なので、俺はベタオリを決め込むことにした。
儲け損なったとしても命を取られるわけではない。
先々週に仕込んだ金融株はほどほどのところで利確、
証券株は決算持ち越しで含み益を大幅に減らしてしまったが、明日決済する。
安心・安全なものというのはその信頼が揺らいだ時の反動も大きい。
11月の相場は世界市場にとって非常に大きな分岐点となるはずであり、注目していきたい。
さて、本題に移ろう。
形テンを上手に取るためのポイントとして、
切れない牌を孤立させる落とし方をしない、というのがある。
自分にあがりが見込めない状態での放銃は割に合わないため、
できるだけ安全に回し打ちをしたいわけだが、
そのためには、セットで落とせるゾーンを見極めることが重要となる。
危険牌が浮くターツ落としよりも、
安全度の高い1メンツ落としの方が、場合によっては有効であるということだ。
そして、危険度に大差がないならば、
トイツ落としで回るのが最も柔軟だ。
受け入れが広くなりやすく、
単騎待ちのような変化形に構えられるため、
より自在性のあるテンパイに組みやすいからだ。
それでは、実戦例を見ていこう。

開局の南家。
最終盤に9pをチーして、形式テンパイに取った。

次巡、あがれない5mをツモってしまった。
さて、何を切る?

完全安牌の1s切りと迷うところだが、7sのトイツ落とし。
ここでのポイントは、自分のツモ番がまだ残っているというところで、
7sのトイツ落としなら、
次巡、上家の親の仕掛けに対する危険牌を持ってきても安全に対処できる。
1sポンの対面の仕掛けが少し気になるが、
8sが4枚見えていることに気づけば、7s切りの方が有利な選択であるとわかる。
例えばこれが、自分のツモ巡が回ってこない状況であるなら、1s切りの方が良いだろう。

結局、親がカン4mをツモって、2000オールとなった。
この4mを打たない手組にできるのが、トイツ落としのメリットであり、
何気ない手順の中に、実は大きな差が生まれやすい。

別の半荘。
東1局2本場、原点の南家。
上家の親がダブ東を仕掛けていて、赤5s手出しが入った。
こちらもテンパイしたが、さてどうしよう?

1pを1枚はずした。
「赤5最終手出しに14・69超危険」より、ドラは当然切れない。
4s6sは親だけでなくて他家にも危険だ。
さらに数巡後、6mをツモってきたが、どうしよう?

さすがに36mは親に対してド本命すぎる。
安全に1pのトイツ落としで回った。

流局間際にここしかない5sが出て、飛びつく。
ツモ番を回避しながら安全にテンパイが取れる、最高の展開。

結局、2人テンパイ。
親は36m待ちでドヤ流局となったわけだが、
このように、安全な部分をはずしていく意識が、柔軟な形テン取りに結びつきやすい。

別の半荘。
オーラス、19700点持ち3着目の西家。
点棒状況は自分から順に、19700、38500、22300、19500と、下3者が強烈な微差となっている。
中盤にテンパイが入るも、リーチ棒でラス転落してしまうため、3p切りダマに構えた。
リーチ棒を出してしまうと、対面の親がよりベタオリしやすい状況になるため、
愚形リーチで長引かせることだけは避けたい。

下家の仕掛けに非常に切りづらい6mをツモってきた。
1pが2枚切れで、あがりの見込みは厳しいが、1m切りで耐えるよりほかない。

対面から、2枚目の6mが出たが、どうしよう?

これは決断のポン。
あがりまではかなり厳しいが、
安全な1pを落として形テンに組みやすい体勢を取る。
自分の手はマンズが変化しても、1m切りもあっていまいちあがりが見込みづらいし、
まごまごしているうちに下家に対して6mが放銃牌になる可能性もある。
鳴かせる分にはOKだが、放銃だけは避けなければならず、
36mはすでに急所と言っても過言ではない。

安全な単騎をコロコロ変えて、安定感がある。
このまま流局まで、いっちゃって〜。

結局、親の一人ノーテンで流局。
柔軟な形テン取りが奏功し、2着まで浮上することができた。

別の半荘。
南2局、俺の上家の手牌。
ラス目の親番で、3着目の対面からリーチが入っている。
対面から6sが出たが、さてどうしよう?

6sがトイツ落としできるため、一見スルーしたくなる6sだが、
上家はこれをポン。
4m3mと安全に落としていけるため、
ここでの6sポンは対面の海底を消せるメリットがある。

なんと、食い取った海底牌は、対面のハネマンツモのあがり牌だった!
これをきっかけに、彼はトップ争いまで浮上することとなる。
落とせるゾーンを的確に把握した、
このような機敏な仕掛けはぜひとも見習いたいものだ。
5枚目の画像について質問させて下さい。
個人的には14s否定、間4s否定、47sほぼ否定、4sシャンポンほぼ否定 & ひょっこり6sツモ5200は美味しい という事で打4sと迷ってしまいます。
はぐりんさんは画像の場況で対面と下家に対する4sの危険度を結構高めに見積もっていますか?もしくは556sから打点充分で赤5sを切るケースや445sからトイトイ受けするケースも加味しての選択でしょうか?
確かに4sは親の上家に対しては安全ですね。
下家や対面の捨て牌からはテンパイ臭はそれほどないため、ドラ単騎の選択は十分にありますね。最も期待値の高い選択になりそうです。
この局の僕の方針としては、受け主眼という意識があって、4sや4mを先に切っているので、親に対して回しているうちにこういうテンパイなったんですね。
自分で1枚切っているドラまたぎの4sというのはこの巡目なら下家や対面にかなり切りにくいと意識していたと思います。
4sを切らないのは、受けの手順によって自分の中で少しちぐはぐな手組になってしまったという意識があって、こういう時は一貫性を持って受けを重視します。
これは画像では伝わらない部分ですよね。
不自由なターツを残したことで結果的には上手くテンパイに取れるんですから、面白いですよね。
いつもありがとうございます。
1pの方が確実に全員に安全 & 一時的に6s単騎にとったとしてももどのみち次の無筋で降りる事になりそうなので、比較は難しそうですね。
もともと守備的に進行していたのであれば途中から1p暗刻落としは想定に入っていたでしょうし、打1pはとても安定感があると思います。
非常に参考になりました。どうもありがとうございます!
また同卓した際はよろしくお願いします m(_ _)m
いえいえ、バビンスキーさんのような強者の意見はとても参考になりますので、
どしどしご意見くださいね♪
そうですね。
赤はギリギリまで引っ張られてリーチ宣言牌で出てくることも多いですけど、使い切れるなら基本出てこないわけですから、同色の安全度は上がりますよね。
結局、捨て牌の赤は「キズ」になりやすいため、できることなら使い切りたいですよね。
親に対して258pは安全ではないため、5pチーして5pを引っ張る方が危険度が高いのではないでしょうか?
自分はドラの8pを切っているため、明らかに不自然な仕掛けで、その分形テンと読まれやすくなる可能性もあります。
また、実戦ではそこまで考えられていたかは不明ですが、チーすることで親に海底が回るため、下家の打牌と親の海底ツモで親のテンパイになる可能性が高まるため、チーのデメリットは大きいように思います。
5pをチーしなかった場合は残りツモ2回で、他家3人に対しての共通安全牌を1回はツモる必要がある。
5pをチーした場合は親の次のツモで手出しが入らなければ、最終ツモに関わらずほぼ安全にテンパイ。手出しが入った場合は5pはちょっと厳しそうなので最終ツモに委ねることになります。
ということで総合的には微妙に思えてきました。5pが全員に安全そうならかなり使える戦術と言えそうです。
5pが安全な場合は一考の余地ありですね。
判断が微妙なケースはスルーが賢明と解していますが、先入観に捉われることなく、一つ一つ考えていきたいですね。
仕掛けがたくさん入っていると海底がどこかわかりにくいですよね。
ASAPINさんクラスじゃないと解けない問題はたくさんありそうです。