ途上の逆転条件しかも愚形なので、見逃してまでというのはやり過ぎ感がある。

首尾よくツモりーの…

裏乗りーの…(つω`*)テヘ
この裏1は感覚的には嬉しい。
例えば、10巡目の5sで手変わりを待ってのリーチだとハネ満昇格で、
逆に対面が飛び終了となっていたからだ。

次局も手が入り、捲り切ることに成功した。
執念というほどのものではないが、構想の勝利だ。

別の半荘。
南3局2本場、31000点持ち2着目、連荘中の親番。
点棒状況は自分から順に31000、12200、7100、49700となっている。
ドラドラ赤のチャンス手から自風の東をポンしたところ。

上家から7pが出た。
さて、これを鳴く?

打点は大幅に下がってしまうが、これはチーした。
ポイントは、ラス目対面が7100点というところで、
5800まで打点を下げれば、見逃しをせずに済むというところだ。
また、無理やり18000を作りに行っても上家にはわずかに届かず、
直撃orツモ条件となってしまう。
労多くして益少ないのであれば、
手順で鳴いて、自然にあがりに向かうことで、次局は満貫条件ができる。
仕掛けの場合はリーチと違って裏ドラの不確定要素がないため、
打点をある程度調整できるメリットがある。

上手いこと好形テンパイ。
これ、ラグ無しの6mがかなりの盲点となっている。

ところが、待っていたのはこの結果。
トップ目にまさかまさかのメンホン8000の放銃となった。
黒いことを考えながらガチャ鳴きすると、なぜか上手くいかないことが多い。
仕掛けは本手のダマテンにめちゃくちゃ相性が悪いと思うのは私だけだろうか。
結局この半荘、3着まで転落することとなった。

別の半荘。
東4局、29300点持ち3着目の親番。
点棒状況は自分から順に、29300、1300、35300、34100となっている。
三つ巴で飛び寸1人という状況。
下家から発が出たが、さてどうしよう?

スルーした。
スルースキル「飛び寸との間合いを計るスルー」(未出)だ。
ポイントは下家の持ち点が1300点というところで、
発をポンしてしまうと、下家から出あがりできなくなってしまう。
もちろんこの手は発頼みなので鳴くのも自然で、
よりよい状況変化も多そうなのだが、
条件付き不自由な仕掛けをするくらいなら、
メンゼンリーチでこの局で終わらせる可能性も見ようと考えた。
当然2枚目の発はポンするし、
仮に自分が子方だったなら、この発は100%ポンだ。
1000点なら下家は飛ばないからだ。

結局、ラス目下家のリーチに対応する展開となった。
ここで発のトイツ落とし。

そして、上家に2000点の放銃となった。
次局、ラス目の親はリーチがかけられない点棒状況なので、
当面の脅威がなく、これはこれで良し。
次局に私がハネ満ツモって、トップ終了を成し遂げた。
ここでの構想、スルー判断が最終的には好結果へと結びついた。