2022年01月09日

チャンス手は後手でも手を緩めない

このタイトルを見て、「そんなの当り前だ」と思う人も多いことだろう。

しかし、巡目が深かったら?親じゃなかったら?相手がラス目だったら?

少しの状況の違いによって、途端に判断が変わってしまうこともある。


ある程度のリスクリワードを念頭に置いた上で重要なのは、

結果によって自分の打ち筋がブレないようにする、ということである。


今回は押して通らなかったから、同じような場面で次回は引く、というのではなく、

今回押したなら次回も押す、前回引いたなら今回も引く、という風に同じ状況なら同じ判断を繰り返した方がいい


これができないと自分の芯が定まらずに、あっちへフラフラこっちへフラフラしてしまう。

ある程度サンプルが集まって初めて雀風をどのようにしていくかの修正が可能になる。


オリを覚えた中級者がオリを知らない初心者に負ける、ということにならないように、押し引きの基準を明確にしておく必要がある。


以下は私が押して勝ちまくっていた時期のサンプルである。

相手の心理なども踏まえて参考にしていただけたらと思う。


case1
52732.jpg

東3局、33200点持ちトップ目の親番

イーシャンテンから選択の場面となった。

ここから何を切る?





52733.jpg

1sツモ切りとした。

1s1枚切れの上、3s切りなら最終的に切り出す3sが全体的に危険度高い

場況的には3s待ちもそれほど悪くない。


しかし、ラス目上家のリーチが入った後、ド裏目の1sを持ってきてしまった

さて、どうしよう?





52734.jpg

1s勝負した。

ラス目リーチに対して、しかも選択が裏目った後だけにここは「引き」がセオリーだ。


しかし、この手をオリたとしても、今後のトップが安泰となるリードではない。

さらに、このぐらいの好手が次にいつ訪れるかもわからない

赤2持っていてドラも見えているため、仮に打ってもそこまでひどいことにはならなそうだ。


52735.jpg

6pを持ってきてテンパイが入った。

ここは当然…


52736.jpg

5s切ってリーチだ。

1s切りで気配は脇に漏れている。

3sが山にいそうなので、これを拾いに行く。


52737.jpg

下家の一発消しが作用し、山に眠っていた東を掘り起こす。

一発はつかないが12000。

片割れの3sは持たれていて山にはいなかった。


52738.jpg

ご覧のように1sは紙一重の危険牌だった。

ここで安全に東落としでも最後に3s勝負でテンパイは維持できる。

ただ、そこで3sを勝負するのは割に合わないため、オリを選択する可能性が高い。

最初に押せないと、次々と妥協点を導いて結果的に局収支は下がりやすい。これが弱気の悪循環だ。

このアガリが効いて、トップを獲ることができた。


case2
52767.jpg

開局の親番。

下家からリーチが入っている。

カン8pが埋まって手牌が引き締まった。

さて、何を切る?





52768.jpg

4s切りとした。

赤5sを自身で持っているのでこの4sはやや押しやすい。

そもそもオリるにしても安牌が不足している。


52769.jpg

その後持ってきたのは、1個ずれて3m。

さて、何を切る?





52770.jpg

ここでドラ切りとした。

1mが4枚見えているため、3m切りでもいいが、3m自体が狙い目でもある場況。

オリ切るには微妙に安牌が足りないため、ここで決意の勝負とした。


52771.jpg

直後にテンパイがきた〜。

よく見ると58mは5枚見えていて、さらに下家の現物待ち。

さて、どうしよう?





52772.jpg

即リーチとした。

2900を拾うために押しているわけではないため、ここは当然のリーチ。

当たり牌は山に1枚いればいい。


52773.jpg

が、ダメ。下家がアガって700・1300となった。

下家もホッと胸をなでおろしたことだろう。


52774.jpg

中切りの根拠となった3mは山に2枚。

58mも山にいたため、押し引きの判断は間違いではなかった。

アガれなかったことよりも、下家に大きなプレッシャーを与えられたことが大きく、この後精神的に五分以上で戦える。

このわずかな差が後々ボディブローのように効いてくるものだ。

この半荘は2着で終了した。


case3
52832.jpg

東2局、26300点持ち2着目の親番。

こちらはチャンス手のイーシャンテンだが、上家リーチ一発目にまさかの赤5sを持ってきてしまった

さて、どうしよう?





52833.jpg

ツモ切りとした。

8sが通っていなかったら微妙だが、1スジならギリギリという感じ。

この5sが後々2s待ちの布石となる可能性もある。


ちなみに上家はご存知木原浩一プロ、下家は大和田頭取という強豪面子。

舐められてはいかん、と強気で押した。


52834.jpg

上家から4枚目の3mが出た。

これをチーすれば、4mを使い切ってテンパイが取れるが…余る2mはドラ。

さて、どうしよう?





52835.jpg

スルーした。

これを鳴いてしまうとバックの5800テンパイと、何だかイマイチだし、ドラが当たらないという保証もない。

結果持ってきた2p、これもぶった切る。


52836.jpg

待望の中を自力で引き寄せ、満を持して…


52837.jpg

4mを切り出すと、これが当たり。裏が3pで8000。

当たる云々はともかく、ここはリーチで決定打にすべき。

好配牌から東を引っ張ったのはホンイツの渡りだったようだ。


52838.jpg

さすがにここで2m切りとはできないので、この放銃は仕方ない。

47mはたっぷり山にあって、押さないとツモられていた。

親っかぶりの6000も8000も大差ない。こういう点から親は押し有利だ。

しっかり闘っている限りはそんなに負けないもので、この半荘は3位だった。


case4
57726.jpg

東4局、18400点持ちラス目の北家。

上家と熾烈なラス争いとなっている。

その上家から早いリーチで、しかも7m暗カンのおまけつき。

こちらの手も整ってはいるが…。

さて、何を切る?





57727.jpg

2s勝負とした。

この手がたちなら押したくはあるが、2スジ勝負はなかなかに勇気がいる。

2pを抑えつつアガリにかけるのであれば、ここは腹を括ってソーズ落としとした。

裏ドラもあるので放銃は致命傷になりやすいが…。


57729.jpg

2s被ってしまったが、リカバリーできた。

いざ尋常に!


57730.jpg

おっさん「そうだろうそうだろうわかっていた、一発ツモだ!ご無礼、なんつって(笑)」


裏は乗らなかったが3000・6000。

おっさんは2着を勝ち取ることに成功した。



ラベル:天鳳 押引 後手
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(0) | 攻守判断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月18日

2件リーチに対する攻守判断

今回は、2件リーチがかかっている状況における攻守判断について。


テンパイを入れることすら難しいと思えるのに、手がぶつかる時は不思議なくらいぶつかる、麻雀あるあるではないだろうか。

相手の2件リーチに対しては、こちらは大抵の場合引き気味に構えざるを得ない。

1件目はともかく2件目のリーチが生半可な手でないことだけは確かだからだ。


危険牌ばかりを持ってくれば迷いなくオリれるが、難しいのは自分にテンパイが入ってしまった場合だ。

せっかく入ったテンパイを無碍にできないとリーチしたはいいものの、とんでもない危険牌を持ってきてギャッとなる。

当然のことながら放銃牌が通常より多いため、自身ツモ時の放銃率もUPする。

攻め返しているはずなのに、ツモりたくね〜などという相反した感情が沸き上がる。


実際には3人でめくり合うことは、2人でめくり合うよりも横移動がある分、相対的に放銃率が低くなる。

その分実入りも少ないわけだが、自身がひどいことになるパターンはそれほど多くはない。

それゆえに、最悪の事態になる見積もりが甘くなってしまう嫌いもある。

2件に対してオリ切れる保証がない場合はなおさらだ。


麻雀においてはなまじテンパイが入ったために…という失敗が起こりがちなのではないだろうか。

トップに価値の高いリアルの場合は攻めの手を緩めないことが重要となろうが、これが天鳳の場合は無駄にラスのリスクを高める行為ということにもなりかねない。

2件リーチを受けての攻め返しは天鳳においてはバランス感覚が問われ、非常に難易度が高い。

というのも、傍観していても横移動により無傷で乗り切れる可能性が通常より高い上に、放銃時のダメージが大きいケースも多いからだ。

リーチに放銃かつデバサイ直撃というラス落ちに直結する要素が含まれているだけに、点棒状況によって繊細な打ち筋を織り交ぜていける者こそが、天鳳で長く生き延びていける条件なのかもしれない


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
52583.jpg

開局の親番。

南家の先制に対して西家から追っかけが入っている。

こちらもテンパイが入ったが、出ていく6mはドラ。

25pの場況は絶好に見えるが…さて、どうしよう?





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さすがに2件無スジのドラは行けない。

34pのターツが落とせるのでここは行きたい気持ちをグッと堪えた。


52585.jpg

8sが暗刻になりテンパイ復帰。

このままテンパイを維持できるか?


52586.jpg

テンパイどころかまさかのアガリがあった。3900オール。

「おっ、いた。」(おっさんの常套句)


52587.jpg

無理に勝負に行っていると、ドラは当たりの上、裏裏で8000の放銃となっていた。

絶好に見える25pは山に1枚しかなく、読みは当てにならない。

丁寧に打った見返りと言っちゃなんだが、この差し引きはあまりにも大きい。

勝負を焦らずに、辛抱強く打ったことが実った格好。



case2
54795.jpg

南2局、26700点持ち2着目の親番。

345の三色が見えるが、さて、何を切る?





54796.jpg

ツモ切りとした。

5pをツモっても5m切りリーチにつき、ドラ先引きのみ有効な5mとなる。

ここを引っ張ると攻め返し不可につき、スパッと見切った。


54797.jpg

直後に西家と北家の2件リーチが入る。

先切りは正解だったが、少し対応が難しい。

ここから何を切る?





54798.jpg

白を切ってやや押しした。

ベタオリには安牌が足りないので、まあこのぐらいは。


54799.jpg

ここで持ってきたのはテンパイとなるドラ。

5pが現物となっているが、8mはラス目には無スジ。

さて、どうしよう?





54800.jpg

8m押しのダマとした。

直前に5pが通っていなければリーチと行くところだが、このタイミングなら5pは下家から拾える可能性がある。


54801.jpg

も、自力で引いてしまい、1300オール。

リーチ棒2本つきなら悪くないが、ラス目に勝負した結果としてはやや物足りないか。

ともかく難局を乗り切ることには成功した。


54802.jpg

ラス目上家の手はドラドラ赤裏3という超勝負手だった。

私のダマは1pと4pを入れ替えられるし、終盤に危険牌を持ってきたらオリることもできる。

結果は先にアガリがあったが、役ありをダマに構える意味はそれなりにあった。

しかし、決定打に欠けていたのもまた事実で、この半荘は3着に終わった。



case3
55315.jpg

東3局2本場、供託リーチ棒4本、原点の親番。

西家のリーチに南家が追っかけ、その一発目。

こちらは苦しい受け入れの三色イーシャンテンだったが、このタイミングでカンチャンが埋まる。

打点はあるが待ちは苦しく、出ていくのはドラまたぎの5p。

さて、どうしよう?





55316.jpg

供託に釣られて勝負すると、これがまんまと当たり。

裏1の12000は一発つきなら想定線。

オリ切るにしてもやや苦労しそう、というのもあった。


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そもそもがこの時点で下家に5pは当たり。

大体オリになるツモと形だが、テンパイの間がいかにも悪すぎた。


55318.jpg

仮に私がオリていた場合、やはり下家が8pをツモって3000・6000。

自身が親っ被りであることを加味すると押す価値はあったか。

この半荘はこれが響いてラスで終わった。



case4
72625.jpg

南2局1本場、34500点持ちトップ目の親番。

東を1枚スルーしているが、ここから何を切る?





72626.jpg

東切りとした。

1500で仕掛けるつもりがないので、それならと。


72627.jpg

3着目南家のリーチ直後に、ラス目上家の追っかけが入る。

このタイミングであれば東切りは正解だった。


72628.jpg

南家から西のアンカンが入り、こちらもテンパイした。

7mは割合切りやすいが、さてリーチする?





72629.jpg

入り目が薄い58pにつき、勇んでリーチした。

手牌の進展が想定通りだったため、感触良しとして踏み切ったわけだが…


72630.jpg

まさかの8s3枚目を掴んで案の定これがラス目に当たり。

裏ドラ勘弁、裏ドラ勘弁。


72631.jpg

裏ドラ勘弁って!

想像の斜め上を行く16000放銃で気を失いかける。

ラス目へのデバサイでトップ目から一転ラス転落。

これはやっちまった…


72632.jpg

25s5山はともかくとして、考えるべきはリーチ者の点棒状況だ

南家と北家は熾烈なラス争いで、私は悠々トップ目の立場。

こんな凡手で彼らと同じ土俵に立つ必要など一切ないのだ。

感触が良いのでテンパイに取るというのはありだとしても、ダマで対応可能にするという余裕が足りなかった

このへんがリアルと天鳳で対応を変えなければならない点だろう。


ダマから8s3枚目を引いたなら確実に対応に回るはずで、それだと私の放銃はなかった。

本局にツモアガリはなく、ここを流局で凌げば私のラスはなかったと断言できる。

お察しの通りこの半荘は痛恨のラスで終わった。


本局に自分のアガリがあるという直観に準じながらも、根本となる状況判断のバランスをいかに取るか

行けるという感触にベクトルを傾け過ぎた、言ってみれば私の傲慢さが出た局だったように思う。

25sは山に5枚ありながら、1枚ずつしかない当たり牌の8sと南(5sはツモアガリ)を先に掴んでいるあたりに、「謙虚になりなさい」というありがたい示唆が含まれている


case2とcase4の対比でわかりやすいが、全部リーチだとトップが増える代わりにラスも増え、全部ダマだとラスが減る代わりにトップも減る。

考えすぎると中間順位が多くなって路頭に迷うし、勇みすぎるとラスが多くなって天鳳では失格だ。

打てば打つほど麻雀はわからなくなるが、だからこそ牌と向き合い、自問自答し、傲慢と謙虚の最適バランスを模索していくのである。



ラベル:天鳳
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(0) | 攻守判断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする