2015年05月03日

スルースキル 頭のない手は鳴かない その2

前回に引き続き、スルーの実戦例を紹介していく。


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東1局の親番。前局2900をあがった1本場。

好形から東を放すと、これにラグがかかるも、ポンの声はかからず。
ご覧のように対面に東がトイツで、鳴いてもおかしくはない形だった。


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このスルーによって、対面がドラの9sをツモ。

東ポンなら、俺にとって最高のツモとなる牌だ。


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ほどなく、対面は1sを重ね、ポン良しリーチ良しの超十分形になる。

東ポンの場合はここで俺に58m待ちのリーチが入っている。


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先に三面張が埋まって対面が先制リーチ。

こちらの手はまだリャンシャンテンのまま動いていない。


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上家に仕掛けが入って、東を掴まされる。

ラグありを見ているのでこの東は切れない。これにて俺の手は死んだ。


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結局、対面が1sツモ。
裏ドラが7mで2000・4000となった。

この結果をどう見るか?


これは結局、対面の東スルーが雰囲気のいいスルーだったということだ。

雀頭のない手から東を一鳴きしたところで、ソーズが頭にならない限りは不安定感がぬぐえず、
あがりに近づいているかといったらそれほどでもない。
それならば、ラグをかけてもスルーした方がメンゼンのメリットが生きやすい。


対面が東をラグの流れのまま一鳴きしていたら、
画像の通りに俺に先制リーチが入っており、
動きがなければ対面が河に置いた5mで6000オールのツモとなっていた。


スルーの選択たったひとつでこれだけの得失点差が生まれるのである。
麻雀を結果論で語ることは軽々にはしたくないが、
雰囲気のいい着手からは、いい雰囲気の結果が生まれやすい。


ひとつ、確実に言えることは、
鳴くかどうか判断が微妙な形から仕掛けた場合、
それが自分にとって悪い結果に結びついたなら、
それは良くない仕掛けであった可能性が高い
ということである。

なぜなら、鳴きによるメリットよりもデメリットが優った結果であると考えられるからだ。
これは前々回の「鳴きのデメリット」でも触れたとおりだ。


逆に、仕掛けが微妙な場合にスルーしてメンゼンを維持した場合、
たとえその結果が自分にとって悪いものになろうとも、
自分の仕掛けが相手を有利にしたわけではないので、これは状態フラットだ。
ミスということにはならない。


つまり、鳴いて悪い結果になったらその鳴き自体がどうだったのかを常に検証する必要がある

これは俺の提唱する新セオリーだ。



麻雀は上級者になればなるほどメンゼンのゲームになっていく。
これはメンゼンに逃げるという意味ではなく、
ひとつ仕掛けることがどれくらい恐ろしく、あるいは損であるかということを感覚的に理解しているからだ。
これはデジタルを乗り越えた次のステップとして必ず見えてくる領域だ。



この半荘の結果からいうと、対面がトップで俺は浮上できずにラスだった。
言うまでもなく、この局の結果が両者の明暗を分けた。
何気ない、たったひとつのスルーが、半荘の結果を左右する。
これが麻雀というゲームなのである。


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別の半荘。南1局西家の自分。
22900点持ちの2着目だが、下3者が大接戦だ。

上家から中が出たが、さてどうしよう?





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頭がないのでスルーした。
好形が多く、メンゼンでも十分に勝負になる手だ。

スルーした結果、感触のいい4pツモ。


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手が進まずに上家からリーチが入り、一発目に9pツモ。

ここではとりあえず現物の7sを切った。


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想定外の6sをツモってテンパイしたが、
さてどうしよう?





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ここは中のトイツ落としで回った。

25sは5枚切れとはいえ、感覚的には悪くない。
リーチでも勝負になる待ちだとは思ったが、ラス目のリーチに対して勝負するには打点的にも若干足りないか。

そう考えたところに見えたのが現物の中だ。
これがひとつの道しるべとなった。

中ツモによる出あがりの効くテンパイなら間違いなく9pを勝負している。


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結局2人テンパイで流局。

上家は69p待ちで打点も十分だった。
中のスルーが結果的には道筋となって自分自身を救ってくれた。
スルーの判断が守備に生きた例である。


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別の半荘。
東4局、27000点持ち微差のトップ目南家。

上家から中が出たが、さてどうしよう?


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鳴き無しでスルーすると、暗刻になった。

「入ってたよ」と言われずにすんだ。


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急所の3sをチーしてテンパイ。
ここが捌ければあがりの感触は十分だ。


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ところが、対面からリーチが入って一発目のツモは5p。

さて、どうしよう?





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現物待ちなのでズバッと押したいところだが、最終手出しの赤5sがキズになっている。
この場合、マンズかピンズの好形である可能性がかなり高く、5pは押せない。

フリテンのシャンポン待ちでは勝ち目はないが、
一応あがりの可能性は残す。


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さらに無スジの7mを掴み、これで撤退が確定。

中の暗刻落としに踏み切る。


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親の追っかけリーチに対面が一発で掴み、7700の放銃。

対面の待ちは一発で掴んだ58pだった。


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裏ドラは対面が暗刻にしている5mだった。

仮に中が暗刻ではなくポンしていると想定すると、
安牌が続かないため、一発目に切る牌は5pだ。
そうなると奈落の底までつき落とされていたことになる。

これもスルーの判断が守備に生きた例だ。


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別の半荘。
東4局、ダントツトップ目で迎えた西家の自分。

1巡目に白が出たが、どうしよう?


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これは鳴き無しでスルーした。

頭がない手だし、トップ目だからこそ余裕を持って構えたい。


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ほどなくして、下家から2枚目の白が出たが、
どうしよう?





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これはさすがに鳴く。

メンゼンにこだわる点棒状況ではないし、
この白をスルーすると、スピードはともかくあがり率が下がる。

2着目の上家からしても、局が進んだ方がお互いに得なので、
利害関係が一致している。


このように、頭の鳴い手であっても局を進めることに価値が高い状況では、
柔軟に仕掛けることも必要となってくる。

例えば、このケースのように2枚目が出た場合や、オーラスのあがりトップのような場合が挙げられる。


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2着目のリーチを受けて、テンパイまでこぎつけたが、この9pで放銃。

裏は乗らずの2600で済んでホッと胸をなでおろす。


こういう二鳴きのようなそれなりに必然性のある鳴きであっても、
2着目のリーチに放銃というある意味最悪の結果を招いていることから、
2枚目であってもどうだったのかなというその是非を考えざるをえないし、
やはり仕掛けで結果を出すのは難しいと思わされる次第だ。


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最後に失敗例を。
南2局1本場、26700点持ち2着目西家の自分。
6000点持ちのダンラス目がいる。

下家から中が出て、これを鳴き無しでスルー。

頭がない手ではないが、マンズの急所が厳しく、鳴いても簡単にはあがれないと思っている。
例えばカン8mや4mからなら鳴いてもいいと思っている。


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鳴き無しを解除した直後に、対面から中が出た。

さて、どうしよう?





tenhou.4863.jpg

これを少し迷った末に、ポン。

鳴きの是非はともかくとして、
ここで俺はスルースキルにおける2つのタブーを犯してしまっている。

まず、迷った末に鳴いたこと、そして同巡二鳴きを見せたことだ。


この中盤で、同巡二鳴き自体が形が整っていないことを示すものであるのに、
それを迷った末に鳴いた、こういう仕掛けは完全になめられる


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案の定、ラス目からアンカン含みのリーチが入る。
急所のカン8mが残っている以上、勝ち目があるとは思っていない。


tenhou.4865.jpg

当たり牌を掴まされた挙句、ツモられる。
裏1で2000・4000。

このあがりは俺の鳴きが引き起こした結果であり、俺のせいだ。
一言でいうと、「みんな、ゴメン」って感じだ。

この後親番を迎えた上家が吹き上がり、なんとトップ目まで浮上する。


このように、雰囲気の悪い鳴きはその通りの結果を引き起こす。

同巡二鳴きは注意が必要であり、
迷ったら鳴かない、これはスルーの鉄則だ。



ネット麻雀ではラグが鳴きを誘発しやすい側面というのは確かにある。

そことの折り合いをどのようにつけていくか、
ラグに鳴かされるのではなく、意志を持って鳴いていくことが重要だ


幸いにもこの半荘は3着で終了した。



ラベル:天鳳 不鳴
posted by はぐりん@ at 17:36 | Comment(2) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スルーした方が良いってのは伝わるんだけどそこに付随する読みがちょっとハードル高いなぁって気が…
たいした読みが出来なくてもこのスキル使えます?(´・ω・`)
Posted by at 2015年05月03日 18:34
>>名無しさん
使えますよ(^o^)
どちらかというと積極的な仕掛けは読みに自信がないとできないですから、雰囲気スルーは読みがいまいちでも結果が出やすいと思います。

ただ、仕掛けのメリットを最大限理解してこそスルーが生きるという認識は必要ですね。
Posted by はぐりん@ at 2015年05月03日 23:20
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