2021年02月28日

ドラ雀頭の振り替えを意識する

雀頭の振り替えは麻雀の手組みにおいて重要なテーマだ。

雀頭をスライドさせる意識を持つことは、手役狙いにおいて必須のスキルとなる。

例えば、三色なら複合形から何を切るかによって将来の成就率が変わってくるし、
純チャンなら老頭牌を浮かせることでネックとなる雀頭を振り替えるなど工夫の余地がある。


今回は手役をドラに絞って、その振り替えについてまとめてみた。

よくあるケースとしては、


三萬四萬五萬六萬三筒四筒六筒七筒一索二索三索六索七索ツモ五筒ドラ五萬

ここから何を切るか?


自然な手順なら36mの選択となるだろう。

なんとなく3mを切ってしまいそうだが、ドラをメンツの端に設置する6m切りが良さそうだ


三萬四萬五萬三筒四筒五筒六筒七筒一索二索三索六索七索ツモ五萬ドラ五萬

次にドラをツモった際に使い切りやすいからだ。

ドラを固定する手順ならどちらも変わらないが、例えば58sが薄くなった際に、


三萬四萬五萬五萬三筒四筒五筒六筒七筒八筒一索二索三索ツモ二萬ドラ五萬

こんな最終形になるかもしれない。

ドラをメンツの真ん中に設置してしまうと、亜両面の変化がないためドラを使い切りづらいというデメリットがある。

そこで、ドラをメンツの端に設置するのがセオリーとなる。


それでは以下のケースはどうか。


三萬四萬七萬八萬三筒四筒五筒六筒七筒一索二索三索北ツモ七萬ドラ三萬

3巡目、待望の雀頭ができた。北は安牌として何を切るか?

8mを切って形を決めてしまいがちだが、


三萬四萬七萬七萬三筒四筒五筒六筒七筒一索二索三索北ツモ三萬ドラ三萬

ドラをツモった際に、8mを取っておけばよかった〜と後悔することになる。

ターツにドラが含まれているケースでは、ドラが重なった際にそれを使い切れる手組みを考えておきたい。

ドラ含みのターツがある場合は、ややブクブク気味に構えておいた方がドラを有効に活用しやすいと言えるだろう。


よくある二例を紹介したが、みなさんも思い当たる節があるのではないだろうか。

これら振り替えを意識する際に、守備力との勘案で悩むケースが非常に多い。

振り替えは将来変化にすぎず不確定要素が大きいが、安全牌は絶対的なものであり確実な1巡を保証する。

近年では、中盤以降なら安全牌を持つ方がやや得だと考えられているようだ。

しかし、フラットな局面なら攻め気を強くするなど手牌を伸ばす意識は常に持っておきたい。

勝ちを呼ぶのは攻める姿勢であり、正しい手順を踏んだ上での裏目であればそれは決して悪いものにはならないからだ。


一方、赤入りのインフレ麻雀では打点がつきやすいためこの手の議論が影を潜めている印象が強い。

赤なしの競技麻雀などでより威力を発揮しやすいのは間違いないだろう。

それでは、実戦例から見ていこう。


case1
36450.jpg

東3局1本場、30600点持ちトップ目の親番。

配牌に恵まれ、三色のイーシャンテンになっている。

2sをツモってきたが、さて何を切る?





36451.jpg

ドラ引きに備えて西切りとした。

この場合25s引きはピンフの変化がある。

ドラ引きなら仕掛けても打点十分、変化の恩恵は大きい。


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6pをツモってきたが、何を切るか?





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2s切りの三色両天秤とした。

入り目を問わず三色テンパイとなるのは打点効果が大きい。

さらに、9pをツモってきたがさてどうしよう?





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白のトイツ落としでピンフにした。

9sが3枚見えて789がやや厳しくなった。

これなら678の三色に決めてピンフを確定させる方がお得だろう。


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むむっ、ラス9sの方を引き入れてテンパイ。

789の三色を逃す形となったが、これはこれでよし。


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首尾よくツモって2600オール。

三色の裏目にならない6mの方をツモったとなれば、満足感は高い。

ノベタンは雀頭振り替えにおける基本形となり、手役を狙う際に大きな武器となることがわかるだろう。



case2
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東4局、34600点持ちトップ目の南家。

567の三色イーシャンテンのところ、8sをツモってきた。

さて、どうしよう?





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ドラ引きに備えて、白切りとした。

ドラは仕掛けに切りづらく、ツモってきた際に困らないように。

8sはワンチャンスでまずまず切りやすい。


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意に反して持ってきたのは、ターツオーバーとなる6s。

この巡目なら危険度も考えたいところだが、さて何を切る?


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8mを合わせて回った。

いずれかのターツ落としはいずれかの危険牌が飛び出てしまう。

ここは上家の親に対して特にケアしたいところ。

無理せずにテンパイする術を模索したい。


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結果、対面が下家に3900の放銃となった。

横移動での親流れにつきこれはいい展開。


40570.jpg

この時点で私以外の三者がテンパイしていた。

一見安全そうな56m落としなら、下家に3900の放銃

8sを残していないと6sに対応できず、親に1500の放銃

さらにドラ受けを軽視していると場合によっては対面に8000の放銃となってしまう。


手牌の間口を広げておくことは手役狙いのみならず、相手に対する受けに対しても効果が大きいことがわかる。



case3
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南2局1本場、39300点持ちトップ目の親番。

ピンフイーシャンテンのチャンス手だが、ここで持ってきたのはドラ。

さて、どうしよう?





69054.jpg

一旦手元に置いた。

自身がチャンス手だけに、危険度が高くなる前に切っておきたいと考えるのも普通だ。

これが単独のドラならば先切りするのも手だろう。

しかし、このぐらいの複合形なら…


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2583pツモで使い切れる含みが残る。

この場合はタンヤオに格上げで仕掛けも可となる。これは地味に大きい。

複合形の場合は変化に富んでいるので一手で雀頭スライドが可能になりやすい。

7pの方が危険度が高いとみて7p切り。


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テンパイが入らないまま、下家がリーチ即ツモで2000・4000となった。

下家のカンツからの1sを捕らえきれなかったのは残念。


69058.jpg

実戦では危険度の観点から、ここで5pを切っている。

ここでも5pを残せばドラツモが生きる変化となるため、ここでは8mを切った方がよかったかもしれない。

このへんはトップ目の余裕をどのように生かすかということでもあるが、後引きのドラを残すぐらいならということだ。


このように、雀頭振り替えは危険度との勘案で悩ましいことも多いが、手牌の間口を広げることで危険牌を使い切りやすいということもあるため、連続形を重視することは損になりづらい。

また、複合形には一見見抜きづらい雀頭の振り替えが含まれていることも多いため、ドラツモの変化を前もって考えておく、迷ったら厚い形は残しておくことで対応しやすくなる。


変化を自然にイメージできるようになれば、あなたの打点UPに大きく貢献してくれること請け合いだ。



ラベル:天鳳 ドラ 雀頭
posted by はぐりん@ at 20:44 | Comment(0) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月06日

シャンポン待ちの戦略 出アガリ期待ならシャンポン

今回は仕掛けにおける待ち取りについて。


仕掛け高打点のテンパイにおいて、両面とシャンポンの選択があるとする。

この場合、枚数重視で両面を選ぶのはごくごく自然であり、間違いということはない。


一方、相手の仕掛けが高打点とわかった場合、あなたはどういう対応をするだろうか?

見えている高打点に打つことほどバカバカしいことはない。

その仕掛けにだけは放銃しないように引き気味に構えることがほとんどだろう。


鳳凰卓のような相手のレベルが非常に高い卓で長期間打っていると、気づくことがある。


それは、見え見えの両面待ちは出アガリできる確率が極端に下がる、ということだ。

バッチバチの殴り合いならともかく、守備重視の卓では高打点が確定した仕掛けに対して無スジというのはほとんど出てこない。

だからこそ、枚数重視に受けるのだ、というのも一理あるが、正攻法ばかりでは相手の対応が楽になってしまう、という一面もある。


シャンポンにしていたらアガれていたかも?というケースは結構あるのではないだろうか。

シャンポンの出アガリ率が高まる理由は、2種の待ちに脈絡がなく、スジにかかりやすいからである。

仕掛けにおいても無スジよりスジが切られやすく、手順で否定された中スジなども出やすい傾向にある。


つまり、

@両面の待ち8枚のツモ率+1%の出アガリ率

Aシャンポンの待ち4枚のツモ率+10%の出アガリ率

期待値が@Aになるような状況において、シャンポン待ちを仕掛けるのが一つのタイミングだ。


例えば、両面の出アガリ率が限りなく0%になる相手なら、シャンポンの選択率をやや高める。

両面待ちが相手に持たれている要素があるなら、シャンポンの選択率を高める。

シャンポンが出やすい要素が多いならシャンポンの選択率を高める。

同じメンツと長時間打つことが確定しているなら、シャンポンの選択率を高める、などである。


正攻法ばかりでは攻撃のパターンが一定化して、相手も受けやすくなってしまう。

戦略的にシャンポンを使用することはこちらは期待値との兼ね合いで選ぶものだが、放銃した相手方にとっては奇襲攻撃にやられた、というネガティブイメージを植え付けられてしまうものである

これを1回見せておけば、相手は疑心暗鬼になってメンタルを攪乱でき、これが長時間打つ相手にはジャブのように効いてくる。


それからこれはあまり語られていないことだが、
仕掛けにおけるシャンポンの選択はメンゼンリーチにおけるシャンポンの選択よりも有利だ。

なぜなら、リーチには裏ドラがあるからだ。

リーチの際に広く受けることは裏ドラの相乗効果があるため、特にチップ麻雀においては必須となるが、仕掛けにはこの効果がない。

なので、トラップ的に仕掛けるとすれば鳴いている時の方が有効に働きやすい。

手が狭くなればなるほど相手に手牌を読まれやすいという、仕掛けのデメリットを補う効果もある。


口で言うのはたやすいが、実際に手牌をもらうとシャンポン待ちを選択するタイミングは極めて難しい。

高打点だけに大事にいきたいという思考が邪魔をするからだ。

これを打破するために、自分なりに工夫する必要がある。

トータルで見ればシャンポン待ちも悪くない、という状況は確かにあると私は思っている。

今回は実戦例をいくつか挙げるので、それをヒントにアレンジしていただきたい。

それではどうぞ。



case1
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南3局1本場、13200点持ちラス目の西家。

9sチーして2000のテンパイを入れたところ。

供託リーチ棒が1本あるため、これをアガればひとまず上家と同点まで追いつける。

同点では座順でラスのままにつき、ぜひともツモアガリが欲しい。


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待望の白ツモで、加カン。

これで点パネとなり、出アガリでも捲れる打点となった。


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表示牌には中がめくれ、ドラ4追加の臨時ボーナス。

卓上がざわざわし始めた。


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5mをツモってきたが、何を切るか?





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ここで私は賭けに出た。シャンポンへの待ち変えだ。

他家の動向を見ると、上家と対面は明確にオリに転じた。上家は露骨に9pの暗刻落としだ。

しかし、9pは通っているわけではない、上家は安牌に窮している可能性が高い。

唯一攻め気を見せている下家は直前に生牌の南を切っている

この南は安全牌として切られる可能性が高い。

また、マンズが安くなれば中スジの5mも狙い目だ。

この河では待ちが絞れないと考え、安全策で出る牌を狙いに行った。


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ビンゴ!安牌に窮した上家から5mの方を捕らえて、12000の直撃。

直対相手からこの直撃はあまりに大きく、ラス回避に成功した。

安全度としては3mの方が上だが、両面からシャンポンに変えないでしょ、っていうところで5mが選ばれた可能性が高い。


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山を開けてみると次の私のツモはズバリ南だった。

これは結果に過ぎないが、仮に上家が南を掴んでいても出ていたかもしれない。47mは出ることはないだろう。


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この時点で47mは山に4枚、対して5m南は山にたった1枚。

ドラ4を見せたことで100%47mは出ないことを踏まえると、出アガリ期待のシャンポンはギャンブルだがそれほど悪くない。

上家が手詰まり風味、かつ私の河が強いことも加味したシャンポン受けが功を奏した。


31062.jpg

こういう南を鳴き無しでスルーしておけば、シャンポン変化の際に奇襲として使える。

天鳳打ちは覚えておいて損はないだろう。



case2
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東2局、12200点持ちラス目の西家。

対面からドラをポンしてテンパイ。

ここから何を切る?





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マンズが安いので4m受けでもいいが、片アガリに不安があるのでシャンポン受けは普通か

ただ、あまりアガれる気がしない待ち。


44408.jpg

終盤に3sをツモって両面変化となった。

さて、どうしよう?





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この段階で、4s手出しをしても25sは100%出てこない。

他家は受けつつマンズが劇的に安くなってきたので、2mのポロリがあるかもしれないと考えた。

また、対面の3s切りがやや強く、対面に4sをケアする意味もある。


44411.jpg

自身最後のツモでドラをツモってきて加カンすると…


44412.jpg

リンシャンにはまさかの4sがこんにちは。

僥倖の3000・6000に仕上がる。

天鳳ではこの場合、新ドラは乗らない。ちょっと前の記事参照。


44413.jpg

この時点で25sは山に1枚、4s2mは山に2枚だった。

25sがこれだけ薄いのはちょっと読み切れない。

ツモアガリなので結果はたまたまだが、安易な両面変化にとらなかったことが奏功した。

ドラを切り出した親にはさすがに手が入っていて、赤3。これは脅威だった。

最終手出しが4sだった場合、親が海底で2sをツモったとしてもオリを選択する公算が高い。

このように、シャンポンの方が山に多ければ、出アガリ含めて期待値が高い選択をしたといえる。

枚数を正確に読むことは困難であるが、こういう状況で狙うことができれば優位性があるということである。



case3
51021.jpg

南2局2本場、21600点持ち3着目の北家。

自風の北をポンテンに取ったところ。

5200と打点も十分で、この手を確実にアガりたいところ。

トップ目とは10000点差で圏内だが、ラス目とも6000点差と予断を許さない。


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ほどなくしてドラをツモってきた。

さて、どうしよう?





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ドラとのシャンポンにした。

これは上級者でも迷いどころではないだろうか。

5200でも確実に加点できればラス転落はなさそうだからだ。

私が考えたのは、片割れの9sの出やすさと、二者の仕掛けにより持ってきたドラという点だ。


51024.jpg

これがズバリ嵌って、対面から8000の奪取に成功。

タンヤオ風味の仕掛けから、スジを追っての放銃だった。

出来メンツからの放銃となれば対面も感触が悪かっただろう。

このアガリで2着捲り、最終的にも2着で終了した。


51025.jpg

この時点で25mは山に4枚、3m9sは山に1枚だけだった。

トータルで見れば枚数重視の両面受けは無難であることがわかる。

ドラまたぎの25mは場に現れることなく、先に9sでのアガリがあった。


このケースでは、場況含めて9sという端牌が使いづらいというところに優位性があった。

このあたりも判断材料に含めると、よりシャンポン待ちが利用しやすい場況を見つけやすくなるだろう。


ラベル:天鳳 待ち
posted by はぐりん@ at 17:06 | Comment(3) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月29日

絞っているファン牌はいつ切ればいいのか?

今回は絞っているファン牌を切るタイミングについて。


仕掛けに対してファン牌を絞っていたら、脇からリーチが入ってさらに切れなくなってしまった。

こういうシチュエーションは思いのほか多いのではないだろうか。


「絞る」という行為は、特定の一者を不利にする行為であり、絞る者と絞られる者以外の二者が相対的に有利になる。

絞った方が得かどうかは状況によって大きく左右され、個別具体的に判断する必要がある。

例えば、明らかに高打点の仕掛けに絞るのは一理あるが、打点のわからない子方に絞って親にアガられるのは最悪だ。

打ち手の雀風や、仕掛けの影響なども含めて、高度な戦略が必要となるテーマでもある。

「絞り」についてはまたあらためて採り上げたいと思う。



中盤以降は相手の攻撃に備えて、危険牌を先処理しようと努めるだろう。

この過程において字牌は数牌よりも温存されやすい

かつ、仕掛けに対して「ついでに」絞るということが往々にして起こりやすい。

絞るつもりがなくても、孤立ファン牌が手元に残りやすいのはこういった理由がある。


なので、孤立ファン牌を切るタイミングは迷う頻度が多く、腕に差が出るポイントとなってくる。

適切に見切ることができれば、ファン牌を必要としている他家を殺しながら、自身の反撃の機会をうかがうことができるかもしれない。


反撃という言葉に何か思い当たる節はないだろうか?

ピンと来たあなたはもしかしたら私のブログの有段者かもしれない。

そう、このテーマは前回記事の「カウンター」と密接な関係があるのだ。


孤立ファン牌を切るタイミングを工夫することで、一見共倒れとなる絞りの不利な面を逆用することができる。

カウンターというのは「間合い」と「駆け引き」であることは前回記事で述べた。

まさにこれを意識して実践することによって、牌を絞りつつ反撃するという芸当が可能となるのだ。

真髄とは分野を越えて不変なるもの、気づきを得て応用することももしかしたら麻雀の一部なのかもしれない。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
70723.jpg

南1局、26400点持ち3着目の西家。

下家が3900点と抜けたラス目となっている。

トップ目の南家がオタ風から仕掛けて2フーロ目を入れたところ。


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ここで持ってきたのは、2種目の生牌となる中。

上家の河には早くもドラがお目見えしている。

さて、何を切る?





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ファン牌を絞って、ペンチャン落としとした。

7sも悪くない受けだけに迷うところだが、考慮したのは点棒状況。

上家はピンズ模様につき、ここでテンパイを入れられてしまうと下家が即座に飛んでしまう可能性がある。

下が離れているだけに、粘り強く打って上を目指したい。


70726.jpg

そうこうしているうちに親リーチが入る。

上家の対応を観察していると、手出しで中が出てきた。

これはつまり?


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中がトイツ落としで出てきて、上家は確実に回っている。

これで南も切れるな、と考えていたところ、南まで出てきた。

このように、絞っているファン牌は、仕掛け者がリーチ対応を始めたら切り出すことができる。

「絞り」はこのような局面で最大限有効に働く。

ポンされた牌は手役として確定し元に戻ることはないが、手牌の中のトイツは切り出されればもう活用することは不可能、かつ手役も不確定となるからだ


70728.jpg

残していた4sにドラがくっつきテンパイ。

待ちの3sは親に通っている6sのスジだが、ドラそばだけにあまり期待できない。

ただ、万が一ラス目から出たら飛ばして2着浮上につき、ここはダマとした。

これは親が掴むまであるよ?


70729.jpg

さらに赤5pがインして8000に昇格。

と、思いきや最後の最後にこのツモ。

この1s、切りきれる?(親は赤文字ですが、回線落ちではありません)





70730.jpg

さすがにここだけはという感じでオリを選択した。

親の一人テンパイで流局。

会心の打ち回しだっただけに、テンパイ料を得られなかったのは痛恨の極み。


70731.jpg

この時点で、南中のどちらを切ってもポンテンが入っていた。

結果はわからないが、展開はがらりと変わっていたことは間違いない。

絞りの優位性や反撃のタイミングが手に取るようにわかる一局ではないだろうか。

結局この半荘は3着で終了した。



case2
74462.jpg

東2局、25000点持ち原点の西家。

沈んでいる親がオタ風の北を一鳴きで不穏なムード。

私の手に浮いているのはダブ東とドラの発。

これはめんどくさいことになった。


74463.jpg

何とか絞りながら手を進めてきたが、ここにきて南家からリーチが

こちらの手も悪くないが、東発南の生牌トリオに囲まれる。

さて、何を切る?





74464.jpg

私が選んだのは1mだった。

この1mはリーチに対して決して安全ではなく、メンツ手の受け入れを減らす着手でもある。

ただ、親の仕掛けで入った南家リーチの一発目に持ってきた危険牌、これは感覚的に切りづらい。

加えて親のオタ風ノータイムポン、これもただ事ではない。字牌が場にやたら高く、小四喜などもありえる。


74465.jpg

こちらの手も煮詰まって、前巡に南を勝負。

そしてこのツモ。

さて、何を切る?





74466.jpg

ここで東切りとした。

ポイントは親の手出しだ。

親はホンイツでもなく、リーチに対して明らかに回っている。

マンズ1枚ぐらいならわからないが、セットで落としている以上、さほど脅威はない。


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6pが暗刻になり、グッと手牌が引き締まった。

さて、何を切る?





74468.jpg

ここでドラ勝負とした。

親がドラトイツ以上だとしたら、この手出しはありえない。

南家に当たる可能性はあるが、親の脅威がないこのタイミングが一つの切り時だろう。


74469.jpg

望外の6pをツモって、追っかけに踏み切る。

安牌だからと赤5pを切っているとこのテンパイには辿りつけていない。


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一発で南家から仕留めると、これが裏裏でまさかの12000に。

親の動向を逆用し、絞っていた字牌を全放出、見事カウンターに斬って取った。


74473.jpg

親はドラを浮かせたホンイツ仕掛けだったが、打点が安いためオリ。

親がもう少し行く気を見せていれば、私の反撃は確実に鈍っていたはずで、このアガリを得られていたかどうかはわからない。

リーチに対する反応によってこちらの対応も大きく変わってくることがわかるだろう。

この6p4枚目を捉えていないと私のアガリはなく、上家のツモアガリが濃厚となっていた。



case3
74085.jpg

オーラス、11600点持ちラス目の北家。

3着目の親とは3800点差と捲り圏内。

トップ争いの南家からオタ風ポンが入る。


74086.jpg

何が何でも手をまとめなければならないが、対面のダブ南がポツンと浮いている。

ここから何を切るか?





74087.jpg

8p切りとした。

対面に残っているファン牌はダブ南と発のみ。

打点を考えるに、南は鳴かれる可能性大でいかにも速そうな河だ。

先に鳴かれてしまうと決着が早まってしまうため、ここは自重した。ギリギリの我慢。


74088.jpg

2枚切れも考慮したのに…このツモ。

ドラが9pだけにこの裏目はやっちまった〜。


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なんとかイーシャンテンまで漕ぎつけたが、ここで親からリーチが入る

リーチ棒が出たことにより、こちらの打点は必要なくなった。

あとは…


74090.jpg

ツモは縒れて4s。

ここから何を切る?





74091.jpg

ここで南が切れないのは、対面の8s押しがあるからだ。

白手出しで気配がボケたが、このプッシュを見逃すわけにはいかない。

7sあたりを押す手もあるが、ここはより安全なマンズのターツ落としとした。

次局に勝負を持ち越すことも辞さない構えだ。


74093.jpg

案外なことに、回っていたらテンパイが入る。

しかも234の三色つき。

さて、どうしよう?





74094.jpg

脇から1000点では捲れないため、ここは追っかけに踏み切った。

ラス目につき当然だが、もう一つ勝負できるポイントがある。

対面の発手出しに気づいただろうか。

この終盤で発切りということは、対面はオリた可能性が高い。

トイツであれば親にも通っていないため、暗刻落としの可能性が高いと読める。

つまり、この瞬間なら南はポンと言われてもロンと言われることはない。


74095.jpg

しかし、予想外のところからロンの声が!

まさかの親リーチに当たりで点パネの4800。

全身から力が抜けてコンニャクのようになった私がそこにいた。


74096.jpg

予想通り対面はここでオリ。

この発切りを見ての南勝負はまさにベストタイミングだったわけだ。


74097.jpg

ここで南を切ったら親はおそらく鳴くだろう。その場合もやはり親にアガリがありそうだ。

対面のzeRoさんは発バックのこの形。

ご存じトイトイダッシュだが、これをきっちりテンパイまで持っていくあたりはさすがだ。


74098.jpg

私を嘲笑うかのように、残り山には258sが渦巻いていた。

地団太を踏む、というのはこのことか。

南を先に切る手もあったが、打ち回しが良かった証だと自分を慰めることにしよう。



見てきたように、絞っているファン牌を切る好機は、「相手がリーチ対応を始めたら」である。

「絞り」によって将来的に戦う相手を減らすことができればそれはカウンターの精度が上がることを意味する。

特に守備的な打ち手に対しては絞りの効果が上がることが理解できるだろう。

勝負を長引かせることが自分にとって得かどうか、これを俯瞰して見極めることができれば、より効果的な「絞り」を戦略に組み込むことができるはずだ。



ラベル:天鳳 攻撃 役牌
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2020年11月22日

カウンターの仕掛け方

今回は麻雀におけるカウンターのタイミングについて。


カウンターという言葉を聞いてあなたは何を思い浮かべるだろうか?


多くの人はまず第一に、格闘技やボクシングのカウンターを思い浮かべるかもしれない。

私は幼いころからプロレスが好きでよく観戦しているのだが、格闘王の前田日明さんが最近youtubeでカウンターについてこのようなことを語っていた。

(日本の格闘家が今一つ伸びない理由について)
『カウンターを解説するのに、本職のプロボクサーの世界チャンピオンまで「当て勘がいいんですよね」って、当て勘当て勘言うじゃん。
俺らはもう仕掛けだってわかってるじゃん。それがわかってないんだよね。

出典:朝倉未来 https://www.youtube.com/watch?v=_U-tFGDViV4 「前田日明と対談してみた」


一見、カウンターの上手い下手は天賦の才のような印象を持たれがちだが、前田さんは他の動画でカウンターとは才能というよりも戦略であるとはっきりと言い切っている

つまり、相手との間合い・距離感の中にある様々な選択肢の中から、相手に攻撃させることが得だと思わせる駆け引きをすることで生まれる戦略的攻撃の手段が「カウンター」ということである。

これは前田さんさえも現役を引退してから気づいたことで、理解するためには相当な造詣が必要とのことであった。


これを麻雀に応用すると?

私の陳腐な言葉でイメージを固めるよりも、皆さん自身で膨らませた方が実になるかもしれない。


この対談の相手、総合格闘技でカウンターの名手である朝倉未来さんが以前このようなことを動画で語っていた。

僕は格闘技中に対戦相手を見ているというより、背景をぼんやりと見ている、と。

細部を見ていると不意の攻撃に対応できないので、相手の全体像を捉えるイメージだ。

なので、仮に脇から障害物が飛んできたとしても、格闘技をしながらでも対応できる、という旨のことを言っていた。

このカウンター技術を評して前田日明いわく、「未来は間合いの誤魔化し方が上手い」と。

少なくとも、これぐらいの視野がないとかわしながら当てるなどという芸当、いわゆる戦略的準備ができないわけである。


大局観、俯瞰、鳥瞰という一言で表すのは簡単だが、
なるほど麻雀においても集中して打てている時は手牌よりも目線が卓の中心に向いている気がする。

自分の手牌でいっぱいいっぱいの時ほど、対応に苦慮して長考しがち、思い当たる節があるのではなかろうか?


前田日明というと私のイメージは、危険でエロいおっさん、ぐらいだったが、youtubeチャンネルの動画を見て、そのスケールの大きさ、プロモーターとしての能力の高さ、様々なことに精通している博識さに心酔した

格闘技好きなら誰もが唸る内容が確実に含まれているはずなので、ぜひチラ見していただきたい。

前田日明チャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCdr9GSa8Mm_2W039apA_1sw


男なら誰でも憧れる格闘技という世界、その舞台を麻雀の卓上になぞらえて我々は闘っているのだ。

そんな風に想像すると、無味乾燥していた世界にまた新たなエッセンスが加わるかもしれない。


話を戻して、今回はカウンターのタイミングについて。

麻雀ではどのように間合いを計るのが正解なのか。

それを実戦例から見ていきたいと思う。



case1
51321.jpg

東4局、21400点持ちラス目の西家。

下は2000点以内に3人が競っているかなりの僅差。

局面は早くも煮詰まり、上家に3つ目の仕掛けが入ってここから手出し6p

白中ポンと仕掛けていて、かなり迫力がある。


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私もかなりのチャンス手となっているが、ここで持ってきたのはまさかの発。

発は場に1枚切れているので大三元の可能性は高くはない。

ここから何を切る?





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さすがに切りきれず、6m切りとした。

3フーロ二人に対して6m自体の危険度もかなり高く、直ちにロンと言われる可能性もある。

放銃率だけで見るならむしろ発の方が低いが、上家に打ってしまうと満貫からとなってしまう。

三色テンパイになるなら発を勝負する価値は十分にあるだろう。


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対面の親リーチが入って一発目。

上家の手出しを凝視していると、むむっ、手出しで北が出てきた。


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この瞬間にこちらにもテンパイが入った。

さて、どうしよう?





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ここで発を切って追っかけとした。

親リーチへの対応として出てきたということは、北は待ちだった可能性がそこそこ高い。

テンパイでなければ北よりも6pを引っ張る方が普通だからだ。

つまり、手出しがなかった時と比較して、現在発が通る確率は高まっていると考えることができる。

最悪なのはたった今、発単騎に変わったという可能性だが、総合的には今切る方がマシだろう。


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発は無事に通り、これが一発ツモ。

安目で裏も乗らないが、1300・2600はありがたい。

オリもありえただけに、会心のアガリとなった。

この半荘はこのアガリが効いてトップ奪取に成功。


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上家は親リーチを受けて回った形だった。

リーチへの相手の対応を見ることで、危険牌が通りやすくなる瞬間があることがわかる。

発を保留するのは間合いを見極めながら相手についていく感覚、俯瞰して待つことで、相手の攻撃の真贋を見極める感覚に近い。

発を先に切るのは不用意に相手の懐に飛び込む感覚で、これはややリスクが高い着手であると評される。

カウンターを当てるためには、相手の次の着手を見極めるための、しっかりとした準備が必要ということ。

結果が正しいか、実際に見極められるかどうかも大事だが、それよりも前もって準備をすること、これがカウンターをする上で最も重要だと言えるだろう。



case2
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東4局1本場、14900点持ちラス目の北家。

対面の南家が3フーロ目を入れたところ。

こちらの手はやや間に合っていないか。


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こちらの手は進まずに3pツモ。

対面のチー出し3mをどう読むか。

ここから何を切る?





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東切りで回った。

3p自体は現状切りやすいが、一通絡みの3sが切りにくく、ここを使い切る可能性を見た。

生牌の発も切れないため、迂回のルートをどうするかというところ。


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トップ目の親が赤切りリーチと来た。

これで基本的にはギブアップか。


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粘っていると、残りツモ1回というところで上家から9sが出た。

これを鳴けばテンパイとなるが、余っている発は完全なる生牌。

さて、どうしよう?





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チーテンに取って、発勝負とした。

ポイントは対面の2s手出し→1sトイツ落としだ。

対面は明らかに回った感があるので、発でロンと言われることはないだろう。

発を勝負する対象が親リーチのみならば、テンパイ取りは十分にペイする。


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結果、二人テンパイで流局。

きわどくテンパイに滑り込み、3着目との差を縮めた。

最終的には3着で終了。ここでのカウンターが地味に効いた。


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対面の3mはフェイク気味の引っ張りだった。

一応のドラくっつきに備えたという感じだが、形上ホンイツが本命。

この手出しにより読みが難解となった。ドラトイツなら先に固定していても不思議ではないからだ。

こちらが3pを先に切っても結果は変わらなかったかもしれないが、ここでの東切りは切れない3sと発を中心に据えた粘り強い着手

ストレートに3pを切るよりも間口が広くて受けやすい意味がある。

何気ないが、回し打ちの構想はカウンター狙いにおいて重要だ。

終盤は他家の対応の様子が顕著に出るため、その出方をうかがいつつ、ということである。



case3
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東3局2本場、14600点持ちラス目の北家。

トップ目の親と南家が仕掛けていて、河は煮詰まっている。

こちらは雀頭のないターツばかりのリャンシャンテン。

6mか8mかで悩むところだが、見た目より速度が微妙なので穏やかに8m切りとした。


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手が進まないまま、7pをツモってきた。

上家が4pを通したばかりだが、さてどうしよう?





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4pを合わせた。

ドラが見えて脅威が小さくはなったが、7pは対面に対して放銃リスクがある。

8p9p落としもあるが、9pが対面に切りづらい。

こちらの手が進まないのでここは丁寧に対応。


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ドラ引きにより一歩手牌が前進。

ここで何を切る?





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唐突に6mを勝負した。

ポイントは親の動向だ。

トップ目の親の仕掛けということで赤赤の5800クラスの放銃を特に警戒すべき局面だが、ここにきて2sのトイツ落としというのは悪くない受けだけに違和感がある。

積極的にアガリを見るというより、対面の仕掛けに対応しつつという側面が強そう。

それならば強く押していけると判断した。

もちろんこの瞬間に対面に当たってしまう可能性はあるが、ドラが固まっていないためそこまでの脅威ではない。


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6mに声はかからず、親は2sを河に3枚並べる。

そこに来てこのテンパイとなれば、これはもうカウンタームーブ到来。


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これを引きアガって、やっぱりなムーブ

生かした8pが裏ドラで2000・4000となれば鼻息も荒い。

一躍2着浮上で、最終的にも2着だった。


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下家の謎の2s連打は、片アガリテンパイからやはり回ったものだった。

仕掛けというよりドラ切りから7m手出しの西家に対応という意味合いが強かったかもしれない。


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直前の対面の入り目は4mでこの6m切りは紙一重だった。

紙一重という言葉はカウンターの特徴をよく表しているのではないだろうか。

親の脅威が薄れたこの一瞬を利用して切り込み、ギリギリのところで成果を上げる。

踏み込みが浅いと駆け引きの部分で甘さが生じて、それが隙になってしまう。



麻雀の場合は対応が一人ではなく三人であるため、自身以外の攻撃者に対する反応を具に観察することができる。

そしてその対応により一人の手が偽物と判断した瞬間が、相手の懐に飛び込むチャンスだ

虎視眈々と脱落する相手を見極め、間合いをジリジリと詰めていく。

危険牌を1牌切るタイミングを計るだけで、グッとカウンターの精度が高まることが見てとれるだろう。

そのタイミングを計るための準備を怠らないこと、この準備が言ってみればカウンターの極意であり、場を俯瞰して見る、ということである。


カウンタームーブとやっぱりなムーブ(←2021年の流行語にどうでしょう?笑)


ラベル:天鳳 攻撃
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2020年11月08日

ドラを大事にする手組み

今回はオーソドックスにドラの扱い方がテーマだ。


一昔前、昭和時代の麻雀においては、ドラはとかく丁寧に扱い、ギリギリまで引っ張ることが是とされていた

赤のない時代におけるドラ1枚の価値は今よりもはるかに大きかった。

不用意にドラを鳴かせることはゲームの興を損なうものとして嫌われる風潮もあった。

当時の麻雀は全体の調和を重んじ、「魅せる」「愉しむ」ことが重視されていた。個々人の実力にも格差があった。


一方、赤麻雀が普及した現在は、相対的にドラの価値は減少した

科学的麻雀観が台頭し、鳴きを含めた技術が飛躍的に進歩した。

勝利至上主義が叫ばれるとともに、責任論といった類の倫理観が消滅した。

現代麻雀はゲームとして純粋に強さを追求する「個人主義」、そして他者に規範を押し付けない「自由主義」に裏打ちされていると言えるだろう。


かなり昔の話になるが、東風荘で打っていた時のエピソードがある。

私のモロ引っかけリーチに暗刻落としで放銃した人が、「卑怯者!」とチャット欄で罵ってきた。

それは冗談ではなく本心から怒っている様子で、突然のことに私はあっけにとられた。

観戦していたその人の知り合いがなだめてくれて収まったが、私はこう思った。

ただ普通に打っているだけなのに、なぜこんな嫌な思いをしなければならないのだろう、と。


今はモロヒを批判する人などいないし、ドラを切って鳴かせても文句を言う人はいない。

当時はゲームを楽しむための精神的土壌が未成熟だったためにこういうトラブルは頻繁に起こった。

技術が向上し、Mリーグが発足していく過程で、一般人の麻雀に対する心構え、他家に対する作法のレベルも確実に向上していった。

これは、不快な思いをすることなく安心して麻雀を楽しめる環境が醸成されたという意味で、喜ぶべきことではないだろうか。


前置きが長くなったが、本題に戻ろう。

赤が普及したとはいえ、ドラの扱い方はいつの時代も頭を悩ませるものである

「ドラは恋人」と言ってみたり「ドラは出世の妨げ」と言ってみたり格言も様々だ。

私はドラを引っ張る方だが、引っ張りすぎて痛い目を見たこともしょっちゅうある。

ただ、早すぎるリリースは臆病さが伝わったり河を逆用されたりしてこちらの方が良くない。


現代麻雀では守備の意識が高く、ドラを引っ張り過ぎるのはやや損という考え方が大勢となってきている。

引っ張って放銃するリスクと自身の手が死んでしまうデメリットの方が大きいという考え方である。

体裁よりも実利を重んじる現代麻雀の特徴が表れていると言えよう。


今回はこうしたドラの切り時を踏まえた上で、孤立ドラの扱い方について触れてみたい。

ドラは基本大事にするが、大事にしすぎない。

この間(はざま)の中で、ドラを手牌に組み込む工夫をどのようにするのか。

ここには、かなり難しい何切るの分岐を含んでいることが多いので、実戦例で確認していただきたい。

それではどうぞ。



case1
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東3局1本場、22700点持ち2着目の親番。

急所のペン7sが埋まってやる気が出たところ。

様々な手役が見えるが、浮いている北はドラ

さて、ここから何を切る?





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2p切りとした。

雀頭をひとまず決めて、一通とチャンタの天秤に。

これだと123の三色は消えるが、そのハードルは高い。

ドラ単騎まで見るなら4m切ってチャンタに決める手もあるが、やや受け入れが狭い。

総合的なバランスを重視した。


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2mをツモってイーシャンテンになった。

さて、どうしよう?





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ツモ切りとした。

これを残してイーシャンテンに取る意味はほぼない。

最終形を大きく見つつ。


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8pをツモってきて、ここで4m切り。

手広くドラ切りとする手もあるが、はっきりと高打点の見えるチャンタに手役を絞った。


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粘った甲斐があり、ドラを重ねることに成功。

これで仕掛けても十分。三色を重視しての3s切り。


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上手くくっついて、789三色が視野に。

迷う形だが、ここから何を切る?





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1pトイツ落としとした。

ターツ落としは選択に裏目が生じて選びにくい。

三色ならチーテンで11600が確定するし、わりと鳴きやすそう。


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惜しくも安目を引き入れてしまったが、これでも十分なテンパイ。

即リーチに踏み切る。


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長引いたが、自身最後のツモで見事引き当てる。3900オール。

このアガリが効いてこの半荘はトップで終了。

何気ないが、丁寧にドラを生かす手順を模索したことが結実した。


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下家の手をご覧いただきたい。

ここでの選択もさることながら、手順前後によってはあっという間にアガられていた可能性があった。

難なくアガっているように見えても、その実結果は紙一重であったことがわかる。



case2
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東3局1本場、41600点持ちトップ目の親番。

ピンフと三色の天秤に構えていると、持ってきたのは生牌のドラ。

さて、何を切る?





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9s切りとした。

リャンシャンテンに戻すターツ落とし。なかなかオリジナリティのある一打。

8sがパッと見悪いわけではないので、ここを嫌うとなるとアガリが結構遠のくようにも見える。

ただ、25mが先に入ったところでのみ手のリーチは敢行しづらいので、それならば先に払っておくのもありか。


44783.jpg

工夫した甲斐あり、ドラを重ねることに成功。

これであとは一本道。


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ほどなくテンパイして即リーチに。

ドラを切っていてもタンピン三色になっていた。


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対面の追っかけが入るも、無事にツモって3900オール。

おっと、三色なら高目の方か?

工夫した結果、打点が安くなるというレアケースになってしまった。

トップ目だからこそアドバンテージを生かして伸び伸びとした手組みを心がけたい。



case3
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開局の北家。

4sに5sがくっつき、ソーズに両面ターツができた。

ポツンと浮いている8mは、ドラ。

ここから何を切る?





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2m切りとした。

雀頭不在につき、ピンズの好形には手をかけられない。

タンヤオの構成ターツを払うのはやり過ぎにも見えるが、ワンチャン678三色も見据えつつ。


34747.jpg

ところが、下家の親から先制リーチが入って、完全手詰まり。

ここで何を切るか?





34748.jpg

やや安全な3p切りとした。

まっすぐなら6p切りの方が風通しはいいが、いかんせん浮いているドラが切れない。

こうなると浮かせたドラが足枷となって、自身の手が死に体となってしまう。


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9pをツモってイーシャンテンとなった。

まっすぐならドラ切りだが、さて何を切る?





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ドラ切りを保留してスジを追うと、これがまさかの当たり。

カンチャンにぶっ刺さって痛恨の12000となってしまった。

ドラを突っ張る価値のある手でもなく、この放銃はある程度致し方ないようにも思える。

が、実戦中はドラを引っ張った後悔の念にあふれていた。


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9mが2枚見えているので、ドラを切ってしまうのも普通。

捻った選択が裏目と出てしまったが、ドラをギリギリまで引っ張ることは常にこういったリスクがつきまとう

こういう失敗は、後の判断に影響を与えやすく、手が縮こまってしまいがちだ。

が、あくまでトータルで見ていく必要がある。

この失敗を自身の中でどういう位置づけにするのか反芻すること、これは成功例を振り返るよりはるかに重要な作業だろう。




case4
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東1局1本場、44000点持ち現在ダントツの親番。

好手からダブ東がポンでき、盤石のイーシャンテンに。

さくっとアガれそう。


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くっつきに構えていたところ、ひょっこりドラを持ってきた。

特別ドラにこだわる局面でもないが、ここから何を切る?





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ドラを残して7m切りとした。

9mが3枚切れたことも加味しつつ。


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立て続けに持ってきて、これはビンゴ。

ドラを河に並べるところだったぜ。


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そして下家から温存されたドラが出てきた。12000。

1枚のドラの行方によって結果は180度変わるのが麻雀の難しいところ。

リードしていても貪欲に打点を追うことで、本局のようにリードをゆるぎないものにすることができる。



case5
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東4局、36000点持ちトップ目の親番。

チャンス手のリャンシャンテンから、8s引きでソーズのメンツが完成した。

345も見える十分形だが、余った3sはドラ

さて、どうしよう?





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3p切りでお茶を濁した。

ポンテンの2900にはそれほど魅力を感じないので、三色に固定しながら、ドラ周辺を伸ばす可能性も見ている。

仕掛け二者には直ちにドラでロンと言われることはそこまでなさそうだが、ドラを鳴かせてしまうと非常にやりづらくなる。


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次巡、1sをツモってきた。

さて、どうしよう?





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ピンズを落としてドラを使い切る算段とした。

表示牌受けは一抹の不安もあるが、これでドラが出ていくことはなくなった。

仕掛けの機動性よりも受けを意識した手順だ。


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結果、下家がドラをツモって1000・2000。

うむうむ、そうだろうそうだろう。


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上家の手をご覧いただきたい。

手順でドラを河に放っていると、5200の放銃となっていた。

これはたまたま助かった例だが、このぐらいの巡目だと仕掛けに対するドラ切りのリスクはそこそこ高いと認識できる。

もちろん、引っ張れば引っ張るほど切り出す際の危険度は高まるわけだが、切り出しを保留しつつ使い切る手順を模索することは、相手に先に仕掛けさせないという点で勝負を長引かせることができる。


時代の変遷とともにドラの役割も変化しつつある。

その中で、ドラを大事にする意識、ドラを大事にしすぎない意識。

両者をバランスよく保つことが現代麻雀では求められていると言えるだろう。



ラベル:天鳳 ドラ
posted by はぐりん@ at 09:37 | Comment(4) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする