2018年03月18日

スジのどちらを切るか【安全度の比較】

さて、前々回に引き続き今回もスジのどちらを切るか、について。

今回のテーマは、安全度の比較、だ。

具体的に相手リーチや仕掛けなど、明確な攻撃がある際に、スジのどちらを切るかの選択を迫られるケースは実戦でも非常に多い。

どちらを切るかによって結果が180度変わることも少なくなく、
そこそこ成績に差が付きやすい部分ではないかと私は考えている


なぜかというと、牌効率などは平面的な視野があればわりと間違えにくいのに対し、
スジの安全度の比較は、場況を的確に捉える立体的な視野が必要となってくるからだ。



この分野を完璧にこなせるようになれば、相当の実力が備わっていると考えてよく、
特に天鳳の高段者に必須のスキルであると考えられる。


安全度を考慮する際に重視するポイントとしては、

・序盤の捨て牌のソバは待ちになりにくい
・先切り牌の1ケン隣はポンされにくく、待ちになりにくい
・4枚見えの1ケン隣は比較的安全度が高い(カンチャン待ちなどがないため)
・リーチ宣言牌が3〜7の場合、その1ケン隣はシャンポンに当たりにくい


という傾向がある。
これらは実戦例から見ていく方がわかりやすいだろう。


今回は重要なテーマということも踏まえ、実戦例を多めに掲載した。

結果に与える影響が小さいものから大きいものまで様々なケースを用意したので、楽しんで解いていただきたい。



case1
30032.jpg

南3局、上家下家とかなり僅差の3着目。

非常に繊細な終盤、テンパイしているところに7pを持ってきて選択となった。

さて、何を切る?





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4p切りとした。

ここで考えるポイントは、危険度のみならず、ラス目の下家にできるだけ鳴かれにくい方を切るという点だ。


全体に47pの危険度は高いが、3pが4枚見えにつき、14pやカン4pという受けがない。

4p1枚見え、7p2枚見えにつき、4pがポンされる可能性の方が高いものの、
下家にカン7pやペン7pで仕掛けられることを考えると、4pの方が鳴かれにくいだろう。


30034.jpg

実際はこうなっていた。

上家と対面には見事に47pの受けがあった上、下家には4pのポン材があった。

このように思惑と実際が一致しないケースも多々あるが、
こういう微差を全力で考えていくのが「スジ切る」の基本となる。

微差を笑う者は微差に泣く、だ。

この局は私の一人テンパイで流局、最終的には2着だった。



case2
30427.jpg

東3局、微差ながらトップ目の西家。

前巡テンパイを入れたところ、25mの選択となった。さて何を切る?





30428.jpg

2m切りとした。

通常終盤は生牌をケアすべきところだが、
上家の手出しを見ているので、58mをケアすべきと判断した。

下家や対面に対し、2mのリスクがもう少し高ければ5mを切るが、
親の手出し4m→8mなどからもそこまでではないと考えた。


30429.jpg

実際はこう。

上家には確かに58mの受けがあった。が、同時に2mのポン材もあった。

上家の河が脂っこくないので、この場面ではそこまでケアが必要な場面でもないだろう。
これはどちらでもいいレベルかもしれない。

ただし、手出し一つで切る牌は変わってくるという点は留意しておきたい。

本局は3人テンパイで流局。



case3
31629.jpg

オーラスアガリトップのトップ目南家。

親リーチ一発目だが、ここは絶対に引かないところ。

さて、どちらを切る?





31630.jpg

これは4mの方が安全度は高そう。

結局14mの受けがどのくらいあるかということにかかってくるが、
先に2mが切られているため、切り順的に14mはさほどなさそう。

9mが切られているのでペン7mにも同様のことが言えるが、
6m3枚見えということに着目すると、577mからのシャンポン待ちはそこそこありそうに見える。

逆にこのケースで4mシャンポンはほぼないだろう。
宣言牌や最終手出しの1ケン隣の方がシャンポンには当たりにくい。

この考え方はスジの安全度を考える上でかなり重要なポイントだ。


31631.jpg

実際はこう。

くっつきテンパイで5mは単なる浮き牌だった。


31632.jpg

結局ツモられ2000オールで終了。

下家は3着目からの直撃狙いでじっとダマにしていたが、
リーチなら親から高目裏1でラス回避、その場合は私がトップだった。



case4
32772.jpg

東3局1本場の親番。

上家リーチを受けて、選択の場面。さて、どうしよう?





32773.jpg

9mを切ると、ロンで裏は乗らずの2000。

安全度は3mの方が若干高そうに見えるが、
9mはタンヤオが絡まないので失点が低くなると思い9mを選んだ。

3mで当たる場合は複合形のイーペーコーなどが絡んで高くなりやすい。

これは難しかったが、9mが2枚見えということも踏まえると3m切りの方が良かったかもしれない。
789の三色を消さないという意味でも。


32774.jpg

3m切りだと、2巡後に9sツモで789の三色へ手変わりとなっていたが、
さらに2巡後に今度は高めの6mで放銃となっていた。

放銃回避がいい結果をもたらすとは限らないのが面白いところだ。



case5
33162.jpg

西3局、非常に緊迫した場面、2着目の西家。

たった今トップ目の親が8mをカンチャンでチーして、打7mとしたところ。

現状私はピンフのみのテンパイ。

リーチ棒を出すと満貫が打てなくなるのでダマにしている。
ツモればラストだ。


33163.jpg

直後に持ってきたのは1m。

親の役は一体何だろう?そして、何を切る?


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親満放銃でラス終了につき、オリるか迷ったが、ここは歯を食いしばって4mの方を勝負した。

字牌が大体見えているのであるとすればチンイツだ。

1mはシャンポンがあるので非常に打ちづらいと感じた。

ここは時間いっぱい使った。


33165.jpg

実際の画像はこちら。

あなたはどう思っただろうか?私は面食らった。なんと、形テンだった。

打ち手の思考は千差万別で、こういう思いもよらないパンチが飛んでくることがある。


33166.jpg

そして、対面が上家に7700を放銃するという(笑)

あと数巡凌げれば、っていうのは強者同士だとなかなか通用しない。

私の4m勝負は無駄にはならず、この半荘はトップを取れた。



case6
35060.jpg

南1局、上位三者が僅差。

ラス目の下家からカン入りのリーチ。

同巡、こちらにもテンパイが入ったが、さてどうしよう?





35061.jpg

5pの方を切って追っかけに踏み切った。

これはかなり迷ったが、ピンズの下の方が見えていないので、カン2pとか2pのシャンポン待ちがあると思った。

全体的に河が変則的なので、私のシャンポンはそれほど悪くなく、
生牌の危険度が相対的に上がっている場況に見える。

そういう点からも、3枚見えの5pの方を優先させた。

仮に6pが2枚しか見えていなかったら58p警戒で2pの方を選んだだろう。


35062.jpg

なんとこれが選択ズバリで、下家はカン2p待ちだった。


35063.jpg

しかーし、ラス2pをツモられるんだな。裏裏で3000・6000。

こういう時は大体勝つもんだがなあ。南は2枚とも山だった。

ちなみに、下家の入り目は8s。超好形が先に埋まって愚形が残るパターンだった。

これで横並びとなったが、幸いにも3着で終了した。



case7
41020.jpg

東2局の西家。

テンパイが入ったが、さてどちらを切るか?





41021.jpg

3m切りリーチとした。

69mは8mのワンチャンスだが、
直近の河に12mがたくさん見えているので、3mが愚形に当たりづらいように見える。

6mは例えば赤絡みカン6mみたいな待ちがあるかもしれない。


41022.jpg

6mは上家の3900にジャストミートだった。

この結果、どうなったかというと…


41023.jpg

なんと、オリに回った上家が河底で下家に12000の放銃。

私が放銃を回避した結果、まさかこんなことになろうとは。

つくづく麻雀の展開というのは予測不能だなと思う。



case8
44865.jpg

南2局、3着目の西家。

ラス目の親から早いリーチが入っている。

前巡8pを勝負し、ピンフドラドラのテンパイが入った。さて、どちらを切るか?





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ドラ絡みを警戒して6pの方を切ると、これがロン。裏1の3900。

8pワンチャンスの69pよりもペン3pを警戒した結果、裏目に出た。

赤5pがある分、通常よりカン6pの危険度は上がると考えていいだろう。

とはいえ、ペン3pの方が迷いなくリーチに行きやすいはずなので、ここの判断はかなり微妙で難しい。

もう少しピンズの下が見えていたら3p切りも考えるところ。

この判断ミスが響き、この半荘はラスだった。



case9
49600.jpg

オーラス3本場、ラス目の南家。

3着目まで7700点差というところ、終盤にフリテン引き戻し待望の4m引きで絶好のテンパイを入れる。

さて、どうしよう?





49601.jpg

5m切りとした。

親はマンズの下に情報がなく、2mシャンポンは十分にあると考えた。

8mが先に切ってあるのでカン5mの可能性は低いだろう。


49602.jpg

なんと2mは親に当たりだった。

2mの方を選んでいたら、飛びラス終了となっていた。


49603.jpg

その後どうなったかというと、次巡生牌の南でツモ切りリーチ。

これは南で動きを入れてほしくなかったというのと、
大トップ目の下家zeRoさんに親の現物8pを期待したというのがある。


49604.jpg

その結果、2pを掘り当て、3000・6000。一気の2着捲りに成功した。

結果的には上手くいったが、ダマでも親の現物は出やすく、
親をテンパイのままにした方が次局の期待もあるため、ラス回避的にはダマ継続の方が良かったように思う。

ともかく、スジのどちらを切るかでこれほどの差が出ることもあるという例。

自身の手牌はほぼ変わらないのに、結果に大きく影響を与えるわけだから、いかに一つの選択が重要かというのがわかる。



case10
57690.jpg

南3局、ラス目の親番。

47sで選択の場面。さて、何を切る?





57691.jpg

うっかり7sを切ると、対面の3900に刺さってしまう。

対面の9pトイツ落としを見て速度的にまだ大丈夫かなと思ったが、
3s4枚見えだけにここは丁寧に4sを切るべきだった。

カン4sがないだけで危険度は大分違う。
4枚見えの隣の牌は安全度が高いと言えるだろう。

こういう場面で間違えないかどうかが長期的な成績に寄与してくる。



case11
52170.jpg

東4局、トップ目の親番。

イーシャンテンから中を切ると、上家がポンして打3m。


52171.jpg

下家に切りづらい58mを重ねて、9sのトイツ落としへ。


52173.jpg

テンパイしたが、さてどうしよう?





52174.jpg

迷わずに2m切りダマとすると、これが上家にロン。なんと7700もある。

8m切ってるとやはり下家に当たりだったが、え?テンパネの1300だって?

見え見えの待ちにはどうしても打ちづらいものだが、
ヤオチュー牌加カンならなおさらだ。


52175.jpg

考慮の余地があったとすれば、二点。

一点目は、下家の3s切りが遅く、上家の3s切りが早い点。


3sが遅いということは、元々ドラトイツである可能性が低いという点。
ドラがトイツなら3sはもっと早く切っていると考えられるからだ。


52176.jpg

二点目は、上家が3フーロ目にバックの中ポンであるという点だ。

手牌7枚でバックに備える場合、ポンテンに備えて牌効率的に3トイツを残すケースも多い。

つまり、中ポンで出てきた3mのまたぎは必然的に待ちになりやすい。

この2点を踏まえれば、8mを切ることも可能だったかもしれない。



case12
57686.jpg

南3局、トップ目の西家。

2着目の親からリーチが入っているが、こちらもピンフテンパイ。

さて、どちらを切るか?





57687.jpg

14mをケアして7mを切ると、これが当たりで3900。

ペン7mのリスクは十分に考慮しながらも、前巡手出しの2mがどうしても気になってしまった。

2mが手出しでなければ4mを切った可能性が高い。


57688.jpg

対面の2m手出しはここから。

紛らわしい感じで残っていたが、場に2mが2枚切れにつき、先切りは十分に考えられた。


57689.jpg

この問題に正解すれば、次巡ご褒美の9pツモが待っていた。

結局この半荘は2着に転落してしまった。


このように、スジのどちらを切るかは意外と結果に影響を与えることがわかる。

全問正解するのは不可能なので、自分なりにベストな答えを探していくのがいいだろう。



ラベル:天鳳 スジ
posted by はぐりん@ at 23:57 | Comment(6) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こうして見るとcase6とcase8が似たような感じな気がしますね。
case6の打5pは46p67pの2つのパターンがあり、6pが残り1枚で46pと67pは2通り。打2pは13p22pの2つのパターンで1pと3pが残り3枚、2pが残り2枚。13pで9通り。22pで1通りの合計10通り。

放銃するパターンが多いのは打2p。

case8は打3pだと12p24p33pの3つ。1pは残り2枚、2pは4枚。4pは3枚。12pは8通り。24pは12通り。33pは2通り。合計22通り。
打6pだと57p78p66pの3つ。5pと7pは残り3枚づつ。8pは1枚。
57pは9通り。78pは3通り。66pは1通りの合計13通り。

放銃するパターンが多いのは打3p。

こうして見るとcase8は放銃するパターンが多いのは打3pなので放銃するパターンを重視したのであれば、打6pとしてもいいのかなと思いました。

ただ両面に刺さったらピンフが付く。12pと24pの扱い次第では打3pもありえそうなので、case8は打3pと打6pどちらも微妙な感じがします。


Posted by 国家最終戦力 at 2018年03月20日 00:13
こういうのって地味に実力差付きそうですが、
ムズイ選択の場合は、あまり気にしない方がいいと思ってます。

5p切り追っかけは凄いですね。
確かに、ピンズの下は匂いますが、私には真似できません。

これも比較がムズイですね、赤があるのと自分でドラ2枚使ってるのと69pが通ってない所を見ると3p切りたくなりますね。

これも面倒くさい問題だなぁ。咄嗟に2m切りそうでなりません。
8m切る所で、カン5mに受けない人が多いと考えると5m切りの方がいいんでしょうね。
2mがションパイでということも考えると、、、なかなか繊細ですね。
私は、そこまで神経が働きません。

ツモ切りか降りですね。

おそらく、8m切ってリーチですね。
本手なので、単純に自分の都合でいきますね。
私も8mの方が危険だと思いましたが、こういうケースもあるんですね。

4m切るか降りますね。
読みもムズイですし、2枚切れなので先切りもありそうですが、
相手から見たらあの段階では14mも弱いので出来る限り残す気がします。
にしても、結果論ですがダマにして4m切りリーチならパーフェクト手順ですね。
Posted by mj at 2018年03月20日 18:32
>>国家最終戦力さん
場に見えてない方が危険度が高くなりやすいということはあるでしょうね。
2スジにまたがる456を選ぶときは、少なくともワンチャンスぐらいからがその選択肢になるということは言えそうです。

待ち取りは外側に寄せられることが多いので、内側の方が安全というケースも結構多いんですよね。このへん奥が深いです。
Posted by はぐりん@ at 2018年03月21日 10:58
>>mjさん
本記事では結果に影響を与えるケースを多く取り上げましたが、どっちを切っても変わらないことの方が圧倒的に多いんですよね。

一生懸命考えて、選択したことがただの徒労に終わるっていうのが大半ですけど、常に考えておく癖をつけておくことで真に重要な場面で放銃回避に結びついたりするんですよね。

一者ならともかく、三者同時にケアするのはかなり難易度が高いですけど、こういう微差で結果を上手く出せた時は麻雀打ち冥利って感じで気分いいですね。
Posted by はぐりん@ at 2018年03月21日 11:09
こういうマニアックなのは麻雀オタク的でいいですねw。

愚形警戒の37牌vsワンチャンスの残る46牌の比較は答えを出すのは容易じゃないですよね。

ただしcase7,9,10あたりは間違えないようにしたいですよね。全員を完全にケアするのは難しいので、マーク者が誰なのかも非常に重要になりそうです。
Posted by S at 2018年03月25日 08:47
>>Sさん
麻雀打ってて悩む場面っていうのが題材になることが多いと思うんですけど、これだけ拾っているということはスジのどちらを切るかで悩む場面が多いという証でしょうね。

こうしてまとめてみると、ワンチャンス以外で2スジにまたがる選択をしていることはなかったので、ある程度パターン化できそうだなと。

難解なのはともかく、基本的なところを間違わないのが最も重要でしょうね。
Posted by はぐりん@ at 2018年03月25日 23:39
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