2019年11月03日

流し満貫狙い

さて、今回は流し満貫の特集だ。

流し満貫はローカルルールであり、大抵の競技麻雀においては採用されていない。

採用の有無、成立の条件、確定時のアガリ点数については、決めによってまちまちとなっているため、フリーで打つ際には優先的に確認していただきたい。


成立の条件については、流局が成立した段階というのが一般的だが、自身の最終ツモの打牌が完了した時点で成立とみなす、というルールも聞いたことがある。

アガリ点数も、一般的なのは満貫だが、倍満にしているという話も聞いたことがある(例えば三麻なら難易度が高いので上位役としてみなすということはあるだろう)。


例えば、国士の暗カンでアガれるか、というルールはその出現頻度自体が少ないため聞き逃しても損をすることは少ないが、流し満貫はそれに比して成立する頻度が多いため、有りか無しかで大きく戦略が変わってくるからだ。


我らが天鳳においても、流し満貫は採用されているが、その扱いは通常と若干異なっている。

その性質は以下のとおりだ。


@天鳳では流し満貫は流局扱い

天鳳では流し満貫はアガリ役とみなされていない。

流局時、流し満貫が成立した場合は、満貫ツモの収入は得られるものの、積み棒とリーチ棒の供託分の収入は得られず、さらに次局一本場が積み上がる。供託リーチ棒はそのまま供託される。

課金した際に、アガリ役とその回数、出現頻度のデータ(役統計)を得られるが、アガリ役一覧に「流し満貫」がないというのが、その裏付けとなっている。


A天鳳では流し満貫成立時の親権維持は、親のテンパイ時に限られる

流局扱いということは、親権維持に親の手牌が関連してくる。

誰が流し満貫を成立させようが、親の手がテンパイなら親番は続行し、親の手がノーテンなら親番は流れる。

例えば北家が流し満貫を成立させて、親が4000点を支払った場合でも、親の手牌の形が最終的にテンパイしていれば、親番は続行する。
この際、点棒が減っているのに親が続くという通常とは矛盾した現象が表れる。

さらに、親が流し満貫を成立させた場合も、手牌の形がノーテンであれば親は流れる。

流し満貫をやっている際に都合よく手の内もテンパイということはまずないため、親が流し満貫を成立させた場合、ほぼ親が流れることとなる。(しかも次局1本場となる)

4000オールを持ち逃げされたような感覚にもなるが、逆に言えば大連荘の可能性がなくなるため、大逆転を狙うことが不可能となる。

オーラス4000オールでも3着浮上できないダンラス目の親の際は、流し満貫を成立させてもラスで終了という珍妙な現象が起こるため、注意が必要だ。


B天鳳では自身が鳴いても流し満貫は成立する

これについての決めはまちまちだと思うが、天鳳では自身が仕掛けても流し満貫は成立する。

自身が仕掛けることでツモが増えやすくなり、不利を被りやすくなる、というのがその理由だろう。

ただし、天鳳の場合は先にも触れたように手牌がノーテンなら流し満貫成立しても親が流れる。

この性質を踏まえると、流し満貫を成立させつつ、仕掛けて手牌をテンパイに持っていくというウルトラCを考慮する含みが増える。


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私が鳳凰卓で初めて流し満貫をアガった時の画像。

一発目をアガるまでにかなり苦労した。最近その分パタパタと出始めた。





流し満貫というのは、非常にコストパフォーマンスが良い役である。

なぜなら、自身の手牌に依存しないため、「効率」を考える必要性が格段に薄れるからだ。

さらには、河に並べる必要のあるヤオチュー牌は比較的安全度が高く、守備面でも優れているからだ。


全部の牌に占めるヤオチュー牌の割合は一体どれくらいかご存知だろうか?

52/136=38.2%(約2.6分の1)である。

残りツモ1回、あと1枚で成立するという状況であれば、4割近い確率でアガリが見込めるということになる。

安全をある程度確保しながら、終盤にこれくらいのアガリ率のある手牌が他に存在するだろうか?

手牌で作る役は、アガリ牌以外を切らなければならないため、放銃率が格段に上がるが、流し満貫にはその制約がないというのが非常に大きいだろう。


さらに、鳳凰卓は守備力が高いため、流局率も通常のフリーよりかなり高めになる。

こちらのリーチはきっちり受けられて当たり牌がなかなか出て来ない上、粘られて流局テンパイに持ち込まれるという頻度が増える。

攻め返しも鋭く、先制リーチが隙になって勝負手に放銃してしまうということも多い。

相手の守備力が高い場になればなるほど、自身のアガリ率は相対的に下がり、その分流局率が上がる。

1つの放銃がラスに結びつきやすく、さらには流局率が高いという土俵は、ラス回避の重要な天鳳において、流し満貫の有効性をより高めているということは間違いないだろう。


これを踏まえた上で、流し満貫狙いにおけるポイントを以下に挙げる。


@第一ツモでヤオチュー牌7枚あったら流し満貫も視野に入れる

私の手元の集計によると、流し満貫狙いの分岐点は第一ツモ時14枚における半分の7枚と出ている。

8枚ともなると成立までがわりと現実的で、9枚以上なら結構な頻度で最後までいく。

仮に1局を18巡として、配牌に9枚ヤオチュー牌があった場合、流し満貫の半分は既に約束されているわけである。

さらにツモが約18回あって、その内の半分4割弱を引く。これがそこまで難しくないことは確率に疎い者でもすぐにわかるはずだ。
(厳密には第一ツモをのぞいた17回ですが、わかりやすく)

ヤオチュー牌が配牌に何枚あったら、流局時に流し満貫が成立する可能性が何パーセントか。

専門家がこれを算出して、シミュレートすれば配牌における流し満貫の期待値が比較的たやすく出るはずだ。

なぜなら、本来自身のアガリ時に必要不可欠な他家の河、というのは流し満貫狙い時には一切考慮する必要がなく、他家から独立して自身の河のみでシミュレートすることが可能だからだ。


さすがに7枚の場合は終盤の守備力含めて、やや心もとない感じはあるが、8枚だとぐんと可能性は高まるはずなので、狙ってみる価値はあるだろう。


A配牌八種や九種の時の第一打を工夫する

流し満貫で重要なのは、第一打だ。

第一ツモ時にヤオチュー牌が8枚あれば流し満貫が十分に狙えると先に述べた。

配牌八種でその他バラバラの時、むやみにド真ん中から切って、チャンタや国士を狙ってはいまいか?

守備力的にも安定するので間違いではないが、もしかしたら流し満貫の大チャンスを棒に振っているかもしれない。

八種で国士を狙う期待値と、八種で流し満貫を狙う期待値は、感覚的には流し満貫狙いの方が高いように私は思う。

どうせ手牌バラバラでメンツ手が成就する可能性は低いのだから、ならば第一打から流し満貫の芽を摘まないように打つのはどうだろうか?

八種八牌からだと厳しいが、例えば八種九牌ならトイツから1枚落とす、なんてのも洒落た一打かもしれない(チートイツ好きの私にはちと辛いが)。

九種十種ならさすがに国士狙いの方が期待値が高そうだが、一瞬で4枚枯れるなんてこともあるので、流し満貫を保険にする、という打ち方はかなり実戦的のように思う。

九種の際は流す人も多そうだが、守備も兼ねて流し満貫狙い、というのは意外と新しい戦術かもしれない。


B流し満貫狙いで重要なのは「切り順」

今までに書いた中で最も重要なのがこの点だ。

中盤ぐらいで安全度を考慮するのは当然のことだが、メンツ手に未練を残してしまうと、トイツの危険牌を残したりなどして、最終盤でリーチに打ち上げたりする羽目になる。

なので、流し満貫に行くと決めたら、中途半端に危険牌は抱えず、序盤であっても老頭牌(1or9牌のこと)のトイツ落としを始める。

触れていなかったが、流し満貫は自身の捨て牌を他家にフーロされた瞬間に不成立となってしまう。これは皆さんご存知だろう。

だから、行けると判断した際に真っ先に切るのは老頭牌である。

終盤の老頭牌は流し満貫阻止のために鳴かれるし、中盤の老頭牌は場に薄くなってきた際に鳴かれてしまう。

字牌も鳴かれる可能性はもちろんあるが、その確率はシュンツで構成できる老頭牌の比ではない。

ましてやチーされた瞬間に終わってしまうのだから、相手の注意がまったくない一段目に処理するぐらいが最適なのだ。


流し満貫を狙うと決めたら、危険な老頭牌、仕掛けられやすい老頭牌はなるべく先に切ること。これはかなり成否に影響を与えるので覚えておくといいだろう。



流し満貫狙いにおける留意点を以下に示す。

@自身の配牌にヤオチュー牌が多い際の流局率は若干下がる

あるサイトによると、鳳凰卓の流局率は.162だそうだ。

私の鳳凰卓における流局率も.158だったため、近似している。

仮に自身の配牌が九種九牌(第一ツモ取らず)だったとして、相手の手には大体何枚のヤオチュー牌があるだろうか?

配牌13×4=52枚において均等にヤオチュー牌が分配されているとすると、52枚のうちヤオチュー牌は20枚弱。

つまり、4人全体のうちの約半数を自身が占めていることになる。他家に分配されるヤオチュー牌は一人当たり約3.6枚。

この中に数牌である老頭牌が含まれていることを勘案すれば、2人ぐらいはタンヤオの早そうな手が入っていることは想像に難くない。

自身の手が役に立たない牌ばかりであるならば、他家の手が役に立つ牌ばかりであるのは自明。国士狙いの際に早いリーチが飛んでくる印象が強いのはこのためだ。

つまり、自身の配牌にヤオチュー牌が多い際は、狙いが明確になりやすい分、他家にかわされる可能性も高まるという点を踏まえる必要がある。

この点において、配牌九種だった際は、流し満貫狙いよりも国士狙いの方が期待値が高いのではないか、ということだ。


A天鳳では親での流し満貫狙いは不利、とにかく子で狙え!

このように書くと語弊があるかもしれないが、流し満貫成立で親が流れる天鳳では難易度の割に見返りが低いという意味であり、親の優位性が減る分、相対的に子の優位性が上がるという意味だ。

例えば、親がいかにも速そうな河の際、子である自身の打点が見込めない場合は、早期に流し満貫狙いにシフトするという戦略がある。

自身に攻め返す見返りがあまりない時に、メンツ手を構成しても結局は割に合わないことが多いからだ。

流し満貫のメリットとして、危険牌を切らずに成立させられるという守備面での効果が大きく、局収支的にも流し満貫狙いの方が上という状況が意外に多いと推測できる。(流局テンパイ率まで含めると微妙)

親リーチがかかってからでは修正が効かないので、親リーチが入る前から流し満貫狙いの態勢を整えておくこと、これが重要だ。



最後に、他家が流し満貫を狙っている際に意識すること。

@相手のツモを増やすためにとにかく鳴く

終盤の時点では流し満貫狙いに気づくと同時に、大体一人ぐらいはリーチが入っていたりするもの。

出アガリできるテンパイの際は、自身のアガリでかわすことを優先させるべきだが、そうでない場合は脇同士で連携するのだ。

流し満貫狙い時は、大抵足りないかあってもピッタリということが多く、そんなに都合よくいかないのが通例。

狙い者のツモを増やすために、2人(もしくは3人)で協力して仕掛け合う。

一番ツモまで遠くても、3回チーすればツモは1回増える。

二人以上で出来メンツから鳴いていけば、これはそれほど難しいことではない。

場所にもよるが、狙い者のツモを増やす工夫をすることで、狙い者からチーできる可能性も高まる。

さらに、温存していた危険牌が出てきてリーチに放銃するということも普通に期待できる。

テンパイから大ミンカンをするのもありだ。

とにかく楽にはやらせない、という姿勢で臨みたい。



東東東南南南西北白白白發中ツモ東ドラ九萬

東1局、南家の配牌が上記だったとする。

ここから何を切るか?東をカンするか?





東をカンするという人は積極的でよろしい。

河を大人しくするために東を切るという人、私もその一人だが、こちらの方がマジョリティだろうか。


史上最強の配牌をもらった、是が非でもアガりたい。最低でも字一色にはしたい。

多くの人がそう思うだろう。

しかし、実際は西家の配牌が以下だった。


西西西北北北發發發中中中九萬ドラ九萬

あろうことか、あなたに1枚ずつ浮いている字牌は、全部西家の手に暗刻だったのだ!


こうなった場合、あなたはツモ牌を全部河に並べる以外にない。


しかし、ちょっと見方を変えてみるとどうだろう。

配牌の14枚は全部ヤオチュー牌なので、流し満貫の種はあと4枚ぐらい持ってくるだけでいい。

首尾よく流局まで持ち込めたら大抵の場合、8000点が増えている計算になる。



これは極端な例だが、流し満貫の大きな特徴として、

・相手の手に依存しない

・自身の手に依存しない

・自身のツモにあまり依存しない

というのがあり、

純粋に自身のヤオチュー牌の数、それからヤオチュー牌のツモ見込み、ほとんどこれだけで成算があるというのだから、いかにシンプルな役かということである。

麻雀のアガリの手続きとしては例外も甚だしいが、それゆえに利用できる価値を模索できる手役ということだ。

少しだけ発想を変えてみると、また面白い勝ち方を見つけられるかもしれない。



次週からは、いよいよ実戦例を紹介していきたい。



ラベル:天鳳 流満 戦術
posted by はぐりん@ at 23:53 | Comment(2) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どういう感じで狙うかは実戦例を見ると分かりやすそうですね!。楽しみにしています。
Posted by スターマイン at 2019年11月10日 17:14
>>スターマインさん
うっかり降段してしまったので、あと一週間お待ちください(笑)
Posted by はぐりん@ at 2019年11月10日 20:01
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