2020年07月05日

ポンしていないことからまたぎがないと読む

今回は、基本的な読みにもかかわらず、大きな効果のある鳴き読みについて。

しかも、ネット麻雀のみならずリアル麻雀でも使えるため、汎用性が高い。

実戦でこれをどのように活用するのか、また、その際の注意点について書いていきたい。


@条件は1フーロ以上仕掛けていること、かつその人が直近切られた牌を手出ししてきた時

これは具体的に実戦例から見てもらうのがわかりやすいだろう。

case1
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例えば、このケース。

私が切った7pを対面が合わせ打ち、2フーロの上家の親がさらに7pを合わせてきたところ。

かなり違和感のある手出しだが、これには非常に多くの情報を含んでいる


55077.jpg

自身にとって裏目となる6pをツモってきた。

ここから何を切るか?





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6pツモ切りとした。

一見、最終手出しが7pにつき、ソバの6pは切りづらいように見えるかもしれない。

しかし、仮に上家が、

(1)二萬二萬五萬六萬六筒七筒七筒や、
(2)二萬二萬五萬六萬七筒七筒八筒

という形だとしたら、7pをポンしない理由がない。

つまり、上家の7p手出しにより、7pを軸にした58p、69p待ちの可能性は現状かなり低いと考えられる。

これは基本的な牌理につきわかりやすいだろう。

この場合気をつけなければならないのは、

@2ケン隣のシャンポン

二萬二萬五萬六萬七筒九筒九筒ツモ七萬

上家が7pをポンできない形からの最終形を考える必要があり、7pが関連牌だとすると2件隣のシャンポンは警戒すべき対象となる。
このケースでは4p先切りがあるため、5pの安全度はかなり高まる。

A好形変化

二萬二萬五萬六萬七萬五筒七筒ツモ四筒

7p1枚からの変化と言えばこれ。通常はこれを警戒するが、上家は4pを先切りしていることからこれはないことがわかる。

Bトイトイ

二萬二萬四萬四萬六筒六筒七筒ツモ四萬

やっかいなのがこれ。これに打った場合は打点がつくため、ポンポン仕掛けには警戒する必要がある。
ただし、トイトイの出現頻度からもこの割合は多くはなく、放銃率自体は決して高くない。


この局面で私は345三色の可能性を残して6p切りとしたが、より安全度を追うのであれば3p切りの方がいいだろう。

ちなみに、なぜ鳴いている必要があるのかと言えば、

三萬三萬五萬六萬七筒七筒八筒三索四索五索發發發ドラ北出る七筒

メンゼンイーシャンテンならリーチによる打点UPを見てスルーされる可能性があるのに対し、

三萬三萬五萬六萬七筒七筒八筒三索四索五索ポン發發發出る七筒

仕掛けている場合は大概ポンしてテンパイに取るからである。

これは愚形残りでも同様の傾向がある。


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結果、親がツモアガリで500オール。

7p最終手出しはどういうことかというと…


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空切りだった。

この空切りが仮にツモ切りだとしたら、36p待ちの可能性が否定できず、私は6pを切れなかっただろう。

なぜなら、四筒五筒七筒から7pを引っ張っている理由が不明なため、逆に36pの安全度が高まるからだ。

四筒五筒七筒九筒九筒から9pをツモったということもあるが、総合的には36pは7p手出しの方が切りやすくなる。

こういうケースでは、初中級者に対してはソバが危険かも、と思わせるのは別段問題ないが、

テンパイしてませんよ、ということを強調する安易な合わせ打ちは上級者に対しては損となることが多い

つまり、鳳凰卓のような上級者相手に対しては、この場合上家は7pツモ切りの方がよく、

逆に58p69pのまたぎ待ちの場合には7pを空切りした方がハマりやすいとさえ言える。

2ケン隣の待ちが絡んでいる場合は損得微妙につき、わからなかったらツモ切り、と考えておけばいいだろう。

仕掛けている場合はそれをなぜ鳴かないのか?という思考が加わるため、仕掛け者が相手の切った牌を安易に手出しで合わせることは読まれる要素が増える

上級者相手には注意が必要だと言えるだろう。



case2
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親番ラス目の対面が既に1フーロしていて、手出しで5mが出てきた。

仕掛けにドラも絡んでおり、煮詰まった局面と言えるだろう。


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テンパイが入らないまま、残り2巡というところで、最終手出しのソバをツモってしまった。

さて、どうしよう?





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ツモ切りとした。


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なぜなら、この赤5mにポンが入っていないからだ。

5mまたぎが待ちになっているならこの5mは喜んでポンしているはず。

この5m切りから親には手出しが入っていないので、最終手出しのまたぎはわりと安全となる。

もちろん、単騎やシャンポンの可能性は残っているから絶対ではないが。


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読みを入れて押した結果、次巡テンパイが入り、3s切り。

仮に前巡少し妥協して4p切りなどとしていると、このテンパイが取れていない。

この差はまずまず大きいだろう。


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この3sが下家に刺さり、1000点。

これはこれで問題なし。

親の当たり牌である58sを使い切ってのテンパイでもあり、この親流しは価値が高いだろう。


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親は安全度重視のスライドだった。

直近通っているのが2枚切れの5mにつき、これはごく自然だが、直近切られているからこそ5m切りにより手牌が読まれやすくなっている

仮に親が2mツモ切りだったらどうだろう?47mは自信をもって切れる牌ではなくなる。

つまり仕掛け者が直近出ている牌を切る際にはまたぎがないことを読まれないか気をつける必要があるということ。

終盤は安全度重視で問題ないが、2mが通る自信があると思えばこの場合2m切りの方が待ちを限定されにくいということがわかるだろう。



Aメリット:仕掛け者に手出しがいくつか入っても危険度はそこまで変化しない
case3
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既に仕掛けている対面が、上家に合わせ打って3p切りとしたところ。


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対面に、ひとつ手出しが入った。


30192.jpg

何を切るか?





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2p切りとした。

例えば、対面がドラ暗刻などの場合は、3pトイツならわざわざスルーしないでしょ?

これはおそらく愚形残りだとしてもそう。

3pまたぎがある場合は、かなり手の内バラバラか、愚形残りが多いケース。

つまり、3p周辺で当たってもたいしたダメージにならない可能性が高いと読める。

そういう意味では手出しひとつぐらい入っても、危険度の評価はさほど変わらない。


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結果は親リーチに対面が飛び込み、4800。

対面は意外にもドラ暗刻だったが…


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なんとこの時点ではドラは孤立牌だった。

赤赤と打点はそこそこあったが、3p周辺は持たれていなかった。

仕掛けにおいては牌効率が重視されやすいため、これぐらいの河で先切りの内側は通常安全度が高い。

さらに、ポンされていないという情報を加味することでその精度を上げることができる。




case4
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オーラス1本場、供託2本、2着目の南家。

親と私と北家はアガリトップの状況。

トップ目の対面がカン4sをチーして打7pとしたところ。


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何を切るか?





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ソーズの上は危険度が高いため、ここでドラターツを外した。

決して安全ではないが、対面は打点がいらないのでこのへんの受けにこだわらないだろう。

私は何とかしてこの手をアガリまで結びつけたい。


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ソーズの上を使い切って上手いことテンパイが入った。

14pは6枚切れと激薄だが、さてどうするか?





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3p切りダマとした。

ダマで拾える14pにつき、ここはラス1pに賭けて。

4p先切りの7p最終手出しにつき、36pはわりと安全。

7pをポンしていないことから、69pも安全度が高いと読める。

仮に69p待ちがド本命と読めば、ここでは36p待ちでリーチを敢行していたかもしれない。

6pをツモっててんこしゃんこするのが嫌なので。


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結果、ラス目から即座に1pがツモ切られ、1000点。

値千金のトップ捲りを成すことができた。


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上家の7pをポンしていないのがポイント(上家の7pに当然ラグもある)。

対面はアガリトップにつき手の進む仕掛けは必然だ。

つまり、7pを鳴いていないということから7p周りは出来メンツの可能性が高いと読める。

逆にそれ以外の部分の危険度が高まるため、ソーズの上が危険と読んで7sを使い切ることに成功している

また、6pの安全度が高いことが待ち取りにも影響している。

何気ない上家の7p切りによって、ここまで読みの要素が変わってくるのである。



case5
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東4局、2着目の南家。

1つ鳴いて片アガリの7700テンパイを入れている。

6pをツモってきたが、さてどうしよう?

この問題の意図も含めて考えていただきたい。





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これは空切りが有効となるケースだ。

なぜだかわかるだろうか?

ポイントは直前に6pが切られているかどうか、だ。

6pが直前に切られているケースでは、ここで6pを空切りすることで6pのまたぎが安全であると読まれやすい。

ポンしていないのはなぜか?という読みが入るからだ。

しかし、6pが切られているのは下家の1巡目のみ。

当然仕掛ける前であるし、このぐらい間隔が空いていれば他家の読みの要素としては不十分。

つまり、単純に高い色のピンズを空切りすることでその周辺を警戒させることができるのだ。

このように、手出し周辺を警戒させるには、その手出し牌が直前にポンのスルーになっていないか(=周辺のまたぎを否定しないか)を確認する必要がある


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下家が上家からアガり切って、2600。

私の待ちの4sは3枚も山に眠っていた。



case6
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下家が6mをチーして打6pとしたところ。

対面の6pは鳴いていないということになる。


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上家の北家からリーチが入っている。

その北家から最終盤に5pが打ち出されたが、これをポンする?





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これをポンして4p勝負としたが、下家に痛恨の7700放銃となってしまう。

あれ?下家は6pスルーしてたはずだが…


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下家がスルーした時の形はこう。

赤が余り、かつ愚形残りということでスルーしたようだ。

確かにこの6pをスルーしても嬉しい受け入れは多い。

ただ、赤切りでも3900あるため、ポンテンに取る手はあるだろう。


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6mチーからの6p切りだと、完全にまたぎが盲点になる。

このように、愚形絡みや打点が下がるケースでポンテンを取らないということもあるため、この読みは万能ではない。

この場合は、下家に対して通っているスジがあまりにも多すぎるため、4pは最後のスジとして警戒すべきだった。


赤やドラが出ていきやすいポンテンは取られにくいこと、愚形残りのポンは保留されやすいことなども加味すれば、このような例外的なケースもあることがわかるだろう。

このへんも重ね合わせて読むことで、より精度は上がるだろう。

逆に言うと、ストレートに仕掛けないことで盲点を作ることができるため、仕掛け方を工夫することも重要である、ということである。



ラベル:天鳳 読み
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2020年06月28日

放銃で相手の心を折る

みなさんは放銃にどのようなイメージを持っているだろうか?


おそらく、大抵の人は放銃にいいイメージを持っていないだろう。

「放銃率」が平均順位に占める影響が大きく、ラス率に直結するファクターであることからも、その感覚は当然のものであると言える。


ところが、長いこと麻雀を打っていると、他家の放銃によって自身のチャンス手が潰され、放銃者以上に自分がダメージを受けるという局面があるだろう。

そればかりか、自身が他家からアガリを得ているにもかかわらず、あまり嬉しくない、なんとなくチャンスを潰されたような気になる、ということが稀にある。

これは主に、ツモアガリ濃厚の多面張でアガリ牌を打たれたとか、高目安目の差が大きい手でド安目が先に打たれたというようなケースで起こりうる。

俗に言う、「アガらされた」アガリであり、自身のアガリがなんとなく微妙だなと思える半荘は、大概最終的に好結果にはならないという印象を私は持っている。

なぜなら、半荘に得られるチャンスは限られているからである。


私は放銃には良い放銃と悪い放銃があると思っている。

場況とか局収支だとか状況に左右される部分はもちろんあるが、
基本的には、真っすぐ打っての放銃は良い放銃で、オリに窮しての放銃は悪い放銃だ。

なぜかというと、ベタオリからの放銃は、確実にメンタルに悪影響を及ぼすものだからだ。


前回記事で触れたように、相手のメンタルを揺らすには、一見非合理的な部分、アナログな部分にそのカギがある

そして、良い放銃というカテゴリには、放銃した自身よりもメンタルにダメージを負った他家が含まれていることを意味する

私の感覚では、これは期待値で考える数学的なものというより、動物的な閃きや直観によってなされる性質のものであることが多い。

わかりやすい例でいうと、リーチ宣言牌をチーして前進、テンパイでもないのに食い取った一発目の牌を平然とツモ切り、これが放銃牌だった。

一発ツモを逃したリーチ者はなまじそれが見えるためになぜかダメージを受ける。

これを計算ではなく感覚でやってのける者が強いのだ。


天鳳においても、ベタオリが正確すぎるゆえに、なまじラス目の親にチャンスが回ってしまい、想定外の大逆転を食らう、なんてことが散見される。

ラフに打っていた方がお互いに良い結果になっていたという半荘を何度見てきたことか。

そういう意味では、ネガティブに捉えられがちな放銃の中にも、実は相手のメンタルを削っていくことができる要素が含まれていると考えることができる。


麻雀の上手い人は例外なく放銃も上手い。

自身の意図しないところで実は相手の心を折っているかもしれない。

放銃による相手のメンタルの変化を観察できるようになれば、それはあなたの成績を向上させる一助になるだろう。

それでは、具体的にはどのようなケースがあるのだろうか?

実戦例から見ていきたいと思う。



case1
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南2局、25500点持ち2着目の西家。

13000点持ちラス目の上家からリーチが入っている。

安全牌がなくなり、手詰まり気味になった局面。

ここから何を切るか?





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4pのトイツ落としで回った。

一応チートイツのイーシャンテンだが、7sも切りづらく、ここから全ツするのでは厳しい。

一旦迂回とした。


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ピンズを根こそぎ落として対応していくと、最終盤にテンパイが入った。

残りツモは海底の1回、現物は6mと3sがあるが、さてどうしよう?





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8mを勝負するとロンの声。

かなり危険な宣言牌またぎだが、対応した結果のテンパイ、ドラが使い切れるということで見合うと判断した。

ラス目への放銃は最悪だが…


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幸いなことに2000で済んだ。

この放銃をみなさんはどう思うだろうか?

現状2着目だから無理する必要ないとか、裏が乗っていたらひどいとか、色々あるだろう。

この時私は内心、良しと思っていた。

これをアガったラス目の上家はどのように感じるだろうか?

全員が対応しているように見える河、一人テンパイでも十分なのにアガった結果がテンパイ料より少ないのである。

私が上家の立場だったら決していい気分はしない。むしろやられたと感じるような気がする。


私は真っすぐ打った結果の放銃、しかしアガった上家の心情的には微妙。こういうケースではアガった方の浮上が難しい。

逆に放銃して良しと思えた私は、そのメンタルのままにこの半荘はトップを捲り切ることに成功した



case2
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東2局、23700点持ち同点2着目の親番。

5巡目にして絶好のテンパイが入り、即リーチ。

場況を見るとソーズの下が安く、2sが鉄板級。

これはかなりの確率でアガれそうだ。


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対面から唐突に8sが出てロン。

裏が乗れば十分だが…


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裏はなし、ピンフもつかない方で、3900。

3900なら及第点とも思えるが、実戦心理はまるで逆。

これはやられたという印象が強かった。


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山を開けてみるとこう。

狙いの2sは全山で、2巡後にツモる算段だった。

3900と2600オールでは全然違う。

この微妙なアガリの感触が暗示していたかのように、私は3着で終わった。

放銃した対面が2着だったということからも、この8sは良い放銃だったと言えよう。



case3
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南2局、18400点持ち3着目の親番。

ここから何を切るか?





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678と789の三色天秤ということで、7s切りとした。

マンズ部分が雀頭になった場合に344sの好形が生きやすい。


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狙い通りに雀頭をシフトさせることに成功。

これで形は決まった。


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サクサクと有効牌を引いて上手くテンパった。

6p引きアガリで6000オールよろしく。


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8p先切りで懸念していたが、まるで嬉しくない9pが出て渋々倒す

裏1、裏1でいいんや…


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しかし乗らずに2900止まり。

山を開けて叫んだことには、6000オールのツモが2回待っていた。

裏ドラがその高目というのもなんという皮肉か。

下家の手を見ていただきたいのだが、回ろうと思えば4mのトイツ落としで余裕で回れる。

ある程度攻めの姿勢を貫いたからこそ出てきた9pで、これにまんまとアガらされてしまったのが私だ。

驚くなかれ、この後私はラスまで転落する。振り返って悲鳴を上げたのは言うまでもないだろう。




case4
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東4局、14900点持ちラス目の親番。

3着目の対面から早いリーチが入る。

一発目にワンチャンスになった9mを押したところ。


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数巡経過し、こちらもイーシャンテンになっている。

しかし、持ってきたのはドラソバの2mと厳しい。

1sは通っているが、さて何を切る?





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7m切ってるので回ってられんとばかりに6m勝負するも、アウト。

ドラ受けのドラじゃない方は安目で、裏なしの2600。

2暗刻からもこれは得した気分。


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仮に1sのトイツ落としで回っているとどうなるか?

2巡後にドラをツモられ2000・3900となってしまう。

放銃の方が安く、ベタオリだと1.5倍の支払いを強いられる不思議。

対面が首をひねっている姿がネット越しに見えた。

このように、親番はツモられ損から押し得になるケースが多いので、ガンガン押して他家の心を折ってしまおう。



case5
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南3局、19600点持ち3着目の親番。

このバラバラの手から、8mを切ると下家が手役不明のチー。

そして出てきたのがドラの8p。


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何を切るか?





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すかさず生牌の白を打つと、これが当たりで1000点。

1000点なら御の字とほくそ笑む。

こちらの手牌がどうしようもない以上、一刻も早く下家にアガってもらうことを考えるのは当然だろう。

ドラを打ってくれたのもありがたいサインだ。


ここで、対面と上家の手を見ていただきたい。

対面にはファン牌カンツ含みのトップ捲り手、上家にはタンピン三色含みのラス回避手が入っていた。いずれもイーシャンテン。

私が親番であることから長引くといいことはひとつもない。

少なくともこのアシストはラス目の心を折るに十分だっただろう。



このように、損得微妙な押しによる放銃が、放銃者より他者にダメージを与えているケースがあることがわかるだろう。

case5はともかく、リーチに対して押しているケースでは本人にそれなりの覚悟がなければ成立しない。

ある程度のリスクを伴うからこそ、その覚悟によって相手のメンタルを揺らすことが可能となるわけだ。


ひとつ、気をつけてほしいのは、この放銃が成立する局面の出現頻度はそれほど多くはないということ。

相手の心を折るつもりが、ただのヌルいゼンツ野郎になってしまわないように、使いどころを吟味していただきたい。



ラベル:天鳳 放銃
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2020年06月21日

形テンを咎めるリーチ

今回は、相手の形式テンパイに対して敢行するリーチについて。


麻雀に限らず、スポーツなど様々な対人戦の勝負事において、勝つために重要なことはなんだろうか?



それは、相手の隙を突く、ということである。

これは、相手の弱点を突く、弱みに付け込む、と言い換えることもできる。

何をそんな当たり前のことを、と思われるかもしれない。

しかし、重要なのはここからである。

実力が同等の二者において、勝敗を決定づける最も大きな要因となるのが、心の揺れだ。

これは鳳凰卓で何千戦と打っている私が嫌というほど思い知らされてきた事実である。

不思議なことに、勝負事は相手の心を大きく揺らしてしまえばそこで大体勝負がついてしまうのである。


剣の達人同士が斬り合いをしてどちらが勝つかと言えば、技術よりも重要なのが勘と才だそうだ。

わずかな部分で勝敗が決する時に技術よりも重要なものが他にあるということである。

技術レベルが上がり、上位者の打ち筋に差がなくなってきた昨今、麻雀で勝ちきるために重要なこと。

それは、相手の隙を機敏に察知する直観と、それに呼応してアクションを起こす閃きだ

人間同士なのだから、セオリーonセオリーでは相手も周知で心を乱すことはできない。

相手の隙や弱っている部分をアンテナでビビっと察知し、そこを攻めることで、相手の感覚のコアな部分に訴えかける。

相手のメンタルを揺らすには、一見非合理的な部分、アナログな部分にそのカギがある。

正攻法オンリーでは強きを挫くことができないからだ。

麻雀歴の長い人ならなんとなく理解してもらえるのではないだろうか。


そこで話を元に戻して、麻雀において相手の隙を突く、ということ。

現代麻雀においてテンパイ料の重要性は以前よりも高まっている。これは周知の認識だろう。

しかし、その形テン仕掛けは果たして本当に必然なのか?

安易にテンパイ料狙いで仕掛けてはいないか?

その仕掛けに臆病や慢心が隠れてはいないか?

不安な面持ちで仕掛けているなら、リーチを被せてやれば間違いなく相手は迷う。

これが隙を突く、ということであり、弱い部分を咎める意識を持つ、ということである。


総論気味になってしまったが、形式テンパイを取りに来た相手は、アガリ目がない上に、守備においては無防備となる。

それがなんとなくミスを含んでいると思われる場合は、終盤でも積極的にリーチを打つことが効果的であることが多い。

剣の勝負と同様、麻雀も勝負は一瞬で決まるものであるため、閃いたら積極策を採ることをオススメしたい。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
tenhou.25011.jpg

開局の親番。

終盤にタンピン赤のテンパイが入った。

さて、リーチする?





tenhou.25012.jpg

ダマにした。

これは場況的にダマなら25sがかなり拾えそうなため。3sが宣言牌というのもね。

一方、決定打にするリーチも魅力的に映る。

結果、切った3sにポンが入り、対面の4s切りに上家のチーが入る。


tenhou.25013.jpg

どうするか?





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ここでツモ切りリーチを敢行した。

3sがワンチャンスになり2sが狙い目になったのもあるが、仕掛けで身動きが取れなくなったところでチャンスが増えたと判断した。

形テンかどうかはわからないが、形テン気味に仕掛けている人が一人はいるだろう。


tenhou.25015.jpg

手牌を開けてみるとこう。

なんと二人とも形テンだった。

終盤の仕掛けにはそういう性質のものも多い。

ここで親リーチを被せられると対面と上家は結構しんどいはず。


tenhou.25016.jpg

結局、全員テンパイで流局。

上手いことテンパイをキープされてしまった。

咎めるには至らなかったが、25sが王牌に3枚沈んでいるのを見ると結果は紙一重だったと言える。

3s手出しリーチだと25sはまず出ないが、3sポン後のツモ切りリーチだと狙いがボケるため、テンパイなら2sぐらいは押してくる可能性も十分にある。

そういう意味では、状況変化後のリーチにより期待値が高まっているケースだと言えるだろう



case2
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南2局、24300点持ち2着目の南家。

テンパイが入ったが、ダマテンに。

678三色を取り損ねた形につき、勇んでリーチとはいきづらい。

親がラス目というのもある。


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トップ目がおもむろに9sをポン。

ラス目の親のツモが増える、感覚的には大変危険な仕掛けだ。


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直後に持ってきたのは好形変化となる、4m。

残りツモはあと1回しかないが、さてどうしよう?





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間髪入れずにリーチとした。

トップ目の形テン仕掛けを咎めるリーチだ。


60110.jpg

対面がすかさず7mを合わせ打ってきた。

この時点でリーチ正解の雰囲気が漂う。


60111.jpg

結果、私の一人テンパイで流局となった。


60112.jpg

対面は2pを掴んで、テンパイからあっけなくオリ。

次巡持ってきたのが当たり牌の3mとなれば、リーチは完全に正解だった。

私がダマ続行なら対面は苦労なくテンパイ料を得ていたことを考えると、形テン仕掛けを咎めることに成功したと言えるだろう。

ちなみに、カン6mのままならさすがにダマ続行する。

この半荘はトップを捲り切るまでは至らなかった。



case3
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東2局、28900点持ちトップ目の親番。

終盤にカンチャンが埋まって、ピンフのみのテンパイをしたところ。

さて、どうしよう?





47031.jpg

ダマにした。

ドラツモのスライドがあるのと、58sはそこまで強い待ちには見えないので。

ドラ1あるならリーチでいいだろう。


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上家が仕掛けた後、対面にもおもむろに9pチーが入った。

これは形テンの可能性が高い。


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どうするか?

リーチするなら空切り?ツモ切り?





47034.jpg

ツモ切りでリーチした。

ツモ切りにしたのはこちらが好形テンパイだからだ。

形テン気味の仕掛けに呼応したのは一目瞭然なので、足止めリーチのように見せることで舐めてくれるかもしれない


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一発目に対面から現物が打ち出されて作戦成功臭が漂う。


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結局、私と上家の二人テンパイで流局。

海底で上家のzeRoさんが打ち出したのは無スジの9sだった。

これはツモ切りリーチというのも加味しての選択で、なるほどと思われるが実は紙一重。

ツモ切りリーチが端にかかる待ちならなおのこと効果的であることがわかるだろう。


47037.jpg

形テンを入れていた対面はまんまとドラを掴んで回っていた。

やはり形テンを咎めることに成功している。

58sはこの時点で山4で、かなりのチャンスだった。

ツモ切りリーチだけに、対面は掴んだら出していた可能性はある。



case4
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開局の西家。

かなり変則的な場況から、2pツモでメンツ手のイーシャンテンに。


48936.jpg

親が明らかに形テン仕掛けを入れている。

さらに国士みたいな河の上家がペン3pをチーした結果…


48937.jpg

ラス2pが下がってきて、こちらもテンパイ。

イーペーコーの役ありで、しかも残りツモが1回しかない。

さて、どうしよう?





48938.jpg

リーチに踏み切った。

親の形テンと上家の仕掛けが噛み合ってのテンパイ。これは仕掛けが入れされてくれたテンパイと言ってもいいだろう。

さらにドラが見えていて仕掛けには全く脅威がない。

ここは咎めるタイミングと判断した。


48939.jpg

結果、親から一発で召し取り、8000。

まあ親はテンパイなら大概は押してくるだろうな。

それも加味すると、親の形テン仕掛けにはよりぶつけやすいかもしれない。


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親が7sを掴んだところだが、なんと次の上家のツモも7sだった。

親が仮にオリたとしたら、上家は私の河に対してドラを切りきれるだろうか?上家放銃のシナリオも十分にあった。

仕掛けを完全に咎めることに成功している。



case5
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東4局、22800点持微差2着目の北家。

終盤にタンヤオのテンパイが入り、8p切ってダマに。


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この8p切りに対し、上家が長考を伴ってのポン。


40695.jpg

どうするか?





40696.jpg

ダマにした。

いかに上家が微妙な仕掛けだとしても、ダマなら36pが拾えそうなので、リーチまではやりすぎなんじゃないかと。


40697.jpg

すかさず対面から3pが出て2600GET。

これはこれで悪くないが、対面はリーチでも出していた可能性が高く、チャンスを逃した感も。


40698.jpg

上家のポンはこの形からだった。

ノーテンからテンパイになる形ならそれほど迷わないだろうから、こういうケースは安全度による凌ぎを考慮していることが多い。


40699.jpg

トップ目の迷った仕掛け、ここは理屈抜きでリーチする局面だった。

ここでの8000を2600にした結果、最終的に大逆転を喫してラス転落してしまう。

出アガリできるという理由があっても、case4のように感覚で踏み切らなければならない。



case6
60743.jpg

東2局、24500点持ち2着目の親番。

対面に形テン濃厚の仕掛けが入る。


60744.jpg

テンパイが入るも、新ドラが出ていく上、愚形テンパイののみ手。

さて、どうしよう?





60745.jpg

リーチした。

この場合、形テンを咎めるリーチの他に、もう一つトピックがある。

仕掛けのカンを咎めるリーチだ。

裏ドラが2種あるのであれば、リーチのみでも十分に値するだろう。


60746.jpg

対面が現物の赤を抜いてきた。

すでに作戦成功だが、これを上家がおもむろにチー。

一発を消されてしまった。上家に放銃も覚悟だったか?


60747.jpg

まあこうなるわな、ってなもんでツモ。

テンパネ確定で、裏1枚乗ってくれ…


60748.jpg

カン裏で2枚乗って、美味しい4000オール。

対面と上家の連携を上手く咎めることに成功した。


60749.jpg

巡目的に対面の8pチーはごく普通にも見える。

が、これをスルーしていると対面はメンゼンでテンパイが入って、カン6pでのアガリまである。

逆にこの仕掛けがなければ私にはテンパイすら入らないというのだから、なかなか示唆に富んでいるのではなかろうか。

こういう善悪が微妙な仕掛けを直観で捉えて、機敏に打って出る。

これすなわち、「隙を突く」ということである。



ラベル:立直 形聴 天鳳
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2020年06月14日

天鳳で西4局が終わるとどうなるのか?

天鳳で西入があるのはご存知の方も多いだろう。

じゃあ、西4局を越えるとどうなるの?北入はあるの?

今回はこの疑問に答えていきたいと思う。


まず、前提として、

天鳳は南4終了時に30000点以上を満たしている人がいなければ西入するというルールが存在しており、

南4流局時は、親がテンパイかつトップ目でも30000点未満であれば南4が続行する。(親がテンパイかつ30000点以上のトップ目ならテンパイヤメが成立して終局)

・西場では基本、局終了時に30000点を超えた人が出現した時点で終局する。(テンパイ料でも可)

・ただし、西場でも流局時に親がテンパイ、かつ親がトップ目でない場合は、親以外が30000点以上になっても1本場が始まる


このような、やや複雑なルールが存在している。

簡単に言えば、西場では基本30000点以上になったら終了、流局時親は30000点以上かつトップ目の場合のみテンパイヤメが成立する、ということだ。



これらを踏まえた上で、西4局が終了したらその後はどうなるのだろうか?


@西4局が終わるとトップ目が30000点未満でも半荘が終了する

結論から言うと、天鳳では西4局が完全最終局で、北場は存在しない

西4局1本場、西4局2本場〜は存在する。

つまり、西4局のみ30000点に満たない点数でのトップが成立する



A西4局の流局時、親がテンパイかつトップ目でない場合は終局しない

西4局の流局時、親がノーテンなら100%終局する。

ただし、親がテンパイの場合はテンパイヤメの条件が適用されるため、トップ目でなければ1本場が始まる。

これは親以外の誰かが30000点条件を満たしても同様となる

まとめると、西4局の流局時は親がテンパイかつトップ目でない場合は常に続行ということになる。



B西4局の打ち方

30000点以上を満たさなくても終了するという性質上、南4局よりも流局率が高くなる

ノーテン罰符で順位が変わらないなら、引き気味に構えることでラスを避けられる確率は高まる。

流局時は親がテンパイかどうかのみに気を使う。親が下位なら続行になりやすく、親が上位なら伏せて終了になりやすい。


南4との最も大きな差は、親の構えが違うということ。

南4だと西入の可能性があるため、親は緩く構えることができない。

しかし、西4の親ならノーテン終局が確定しているため、下との点差によっては親はアガリに向かわないという判断を取りやすい

これを利用して、例えばやや余裕のある親の場合、早目にオリを匂わせることで、他家の譲歩を引き出すことができるかもしれない。

私はアガリに向かいませんよ、という意思を見せることで紛れが減ってラス者を確定させやすくなるからだ。

もちろん点差的には微差につき、これを利用されて捲られる、ということも十分にあるが。



いずれにせよ、北場がない以上、西4局は順位見込みがしやすく、シビアにラス回避の選択がしやすい場であるということは言える。

知識としてこのルールを正確に把握しているかどうかというのは大きいので、実戦中にあたふたしてしまわないように予習しておくのがいいだろう。

それでは、実戦例から具体的に見ていこう。



case1
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もつれにもつれて西4局

28900点持ちトップ目で迎えた南家の私。

点棒状況は私から順に28900、20300、22000、28800。

2着目とは100点差だが、下まではやや余裕のある状況。

配牌は良いので、アガリも十分に見込めそう。


33168.jpg

満を持してラス目からリーチが入る。

このリーチにだけは絶対に打てない、と考えていいだろう。


33169.jpg

ところが、急所のカン7sがすっぽり埋まってまさかのテンパイ。

6mが現物の上、状況的に発は通りやすそうなので押すが、どこまで押すかはなかなか難しい。

親が押し返しづらいことを踏まえると、危険牌はまったく押さなくても損が少ない状況ではある。

この瞬間に6m拾えないかなあ…


33170.jpg

と思っていると、突然に対面のロンの声

むむっ、対面も現物待ちとはこれ上手い。


33171.jpg

打点は1000点で、30000点条件を満たしている人がいない

これはどうなるの?

答えは、ENDという表示にある。


33172.jpg

なんと、30000点未満でトップを取ることができた。

このように、西4局が終わると北場に突入することはなく、強制的にゲーム終局となる。

なかなかにレアな現象ではないだろうか。



case2
tenhou.16350.jpg

西4局0本場、流局した場面。

開始時の点棒状況は、南家の私から順に26300、23100、27300、23300。

極めて僅差で混沌としているが、一体どうなるのだろうか?





tenhou.16351.jpg

1本場が始まった。

なぜならテンパイの親がトップ目でないからだ。

西4局のみこの場合、親がトップ目なら30000点未満でもテンパイヤメが適用されると思われる。
(これについては未確認です、確定情報があればご指摘ください)

ただし、親がテンパイでもトップでなければ、ノーテン罰符により他家が30000点以上になっても終わらない

つまり、流局時親テンパイは親がトップかどうかが重要ということ。


tenhou.16352.jpg

対面が3900ホーラで終局。

これは30000点を超えるので、文句なしだ。



case3
45698.jpg

西4局、トップ目で迎えた南家。

点棒状況は私から順に、28300、23300、25100、23300。

ラス目に差がないため、がむしゃらにアガリに来ることが想定できる。


45700.jpg

ラス目同士で強引に仕掛けあって、下家から6mが出たところ。

ポンテンに取れるが、さてどうしよう?





45701.jpg

ポンしてテンパイに取った。

受けとの兼ね合いで難しいところだが、固めている36mは今後安全とは言い切れない。

それならば使い切って一旦テンパイに取っておくのが得策と考えた。

この仕掛けには西4局ならではのメリットがある。


45702.jpg

首尾よくツモアガることに成功したわけだが…


45703.jpg

30000点を満たしていないが、END。

南4なら西入となるところだが、西4なのでトップで終わることができた。

西4局は30000点条件を気にする必要のない唯一の局であることがわかる。



case4
59572.jpg

西4局、上位三者が微差の大接戦。

対面がタンヤオのみをツモアガリ。


59573.jpg

300・500でも私は捲られることが確定しているが…


59574.jpg

対面は2着止まりで、トップがほくそ笑むの図。

この差なら、トップまで狙えよ〜なんて一瞬思ってしまうところ。

しかし、よくよく考えてみると、30000点未満でも終局するからこそ、1着順でも上昇できるアガリの価値が高い

西4局が30000点条件を気にする必要がないからこそ、フラットな点差戦略が有効であることに気付かされるだろう。



case5
61898.jpg

西4局、26800点持ち3着目の南家。

点棒状況は私から順に、26800、18000、27000、28200。

ラス目まではそれなりに余裕があるため、ここは何としてでもトップ捲りを目指したい。


61899.jpg

出アガリにできるテンパイに取れる。

さて、どうしよう?





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取ってダマとした。

この選択は南4と西4で結構違ってくる。

仮に南4ならば30000点条件を満たす必要があることから、ペン7sのダマ2600を拾うだけでは西入となってしまう。

出アガリでもそれを満たすためにリーチをするか、もしくはマンズの好形を生かしてピンフをつけることを考えるところ。

私見としては南4なら巡目的にもソーズのペンチャンを払っていきたい。

が、西4に限って言えばこの2600をアガることが即終了となるため、ダマでアガることの価値が大きい。

西4局の特性を知っているかどうかで、手組みの性質が変わってくることがわかるだろう。


61901.jpg

2sツモでやや考えるところ。

チートイツの含みもあるため、絶対に放銃できないなどという場面では、一旦ペン3sに受けるというのも有力だ。

単騎をコロコロ変えることにより、受けの含みを残しつつテンパイに取れれば、トップは揺るぎないからだ。

ここでは巡目との兼ね合いで、最もアガりやすいシャンポン待ち継続とした。


61902.jpg

無事にアガりきり、2600。

30000点には満たないが、狙い通りトップを取ることができた。



case6
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西4局1本場、供託リーチ棒1本。

25800点持ち2着目の西家。

点棒状況は私から順に、25800、25100、26400、21700と大僅差。

テンパイが入ったが、さてどうしよう?





49065.jpg

ダマにした。

リーチ棒を出すと一時的に着順が落ちるため、ラス転落のリスクが高まる。

待ちに自信があるわけでもなく、西4につきひょっこりツモれればトップ終了となる。


49066.jpg

親がひとつ仕掛けて河が濃い。

7mをツモってきて、さてどうするか?





49067.jpg

ここで回った。

親に3900以上を打つとラス転落につき、慎重に構えた。

2着目の利を生かすということだが、ラス目との差が4100点につき、仮にノーテンでもラスまではないというのが大きい。


49068.jpg

3着目の下家からリーチが入って、大体オリというところ。

何を切るか?





49069.jpg

現物を抜いた。

一見4pが通りそうに見えるが、下家はアガリトップにつき、赤切りでのまたぎが狙われやすい状況でもある。

ここからの凌ぎは難易度が高く、腕が問われる場面。


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ラス目上家からも追っかけが来て手詰まりの大ピンチ。

さて、何を切る?





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2s切りとした。

上家もアガればほぼラス回避につき、効率を犠牲にする局面ではない。

すなわち、ドラ受けの愚形よりも両面ターツを優先すべき場面だと考えられる。

スジは怖いが、ドラを切るよりはマシだろう。


49072.jpg

結果、二人テンパイで終局。

なぜ終局かというと、親がノーテンだからだ。

30000点以上がいなくても終局する点から、西4局は南4局より順位期待が見込みやすく、流局率は上がりやすい。


49073.jpg

私はほうほうの体で3着に逃げ込んだ。天鳳の戦い方としてはこれでいいだろう。


西4局の性質を頭に入れておくこともそうだが、実際に天鳳で経験してみればその理解度は格段に深まるはずだ



ラベル:天鳳 レア
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2020年06月07日

赤を引いたら最終形

前原雄大プロの著書に以下の記述がある。

 そしてベクトルというものがあるならば、赤牌は手役やドラよりも高いエナジーを感じるのである

 もちろん、ご祝儀という現実的な実利の面もあるが、それ以上に赤牌の存在そのものに高いエナジーを感じているのである

出典:前原雄大『前原雄大の勝ってこそ麻雀』MYCOM


これは前原プロのかなり昔の著作だが、現在Mリーグでも活躍している前原プロだけに、
Mリーグでの赤の扱いを見ていれば、根本にはこの考え方があることがわかるだろう。


物理学には、『エネルギー保存の法則』というものがある。

これを簡単に説明すると、「エネルギーはいろいろな種類があって姿を変えるけれど、総量は不変である」という法則のことである。


これは、麻雀にも当てはまるのではないだろうか?

一局に利用できるエネルギーは、34種136枚の麻雀牌のみ。

それが均等に四者に配られているため、全員が使用できるエネルギーも均等で差がない。

総量不変で、有限のエネルギーをどのように利用するのかは、参加者の創意工夫にかかっている。

そこからどのような発想で、エネルギーを有効活用するか、というのは物理学に限ったことではなく、麻雀においても重要な要素となってくる。

以前私は、麻雀を打つことは音楽を奏でることに似ている、という記事を書いたが、ひょんなところで物理学にも似ている、ということを発見してしまった。

このように考えていくと、麻雀はすべての学問、すべての道に通じる部分がある、という深い思想を内包しているような気がする。


やや話が脱線してしまったが、つまり、一局における卓上のエネルギーが不変であるなら、赤1枚をツモることによる価値をどのように考えるか、ということである。

自身にエネルギーが満ちている時は、相対的に他家のエネルギーが減少している、これは先の法則より明らかだ。

このことからも、自身の攻守判断にエネルギー量を組み込んでいくことはある程度有効なのではないだろうか。

赤5を有効牌としてツモった場合には攻めの比重を高めることが必然になる、ということである。


資源が限られていることを自覚し、それを有効活用する工夫が求められている時代、それは決して麻雀だけではないだろう。

過去に例を見ない疾病に脅かされている今だからこそ、今一度、天然資源・食料資源のありがたみについて考えるきっかけにもなるのではないだろうか。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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東2局、28600点持ちトップ目の南家。

現状、好形2種のイーシャンテンだが、役なし安手でドラの白がポツンと浮いている

仮に先制しても、攻め返されると不安が残る状況と言える。


43992.jpg

ずいぶん長引いたが、終盤にテンパイとなる赤5mを引き込む。

ドラの白はすでに場に現れていて、こちらも処理済み。

さて、どうしよう?





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リーチした。

こちらの危険スジがあまりにも見え見えな上、58s自体がさほど強そうにも見えないため、赤じゃなければやや迷うところ。

ただ、持ってきたのが赤となれば話は別。

対面の仕掛けによる赤ツモであることも、その後押しとなる。

エネルギーのあるツモだと思えば、ここはリーチの一手だろう。

仮にこれが最終盤だったり、58sがあと2枚ぐらい見えていたとしても赤ツモならリーチでいいと思われる。


43994.jpg

ほどなくツモって、裏1の2000・3900。

裏が1枚乗るだけで、勝負手に化ける。これが赤1のリーチ効率だ。

なんでもないのみ手が、赤1枚のツモで様変わりするということも珍しくないため、赤引きの好形テンパイなら何も考えずに即リーチすることをオススメしたい



case2
44511.jpg

開局の西家。

中盤も深くなって、ピンフのみでテンパイが入った。

場にはまだ動きがないが、さてどうしよう?





44512.jpg

ダマに構えた。

場況は見ての通り煮詰まっており、ドラの東が見えていないのが気がかり。

ピンズは場にかなり高く、リーチをかけてしまうと47pはまず出アガリが見込めない。

上家から4pが出たばかりというのも、ダマで拾うにはいいタイミングに映る。

マンズが山にいそうで、456の三色変化もわりと現実的ではないかと思っている。



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次巡、持ってきたのは色つきの5s。

さて、どうしよう?





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振り替えてリーチとした。

赤ツモにより、かわし手から勝負手へ昇格したという認識。

元々ツモアガリも期待できる待ちだけに、打点効率を考えたらここはリーチが効果的だろう。

対面の親の仕掛けによりもってきた赤というのも流れエネルギー充填でリーチ発射最大化要因か


44515.jpg

しかし、下家がドラ単騎チートイツツモで、2000・4000。

感触のあるリーチは見事に空を切った。

も、親の仕掛けがなければまず間違いなく私の放銃だっただけに、むしろ助かったと考えられる。

その点を踏まえると、リーチまでの一連の流れは間違っていなかったと言えるだろう。



case3
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開局の西家。

上家に仕掛けが入っている以外は無風。

テンパイが入ったが、役なしドラなしの愚形待ち。

さて、どうしよう?





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テンパイに取って、ダマとした。

取らずに5pくっつきを待つのは不安定で、得策ではないと判断した。

ドラも赤もまったく見えていないため、攻め返された時のリスクが大きすぎる。

ひょっこり7sツモればそれでよし、他家に動きが入ったら対応の余地を残す。


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次巡、持ってきたのは赤5p。

さて、どうしよう?





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ここでリーチに踏み切った。

赤1ならリーチによる打点効率が上がるため、見合うという判断。

上家以外は河が大人しく、即攻め返されるという雰囲気でもない。

私自身の河もまずまず強いので、リーチは抑止力にもなりうる。


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あっさりとツモで決着。

ドギマギする暇もないのはありがたい。


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裏1があまりに大きい、2000・3900。

赤1の優位性はまさにこれにある。

リアルなら2枚オールということで、半荘の収支を決定づけるアガリにもなりうる。

赤ツモの得点加速度を最大限利用した例だが、テンパイ取らずだとこれが効いていないため、一旦テンパイに取っておいて赤ツモの変化を待つ、というのも戦略的にありだということがわかる



case4
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東1局2本場、21900点持ち北家。親が連荘中。

一応テンパイしたが、さて、どうしよう?





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8m切って、取らずとした。

これは678の三色があるし、8m9pが1枚ずつ場に見えていることから、ほぐすのが基本だろう。

タンヤオ主眼の9pトイツ落としもあるが、ダイレクト678三色を逃すのと、マンズの横伸びで一手遅れになるため、8m切りの方が懐が深い。

特に、ドラツモの愚形テンパイが役ありになるのが大きい。


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次巡、持ってきたのは赤5m。

待ちとしてはイマイチが継続しているが…

さて、どうしよう?





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ここでリーチに踏み切った。

取らず続行や、ここで9pトイツ落としなど、選択肢は多岐に渡る。

マンズの横伸びは期待値がかなり高そうで、即リーチはためらわれるところ。

一方、対面の切り出しから5mはわりと狙い目につき、赤ツモのエネルギーを重視して、ここがひとつのリーチタイミングだと考えた


61832.jpg

手詰まりに陥った対面から9pがこぼれてのアガリ。

もちろん、リーチの狙いはここにもあった。


61833.jpg

裏1枚にこのリーチの価値の大きさを実感することができる。

5mは2枚脇に持たれていたため、実質山にない待ちでアガリを得ることに成功。

何より、テンパイ取らずの変化待ちだとテンパイすら入っていないため、本局に関しては積極策の即リーチが功を奏した言える。

言ってみれば、赤ツモの余勢を駆ってのリーチ判断であった。



case5
32762.jpg

東4局、17000点持ちラス目の西家。

対面親の先制リーチに対して、下家から追っかけリーチが入っている。

こちらもテンパイが入ったが、さてどうしよう?





32763.jpg

6m切って、ダマにした。

3mがちょうど通ったので、下家には6mはかなり通りそう。

問題は追っかけに踏み切るかどうか。

自身の点数的には追っかけで問題なさそうだが、待ちにさほど自信がないのと、ピンズの危険牌を引いたら9p切りで回れるのが本局は大きいと考えた

6p含めてピンズの無スジはかなり危険だが、下家が9pを通しているので、テンパイを維持しつつ回りやすい状態にあるからだ。


32764.jpg

次巡、持ってきたのは望外の赤5s。

さて、どうしよう?





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ここで腹を括って追っかけに踏み切った。

8sが通ったので、5sは割合切りやすくなった。

どうしても切れない36pを待ちにして、出アガリ6400からなら十分に勝負に値するだろう。

赤を吸収することで、自身のリターンが大きくなっただけでなく、リスクも相対的に小さくなる。

卓上のエネルギーバランスが大きく変化した瞬間だと言える。


32766.jpg

しかし、下家の当たり牌を掴んで、8000の放銃となってしまった。

下家には赤が2枚も使われていて、エネルギーに満ちた手だった。

待ちを25sに受けていれば、対面から先にアガリがあった。つまりこちらにも十分にチャンスはあった。

ただ、この2件に対してやっぱり6pは切りづらいなあ…


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牌山をオープンしてみると、下家の待ちがかなり強かったことがわかる。

腹を括った結果なので、この放銃に後悔はない。

その潔さが良かったのか、この半荘は2着終了と挽回することができた。


ちなみに、2件リーチに対して私の手に9p、中というはっきりした安全牌が6枚ある。

他家リーチに対する完全安牌が自身の手に多ければ多いほど、山には相対的に他家の危険牌が眠っていることが多い。

これはあまり語られることは少ないが、このあたりも攻守判断の基準に加えれば、精度は上がるだろう。



case6
53983.jpg

東3局、22000点持ち3着目の北家。

ご覧のように、かなり変則的な場況となっている。

こちらも、ピンフのテンパイとなったが、7pがたった今4枚切られたばかり。

さて、どうしよう?





53984.jpg

これは通なら5p切ってリーチも考えるところだが、普通にピンフに受けてダマとした。

6pは明らかに強いが、2pは強いとは言いがたいので。

それならば、サッと4pを拾うのでも良さそう。


53985.jpg

次巡、赤5sに振り替わったが、さてどうしよう?





53986.jpg

ここでリーチとした。

4pが弱いわけではないので、赤1あるならリーチで良さそう。


53987.jpg

上家から追っかけが入るも、無事にツモって1300・2600。

変則的な場況の割には、上家も普通にピンフだった。

非常にオーソドックスな赤振り替わりリーチの例。



case7
49337.jpg

東4局、40900点持ちトップ目の西家。

フリテン部分を完成させて、役ありテンパイ。

さて、どうしよう?





49338.jpg

テンパイに取って、ダマとした。

4pを浮かせる手もあるが、出アガリできる手につき、緩手になる可能性もある。

トップ目につき、あまり捻らず、局回しを優先させるという意図。


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ほどなくして持ってきたのは、赤5s。

ソーズの好形変化をミスった感がなきにしもあらず。

さて、どうしよう?





49340.jpg

黒5sを切ってリーチに踏み切った。

2sじゃないのは安全度の観点から。

トップ目につき、リーチする必要もないが、ここは打点を叩くチャンスだと考えた。

私の河からは、8mは拾いやすい感じもある。


49341.jpg

狙い通りに上家から出て、5200のアガリ。

積極策が奏功して、さらに点差を広げることに成功した。

東場のうちはできるだけ点差を気にせず、叩けるだけ叩いておくのがオススメだ。



case8
41508.jpg

南1局、31400点持ち2着目の南家。

上家の親がやや抜けたラス目で、その親が仕掛けている。

この局はかわしで十分と考えていたところ、絶好の赤5mがインする。

さて、どうしよう?





41509.jpg

入り目が赤ならと、迷わずリーチした。

親はドラも切ってるタンヤオ仕掛けなので、脅威がまったくない。

仮に9p掴んでも出るだろうし、ここはきっちり打点を稼ぎにいくところだと判断した。


41510.jpg

長引いた末に、親のカン4pに捕まり、1500の放銃となる。

負ける気はまったくしなかったが、さすがに4pを引いた時は観念した。

放銃したといっても1500なので、全然問題ないはずなのだが、この綻びをきっかけになんとラスまで落ちてしまう

ラス目の親をきっちり落とせなかったことがあまりにも大きな代償を生んでしまった。


41511.jpg

この1枚の絵には多くの示唆を含んでいる。

この時すでに対面にはテンパイが入っていたが、私がリーチしたことにより、対面は回ってしまった。

結果的にそれが親のアガリを生んでしまったわけだ。

つまり、

@私がダマなら、ほぼ間違いなく、対面か私か下家がアガっている

A裏ドラが1mにつき、この手をアガれば決定打になっていた

B369pではなく58p待ちに受けていれば私のアガリだった


みなさんは、この分岐についてどのような感想を持っただろうか?


天鳳においては、ラス回避という別ゲーの側面もあるため、自分の手に溺れずラス目の親はきっちり流すということも重要となってくる。

それを踏まえた上で、このリーチが勇み足だったとは私は思わない。

赤ツモの勢いに乗じて、勝ちを決める局面だと思うからだ。

長い目で見てどうかということを判断していかなければならない。


感触のいい赤引きによっても、良くない結果になることももちろんある、ということである。



ラベル:天鳳 赤5
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