2020年11月29日

絞っているファン牌はいつ切ればいいのか?

今回は絞っているファン牌を切るタイミングについて。


仕掛けに対してファン牌を絞っていたら、脇からリーチが入ってさらに切れなくなってしまった。

こういうシチュエーションは思いのほか多いのではないだろうか。


「絞る」という行為は、特定の一者を不利にする行為であり、絞る者と絞られる者以外の二者が相対的に有利になる。

絞った方が得かどうかは状況によって大きく左右され、個別具体的に判断する必要がある。

例えば、明らかに高打点の仕掛けに絞るのは一理あるが、打点のわからない子方に絞って親にアガられるのは最悪だ。

打ち手の雀風や、仕掛けの影響なども含めて、高度な戦略が必要となるテーマでもある。

「絞り」についてはまたあらためて採り上げたいと思う。



中盤以降は相手の攻撃に備えて、危険牌を先処理しようと努めるだろう。

この過程において字牌は数牌よりも温存されやすい

かつ、仕掛けに対して「ついでに」絞るということが往々にして起こりやすい。

絞るつもりがなくても、孤立ファン牌が手元に残りやすいのはこういった理由がある。


なので、孤立ファン牌を切るタイミングは迷う頻度が多く、腕に差が出るポイントとなってくる。

適切に見切ることができれば、ファン牌を必要としている他家を殺しながら、自身の反撃の機会をうかがうことができるかもしれない。


反撃という言葉に何か思い当たる節はないだろうか?

ピンと来たあなたはもしかしたら私のブログの有段者かもしれない。

そう、このテーマは前回記事の「カウンター」と密接な関係があるのだ。


孤立ファン牌を切るタイミングを工夫することで、一見共倒れとなる絞りの不利な面を逆用することができる。

カウンターというのは「間合い」と「駆け引き」であることは前回記事で述べた。

まさにこれを意識して実践することによって、牌を絞りつつ反撃するという芸当が可能となるのだ。

真髄とは分野を越えて不変なるもの、気づきを得て応用することももしかしたら麻雀の一部なのかもしれない。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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南1局、26400点持ち3着目の西家。

下家が3900点と抜けたラス目となっている。

トップ目の南家がオタ風から仕掛けて2フーロ目を入れたところ。


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ここで持ってきたのは、2種目の生牌となる中。

上家の河には早くもドラがお目見えしている。

さて、何を切る?





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ファン牌を絞って、ペンチャン落としとした。

7sも悪くない受けだけに迷うところだが、考慮したのは点棒状況。

上家はピンズ模様につき、ここでテンパイを入れられてしまうと下家が即座に飛んでしまう可能性がある。

下が離れているだけに、粘り強く打って上を目指したい。


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そうこうしているうちに親リーチが入る。

上家の対応を観察していると、手出しで中が出てきた。

これはつまり?


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中がトイツ落としで出てきて、上家は確実に回っている。

これで南も切れるな、と考えていたところ、南まで出てきた。

このように、絞っているファン牌は、仕掛け者がリーチ対応を始めたら切り出すことができる。

「絞り」はこのような局面で最大限有効に働く。

ポンされた牌は手役として確定し元に戻ることはないが、手牌の中のトイツは切り出されればもう活用することは不可能、かつ手役も不確定となるからだ


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残していた4sにドラがくっつきテンパイ。

待ちの3sは親に通っている6sのスジだが、ドラそばだけにあまり期待できない。

ただ、万が一ラス目から出たら飛ばして2着浮上につき、ここはダマとした。

これは親が掴むまであるよ?


70729.jpg

さらに赤5pがインして8000に昇格。

と、思いきや最後の最後にこのツモ。

この1s、切りきれる?(親は赤文字ですが、回線落ちではありません)





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さすがにここだけはという感じでオリを選択した。

親の一人テンパイで流局。

会心の打ち回しだっただけに、テンパイ料を得られなかったのは痛恨の極み。


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この時点で、南中のどちらを切ってもポンテンが入っていた。

結果はわからないが、展開はがらりと変わっていたことは間違いない。

絞りの優位性や反撃のタイミングが手に取るようにわかる一局ではないだろうか。

結局この半荘は3着で終了した。



case2
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東2局、25000点持ち原点の西家。

沈んでいる親がオタ風の北を一鳴きで不穏なムード。

私の手に浮いているのはダブ東とドラの発。

これはめんどくさいことになった。


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何とか絞りながら手を進めてきたが、ここにきて南家からリーチが

こちらの手も悪くないが、東発南の生牌トリオに囲まれる。

さて、何を切る?





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私が選んだのは1mだった。

この1mはリーチに対して決して安全ではなく、メンツ手の受け入れを減らす着手でもある。

ただ、親の仕掛けで入った南家リーチの一発目に持ってきた危険牌、これは感覚的に切りづらい。

加えて親のオタ風ノータイムポン、これもただ事ではない。字牌が場にやたら高く、小四喜などもありえる。


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こちらの手も煮詰まって、前巡に南を勝負。

そしてこのツモ。

さて、何を切る?





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ここで東切りとした。

ポイントは親の手出しだ。

親はホンイツでもなく、リーチに対して明らかに回っている。

マンズ1枚ぐらいならわからないが、セットで落としている以上、さほど脅威はない。


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6pが暗刻になり、グッと手牌が引き締まった。

さて、何を切る?





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ここでドラ勝負とした。

親がドラトイツ以上だとしたら、この手出しはありえない。

南家に当たる可能性はあるが、親の脅威がないこのタイミングが一つの切り時だろう。


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望外の6pをツモって、追っかけに踏み切る。

安牌だからと赤5pを切っているとこのテンパイには辿りつけていない。


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一発で南家から仕留めると、これが裏裏でまさかの12000に。

親の動向を逆用し、絞っていた字牌を全放出、見事カウンターに斬って取った。


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親はドラを浮かせたホンイツ仕掛けだったが、打点が安いためオリ。

親がもう少し行く気を見せていれば、私の反撃は確実に鈍っていたはずで、このアガリを得られていたかどうかはわからない。

リーチに対する反応によってこちらの対応も大きく変わってくることがわかるだろう。

この6p4枚目を捉えていないと私のアガリはなく、上家のツモアガリが濃厚となっていた。



case3
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オーラス、11600点持ちラス目の北家。

3着目の親とは3800点差と捲り圏内。

トップ争いの南家からオタ風ポンが入る。


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何が何でも手をまとめなければならないが、対面のダブ南がポツンと浮いている。

ここから何を切るか?





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8p切りとした。

対面に残っているファン牌はダブ南と発のみ。

打点を考えるに、南は鳴かれる可能性大でいかにも速そうな河だ。

先に鳴かれてしまうと決着が早まってしまうため、ここは自重した。ギリギリの我慢。


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2枚切れも考慮したのに…このツモ。

ドラが9pだけにこの裏目はやっちまった〜。


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なんとかイーシャンテンまで漕ぎつけたが、ここで親からリーチが入る

リーチ棒が出たことにより、こちらの打点は必要なくなった。

あとは…


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ツモは縒れて4s。

ここから何を切る?





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ここで南が切れないのは、対面の8s押しがあるからだ。

白手出しで気配がボケたが、このプッシュを見逃すわけにはいかない。

7sあたりを押す手もあるが、ここはより安全なマンズのターツ落としとした。

次局に勝負を持ち越すことも辞さない構えだ。


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案外なことに、回っていたらテンパイが入る。

しかも234の三色つき。

さて、どうしよう?





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脇から1000点では捲れないため、ここは追っかけに踏み切った。

ラス目につき当然だが、もう一つ勝負できるポイントがある。

対面の発手出しに気づいただろうか。

この終盤で発切りということは、対面はオリた可能性が高い。

トイツであれば親にも通っていないため、暗刻落としの可能性が高いと読める。

つまり、この瞬間なら南はポンと言われてもロンと言われることはない。


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しかし、予想外のところからロンの声が!

まさかの親リーチに当たりで点パネの4800。

全身から力が抜けてコンニャクのようになった私がそこにいた。


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予想通り対面はここでオリ。

この発切りを見ての南勝負はまさにベストタイミングだったわけだ。


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ここで南を切ったら親はおそらく鳴くだろう。その場合もやはり親にアガリがありそうだ。

対面のzeRoさんは発バックのこの形。

ご存じトイトイダッシュだが、これをきっちりテンパイまで持っていくあたりはさすがだ。


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私を嘲笑うかのように、残り山には258sが渦巻いていた。

地団太を踏む、というのはこのことか。

南を先に切る手もあったが、打ち回しが良かった証だと自分を慰めることにしよう。



見てきたように、絞っているファン牌を切る好機は、「相手がリーチ対応を始めたら」である。

「絞り」によって将来的に戦う相手を減らすことができればそれはカウンターの精度が上がることを意味する。

特に守備的な打ち手に対しては絞りの効果が上がることが理解できるだろう。

勝負を長引かせることが自分にとって得かどうか、これを俯瞰して見極めることができれば、より効果的な「絞り」を戦略に組み込むことができるはずだ。



ラベル:天鳳 攻撃 役牌
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(0) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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