2021年12月19日

きちんと攻め返すためにカンしない

さて、今回は「カン」について。

長らく沈黙していたテーマだが、封を解きたいと思う。


仕掛け時にテンパイからカンをするかどうかの判断基準は、手牌や点数といった状況によって変わるのはもちろんだが、
個々人の雀風によっても大きく変わってくる


基本的に2000や3900の手はカンによる打点上昇効率がいいのでカンすべきとされている。

しかし、3900あれば十分という人もいれば、2000を2600にするためにカンをする必要はないという人もいるだろう。


ドラポンしているからこそさらに攻めるべきと考える人もいれば、ドラポンならそれで十分と考える人もいる。


同じ手牌をもらっていても、自身のメンタルや今日の調子などを勘案して判断が変わってくるなんてこともあるかもしれない。


麻雀の統計的数値解析が進んだ現在ではある程度打点や待ちごとにカンによる局収支が出ていると思われるが、
これほどまで人によって判断がピンキリになる選択というのは、麻雀において珍しいのではないだろうか?


私はわりとカンが少ないタイプであるのに対し、
zeRoさんなどは鳳凰卓でもカンが多いタイプであるように思う。

ラス回避の天鳳ではカンが少ない傾向にあるかと思いきや、強者の中でもその頻度に明らかな差がある

zeRoさんは脅しで使うカンなど使い道の引き出しが多いことに由来するものであると思われる。


それから、時代の流行によってカンの頻度が変わってくることは私の長い経験からも明らかだ。

例えば、打点UPの大ミンカンは一昔前に流行った時期があった。


この記事では私自身のノウハウを伝えていこうと思うが、
私が最も重要だと思うスキルは、「攻めるためにカンをするのではなくて、攻めるからこそカンをしない」という考え方である。

自身がアガれるテンパイ形であると思うなら、相手リーチに対して攻め返すことを躊躇する要因を自ら作るべきではない

なぜなら、カンによってドラが乗ったのならともかくドラが乗らない場合は、カン裏もある相手リーチに対して、自身の手との格差を否が応でも意識してしまうからだ。見合わない、と。

また、カンしたことによって相手のリーチを誘発してしまうということも起こりやすくなる。


こういった仕掛けが不利になる状況を極力減らし、きちんとリーチにも攻め返す姿勢を保持するために「カンしない」という選択を採ることが私は多い。


「カンしない」ことの理由は様々あるが、「自身がきちんと攻め返す」ことを理由に用いることが、私の中で最も有用な戦略となっている

カンというと攻撃的な手段の筆頭というイメージがあるが、カンしないことでTOTALの攻撃力を高めるイメージで、粘り強く戦いたい時にオススメだ。

厚く狭くではなく、薄く広く取る。

同じカンでも逆説的な示唆を含んでいて面白い。


それでは、実戦例から見ていこう。


case1
46821.jpg

東4局1本場、3900点持ち3着目の南家。

上家の親が2400点持ちで、熾烈なラス争いとなっている。

上の二者も僅差でくっきり二強二弱。

南のみのテンパイから、1mの4枚目をツモった。

さて、カンする?





46822.jpg

ツモ切りとした。

これはなかなか難しいところで、カンしてドラが1枚乗れば親からの直撃で飛ばして終了ということも狙える。

また、他家にドラを増やせば、ツモアガリで親が飛ぶ可能性が高まる。

自身にドラを乗せることは牌姿的にも厳しいが、他家の打点が上がることは親が飛びやすくなっていい。


しかし、同時に自身の放銃が即飛びに繋がる可能性が高まってしまう

3900持ちならそこそこ耐えられそうだが、カンしてしまうと一撃死も十分にありうる。


カンして親からの直撃が飛ばし確定であればするべきだと思うが、そうでなければ勇み足となる可能性があると考えた。


46823.jpg

下家の仕掛けも入って、やや煮詰まった局面。

47pは誰にも通っていないが…さてどうしよう?





46824.jpg

7p切って押した。

カンをしない目的として、こういう場面で押しやすくするためというのがある。


46825.jpg

結果、親からデバサイの1300は1600をGET。

上家はこれでリーチがかけられなくなった。これは大きい。

4pの方を切っていたら対面に3900の放銃で飛び終了だった。危なっ。


46826.jpg

1mカンなら親と対面にドラが乗っていた。

この瞬間はここでカンをしなければ下家や対面に放銃しても直ちに飛び終了とはならない。

変に短期決着で決めようと企むと、逆に上手くいかなかったりするので、焦らないことが大事。

自身の攻め返しを重視したことが奏功し、この半荘は3着だった。


case2
49001.jpg

南2局1本場供託1本、31200点持ち2着目の南家。

トップ目対面とは3000点差となっている。

白のポンテンに取ったところ、4枚目をツモってきた。

さて、カンする?





49002.jpg

ツモ切りとした。

対面との差を意識したくなるが、上家がラス目の親でもある。

カンをすると私に注目が集まるため、ここはできるだけさらっと流したい。


49003.jpg

当たり牌は出ないまま、恐怖の親リーチが入ってしまった。

一発目に4sをツモって、これは押さざるをえない。

(画像はありませんが)次巡に1mを持ってきた。さてどうしよう?





49005.jpg

これを押すと、次巡にツモアガリで500・1000。

1mを押したのは、親にドラ切りがあって高い手が考えにくかったことが一つ。

それからカンをしていないことで新ドラが乗っていないというのが大きい。

新ドラがあったらこの1mはオリる牌になっていたのではないだろうか。


49006.jpg

カンをしていたらまんまと親にドラが乗っていた。

14mは親の入り目だったため、紙一重だった。

少し後に下家に6mを止められるが、カンをしないことでこの6mを拾える可能性が高まる。これも自分が目立たないことのメリット。

この半荘はトップを獲ることに成功した。


case3
53765.jpg

東2局、17300点持ちラス目の北家。

9巡目に6400のテンパイが入り、これをダマに構える。

7sの場況は良く、ダマなら拾えそう。


53766.jpg

上家からリーチが入った直後に、東の4枚目が手元に。

こちらはラス目だが、さてどうしよう?





53767.jpg

カンせずにツモ切りでダマとした。

上家の河からは7sが拾えそうなので、ここは目立つことを避けた。

東はツモ切りの方が7sは拾いやすそう(下家の7s切りがあってこちらは手変わりが少ない方がいいため)。


53768.jpg

この6pもしれっと押す。

カンしてダマの場合は、このへんで考えてしまう牌ではないだろうか。


53769.jpg

テンパイの入った親が放銃し、2600。

意外な結末となった。


53770.jpg

ご覧のように7sは他家の手に行き渡っていて山には皆無。

勇んでカンからリーチを選択していると私のアガリ目はなかった。

そればかりか、5pを掴んで新ドラがきれいに3枚乗っての8000放銃となってしまう。

仮に下家が放銃していなくとも、私が次巡5pで放銃するが、カンしなければ2600で済む。これならまだ戦える。


このように、無策なカンはいたずらにリーチ者を喜ばせるということにもなりかねないため、点棒がなくともバランスが重要となる。

放銃のシナリオが一転、下家が身代わりになってくれたことは結果的にはラッキー。

見えない力が後押しして、この半荘は辛くも3着だった。


case4
71756.jpg

東1局1本場、原点の西家。

中のポンテンに取ったところ、4枚目を持ってきた。

既に上家のカンが入っているが、さてどうしよう?





71757.jpg

ツモ切りとした。

こういう場面で気をつけなければならないのは、荒れ場だからと釣られてカンをしてしまいがちだということ

自身の目的は打点ではなくアガリにつき、ここは自重した。


71758.jpg

北家の先制を見て、南家がツモ切り追っかけと来た。

突然の修羅場、到来。


71759.jpg

両者一発目で持ってきた牌は6m。

さて、どうしよう?





71760.jpg

これを押した。

ラス目リーチの一発目ではあるが、ここから回り切れる保証もない。

「これを押すために、カンしなかったんだよ!」

おっさんは、叫んだ。


71761.jpg

「そうだろうそうだろう、そんなのはわかっていた、2000だ!」

おっさんは、静かに笑った。


71762.jpg

中をカンしているとどうだろう?

なんと一発目に持ってきた6mが新ドラになってしまう。

これをラス目に押すのは自分が招いた因果だけにかなりの覚悟が必要だろう。


自ら押しづらい状況になるのを避け、しっかりと勝負するためにカンしない。

あらかじめ覚悟を持っていると結果にも結びつきやすい。

おっさんは3位だった。



ラベル:天鳳 カン
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(0) | 成績UPに直結 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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