2021年08月01日

スルースキル 形テン仕掛けはせずメンゼンテンパイで押す

最近、形テンについてのコメントをいただいたので、
私が終盤にどのような意識で闘っているのかをご紹介したいと思う。

端的に説明すると、

@リーチに対して危険牌を切らなければならない時は形テンは取らない

A切れない牌を使い切るための仕掛け(回し打ち)は基本しない

Bスルーしてメンゼンテンパイした場合は強気姿勢


私が特に意識するのは、自身の仕掛けによって局面ができるだけ紛れないようにする、ということだ。

例えば、自身の仕掛けによってリーチ者に海底が回るとする。

これは相手のチャンスをいたずらに増やすという意味で「紛れ」の要素となる。

仕掛けて安全にテンパイを取れる場合は自身の都合で仕掛けるが、大トップ目の親番などならスルーすることが多い。


しかし、天鳳の場合はラスを押しつければ勝ちというその性質上、通常の麻雀とは「勝ちの定義」が異なる

最初に私が鳳凰卓で苦労したことは、通常考える「紛れ」が天鳳では戦略として機能しうる、ということだった。

例えば、「親を流す」「横移動を誘発する」「当たり牌を掴ませる」という目的で、敢えてリーチ者のツモを増やすということが天鳳では有効となることが通常よりも多い。


過去のASAPINの牌譜を見てもらえばわかるように、仕掛け全盛時代は出来メンツから仕掛けて、くっつき狙いをするといったようなトリッキーな鳴きが非常に多かった。

鳳凰卓の戦い方も、私が参戦した当時は、相手に対する危険牌は一切切らず、危険牌を浮かせたまま仕掛けまくるといった、自身の都合のみで打っている人が多かった。 これは私が採用している上記Aと真逆の打ち方である。

この仕掛けは天鳳の戦い方としては間違ってはいないが、麻雀の戦い方としては正しくないのではないかという私の疑問から、仕掛けを咎める戦い方を追究した結果、私は十段まで登りつめることができた


天鳳にしても、正しい仕掛け方をしないと長い目で見れば損であるということが自身の中で確信できた。

これは「仕掛ける」ことはもちろんだが、「仕掛けない」ことにも当てはまる。

その結果、鳳凰卓での相手の打ち筋も徐々に変化していった。極端なフーロ率特化の打ち手は結果が出なくなり、全体のフーロ率は低下していったように思う。

もちろん、私への対策として採られたという面もあるだろう。

これは時代時代のトレンドによって有効な戦略が変わってくるということでもある。

フーロ率が高すぎるならメンゼンを、メンゼン率が高すぎるならフーロを適度に織り交ぜていく必要があるのである。


そういう意味では、相手がどういう打ち手なのか、卓全体がどのような動きになるのか、そして時代の流行が何なのか、というのをある程度把握しておくことは重要であろう。

人の行く裏に道あり花の山、であり他人と同じことをやっていては自分は勝者になれないのがゼロサムゲームの鉄則だからだ

自分の麻雀を確立するのはもちろんだが、時代や相手に合わせてそれをアレンジしていく柔軟性も同じくらい重要なのだろう。


麻雀は一牌の後先で結果が変わるゲームであることは疑いようがない。

ならば、その一牌を自身の仕掛けで相手に渡してしまってもいいのか、これについては当時から驚くほど議論されていなかった

終盤だからこそ、仕掛けが安易・安直ではないかをもっと熟慮されるべきではないか、と。

海底をずらすことでツモが増える他家がいるならそれもまた紛れの要素なのである。

それを突き詰めて考えていったのが、上記の結論であった。

まあ私の場合は、安易に仕掛けずに損をするといったケースも数限りなく経験しているわけで、このへんのバランスがとても重要ということだろう。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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東2局、22900点持ち3着目の南家。

北家と親の2件リーチが入っている。

最終盤で上家から1pが出て、これを鳴けばテンパイに取れる。

切り出す7mはスジだが、さてどうしよう?





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スルーした。

スジとはいえ、7mはちょっと嫌なところなので自重した。

すると、持ってきたのは再度テンパイとなる7p。

さて、どうしよう?





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7mを勝負した。

アガリ目は薄いとはいえ、スルーした結果、出アガリの効くテンパイが入った。

チーして勝負するより遙かにマシな状況が現出、勝負の呼吸として押した。

チーしないことでリーチ者のツモも増えていない。


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下家のチーにより、流れて来たのはこの8p。

さて、どうしよう?





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2pを勝負した。

ここは下家の仕掛けによる紛れなので真剣にオリも検討するところ。

対面のリーチ前の6p手出しより、形が決まっていたら6pはあまり引っ張らないだろうから、25pの安全度はやや高い。

親の現物であればギリギリ行けると判断した。


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結果、海底で北家が掴んで、親の5800となった。

私が持ってきた8pはまんまと当たりで、スライドは大正解だったが…。

実は2pは対面の入り目で、正に紙一重だった。


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仮に1pをチーしていると、やはり下家が7mをチーして、親の海底ツモアガリとなる。

7mは特に親に対して危険度が高く、1pチーはバランスが悪い。

特筆すべきは最後の山2枚で、4sと8pはいずれもリーチ者の待ちとなっている。

リーチ者のツモを増やす行為が直ちにリーチ者のアガリに直結していたことがわかる。


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しかし、本局、最も得をしたのは誰だろうか?

飛び寸なのに横移動を演出し、一人ノーテンを防いだ西家であることは火を見るよりも明らかだ。

逆に私は2牌も勝負をしたのに罰符すらもらえず、無駄にエネルギーを浪費したことになる。

西家からしてみたら、やぶれかぶれ仕掛けグッジョブ!であり、このへんの小技は天鳳という土壌でより生きやすい

驚くべきことに、この後西家は息を吹き返し、消耗した私は転落の一途を辿りラスとなってしまった。

これが巷に言うエネルギー保存の法則である。



case2
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南3局、37400点持ちトップ目の親番。

割と打点の見える手をもらっていたところ、上家から1枚目の東が出た。

さて、これを鳴く?





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スルーした(鳴き無し)。

トップ目の親番につき、焦ってアガリにいく必要はない。

それからこの形は三色もあり、切る牌に若干迷う。

自ら選択を生む鳴き、するべからず、だ。


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局面は進んで、11800点持ちのラス目からリーチが入っている。

ここで、上家から7枚目の25sが切られる。

余る3sは現物で、下家の海底もずらすことができる。

さて、これを鳴く?





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スルーした。

こういった場面で安易に鳴いて失敗した経験はないだろうか?

自身は特にテンパイが必要な局面というわけではない。

目先の損得に惑わされずに、自ら紛れを起こさないことを優先して考えていく必要がある。


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さらに次巡、今度はカン7sが出た。

さて、どうしよう?





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スルーした。

今度は1mが切れなくなっているので、これは必然。

そして残りツモ1枚となったところで、最後の7sを自力で持ってきた。

さて、どうしよう?





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これを勝負した。

ラス目リーチに対してのこの押しは常識では考えられないだろう

リスクを承知の上、牌勢に従った結果、押す判断となった。

この1mを思い出したように上家がポン、おそらく海底飛ばしだ。


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そして注目の海底牌は…7m。

これは下家に通っていないが、さてどうしよう?





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ここでヤメた。

さすがに海底ではリスクは負えない。

無理にテンパイを取る必要はない。


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結果、下家と対面の二人テンパイで流局となった。

注目すべきは対面の待ちだ。

私が掴んだ7mがまんまと当たり牌となっている。

と、いうことは1mを切らなければ下家が7mで放銃していたことになる。

打点は2600に過ぎないが、気分が違うのでこういうのは意外と侮れない。


それから、私が中途半端にチーをしていたらどうなっていたかに思いを巡らせてほしい。

対面はリーチに対してマンズで回った可能性大だが、海底牌の7mを対面に回してしまうことになる。

ツモが増えたということでリーチ一発ツモ海底ドラ1も現実的だったことがわかるだろう。

2sから仕掛けても87mが有効牌なら同様だ。

ここに対面のツモを増やす仕掛けの副作用が見えてくる。

安易な仕掛けが生む弊害はこういうところにある。


ここでの1m押しはリスクを取り過ぎではないかと考える人も多いだろう。

しかし、選択しづらいからこそそこにわずかなエッジ(優位性)が生まれる。

誰もが同じ選択では差が生まれない。

常識の向こう側にある感覚を体系化するために、麻雀打ちは日々鍛錬しているわけで、私が記事にしている「スルースキル」もその一環である。

この半荘は無事、トップで終了した。



case3
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東3局、16000点持ちラス目の西家。

3着目の下家とはわずか1000点差となっている。

親と北家の二人に仕掛けが入っているところ、上家からチーできる8sが出てきた。

58sは都合7枚目だが…さて、どうしよう?





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スルーした。

ドラまたぎの7pは親に対して非常に切りづらい。

ツモによってはチートイツでそれを使い切ることができるからだ。

すると、次のツモがテンパイとなる赤5p。

さて、どうしよう?





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7pを勝負した。

ここで打ったら打点が伴いそうだが、メンゼンテンパイなら腹を括れる。

これが何とか通過。


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結果は3人テンパイで流局。

親の待ちはピンズで相当に危なかったことは確かだ。

こういう判断の難しい局面でも、自分なりの指針を持っていれば押し引きに迷うことが少なくなる。

仕掛けをギリギリまで我慢することで、待ちが透けにくくなり山越しを拾いやすくなるというメリットもある。


私はメンゼンテンパイの型を強いものとみなしている。

思考をシンプルにして、できるだけ迷いを排除していくことが重要だ。



ラベル:天鳳 不鳴 形聴
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2020年05月17日

スルースキル ホンイツも鳴き所を見極める

ホンイツを目指して仕掛け始めたはいいが、なかなかテンパイが入らない。

そんな経験はないだろうか?

今回は、ホンイツ狙い時にアガリ率を高めるスルーのテクニックを紹介したい。


ホンイツ狙いのメリットは、必然的にファン牌が絡みやすいため、アガリ時の打点が高いということ。

また、鳴いても打点がつきやすいため、積極的に鳴きを活用しやすい、というのもある。

これはみなさんご存じだろう。

逆にデメリットとしては、有効牌種が少なく(16/34=47%)、テンパイまでに時間がかかること。

そして、残りの色の数牌が不必要となるため狙いが透けやすく、他家の攻撃に対して回りづらいということが挙げられる。



つまり、ホンイツは有効牌が少ない割に、相手に対応されるとなかなかアガりにくいという成就までのハードルがそこそこ高い役であると言える。

なので、遠いところから闇雲に仕掛けていっても、牌を絞られてしまうとテンパイまで辿りつかないといったことも少なくない。

逆に言うと、相手に対応させるためには最適の役であり、これを利用したブラフ戦術も存在するが、それはひとまず置いておいて、ホンイツ狙いで仕掛ける際に頭に入れておきたい点を以下にまとめた



@仕掛けることで有効牌が減らないか

仕掛けて孤立字牌を切らなければならないとする。
仮にこれが生牌だとすると重なりの受け入れ3枚を失うことになる。

遠いホンイツ狙いでは字牌の重なりをいかに引っ張るかというのが案外大事だったりする。
以前のトピックでそれについて触れているので、参考にしていただきたい。

スルースキル ターツ不足のホンイツは字牌重なりを見る


A連続形を壊さないか

連続形をぶっ壊す鳴きは将来の有効な受け入れを減少させるだけでなく、
仕掛け効率においてもマイナスとなる。


Bチートイツを放棄しないか

トイツが何組あるかというのも仕掛けを考慮する上では重要となる。
ノーメンツで3トイツ程度ある場合は、長引いてもチートイツの芽を摘まないことにより局収支が向上する可能性が高い。
これも有効牌が少ないからこそ、成立する戦略でもある。


Cそれが本当に急所かどうか

ホンイツはその性質上狙いが透けやすいため、ひとつ晒すことが相手の警戒感につながってしまう。
急所が最後に残ってしまうと、危険牌の範囲が狭いために、アガリまで結びつきづらい。
これはどの仕掛けにも言えることだが、特にホンイツは有効牌が少ないからこそ繊細な仕掛けが必要と言える。


D相手の攻撃に対してどのようにバランスを取るか

ホンイツは不要牌の範囲が広いため、相手の攻撃に対して危険牌を掴みやすく、自身の手が死にやすい
危険牌を2種抱えている場合などは、無闇に仕掛けて勝負に行くよりどっしりとメンゼンで構えることで、チートイツなどかわしへの道筋が見えることがある。
メンゼンなら好牌を引いた際に勝負に行くことで、打点とのバランスも取ることができる。


また、天鳳windows版では複合形の仕掛け方が難しく、それに時間がかかってしまうとホンイツとバレやすい、というデメリットも備えている(リアルでは理牌に注意が必要)。


それでは、これらの留意点が実戦でどのように表れるのだろうか?

実戦例から見ていきたいと思う。



case1
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東3局、原点の親番。全員が25000点とはこれ、珍しい。

ピンズに寄った手で、ドラが東の大チャンス手をもらっている。

下家から8pが出たところだが、これを鳴く?





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スルーした。

シャンテン数で見れば、ポンしてイーシャンテンではあるものの、69pの受けを殺すなど、ピンズの伸びを殺してしまう。

こういうのをポンするのが連続形を壊す典型で、いわゆる「スジの悪い」鳴き。

ポンしたとしてもアガリまでの距離で見た場合、実質遠くなっている可能性が高い。


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対面から7pが出たが、これを鳴く?





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スルーした。これも同様。

それでは、上家からの9pはどうする?





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私はスルーした。

私は、というのはこれは鳴くのも有力だと思うからだ。

テンパイスピードで見た場合、鳴いた方が速い。

ドラがドラだけに、端牌からの仕掛けは警戒の対象にもなり、やや損と判断した。

これが9p3枚目なら鳴いた方がいいだろう。


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上家から2p出たが、どうするか?





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これはカンチャンでチーした。

2pはこの手の急所という判断で、これを鳴くことでぐっとアガリに近づく。

9pから鳴いていれば、2pツモで三面張テンパイだったが、それはそれということで。


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6pツモでテンパイが入る。

対面からリーチが入っているが、何を切るか?





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8p切りとした。

パッと見、4pや5pに手がかかりそうになるが、8p切りが落ち着いている。

イーペーコー形をサンドイッチで三面張、と覚えておこう。


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すぐさまツモって、4000オール。

9pの狙い目具合からも結構な感触のある最終形だった。

仕掛け方の巧拙でこの局の結果は大きく変わっていただろう。


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9pチーから入っても、十分に勝機はあった。

ただ、これをスルーしたとしても悪手にはならない、ということである。

じっくりと仕掛ける機をうかがいたい。



case2
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東3局、3着目の南家。

ソーズに寄った手で、対面から2枚目の1sが出たところ。

さて、これを鳴く?





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スルーした。

これは意見が分かれそう。

スルーしてもアガリ率自体は高くならないので、ガチャガチャ仕掛ける手はある。

ただし、ラス目が親番ということも踏まえると、あまりドラ色で他家の警戒を呼んでも、共倒れになって親が有利になる可能性がある。

そういうバランスも踏まえて、チートイツ本線に手を組んでいくことにした。


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メンゼンで進めていたら、2sと白が暗刻になる。

ここまでくればもう一歩も引かない勝負手と言える。


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9sのポンテンに取れればベスト。

予想外にアガれそうな最終形となった。


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対面から出て、8000ゲット。対面は勝負手のイーシャンテンだった。

これもポンテンまでふかしたことで得られたアガリ。


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仮に対面が切る1sをポンしても、やはりドラツモはあるが、これにより親のツモが効き始める。

親のテンパイ一番乗りから私が当たり牌を掴むという展開になる可能性が高い。

このシナリオを危惧しているからこそのスルーであったと言える。



case3
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南3局、2着目の南家。トップ目との差は12600点。

上家から出た8p、これを鳴く?





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スルーした。

ポイントは、浮き牌の3p周辺、南、中がすべて生きているというところだ。

重なりやくっつきで嬉しい二次変化が多く、またトイトイのような縦の手にする含みも残している。

8pはメンツの急所ではあるが、狙いが透ける上に打点的にも面白くない。


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都合3枚目の8pが出た。

これは鳴く?




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これはさすがにチーした。

打点的にもバランスはいいだろう。

3pのくっつきを見る手もあるが、ダイレクト南単騎とした。直前に出ているのもプラス。


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あっさりツモっての1300・2600。

これで勢いに乗ってトップ捲りを果たす。


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1枚目から鳴いてもすぐにテンパイが入る可能性はある。

しかし、下家はトップ目だけに絞られてしまうと苦労するのがホンイツの難。

点棒状況に余裕があるなら焦らずにじっくり構えるのが吉。



case4
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東3局、3着目の南家。

2枚目の1mからポンしたところ。


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上家から5mが出た。

これを鳴くか?





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スルーした。

終盤の入り口だけに、これは仕掛けてプレッシャーをかけるという手もあるだろう。

ただ、25m部分はこの手において急所ではない。

東の重なりなどもうれしく、手広くツモに期待することにした。


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ここをツモれれば、スルーした甲斐があったというもの。

5mを先にチーしているよりぐっとアガりやすくなった。


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満を持してチーテンに取ったが、下家のツモアガリとなった。1300・2600。


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実際には25mはそこそこ薄く、チー自体が間違いというわけではない。

ただ、最終形とアガリやすさのバランスから、ワンスルーを入れても十分に勝負になるということである。

この巡目のスルーにより25mは拾いやすいという含みもある。



case5
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南2局1本場、17900点持ち3着目の親番。ラス目とは微差。

1枚目の白が出たが、これを鳴く?





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スルーした。

こういうのはオリジナルかもしれない。

白ポンから仕掛けてもターツ不足で、牌は絞られるし全然アガれる気がしない。

白は2枚目から仕掛けられるし、重なりからチートイツの芽も摘みたくないという主張。


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一手進んだ後に、上家から7pが出た。

これを鳴く?





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スルーした。

7pはメンツ手の肝だが、ド急所という感じでもない。

白スルーしたこと踏まえると、この7pも積極的に鳴きたい感じがしない。

南、北、中はすべて生きているので、そちらの重なりの方がうれしいかもしれない。


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徐々に徐々に手が伸びてきた。

こうなればもうメンツ手だね。


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しかも、このタイミングで白が鳴ける。


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おまけの一通までついて、なんと4000オールに仕上がった。

こうしてみると、ホンイツの仕掛けは必然性を加味しながら、形が整ってから鳴いた方が有利であることがわかる。


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白を1枚目からポンしてもテンパイまでは苦労しそう。

白ポンも普通だが、迷いながらこういうのを鳴いても上手くいかない印象が強い。



case6
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オーラス、7900点持ちラス目の南家。

3着目対面との差は5700点と、1300・2600ツモが急務。

幸いにもピンズの寄ったかなりのチャンス手をもらっている。

1pが出たが、これを鳴く?





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ポンした。

端からのポンなので連続形は壊れにくい。

1pポンならテンパネの条件も満たしやすい。


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上家から9pが出た。

さて、これを鳴く?





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チーした。

一見連続形が崩れたように見えるが、ここをチーしても147p258pでテンパイと、受け入れは十分。

ぜひとも7pや8pのツモに期待したいところ。


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ところがどっこい、有効牌を1枚も引かないまま、まさかのノーテン流局。

そのままラス終了となってしまった。

今まで見てきた例と一体何が違うか、お分かりになるだろうか?


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そう、仕掛けに焦りの色が出ている。

この9pチーは、テンパイの受け入れはともかく、最終形という点から見れば優れているわけではない。

むしろ字牌の受け入れを殺してピンズの形を壊してしまう、悪い鳴きの見本だ。

落ち着いていつも通りスルーしていれば、ダブ南を重ねて難なくツモアガリ。ラス回避できていた。


麻雀の神様はきちんと私やあなたの精神状態を見ていて、そのバランスに応じて報酬を与えてくれる。

焦りで大局が見えなくなると時としてこのような罰を下される。

こういう場面で焦らないために、日頃の鍛錬、土台作りが重要だということだろう。



case7
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東4局、微差2着目の西家。

ツモが効いてメンホンのイーシャンテンが広くなった。

ドラも絡んで弩級のチャンス手だ。


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新ドラの7pが出たが、これを鳴くか?





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なんと、スルーした。

通常喜んでチーテンに取るところではないだろうか。


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ひゃー、これはうれしい4pツモ。

当然の三面張に取って、ダマ。


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難なく9pを拾って、16000のアガリとなった。

南家のリーチ一発目だったが、下家にも手が入っていて9pが出る運びとなった。


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7pをチーテンにとっても、上家からの先制リーチ後私の12000のアガリとなる可能性が高い。

69pが盲点になることからも、これは7pチーで良さそう。

通常、ホンイツのチーテンポンテンなら取っておいて損はないはず。


一方で受け入れが広くメンゼンで行けると踏んだら、そのまま押し通してしまうというのも一つの手だ。

不思議と悪い結果になることは少なく、本局のように決定打を得られることも少なくない。

case6の失敗例と対照的だが、面白い示唆を含んでいるのではなかろうか。



※AMPを無効化したため、現在検索がしづらくなっています。
また、諸事情により一時的にコメント欄を閉鎖しています。ご了承ください。



ラベル:染め 不鳴
posted by はぐりん@ at 23:51 | Comment(0) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月20日

スルースキル 鳴き無しファン牌はリーチで狙う

久々に登場のスルースキルだ。

フーロ率が低い私の雀風としては、スルーの技術というのは一つの強みでもあるので、
今後も様々なスルースキルを紹介していきたいと思う。


ただし、フーロ率を下げることによって、
アガリ率とアガリまでの速度を犠牲にしている
ため、
天鳳のようなラス回避麻雀においては致命的な一手遅れが発生する可能性があり、
このへんのバランスは今後の検討課題となるだろう。


特上卓に比べて鳳凰卓の方が圧倒的に「鳴き無し」の発生頻度は増えるため、
対局時間的にもスピーディな展開が期待できる。

天鳳位のすずめクレイジーさんのように、テンパイ後も鳴き無しを設定しないという打ち手もいるが、
私としては特段鳴く必要のない状況では鳴き無しが有利であると考えている。


その理由としては、ラグによって手牌構成を推測することが可能になるため、
ターツ選択やチートイツの待ち選びなどで有利な方向へと手牌進行することができるから
だ。

また、ラグから相手の手牌構成をある程度把握することで、
通りやすいスジを導き出すといった作業も可能となる
からである。


突然鳴き無しになったことでテンパイ気配がばれる、
一定の条件下でラグをかけた方が待ちが出やすくなる、
(例えば2345pのノベタン待ちでピンズのラグをかけることで待ちを出やすくする)
などのデメリットはあるものの、
手牌推測できるという要素は大きく、鳴き無しが有利ではないかと私は考える。

少なくとも、ラグをかけてもらえる方が私はありがたい。


ラグによって盲点になる待ちや、
ラグから手牌構成をどのように推測するかなどは、
そのうち記事にして紹介しようと思う。


さて今回は、鳴き無し派の真骨頂と言ってもいい、ファン牌ラグなしからの狙い撃ちだ。

私ぐらいファン牌にラグをかけない打ち手は鳳凰卓でも珍しいのではないかと思う。

鳴き無しの切り替えには、ファン牌を鳴くかどうか明確な基準を自分の中で確立している必要があって、
比較的経験が必要な分野だと個人的には思っている。


読みがしっかりしている鳳凰卓では安易な仕掛けは自身のピンチを招きやすい。

麻雀の「必然性」に鑑みると、ファン牌は一鳴きより二鳴きの方が必然の要素が強い、と最近は考えるようになった。

十年前の私はファン牌一鳴きしないことなどあり得ない、と考えていたのだから変わったもんだなあと思う。


今回の実戦例では、鳴くかどうかのみならず、鳴き無しを設定しているか、という部分も含めて、
あなたならどうするか、を考えていただきたい。



case1
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東1局、開局の西家。

下家から白が出たところ。

ドラ9m含みのノベタンのポンテンに取れるが、さてどうしよう?





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スルーした(鳴き無し)。

この手はくっつきの受け入れが広く、好形リーチが十分に期待できるため、
わざわざアガリにくいドラ受けにする必要はないと考えた。

同様の理由でスルーする人も多いのではないだろうか。

仮にこのような縦引きでテンパイになったとしても…


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鳴き無しなら白が盲点となっているため、喜んでリーチに踏み切れる。

これ、白にラグをかけているかどうかでリーチへの踏み切りやすさが全然違うのではないだろうか。

白ラグを見ていると鳳凰卓レベルではどうしても警戒度が上がってしまう。


70269.jpg

不運にも一発で掴んだ上家がそのまま放出。

中盤では手牌がブクブクとなっていやすく、タイミングによっては簡単に出てくる。

白ラグがあったならあるいは止まっていたかもしれない。


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重なった5pが裏ドラになって僥倖のハネ満。

白ポンから2000に仕上げるのとでは大差となった。


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白ポンでもおそらく6mツモでアガれている。

白スルーはテンパイスピードを犠牲にしているため、上手く行ったのは結果に過ぎない。

ただ、開局でこの手、この巡目なら高打点を見据えて白スルーの方が優っているように思う。



case2
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東3局、23400点持ち3着目の西家。

好形含みリャンシャンテンから東が出たが、さてこれを鳴く?





70128.jpg

スルーした(鳴き無し)。

この東にラグすらかけないのが私の特徴だ。

ここから東をポンしたとして、アガりやすいと言えるか?私の感覚では決してアガりやすくなっていない。

仕掛けてトップ目の親リーチに被せられたら安牌に窮してアップアップするのが目に見えている。

せめて両面ひとつ埋めてイーシャンテンにしてからポンテンに取りたいというのが感覚だ。


狙い通りにメンツが完成し、ここからならポンテンに取る構え。


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間髪入れずにテンパイが入って、これなら即リーチに行ける。

ちょっと前に切られた東にラグをかけていない。

これが盲点になって絶好の待ちになっている。


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ほどなく親から出てきて5200。

注目すべきは親の手牌。終盤に現物の9pがトイツであるにも関わらず、東が躊躇なく出てきたというところである。

九段クラスでもノーテンから切ってくる東ということで、盲点となりやすい待ちであることがわかるだろう。

仮にラグがあったなら敏感な打ち手は止めてしまうことも考えられる。


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東ポンなら直後に上家からリーチが入り、私の浮いている1pがまんまと当たりになる。

これはたまたまだが、私の感覚は間違っていなかったということだろう。



case3
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東2局、原点の南家。

かなりの好配牌をもらったが、何を切るか?





tenhou.24426.jpg

くっつきの広さなら3s切りだが、6p切りとした。

これはコーツ系に寄せる一手でしょう。

目標は三色同刻四暗刻。


tenhou.24427.jpg

南が出たが鳴くか?





tenhou.24428.jpg

スルーした(鳴き無し)。

オーラスなら鉄ポンだが、東場なら鉄スルーというのが感覚。

スルーした結果、テンパイが入ったがさてどうするか?





ドラ切りリーチとした。

ドラを切ってしまうと出アガリでやや打点的に物足りなく、特段アガリやすいというわけでもないが、
ドラくっつきがタンヤオ確定というわけでもないため、妥協気味にリーチ。

このドラに親のポンが入る。長引くとやばいが…


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ほどなくツモって、2000・4000。ツモアガリなら三暗刻で十分。

河の情報が少ないので、南を掴んでも止まらないだろう。

親のポンはとりあえずという感じだったが、これでも長引くとどうなるかわからないので一安心。



case4
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南2局、14300点持ちラス目の親番。

3着目下家との差は3800点につき、ここで巻き返したいところ。

配牌イーシャンテンから、ポンテンに取れる東が出た。さて、これを鳴く?





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スルーした(鳴き無し)。

789の三色やマンズの好形変化が見えるので、ポンして形を決めないの意。

スルーするかどうかはともかく、これを鳴き無しにする人はあまりいないのではないだろうか。

このへんが私のメンゼン派たる所以だ。


51422.jpg

東鳴き無しがめちゃくちゃ生きるのがこの即テンパイだ。

当然の即リーチに踏み切る。

他家が東を持っている可能性は高くないものの、山に浅ければ出アガリもかなり期待できる。


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東は山に深めだったが、終盤に仕掛けの対面から出て裏なしの3900。

河に中張牌が溢れ、待ちが絞りやすい状況につき微妙だったが、テンパイからはなかなか止まりにくい牌だということがわかる。


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ポンテンに取ること自体、別段普通の選択だと私は思う。

7sでさらっとアガリを拾うということも重要だろう。

この場合は7sも山に深く、スルーが結果的には正解だった。

巡目的な猶予があるので、東ポンしてペン7sを払うというのも有力かもしれない。



case5
53279.jpg

南3局、32900点持ち3着目の西家。

下2者がやや離れたポジションで、トップとの差は5100点だ。

ポンテンに取るには絶好の西が出たが、さてどうしよう?





53280.jpg

スルーした(鳴き無し)。

これは点差戦略だが、ここで1000点をアガっても親が喜ぶだけだ。

せめてテンパイノーテンで捲るレベルの点差までは詰めたい。

巡目的にはリーチをかけるだけの手牌変化も十分に期待できる。


直後にテンパイが入ったが待ち選択となった。

さて何を切ってリーチするか?





53281.jpg

今スルーした西を待ちにしてエントツ形に取った。

鳴き無しの西が圧倒的に盲点なのでトップ目からの出アガリも十分に期待できる。


53282.jpg

しかし、裏目の方をツモってしまった。

この受けだと赤5mツモを逃す可能性があるのがリスクと言えばリスクか。

とはいえ、赤5mは出ることはないが、西は出るかもしれない。


53283.jpg

結果は親と2人テンパイで流局。

親との点差を縮めることができなかった。


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25mは山4、47m西も山4と同等だったが、件の西は王牌に沈んでいた。

スルーしたファン牌は残り最大1枚しか残っていないため、山に浅いかどうかというのも重要となる。

盲点となっても残り1枚が王牌に沈んでしまってはどうしようもない。

このへんがこの戦術の弱点であり、1枚目ポンの確実性が優る部分だ。



case6
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東3局、20900点持ち3着目の北家。

1枚目の発が出たが、これを鳴くか?





70739.jpg

スルーした(鳴き無し)。

北家ということで、トップ目の親に対応する立場。

ドラも見えていないので守備に重きをおいてスルーするのが良さそうだ。


70740.jpg

望外にもツモが効き、テンパイが入る。

さて、リーチする?





70741.jpg

リーチした。

入り目が1pならシャンポンのダマを選んだが、マンズが先に埋まれば宣言牌がキズにならず、
先切り迷彩の1pもやや出やすい。

このへんは入り目によっても繊細に変わるが、打点が打点なので慎重さを要する。


70742.jpg

好手牌の親から飛び出て裏は乗らずの2600。

裏が乗らないと成果はイマイチだが、アガれただけでも十分。

親は浮いている1pと発の2種のうち、発の方を選んでいることからも、鳴き無しが盲点となっていることがわかる。


70743.jpg

親は一発で掴んでいたが、安全牌を持っていたことからきわどく止まっていた。

仮に対面が一発で掴んでいたらこれは止まらなかっただろう。

他家にまだやる気のある中盤のうちに当たり牌を掴ませることができれば、結構な確率でアガリを拾うことができる。

仮にラグをかけていればこれの半分もアガれていないかもしれない。



そして、一度これを食らってしまうと、私のリーチに対して1枚切れの字牌が切りにくくなるだろう。

ラグの有無に関わらず、字牌を切らせなくする効果、同じ相手と長く打つ際にはこういう印象を持たせることが後から効いてくるかもしれない。


鳴き無し字牌の狙い撃ち、ぜひお試しあれ。



ラベル:天鳳 不鳴
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(9) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月14日

スルースキル 北家は鳴かずに親をケア

今回は久々に登場、スルースキルだ。


科学的麻雀観が台頭して以来、
牌効率やベタオリなど局収支にかかわる項目が重要視されるようになった。

結果として、東家、南家、西家、北家、という各家の役割については、
議論されることがほとんどなくなった。

最近の戦術本を読んで麻雀が上達した人の中には、
親はともかく子方の差異についてはほとんど意識したことのない人も多いのではないだろうか?


あるいは、意識しても無駄だという印象を持っている人も多いのではないだろうか。


誰かにとって不利な打牌というのは誰かにとって有利な打牌なわけで、
それならば自己の利益最大化を目指して好きなように打つというのが現代流だろう。

これは間違いではない。


ただ、各家の役割をきちんと理解し、各々が分を弁えて打つ、ということは、
長期的に安定した成績を残す上で私は非常に重要なことだと思っている


また、そうすることが麻雀の勝負の質を高める、
決して無味乾燥としていない、白熱した戦いにするための必要条件であるとも思っている。

天鳳においても、戦略として各家の役割を意識しながら打つことで、
ラス回避の可能性を高めることができる。

このブログでは、超最新戦術から皆が忘れかけていたアナログな戦術まで、
様々な角度からヒントを与えていきたいと思っている。



さて、本題に戻って北家の仕掛けについてだ。

北家の仕掛けは1局単位で親のツモが増えやすい行為であり、
序盤での北家の鳴き、特にポンは即座に親のツモを増やしてしまう。

仕掛け自体がデメリットのある行為であるのに、
北家のポンは子方のツモを飛ばして子方のあがり目を少なくするばかりか、
親のツモを増やして親の先制テンパイのチャンスを増やしてしまう。


親番を流すというのは麻雀の一つのテーマであり、
この意識が共有できているかどうかで、
麻雀というのは展開が大きく変わってくる。

天鳳においても、特にラス目が親番の時の北家の対応は重要であり、
ゲーム回しの鍵を握るキーマンと言っても過言ではない。


状況によっては、分を弁えて謙虚に親に対応することが、
北家の一つの役割である。


ただ、自己犠牲的にまで献身する必要はなく、
やりすぎない、ほどほどのバランスで対応していくのがベストだと思っている。

これは、アシストやサシコミなんかもそうで、やりすぎないことというのは大事だと思っている。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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南1局、23000点持ち3着目の北家。
比較的僅差で、下家の親が現状ラス目となっている。

親の第一打で自風の北が出たが、さてどうしよう?





tenhou.19738.jpg

スルーした(鳴き無し)。

自分の手はさほど悪いとも言えないが、
雀頭不在でまとまるには少し時間がかかりそうだ。

北ポンで手詰まりになりやすい牌形でもあるので、
ラス目が親であることからもひとまず様子見とした。


私の感覚ではこの親の第一打は鉄スルーに近い。
親のツモを増やして、親の現物を2枚消費する上、
3568の対象形はいかにも放銃しやすい牌姿に映る。


tenhou.19739.jpg

メンゼンで進めた結果、テンパイまでこぎつけた。

親のリーチ一発目だが、切り出さなければならないのはドラの中。

さて、どうしよう?





これは、ドラ切りで追っかけリーチに踏み切った

ポイントは最終形の強さで、どのくらいあがり目があるかで判断している。

この147mは鉄板と言ってもいいのではないだろうか。

「スルーして入ったテンパイ即リーチ」 この基準を加味してもいい。


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親にツモられ、裏なしの2600オールとなった。

なんと親もオナテンの14mだった。

鉄板vs鉄板のツモり合いだったというわけだ。

北家の役割を全うして入ったテンパイにつき、
メンゼン好形テンパイなら基本勝負の姿勢でいいだろう。



case2
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南3局、38000点持ちトップ目の北家。

親の北は例によってスルーするとして、
上家から即2枚目が出たが、さてどうしよう?





tenhou.20703.jpg

スルーした(鳴き無し)。

この2枚目は牌姿によってはポンするところだが、
ターツ不足で少し厳しい形なのでスルーとした。

これによって直ちにあがりが遠のくわけではないが、
北ポンに比してあがり率自体は低下するだろう。

こうした以上は当然、親の動きには対応する構えだ。


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発が重なり、1枚目の発が対面から出たところ。

さて、どうしよう?





tenhou.20705.jpg

スルーした(ラグあり)。

形的にこれは鳴いてもいいと思ったが、
北家であることを踏まえると、序盤で親のツモを増やしたくなかった

スルーしたところ絶好の発暗刻で、これで完全に攻撃の態勢が整った。
5m切りで広く受ける。


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ほどなくして親の仕掛け、さらに上家のリーチが入る。

上家に先制リーチが入ったのも、発をポンしてツモを減らさなかった一つの効果だ。

リーチに対して対応する手牌の余裕もあるし、
まさに理想的な展開と言える。

ここで北のトイツ落とし。


tenhou.20707.jpg

結局、親が5200の放銃となった。

自分にダメージがなく親が流れてくれればこの局の目的は果たしたも同然。
対応の余地を残すためのスルーで、この半荘はトップで終了した。



case3
tenhou.4649.jpg

東2局、24000点持ちラス目の北家。
ほぼ持ち点に差のない状況となっている。

対面から1枚目の東が出たところだが、さてどうしよう?





tenhou.4650.jpg

スルーした(鳴き無し)。

鳴いても形が厳しいし、親の捨て牌からは速度がありそう。

親に対応する構えを取り、南家のかわしに期待する。
南家の段位が七段ということもあり、この辺は仕掛けの精度に信頼がおける。

スルーした結果、カン8mの好牌をツモったので、
ある程度攻め返すことも考慮に入れている。


tenhou.4651.jpg

早速東のトイツ落としで対応に入ったが、
ここは8sトイツ落としぐらいの方がバランスはいいかもしれない。


tenhou.4652.jpg

結局南家が親から2000のあがり。

この展開なら御の字で、丁寧に対応した甲斐があったというもの。

この局面では鳴かれる牌をほとんど持っていなかったが、
仕掛けの5800クラスを簡単にあがらせないことは重要だと思っている。



case4
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南3局、28400点持ち2着目の北家。
下家の親が17100点持ちのラス目となっている。

親に対する現物が1枚もないため、ここで生牌の南を放したところ、親がポン。


tenhou.6392.jpg

直後に対面から白が出たが、さてどうしよう?





tenhou.6393.jpg

スルーした(鳴き無し)。

ドラのペン7m残りでは苦しいし、
白を鳴いてしまうと親に対応する余地が減ってしまう。

本意でない南切りで親に鳴かせてしまった以上、
ここからは(責任を持って)、親に対応していきたい。



tenhou.6394.jpg

2枚目の白でポンテンに取れるが、どうしよう?





tenhou.6395.jpg

スルーした(鳴き無し)。

テンパイにつきポンテンに取るというのは確かにあるが、
この7mのあがり目がそれほどあるとは思えない。

それならば一貫性を持って対応しようというものだ。


スルーした結果、メンゼンでテンパイが入ったが、どうしよう?





tenhou.6396.jpg

白切りでテンパイ取らずとした。

これはスルーして入ったメンゼンテンパイなので、
リーチはしないまでもテンパイに取るかどうかは迷った。

ただ、切り出す2pは急所でもあり、
対面と上家が仕掛けてかわす姿勢を見せている

やはり一貫性を持って対応を継続した。


tenhou.6397.jpg

次巡、まさかのドラツモでたじろぐも、
258pのテンパイなのでこれはこれで良し。

「スルーして入ったテンパイ即リーチ」はこういう裏目としてよく現れる。


tenhou.6398.jpg

結局、親から赤5pが出て3900のあがりとなった。

ご覧のように親の最終形がすごいことになっていた。

まず、私が2枚目の白をポンしていると、7mが親に流れて6000オールとなっていた。

さらに、私が5pを捕らえていないと、対面が5pチーして親に18000の放銃となっていた。


丁寧に回して、上手くあがりを拾えたので結果としては満足だが、
これは同時に対面を助けた捌きであったというのがわかるだろう


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次局、助かった対面が18000で大捲りのトップ。


実戦中は目に見えない部分が、因果としてはっきり表れている。

前局ファーストテンパイなら即ツモあがりだったペン7mが私の最終形となっているところも、
対比として面白い。

前局エネルギーを使いすぎてしまったという感じ。



case5
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東4局、20400点持ち3着目の北家。
ラス目の親が2フーロ晒している。

その親から1枚目の東が出たところ、さてどうしよう?





tenhou.9538.jpg

スルーした(鳴き無し)。

親の仕掛けは白バックが本命だが、
789の三色やピンズの一通もあり待ちが絞りきれない。

私の手は急所のカン6sが残っている上、鳴いてもイーシャンテン。

ここから親のツモを増やす仕掛けは得策とは思えない。


直後に上家から2枚目の東が出たが、これもスルー。
2mの裏目に、1m3枚目が出た直後の東というのも感触が悪く、鳴く気にならない。


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3pツモって、東を切り出していく。

なんとなく手牌が生き返ったように見えないだろうか?

ファン牌スルーがあがりを放棄する行為では決してないのだ。


tenhou.9540.jpg

南家が700・1300のツモあがりとなった。

北家が仕掛けを我慢し、南家が仕掛けて親をかわす。

ラス目の親に対する対処としてはこれが理想的なパターンだ。



case6
tenhou.20729.jpg

南1局、25500点持ち2着目の北家。

バラバラな手から北をスルー(鳴き無し)すると、2mが重なった。
メンホンチートイを視野に手を進めていく。


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メンホンのリャンシャンテンまで伸びたところ、親から9mが出た。

さて、どうしよう?





tenhou.19799.jpg

スルーした(鳴き無し)。

ドラが中であることから、ブラフ気味のポンも考えられるが、
巡目としては少し早い。

有効牌を切望しているこの巡目で親のツモを増やすのは、危険性が高いと考えてのスルーだ。


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12巡目まで進み、再び親から9mが出たが、どうしよう?





tenhou.19801.jpg

これはポンした。

9mスルーはさすがに自分のテンパイの可能性が下がるし、
ドラも見えていないので相手の対応も難しいはずだ。

この巡目のポンなら、残り巡目が限定的であることから、親のツモを増やすデメリットは若干薄まる。

即リーチと来られても、親のあがり率は劇的には上がらないし、
こちらの対応も巡目的に限定的となり、対応しやすくなるからだ。


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あっさり中を切られたが、上家からリーチが入って対応することに。

ここで北のトイツ落とし。


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リーチ者の一人テンパイで流局となった。

2着維持のまま親が流れたので、展開としては上々。

北家の場合、自分のあがり目がどれぐらいあるかを勘案し、
苦しい仕掛けならなるべく早い巡目はスルーするのがポイントだ。




case7
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東2局3本場、供託1本、29700点持ちトップ目の北家。

下家の親がホンイツ風味の仕掛けを入れている。

自風の北が暗刻のところ、上家から8sが出た。

さて、どうしよう?





tenhou.4125.jpg

スルーした(ラグあり)。

危険牌を使い切って迂回できる可能性があるため、
これは仕掛ける人も多いだろう。

ただ、ここから仕掛けて4sと中を切らずにあがり切れる可能性はどれほどあるというのか?

危険牌1牌なら仕掛けもありだが、2牌なら私は仕掛けない。


トップ目の北家は野球で言うならキャッチャーのようなものだ。

どんと構えて親にはきちんと対応するから、
南家、西家安心してくれ、と。

ここから北家が789で晒すと、南家西家は対応の種が増える。

それによって変な紛れを起こさないように、
北家の仕掛けはあがり目を十分に精査しつつ仕掛けるというのが私の考えだ


tenhou.4126.jpg

最終的には、南家が西家から3900のあがりとなった。

北家が親に対応し、西家がメンゼンでテンパイを入れ、南家が仕掛けてかわす。

各々が役割を果たしてこその結果であり、
8sスルーに意味が残ったと言えよう。


自分の家の役割を考えながらするスルー判断、
この積み重ねが正しいかどうかというのが大局観であり、
一瞬の期待値判断が長期的な成績に寄与するかどうかはまた別問題だと私は考えている。

こういう8sスルーがまさにその例で、
この半荘トップで終えられたのも、この判断が間違っていなかったという一つの証左であろう。


次回はこの記事に関連して、北家の鳴きを利用する戦略、
さらには自身の仕掛けの失敗例を紹介したい。



ラベル:天鳳 不鳴
posted by はぐりん@ at 21:01 | Comment(8) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月27日

スルースキル トップ目の親は余裕を持って【ラス前編】

前回に引き続き、トップ目・親番の打ち方がテーマ。

今回はラス前(南3局)に題材を絞った。


ラス前に限った話ではないが、トップ目の親番でまず考えることは、
「仕掛けてあがることにどれだけ意味があるか」ということだ。


高い手なら決定打になりうるため、問題はないが、
仕掛けの安手で連荘することは、
見方を変えれば下位者に対していたずらに挽回のチャンスを与えているとも考えられ、
順位戦略として得とは言えないケースも多いからだ。

ましてや、局回しの重要なラス前ともなればなおさらだ。


仕掛けること自体、手狭にして守備力を低くする行為であるのに、
その目的であるあがりを得ても、相手が喜んでしまうというのでは、
リスクとリターンが見合わず、そもそも仕掛けない方がいいというのは少し考えればわかる。


あがることが勝つための必要条件なのに、
あがることが常に勝つために必要なわけではない
というところは、
何とも不思議な命題を内包しているが、
結局のところ、順位戦略としてその仕掛けは最適ではないということである。


天鳳ではあがりを取りに行くより放銃を回避することの方が重要な場面が多く、
一見、普通に見える仕掛けが最適解ではないことも多いと私は認識している。


ともかく、トップ目の親番こそが、
仕掛けによる「あがりの意味」を超真剣に考えるべき場面であり、
迷ったら、メンゼン主眼にどっしりと構えるぐらいでちょうどいいだろう


それでは、具体的に実戦例から見ていこう。



@安い
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南3局2本場供託1本、37300点持ちトップ目の親番。

2着目は25000点の南家で、3着目・ラス目が18400・18300と拮抗している。

トイツ4組のところ、下家から白が出た。
さて、どうしよう?





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鳴き無しでスルーした。

供託リーチ棒があるとは言っても、この局面で安手の連荘はあまり意味がない。

メンツが一つもないため、鳴いてもさほどスピード感のある手ではなく、
特に注意すべきなのは拮抗している3着目とラス目への放銃だ。

いずれかに満貫クラスを放銃してしまうと、オーラス見事に三つ巴となり、
トップを取るどころか、ラス転落が現実的に見えてきてしまう。


下との点差を考えたら、安手であがるより流局でも親が流れてくれた方が嬉しい。

3着目と4着目はこの点差のまま、オーラスはラス争いをしてもらった方が、自分にとっては都合がいいのだ。


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ラス目の上家が中を大ミンカンして、ドラドラになった上、光速のチートイテンパイ。

スルーから数巡でまさかの勝負手に育った。

下家の2pを上家はポンしていないので、2p待ちに取る。
この2pは感触あり。


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首尾よくツモって4000オール。

これはできすぎの結果ではあるが、
4トイツぐらいなら鳴かずともトイツ手が高速で仕上がることも多い

ドラに寄せることも可能なチートイツは、攻守両面においてやはり魅力だ。



Aライバルが仕掛けている
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南3局、38500点持ちトップ目で迎えた親番。

2着目は24000点の南家、ラス目は13900点の西家となっている。

上家から中が出たところ。
さて、どうしよう?





tenhou.2722.jpg

鳴き無しでスルーした。

ドラ1あって、愚形とはいえペン3sは場況的には悪くないのでポンする手もあるが、
ここでのポイントはライバル下家が先に仕掛けていることだ


下家の仕掛けは9pのリャンメンチーだが、ピンズの染め手でもなく、
パッと見高そうには見えない。

2着キープ主眼でかわしを念頭に置いた仕掛けの可能性が高いなら、
相手にスピードを合わせる必要はない

余裕のスルーでさらに形が整ってから仕掛けてもいいし、
あるいは南家にそのままあがってももらっても構わない。


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ラス目対面の仕掛けも入り、上家から3pが出たところ。

この3pは場に4枚目の36pだが、さてこれを鳴く?





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ラグありでスルーした。

ドラを仕掛けていない対面の仕掛けはそれほど脅威ではなく、
仕掛けてテンパイに取る手もあるが、
バックの2900にする必要性もさほどない。

メンゼンで融通の利いた構えのまま、
やはり仕掛け者にはあがってもらっても構わない。


我慢したところご褒美の赤5pツモ。
これでぐっと手がグレードアップした。
5800なら、一転してあがりを取りに行く価値は高まる。


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ほどなくして出た中をポンしてテンパイ。

切られすぎた36p待ちを回避しているのも好感触だ。


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間髪入れずにツモって、2000オールのダメ押し。

とにかくスルーを尽くして入れたテンパイというのは好結果に結びつきやすい。

文学的に言うと、対面の勝ち運まで食い取った、こんな感じか。

やはり2900と5800の差は大きく、
5800クラスの加点であれば十分に決定打になりうる。

トップ目の親番で仕掛ける基準は5800からを意識するのがいいだろう。



B遠い
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南3局1本場、50200点持ちダントツトップ目の親番。

点棒状況は自分から順に、50200、28400、12800、8600となっている。

コーツ手風の手牌から自風の東が出たところ。
さて、どうしよう?





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鳴き無しでスルーした。

鳴いてイーシャンテン、手牌的には遅いというわけではないが、
カン7mのノミ手であがることにはあまり意味がないし、
鳴いてからトイトイ、ホンイツを見込むのも少し遠い。

それならばツモの様子を見ながらメンゼンで手組みをし、
トイツ手等の可能性も見た方がいいと考えた。


スルーしたところ、ベストと言える東ツモ。
この局で終了させるに十分な、楽しみな手牌に育ってきた。


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ソーズのホンイツ主眼の手組みにしたところ、上家から2sが出た。

さて、これを鳴く?





tenhou.8908.jpg

ラグありでスルーした。

コーツ手構成の手牌をチーから入るのはスジが悪い。

これは今後も扱うテーマだが、
トイツ手はポン、シュンツ手はチー、
トイツ場はポン、シュンツ場はチーから入るのが基本だ



この牌姿の場合、3s9sはポンだが、2sはチーしないということになる。
点棒状況的にはスッタンまで意識してもいい場面だろう。

スルーした結果、赤5sツモ。


tenhou.8909.jpg

ズバッとカン4sをツモって、出来た!という感じのテンパイ。

手変わりもあるのでダマテンに構える。


tenhou.8910.jpg

対面が仕掛けていた南と中を連続加カン。

場に緊張が走る。


tenhou.8911.jpg

このタイミングで、リーチをかける?かけない?





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ツモ切りでリーチに踏み切った。

ここでは1sが表示牌に死んだ上、18000になったため、ダマでも対面は飛ぶのでリーチをかける意味があまりない。
それ以上のデメリットとして、6sツモによる変化が効かないというのもある。


ここでのリーチはひとえに、仕掛けのカンを咎めるリーチだ。

対面は3着目であり、点棒状況的にはカンのメリットがあまりない。
放銃の最も嫌なはずの対面のカンは、少し勇み足にも映る。

蛮勇のカンであれば、ここが最善のリーチのタイミングだと判断した。


tenhou.8913.jpg

結局対面から出て、裏はまったく乗らずに、18000で終了となった。

対面がカンをしていなければ、飛ばずにギリギリ耐えられたはずで、
咎めることに成功したと言える。



C仕掛けるのは急所から
tenhou.10848.jpg

南3局、36400点持ちトップ目の親番。

2着目が29600点の南家、ラス目が16600点の北家となっている。

678の三色のイーシャンテンだが、カンチャンが2つ残っている。
上家から7sが出たが、さてどうしよう?





tenhou.10849.jpg

ラグありでスルーした。

この場面、ドラの7pなら仕掛けるが、7sはスルーすると決めていた。

場況からソーズの上は安く、7sはこの局面の急所ではなく、
何より7sチーしたところで、ドラ待ちではあがりにくい。

2900という打点もドラ待ちのあがりにくさに見合わない。


tenhou.10850.jpg

ほどなくしてドラツモのテンパイ。

仮に7sをチーしていると、下家にド急所のペン7pが流れて、テンパイを入れられるところだった。
(前巡の9m手出しは6mとのスライド)


tenhou.10851.jpg

ダマテンのままツモって、会心の3900オール。

前巡の5s切りもこの場況なら普通だろう。


このように、急所牌を的確に見極められれば、
スルーによって悪い結果を誘発する仕掛けを減らすことができる


これはトップ目であろうとラス目であろうと変わらないわけだが、
点棒に余裕のあるトップ目だからこそ、目先のテンパイに捉われず、
大局を持ったスルー判断を心掛けたい
ものだ。



ラベル:天鳳 不鳴
posted by はぐりん@ at 00:28 | Comment(12) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする