2021年08月29日

好配牌時の四風連打に要注意

好配牌時に途中流局となってしまい、ショックを受けた経験は誰しも一度くらいはあるだろう。


他家の九種九牌ならあきらめもつこうが、四風連打となると自身が一役買っているだけに後悔の念が沸いてくる。


結論は後回しにするとして、まずは実戦例をご覧いただきたい。



case1
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東2局1本場、15500点持ちの南家。

もっかラス目と辛い立場だが、いただいた配牌がドラドラ3メンツの超絶好手。

これならやる気も出るってもんよ。

さて、何を切る?





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南切りとした。

ピンフのつかない自風はこの手には不要な上、1枚出ているとなればなおさら。

四風?そんな都合よく持ってないでしょ。起こらん起こらん。


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や、やめろ、頼むからやめてくれ…


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世界中で今一番自分が不幸なんちゃう?(ノω・、) ウゥ・・


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というわけで、これだけの好配牌が水泡に帰してしまった。

恐る恐る自分のツモを追ってみると、結構な確率でアガれてそう。

よく見たら親の配牌もなかなかで、親もショックだったかも。

確率が低いと侮ってしまった気の緩みが招いた悲劇だろう。

この局が敗因かと思いきや、粘り腰の3着で終えた。



case2
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南3局1本場、18400点持ちラス目の南家。

現状ラス目につきこの局がひとつの勝負所…と思っていたらなかなかの配牌をいただく。

さて、何を切る?





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西を合わせた。

トップ目が西家につき、ここの風は真っ先に処理しておかなければ、と思い。

東を引っ張って鳴かれる分には自身のツモも増えるし悪くない。


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ところが、西家もきれいに合わせてきて…


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まさかの流局となってしまった。

配牌を見比べても、私の手が早そう。


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天鳳ではこんな感じの画面。

正確には四風子連打(すーふぉんつれんたー)。


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好ツモがうなってるけど、フィニッシュの47mだけはツモ筋にいない。

この半荘は無念のラスだった。



case3
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開局の西家。

配牌はわりと良い方だが、今回は3人目につき流さないという選択も可能だ

さて、どういう考えで何を切る?





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自然に西切りとした。

確かに悪くはないけど極端に良い手というわけでもないので。

四風連打を故意に避けた結果の紛れが嫌なのでここは自然に。


私の場合は、かなりの好手以外は流れに身を委ねることを是としている。


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結果、下家も打西で四風連打成立となった。


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配牌には明らかに差があるが、このツモを見るとバッキバキでヤバい

最後赤5mツモでフィニッシュだと何点だろう…ちょっと後悔しちゃうかも。

この半荘は2着で終了した。



とりあえず麻雀研究始めてみましたさんのサイトによると、鳳凰卓の実戦データにおいて、

が第一打任意の風牌を切った場合に、流局する確率はわずか0.12%

親&南家が同じ風牌を切った場合に、流局する確率は1.0%

親&南家&西家が同じ風牌を切った場合に、流局する確率は8.0% 

ということらしい。(出典:四風子連打の確率


これは他家が風牌を持っていても故意に流していない場合も含まれるため、
自身が極端に手が良い場合は他家に手が入っていないことも想定され、確率はやや上昇すると考えられる。

これを加味して考えると、

・親の好配牌時は四風連打を想定した打牌選択をする必要はなく、
・南家の好配牌時は多少考える必要がある、というのが私の結論だ。


本ブログ記事case1のような場合に、南家で四風連打を避ける選択をする、というぐらいでちょうどいい気がする。


最も重要なのは、case3のような西家の選択で、ここで風牌を合わせずに後から切った場合、他家からは「あいつは手が良いな」というのがある程度バレてしまうので、どのぐらいの好手なら風牌を合わせないか、という基準を自身の中で明確にしておくことが重要かと思う。

私の場合は、絶好手以外は流れに身を委ねて風牌を合わせることが多い。それが好手のフェイクになる可能性もあるからだ。



ラベル:天鳳 流局
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2021年08月22日

単騎にしか当たらない牌での放銃

早いリーチに字牌の暗刻落としをしたら単騎待ちにブチ当たる、という経験は誰しも一度くらいはあるだろう。

単騎にしか当たらない牌での放銃と言うと、不運の代名詞のような扱いを受けるのが大半だ。

逆に罠を仕掛けた方はしてやったり、という感じになる。


もちろん、早い巡目での放銃は仕方ない。

しかし、中盤以降の放銃は本当に不運でかたづけられるのだろうか?

何かそれを読み解くためのヒントはないのだろうか?


今回は、実戦例をいくつか用意したので、まずは雰囲気を味わっていただきたい。

その上で、攻撃側・守備側の双方において何かを感じたり読み取ったりしていただけたらと思う。

それではどうぞ。



case1
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東3局、24600点持ち2着目の西家。

ドラドラ赤のチャンス手だが、やや手が重い。

3pが暗刻になり、自然に8p切りとした。


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8mが重なった。

さて、何を切る?





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チートイツのイーシャンテンに取って、3pを切ったところ対面の親からロンの声。

えっ!?単騎にしか当たらないけど?


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開けられた手はチートイツで、ドラドラ赤の12000。

こちらの手と瓜二つで、よもやそこまで高いとは…。

対面の河は両面ターツ落としが光っていて、メンツ手っぽくはない。

上家の河もやや変則的で、トイツ場況だったことがわかる。


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対面の着手が面白い。

大抵、中切りになりそうなものじゃない?

狙い目となりそうな2pも、山には残っていなかったのでトイツ手なら正解だった。



case2
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南2局、29600点持ちトップ目の北家。

ドラ単騎をダマにしていたら、上手くイーペーコーに変化した。

6p切ってダマ続行。


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盲牌の感触はザラっとしていて一本多い7sツモ。

これは少しやっかいなところを引いてきた。

さて、何を切る?





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ここで私は4p切りとした。

仕掛けの親に対してドラソバは非常に切りづらいところ。

ここはテンパイを崩してピンズで再テンパイを目論む腹とした。

25pが全枯れにつき、厳密には5p切りが正解だったようだ。


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8sがチーできて、テンパイ復帰。

ピンズは安牌と言っても過言ではない、ここで5p切り。


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8pをツモって、何を切る?





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念には念を入れて先に3pを切ると、まさかのロンの声。

25pが4枚ずつ見えていて、3pも3枚見えているということは…


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ええっ!?メンホンチートイ?

最終手出し2sだが…?

ラス目に痛恨の8000放銃となったが、これはリーチをかけられていたらむしろヤバかった。


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上家は4mトイツ落としの時点で、ピンズのホンイツ狙い。

2sはおそらく親の仕掛けがソーズのホンイツぽく見えていたので、対応する過程で残した2sだと思われる。

2sは見逃したわけではなく、入り目が字牌かピンズだ。

2sが合わせ打ちだけに、このテンパイを読むのは不可能に近い。

私も上手くテンパイに漕ぎつけたと思ったが、それ以上に上手く打たれた印象だ。

場況は明らかに変則的なのは見ての通り。



case3
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対面が形テンからトイツ落としの西で放銃。6400。

これ、暗刻の9pは完全安牌だが、凌ぎやすさを考えての西切りで、こちらの方が柔軟だ。

ドラの南を持ってきた時に備えられるし。

つまり、ツモ番がないなら9pを切るのが正解ということになる。


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ちなみに対面は、2018麻雀最強位の近藤一雄プロだ。

最強位相手に50000点の大トップを取ったボクが最強ということでよかですか?



case4
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東3局、28300点持ち2着目の西家。

トップ目の上家からリーチが入っている。

通っていない北をツモってきて、ここで現物の4p切り。


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北が重なって、選択となった。

上手くやればテンパイが取れそうな気もするが…さて何を切る?





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北をツモ切ると、これがまさかのチートイツにドスン。

ドラドラで8000。

上家の切り順は変哲もなく、特別チートイツの気配はない。

45pを落とす選択との比較だが、親が3sを押していてテンパイが濃厚。そうなると5pは刺さってもおかしくない。

北は重ならなければ切るつもりはなかったが、重なってしまったがゆえに飛び出る羽目に。

このパターンは結構メンタルがやられる放銃ではないだろうか。


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チートイツであれば南が引っ張られるのが普通であり、これが先に切られたのは理由があった。

イーペーコーが確定していて、かつ2pの暗刻があったからだ。(おそらく)

そうなるとトイツ手よりも、メンツ手かトイトイでまとめた方が速い。

すんなりチートイツでテンパイしてからの、すかさず北ツモでリーチと。

前の三例とは違って河に特徴がなかった。


いかがだっただろうか?

単騎待ちにしか当たらないということは、必然的にチートイツが多い。

チートイツが出現する場況と今回の実戦例の場況に似ているところはないだろうか?

もちろん過度に怯える必要はないが、そのへんに注目すると交通事故を未然に防きやすくなるだろう。



ラベル:天鳳 放銃
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2021年08月15日

両面の片割れ4枚見えは変化量を重視する

自身の持っている両面ターツの片側がポンされて、ちょっと嫌な気分になる

割とよくある光景ではないだろうか。

このように、両面ターツの片側が場に4枚見えてしまうというのは別段珍しいことではない。


この際にどういった捌きをすればいいのかは案外難しい。

この誰も触れたことのないテーマに、今回はメスを入れていきたいと思う。

ポイントは以下のとおりだ。


@基本は枯れた方の逆側に手を伸ばしていく

二萬三萬九萬九萬三筒四筒四筒六索七索八索中中中ツモ五萬ドラ北

1mが枯れているとする。

この場合の基本は、2mを切って上方向に手牌を伸ばしていく。

言うまでもなく、6mツモの両面変化を見込んでのもの。

カンチャンの変化によって符ハネの恩恵も得られやすい

メンツ手なら物理的にない受けに固執するメリットはないからだ。


Aピンフに意味がある手なら両面を残す

二萬三萬九萬九萬三筒四筒七筒八筒九筒六索七索八索西ツモ五萬ドラ北

1mが枯れていて、アガリトップとする。

この場合においそれと2mを切ってしまうと最終形がカンチャンになってしまい、リーチが必要となってしまう。

いったん西を切っておいて、ピンフを保留するような構えにしておくのが望ましい。

なぜピンフ限定かというと、両面が前提となっている手役はピンフ以外にないからだ。

つまりダマテンが必要だとか、ピンフの手役による打点が必要だとかそういったケースでは両面の形を重視する必要がある。


この法則を理解しておけば、メンゼンではピンフの可能性があるかどうかについてのみ気をつければよく、
仕掛けでは両面形のメリットがないため、すべてのケースで変化量を重視すべきということになる。

また、トイツ系の手役に関しては場枯れの周辺の方が利用価値が高いため、これは例外となる。


テキストにまとめると、要点が限定的で捌きは難しくないように見えるが、実際に実戦で遭遇すると思いの外捌きの難易度が高いことが多い

なぜかというと、ピンフ以外の手役が確定している状況は決して多いわけではなく、4枚見えを見落とさずに把握するなど、適切な状況判断力が必要となるからだ


例えば、ありがちなのは、カンチャンから両面に変化した、と思ったら実は片割れが枯れていて両面に取る物理的なメリットがなかった、といったケース

この場合、変化量という意味では両面変化の着手自体が実は悪手だったということになる。

こういう総合的な微差を問われるケースが多いため、難易度が高いという印象を私は持っている。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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開局の親番。

ドラの発がトイツとチャンス手をもらっている。

7pを引いてイーシャンテンとなったが、さて何を切る?





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2m切りとした。

1mが4枚見えているので。

この手はピンフになる可能性がゼロにつき、両面を残すメリットは皆無に等しい。

ピンフを基準に考えると、方針が明確になるのがわかるだろう。


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ここで自然に1s切りとした。

重なりの部分では差が生まれていないが、6mツモを想定するとやはり2m切りは優秀であったとわかる。


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テンパイが入り、即リーチ。

待ちは当然…


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シャンポンに受け、ドラをいただいて6000オール。

幸先のいいスタートを切った。

1mが早々に枯れる=3mがやや強いのと縦の匂いがしたので。


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他家の手牌を見ると、マンズはあまり上に伸びなさそうな感じ。

それでも、ここで25mのどちらを切るかは十分に差を生む着手だろう。

ピンフがないので2m切り有利が際立っている。



case2
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東3局1本場、21800点持ち3着目の西家。

タンヤオドラ3のテンパイが入っている。

河が不可解なのは、3mのシャンポンをミスっているというわけ。

6mを持ってきたが、さてどうしよう?





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3m切りとした。

よく見ると2mが4枚見えている。

6mを残しておけば、8mツモでカン7m変化があるし、7pツモでも出アガリできる単騎待ちになる。

情報量の多い終盤だからこそ、わずかな差が大きな差となってくる。


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最後に下家から5mがツモ切られ、8000ゲット。

5mは拾えそうとはいえ、これはラッキーだった。



case3
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南2局、29300点持ち3着目の親番。

こちらはタンヤオ赤3という大チャンス手のイーシャンテン。

ここで両面変化となる4pを持ってきたが、出ていく7pはドラ。

さて、何を切る?





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ここで私はドラ切りとした。

345の三色があるため、手拍子で切ったドラだったが、実は3pの4枚枯れを瞬間的に見落としていた

とにかく47pのスジを早く処理したいという感情がドラ切りを急かした格好だ。

幸いなことにこの7pに声はかからず。

そうなるとそれほどデメリットはないようにも見えるが…


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ひどいことに、次巡持ってきたのはドラそのもの。

丁寧に4pを切っていれば赤5p7p7pという美味しい形が残っていたことになる。

ポンテンにも取れる変化を逃したのは痛い。


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6sをカンしたところ、リンシャンからひょっこりとドラをツモる。

ドラ5のテンパイを逃した…。


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さらにアツいことに、当たり牌が出やがった。

顔を真っ赤にした私がそこにいたのは言うまでもない。


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結果、上家と私の二人テンパイで流局となった。

きっちり打っていれば、下家に赤5pをチーされていたとしてもハネ満のアガリがあったわけで、痛恨の一局となった。

最終的にテンパイ料の収入があったというのはミスした中での幸運であり、これ、下手すると被った7pが当たり牌となっての放銃まであった

そういう意味ではアガリ逃しで済んだぐらいでまだ良かったと言えるかもしれない。

わずかな牌効率の差がこれだけの差を生むという恐ろしさをまざまざと理解できる例であり、皆様には反面教師としていただきたい。

この半荘は幸運にもトップで終了した。



case4
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東2局1本場、23700点持ち3着目の南家。

親が迫力のある3フーロを入れている。

トップ目の下家からリーチが入って一発目。

こちらも赤1ドラ3のイーシャンテンで一歩も引けない。

さて、何を切る?





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親の切った6sを頼りに3s切りとした。

3sはポン材として優秀だが、背に腹は代えられぬ。


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6sを持ってきたところ。

この6sは親がリーチに通しているが、さて何を切る?





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対面の3sチーにより、2sが都合4枚場に見えた。

これによりソーズを伸ばす3s切りが正着とわかる。


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1pがポンできて待望のテンパイ。

2p勝負とな。


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そして、好形変化となる7sツモ。

これは狙い通りと言えばそうだが、4sはいかにもきついところ。

さて、どうしよう?





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これを押した、がアウト。

幸いにも裏は乗らずに8000。

手順で待ちが広くなって押し出される4s、これは基本的に私の中では押しのサインだ。

8sはいかにも拾えそうなところだし。

結果は放銃となってしまったが、冷静に変化量を重視して待ちを広げられた例だと言える。


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先に当たり牌を掴まされたが、牌を開けてみると四者紙一重だった。

自身はオリ切るのも難しく、この放銃に悔いはない。

case3のアガリ逃しより悪くはなく、この半荘は3着で凌ぐことができた。

仕掛けにおいては両面という形にこだわることに意味はなく、このスキルを無条件で活用することができる。

メンゼンにおいてはピンフの価値が高いかどうかで柔軟に判断する必要がある。

いずれにせよ、わかりにくいミスが頻出しやすい形であるので、注意深く見ていく必要があるだろう。



ラベル:天鳳 牌理
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2021年08月08日

離れトイツ落としのまたぎ待ち

トイツ落としリーチにまたぎ待ちが少ないことは以前の記事でも述べた。


またぎが待ちになるならそもそもアガってるでしょ、という理屈で賢明なる読者のみなさんはご存知のことと思う。

今回は、その読みが通用しないパターンを集めてみた。

確実にレアケースなのは間違いないが、言われてみれば回避できなくもない、という特徴のあるケースが多い印象だ。


説明するよりも見てもらうのが手っ取り早いので、早速実戦例の方に行きたいと思う。

それでは、Here we go!!



case1
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南2局、39100点持ちトップ目の親番。

上家が8pをチーして…


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3m手出し。

これは上家がすでに切っている牌だ。


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直後に持ってきたのは1m。

さて、どうしよう?





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こんなもんは大通しやろ、とノータイムで切るとこれがアウト

ドラドラは3900と予想以上に高い。

役はあるとしてもタンヤオだと思い込んでいたため、端牌の1mは盲点だった。


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上家の3mは西のトイツ落としの後に持ってきたもの。

対面の仕掛けにケアしながら8sを合わせる過程で手牌に残ったものだった。

残せば牌効率上有利になりそうだが、3m5mは場にすべて見えているため、効率上残すメリットはない。


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前回の3mがツモ切りということも考えれば、この3mは西切りから回る過程で持ってきたことがわかる

その上で最後に出てきた理由は、他家に対して危険度が高いから、という理由がしっくりくる(こちら側から見て)。

つまり、冷静に見れば牌理には関係のない3m切りであると読める。

しかし、逆に関係ないからこそ盲点となってしまった

タンヤオという先入観に、ダブルワンチャンスという安全度の高さもあいまった。


このケースのように、引き戻し牌を相手への対応で残す際、離れトイツ落としのまたぎ待ちが見られる。

離れトイツ落としの間に、トイツ落としやターツ落としを挟んでいる(対応の跡が見られる)ケースではよりその傾向がある。

それらを加味すると、終盤に出てきた離れトイツ落としはまたぎ待ちもケアするべきだと言えるだろう。

この半荘は、ポカが響いて2着転落で終了した。



case2
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開局の北家。

対面から7s離れトイツ落としのリーチが入った。

ドラのターツ落としがやや目立つ河。


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親がノータイムで切った8sにロンの声がかかる。

むう、と唸ってしまったが、対面はどのような形が想定できるだろうか?


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この形だった。

一発がついて3900。

ちなみに下家はASAPIN兄で守備力に定評のあるゆーせいさんだ。

十段クラスとなると一発放銃も稀で、そのぐらい鋭い待ちだったことがわかる。


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対面はここから7sを切って58s待ちに取り、ダマテンに。

親に対して58sは切りづらいのでこれは妥当にみえる。


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ここで躊躇なく空切りリーチを入れてきたというわけだ。

つまるところ受け間違いでアガリを逃しているわけだが、それを逆用しての空切りだった。

凡人はミスった感からうろたえるところだが、強者は二手先三手先を読んでいる。

ここで迷ってしまうと匂いが出てしまうわけで、ノータイムで打ってくるところが素晴らしい。

まさに相手を嵌めるための効果的な空切りリーチだと言える。


一方で、このリーチには若干だが違和感もある。

なんかへんだな、と思えた人は嗅覚がある。

ポイントは、宣言牌の前に切られた完全安牌の東だ。

完全安牌より7sを引っ張るということは、7sは手牌に関連している可能性が高い。

しかし、対面はドラの9sを先切りしている。

つまり7s関連の待ちはカン4sとか5sシャンポンなどが考えられるわけだが、この場況はカン8sがドラ表示牌とはいえ良く見えないだろうか?

対面は例えば赤5sが絡んでいたり、345の三色だったり、タンヤオだったりという理由以外でソーズの下に寄せる理由がない(けっこうあるな)。

この場況からドラ絡みのカン8sを外しているにもかかわらず、7sがもう1枚手の内から出てくるということに若干の違和感を感じることができる。だったらカン8sを残してもいいんじゃね?と。


このように、離れトイツ落としの間に安全牌が挟まれているか、というのは重要な情報となる。

通常であれば「だからこそ」8sは安全となるわけだが、ドラが9sというところに引っ掛かりを覚えると、このような空切りリーチの可能性を見抜きやすくなる。

とはいえ、かなりのレアケースであり、通常見抜くことは困難だろう。

考えすぎると逆にハマってしまうので、基本を押さえつつ、この攻めパターンの方を参考にすべき事例と言えるかもしれない。



case3
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東2局、5700点持ちラス目の西家。

東2にして飛びのピンチで、3着目の親とは10000点強の差となっている。

自身はドラの9mをポンして西バックのテンパイを入れている。

ところが、上家から7p離れトイツ落としのリーチが入った。


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一発目に持ってきたのは、ソバの8p。

さて、どうしよう?





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ノータイムでツモ切ると、これがまさかのアウト。

無情にも一発放銃は7700、きれいに飛んで終了となった。

なんで最終が7p手出しなの?と誰もが思うだろう。


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上家はまずここから7p切り。


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その後マンズとピンズが伸びて、北をトイツ落とし。

さらに7pを持ってきたところで、なんとフリテンシャンポンのテンパイに取った

タンヤオに寄せて4sのくっつきも照準にしたのだろう。


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狙い通りの最終形となり、手出しは必然的に7pとなったというわけだ。

このぐらい手順できれいに迷彩を打たれてしまうと、引っかかっても仕方ないかなという気になる。


みなさんも経験があると思うが、切っている牌を引き戻して、それが手順で手元に残るということは割と頻繁に起こる

離れトイツ落としの間に手出しが多ければ多いほどその確率は上がる。

このケースでは北のトイツ落としから手牌を再構築している上、安全牌の北よりも後に出てきたのでそれは利用価値があったということにもなる。

こういうケースでは離れトイツ落としのまたぎが安全であると過信してはいけない、ということだ。


また、相手の裏をかく戦略が浸透して、離れトイツ落としのまたぎが待ちになる際は手出しを必ず入れるという上級者が増えた

切っている牌を引っ張ることを意識している人もいるだろう。

これが浸透している以上、一昔前よりは離れトイツ落としのまたぎ待ちは危険度が上がっているという認識を持つべきだろう


それから、離れトイツ落としのまたぎ待ちは、ある状況下で手出しが逆効果となることがある

警戒すべき他家がいる際に、おとなしかった他家が突然無スジの危険牌を切ってきた(かつ自分で1枚切っている)時だ。

このケースではそこそこの確率でその人は手出しまたぎがダマテンの待ちになっている

なぜここでこの牌の手出しなの?という違和感がある時は怪しいので気をつけてみてほしい。

これについてはいずれ実例を紹介したいと思う。

相手の手出し傾向・癖をある程度把握しておくことで、空切りのキズに気づく機会は多くなるはずだ。



ラベル:天鳳 牌理
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2021年08月01日

スルースキル 形テン仕掛けはせずメンゼンテンパイで押す

最近、形テンについてのコメントをいただいたので、
私が終盤にどのような意識で闘っているのかをご紹介したいと思う。

端的に説明すると、

@リーチに対して危険牌を切らなければならない時は形テンは取らない

A切れない牌を使い切るための仕掛け(回し打ち)は基本しない

Bスルーしてメンゼンテンパイした場合は強気姿勢


私が特に意識するのは、自身の仕掛けによって局面ができるだけ紛れないようにする、ということだ。

例えば、自身の仕掛けによってリーチ者に海底が回るとする。

これは相手のチャンスをいたずらに増やすという意味で「紛れ」の要素となる。

仕掛けて安全にテンパイを取れる場合は自身の都合で仕掛けるが、大トップ目の親番などならスルーすることが多い。


しかし、天鳳の場合はラスを押しつければ勝ちというその性質上、通常の麻雀とは「勝ちの定義」が異なる

最初に私が鳳凰卓で苦労したことは、通常考える「紛れ」が天鳳では戦略として機能しうる、ということだった。

例えば、「親を流す」「横移動を誘発する」「当たり牌を掴ませる」という目的で、敢えてリーチ者のツモを増やすということが天鳳では有効となることが通常よりも多い。


過去のASAPINの牌譜を見てもらえばわかるように、仕掛け全盛時代は出来メンツから仕掛けて、くっつき狙いをするといったようなトリッキーな鳴きが非常に多かった。

鳳凰卓の戦い方も、私が参戦した当時は、相手に対する危険牌は一切切らず、危険牌を浮かせたまま仕掛けまくるといった、自身の都合のみで打っている人が多かった。 これは私が採用している上記Aと真逆の打ち方である。

この仕掛けは天鳳の戦い方としては間違ってはいないが、麻雀の戦い方としては正しくないのではないかという私の疑問から、仕掛けを咎める戦い方を追究した結果、私は十段まで登りつめることができた


天鳳にしても、正しい仕掛け方をしないと長い目で見れば損であるということが自身の中で確信できた。

これは「仕掛ける」ことはもちろんだが、「仕掛けない」ことにも当てはまる。

その結果、鳳凰卓での相手の打ち筋も徐々に変化していった。極端なフーロ率特化の打ち手は結果が出なくなり、全体のフーロ率は低下していったように思う。

もちろん、私への対策として採られたという面もあるだろう。

これは時代時代のトレンドによって有効な戦略が変わってくるということでもある。

フーロ率が高すぎるならメンゼンを、メンゼン率が高すぎるならフーロを適度に織り交ぜていく必要があるのである。


そういう意味では、相手がどういう打ち手なのか、卓全体がどのような動きになるのか、そして時代の流行が何なのか、というのをある程度把握しておくことは重要であろう。

人の行く裏に道あり花の山、であり他人と同じことをやっていては自分は勝者になれないのがゼロサムゲームの鉄則だからだ

自分の麻雀を確立するのはもちろんだが、時代や相手に合わせてそれをアレンジしていく柔軟性も同じくらい重要なのだろう。


麻雀は一牌の後先で結果が変わるゲームであることは疑いようがない。

ならば、その一牌を自身の仕掛けで相手に渡してしまってもいいのか、これについては当時から驚くほど議論されていなかった

終盤だからこそ、仕掛けが安易・安直ではないかをもっと熟慮されるべきではないか、と。

海底をずらすことでツモが増える他家がいるならそれもまた紛れの要素なのである。

それを突き詰めて考えていったのが、上記の結論であった。

まあ私の場合は、安易に仕掛けずに損をするといったケースも数限りなく経験しているわけで、このへんのバランスがとても重要ということだろう。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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東2局、22900点持ち3着目の南家。

北家と親の2件リーチが入っている。

最終盤で上家から1pが出て、これを鳴けばテンパイに取れる。

切り出す7mはスジだが、さてどうしよう?





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スルーした。

スジとはいえ、7mはちょっと嫌なところなので自重した。

すると、持ってきたのは再度テンパイとなる7p。

さて、どうしよう?





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7mを勝負した。

アガリ目は薄いとはいえ、スルーした結果、出アガリの効くテンパイが入った。

チーして勝負するより遙かにマシな状況が現出、勝負の呼吸として押した。

チーしないことでリーチ者のツモも増えていない。


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下家のチーにより、流れて来たのはこの8p。

さて、どうしよう?





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2pを勝負した。

ここは下家の仕掛けによる紛れなので真剣にオリも検討するところ。

対面のリーチ前の6p手出しより、形が決まっていたら6pはあまり引っ張らないだろうから、25pの安全度はやや高い。

親の現物であればギリギリ行けると判断した。


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結果、海底で北家が掴んで、親の5800となった。

私が持ってきた8pはまんまと当たりで、スライドは大正解だったが…。

実は2pは対面の入り目で、正に紙一重だった。


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仮に1pをチーしていると、やはり下家が7mをチーして、親の海底ツモアガリとなる。

7mは特に親に対して危険度が高く、1pチーはバランスが悪い。

特筆すべきは最後の山2枚で、4sと8pはいずれもリーチ者の待ちとなっている。

リーチ者のツモを増やす行為が直ちにリーチ者のアガリに直結していたことがわかる。


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しかし、本局、最も得をしたのは誰だろうか?

飛び寸なのに横移動を演出し、一人ノーテンを防いだ西家であることは火を見るよりも明らかだ。

逆に私は2牌も勝負をしたのに罰符すらもらえず、無駄にエネルギーを浪費したことになる。

西家からしてみたら、やぶれかぶれ仕掛けグッジョブ!であり、このへんの小技は天鳳という土壌でより生きやすい

驚くべきことに、この後西家は息を吹き返し、消耗した私は転落の一途を辿りラスとなってしまった。

これが巷に言うエネルギー保存の法則である。



case2
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南3局、37400点持ちトップ目の親番。

割と打点の見える手をもらっていたところ、上家から1枚目の東が出た。

さて、これを鳴く?





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スルーした(鳴き無し)。

トップ目の親番につき、焦ってアガリにいく必要はない。

それからこの形は三色もあり、切る牌に若干迷う。

自ら選択を生む鳴き、するべからず、だ。


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局面は進んで、11800点持ちのラス目からリーチが入っている。

ここで、上家から7枚目の25sが切られる。

余る3sは現物で、下家の海底もずらすことができる。

さて、これを鳴く?





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スルーした。

こういった場面で安易に鳴いて失敗した経験はないだろうか?

自身は特にテンパイが必要な局面というわけではない。

目先の損得に惑わされずに、自ら紛れを起こさないことを優先して考えていく必要がある。


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さらに次巡、今度はカン7sが出た。

さて、どうしよう?





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スルーした。

今度は1mが切れなくなっているので、これは必然。

そして残りツモ1枚となったところで、最後の7sを自力で持ってきた。

さて、どうしよう?





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これを勝負した。

ラス目リーチに対してのこの押しは常識では考えられないだろう

リスクを承知の上、牌勢に従った結果、押す判断となった。

この1mを思い出したように上家がポン、おそらく海底飛ばしだ。


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そして注目の海底牌は…7m。

これは下家に通っていないが、さてどうしよう?





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ここでヤメた。

さすがに海底ではリスクは負えない。

無理にテンパイを取る必要はない。


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結果、下家と対面の二人テンパイで流局となった。

注目すべきは対面の待ちだ。

私が掴んだ7mがまんまと当たり牌となっている。

と、いうことは1mを切らなければ下家が7mで放銃していたことになる。

打点は2600に過ぎないが、気分が違うのでこういうのは意外と侮れない。


それから、私が中途半端にチーをしていたらどうなっていたかに思いを巡らせてほしい。

対面はリーチに対してマンズで回った可能性大だが、海底牌の7mを対面に回してしまうことになる。

ツモが増えたということでリーチ一発ツモ海底ドラ1も現実的だったことがわかるだろう。

2sから仕掛けても87mが有効牌なら同様だ。

ここに対面のツモを増やす仕掛けの副作用が見えてくる。

安易な仕掛けが生む弊害はこういうところにある。


ここでの1m押しはリスクを取り過ぎではないかと考える人も多いだろう。

しかし、選択しづらいからこそそこにわずかなエッジ(優位性)が生まれる。

誰もが同じ選択では差が生まれない。

常識の向こう側にある感覚を体系化するために、麻雀打ちは日々鍛錬しているわけで、私が記事にしている「スルースキル」もその一環である。

この半荘は無事、トップで終了した。



case3
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東3局、16000点持ちラス目の西家。

3着目の下家とはわずか1000点差となっている。

親と北家の二人に仕掛けが入っているところ、上家からチーできる8sが出てきた。

58sは都合7枚目だが…さて、どうしよう?





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スルーした。

ドラまたぎの7pは親に対して非常に切りづらい。

ツモによってはチートイツでそれを使い切ることができるからだ。

すると、次のツモがテンパイとなる赤5p。

さて、どうしよう?





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7pを勝負した。

ここで打ったら打点が伴いそうだが、メンゼンテンパイなら腹を括れる。

これが何とか通過。


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結果は3人テンパイで流局。

親の待ちはピンズで相当に危なかったことは確かだ。

こういう判断の難しい局面でも、自分なりの指針を持っていれば押し引きに迷うことが少なくなる。

仕掛けをギリギリまで我慢することで、待ちが透けにくくなり山越しを拾いやすくなるというメリットもある。


私はメンゼンテンパイの型を強いものとみなしている。

思考をシンプルにして、できるだけ迷いを排除していくことが重要だ。



ラベル:天鳳 不鳴 形聴
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(2) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする