2020年12月13日

形テンを取らない危険牌のライン

今回は、形式テンパイについて。

終盤に形テンを取って危険牌を勝負したら、それが放銃となってしまった。

誰でも一度はある苦い経験だろう。


自身の点棒を増やす手段は、基本的にはアガリか流局テンパイの2種類しかない。

科学的麻雀観が台頭した当初は、局収支最大化の方法として、「アガリに関わる部分」がピックアップされた。

リーチに放銃すると平均打点が高く、平均順位に大きな影響を与えるので、リーチへの放銃率をまずは徹底的に下げましょう、ということであった。


しかし、個人技術レベルの高まりとともに、リーチへの対応という部分での差は徐々につきにくくなっていった

皆が上手にベタオリをするようになったからだ。

そこで次にピックアップされるようになったのが「テンパイ料」である。

ASAPIN氏が形式テンパイに特化した戦術書を出したことはまだ記憶に新しいだろう。

天鳳への熱の高まりとともに、局収支を高める第二の手段として、形テンの重要性が謳われるようになった

リーチへの対応という普遍的な分野から、形テンの取り方という各論的分野へと麻雀の戦術は専門性を高めたわけである。


「形式テンパイ」と言うと、通常終盤の仕掛けを想起させるものだが、過去にASAPINが映像対局で中盤から形テン狙いの仕掛けを入れていたのを見て、私は度肝を抜かれたことがある。

「局収支を高める」ために形テンを入れるわけだから、中盤どころか本来は1巡目から形テンについて考えなければならない。

しかし、それによって自身のアガリがなくなる(かつ他家のツモが増える)ことのマイナス面も考慮しなければならないため、それも含めていつ仕掛けを入れ始めるか、などの多彩な視野で局面を見る必要が出てきた。

単純な押し引きという部分に加えて、自身のアガリがなくなることの損を補えるだけの期待値がその仕掛けにあるのか、緻密に見定めなければならないわけである。

これが形式テンパイの難易度が高い理由であり、匠の技が必要とされる所以である。


ちなみに私は鳳凰卓に入りたての頃、形テン気味の仕掛けの対応に苦慮したことを覚えている。

終盤になると一斉に他家が仕掛け始めるのだが、その真贋の見極めが慣れていないと難しいのである。

形テン仕掛けにオリることほどバカバカしいことはないが、舐めていたら本物だったということにもなりかねないからだ。

鳳凰卓ではリアルよりも意図の不明な鳴きが多く、この勝手の違いに最初は大きく戸惑うだろう。

対応させられる側に回ると後手を引きやすく、ブラフでも積極的に参加することは一定の効果を生むということを学んだ。

形テンについてのトピックはいくつかあるので、小出しにしていきたいと思う。


さて、形テンに取りたいけれど余る牌が危険で悩む、こういうケースはしょっちゅうあるだろう。

終盤においてはリーチや仕掛けだけでなく、じっとダマっている他家もいるので、全方位の警戒が必要となる。

今回は、そのギリギリのラインについてどのように判断するのかを実戦例から見ていきたいと思う。

自分なりに考えて判断力を養っていただけたらと思う。



case1
tenhou.28519.jpg

東4局1本場供託2本、22600点持ち3着目の西家。

私以外の三者に仕掛けが入っている。

終盤に上家から8pが出たところ。

これをチーすればテンパイに取れるが、さてどうしよう?





tenhou.28520.jpg

スルーした。

ドラが見えているので、相手の打点的に勝負できるかというところ。

親のダブ東ポンが脅威で、赤が1枚も見えていないことからここでは自重した。

河的にも持ち方的にも47pの危険度は高い。


tenhou.28521.jpg

直後に下家がツモって、300・500。

チーテンに取っていると親に11600の放銃となっていた。

このように、ギリギリのところで我慢することで、横移動やツモアガリが発生することも少なくない。



case2
40052.jpg

南2局、31700点持ち2着目の北家。

誰からもリーチが入っていない終盤、チーテンに取れる6sが出た。

ラス目は離れているため、トップ目になんとかついていきたいが…。

さて、どうしよう?





40053.jpg

スルーした。

このタイミングの無スジは、上家テンパイだろう。

安全度的には5pの方がマシだが、さすがに選べない。

変な牌を切って親にテンパイを入れさせるのも嫌だ。


40054.jpg

結果上家の一人テンパイで流局、6pが当たりだった。

終盤にドラ周辺が飛び出てしまうのはわかりやすく危険サイン。

この場合は親にテンパイ気配がないため、親にテンパイを入れさせないように打つことも大事だろう。



case3
43240.jpg

南2局1本場、31000点持ちトップ目の親番。

終盤にポンテンに取れる3sが出た。

現状誰の仕掛けもリーチも入っていない。

さて、どうしよう?





43241.jpg

スルーした。

ポンしても5sと7sが選べない。この場合はドラの方がやや切りづらいか。

3sを切ってきた対面がテンパイ気配で、この対面はラス目につき自重した。

スルーしても469s(9sは出枯れ)をツモるかチーすれば安全にテンパイを取ることができる。


残念ながらテンパイは入らず。

ここから何を切るか?





43242.jpg

確固たる安全牌がスルーした3sしかなく、仕方なく合わせるとこれをチーされてしまう。

これはやっちまったか…?


43243.jpg

結果私以外の三人テンパイで流局。

ノーテン罰符でトップを捲られ、これは先行き不安な展開となってしまった。

ポンで使い切れたかもしれない3sを合わせて鳴かれているわけだから、実戦の感触としては良くない。

ただ、対面はドラ単騎で張っていたのもまた事実だった。

これをどのように考えるかだが、無理にテンパイを取って放銃するよりはよっぽどマシである。

ポン材をスルーしてもまだテンパイへの道筋があり、かつそのポン材が確固たる安全牌として活用できるのであれば、その一連の過程には意味がある。

今回はたまたま下家にテンパイを入れられてしまったが、実戦ではこれに気持ちを引きずられないように心がけたい

過程がしっかりしていれば結果もついてくるもので、この半荘は私のトップで終了した。



case4
43278.jpg

南2局、10800点持ちラス目の親番。

テンパイを模索していると、トップ目の下家がおもむろにツモ切りリーチ、宣言牌を対面がポンしたところ

下家は前巡の3m手出しをチーされたので、んじゃあリーチということだろう。


43279.jpg

直後に上家から合わせ打ちで5pが出てきた。

これをチーすれば待望のテンパイ。

後のないラス目だが、さてどうしよう?





43280.jpg

やや考えたがスルーした。

理由は、単純に白の危険度が高すぎるからだ。

実は、リーチがかかる前から私は下家のダマテンを警戒していた。

下家は3枚目の南手出し後に、前後関係のおかしい3mの手出し。これはメンツ手なら違和感のある手順だ。

これによりいよいよ白が切れなくなったと思っていたところのツモ切りリーチにつき、なおさら切れなかったというわけだ。

河全体に数牌が多いことより、対面が白バックになっている可能性ももちろんあるだろう。

ここで私が満貫を打ってしまうとこの半荘は終わってしまうが、流局しても3着目の上家とはまだ満貫以内で逆転圏内だ。


ちなみにここで考えたのは、58pがほぼないので、一旦鳴いておいて再テンパイの可能性を模索するというもの。

9pが出枯れにつき、現実的には白を重ねるしかテンパイへの道はない。

9pが1枚でも残っていれば仕掛けていた可能性が高いが、9pが2枚見えていたので自重した。

悪あがきが悪い鳴きになってしまうことを懸念してのものだ。

ここらへんは考え方によるが、白が絶対に切れないならば仕掛けるべきという意見ももっともだろう。


43281.jpg

結局、下家と対面の二人テンパイで流局。

下家の手は白単騎のチートイツで、開けられた手を見て私はホッと胸を撫で下ろした。


ラス目で後がないからという理由で押すことは容易い。

しかし、本局のように牌の危険度によっては、形テンを取りに行くことが最善の粘りとなるとは言いがたい局面もあるということである。


よく見ると、上家も最後にテンパイを取らずにオリていることがわかる(おそらく最終ツモでテンパイ)。

このへんをそつなくこなしているあたりに鳳凰卓のレベルが垣間見えるだろう。

行けるという感触を持って臨んだ残り2局だったが、残念ながらラスのままで終局した。



ラベル:天鳳 形聴
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(0) | 守備力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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