2021年06月13日

牌効率無視 ホンイツ狙いは大胆に

今回は分岐のあるホンイツについて。


打点の必要じゃない状況で受けの狭いホンイツとの選択を迫られる、わりと悩ましい選択ではないだろうか。

赤入りだとリーチの脅威が大きいため、牌効率に寄せたくなるのが一般的だ。

しかし、ただスピードに寄せればアガりきれる、というほど単純なものでもない。


確かに、ホンイツは有効牌が少なく、河で狙いがバレやすいため出アガリのしづらい役である。

ラス目が一発逆転に賭けて狙ったところで、河に必死さが映りなかなかアガれない。

逆に言うと、上位者が狙うことで、攻め返さざるを得ない下位者から拾える可能性が生まれる。

しかも、ホンイツを狙う必要のない点棒状況であるならなおさら盲点となる。


強者の打ち筋に、序盤からやたら派手なホンイツ模様の河、というのがしばしばある。

点棒があるのにそのような河を見せられると、こちらは少しブルってしまう。

遅くて高い手というのが想定できるが、長引いた際になまじ危険ゾーンがわかっているゆえに切れなくなる牌が生じてくるからだ。

ホンイツは打点的な破壊力があるため、引き気味に構えたところアガリを逃す、というような事態が生じやすい。

このように、河の圧を優位に利用することでホンイツはその価値を増す手役であると言える。

強者は、遠いけれども仕上がれば決定打になる、という構想が非常に上手いイメージがある。


そして、ホンイツの上手い人は、狙う場所・狙う牌姿・そのタイミングが絶妙で、閃きに近い直観のようのものを持っている人が多い

牌効率を習ってしまうと、どうしても目先のアガリに捉われてしまって、思い切った着手がしにくくなる。

スピードが求められる現代麻雀ではなおさらと言える。

しかし、このへんの目先の損得に捉われてしまうと麻雀の本質を見失う可能性があって、ここに中級者と上級者の大きな壁がある。

ホンイツはそういう雀士の幅・器を測るためにうってつけの手役であると私は考えている。


そういえば、ホンイツ好きで定評のある佐々木寿人が鳳凰位を戴冠した

その一報を聞いた時、自分のことのように嬉しい気持ちになり、私は佐々木寿人が好きだったんだなあ、と改めて思った。

鳳凰位の佐々木寿人が好きな手役がホンイツなのだから、ホンイツを制する者は麻雀を制す、である。


それでは、どのような場面でホンイツの分岐が訪れるのだろうか?

実戦例から見ていきたいと思う。



case1
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南2局、29100点持ち2着目の西家。

上3人がダンゴで熾烈なトップ争い。

整った手牌から、9mツモで一歩前進。

ホンイツあり、チャンタあり、もちろん南のポンもありだが、さて何を切る?





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3s切りでホンイツ狙いとした。

アガるだけなら1mだが、1000点でいいというわけでもない。

ホンイツなら仕掛けても打点がつくし、何よりマンズが安くて感触がある。


と思っていたら、次巡にズバリ2mツモで絶好の最終形となった。

さて、リーチする?





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ダマにした。

割と目立つ河の上、拾えそうなマンズにつきダマは普通。

ラス目の親を流す目的があるのも大きい。

南をツモっても25m待ち続行になりそうだ。


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やや長引いたが、トップ目下家から出て8000となった。

恐ろしいことに上家に高めツモ倍満というお化けが入っていた。

4mスライドの余地を残すダマテンに意味はあったと言える。

結果的には、牌効率に従っていても4s一発ツモで実入りには変わらなかったわけだが。

会心のアガリも、この半荘は2着だった。



case2
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東3局、33100点持ちトップ目の南家。

ややバラバラの手から8mをツモったところ。

ここから何を切る?





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4p切りとした。

メンツがないので、浮き牌の字牌を残してメンホンチートイを視野に入れた。

仕上がりは遅いが、仕上がったら高いよ、という手組み。


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この白引きで相当手が引き締まったように見える。

が、あれから引いた牌は7mと白のたった2枚のみである。

これで仕掛けも視野に入るが、チートイツの可能性を残してここでは発切りとした。


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白をポンして、上手くテンパイまで漕ぎつけた。

14mはとてもアガれそうな待ち。


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も、余った5mが親に当たりで2900。

決定打には惜しくも届かなかった。



case3
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東4局、30200点持ちトップ目の親番。

4巡目に西をツモってきたところ。

さて、何を切る?





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2s切りとした。

最も弱いカンチャンを外しつつ、ホンイツの可能性を残した。

浮き牌の9pは何気に重要な牌で、これを安易に切ってしまうとドラツモで右往左往してしまう。

2sから切るのは狙いをボカすため、そして万一の赤5sツモに備えてのこと。

ファン牌トイツに赤1というところで仕掛けて満貫が見える。


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中スルーからのドラ引きで、形が整ってきた。

ここでも一貫してホンイツ狙い継続のマンズ落とし。

やりすぎになるきらいもあるが、ここは牌の伸びを信じて。


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絶好の8pツモでいよいよアガリが見えてきた。

9pを引っ張った甲斐があったやね。


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終盤にテンパイが入った。

さて、何を切る?





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これは一見中が拾えそうに見えるが、引っ張った9pの意味を考えてMAXに受けた。

こういうところで小手先の技に走らず、あくまで牌の流れに沿った選択を心掛けると好結果が出やすい

ターツ落としをしてまで引っ張った9p、これが残った意味を考える。


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しかし、下家のダマにかわされ、1000点。

惜しくも大物手の成就とはならなかった。

上家は役を捨てて苦しいフリテンに受けていることから、十分に警戒されていたことがわかる。

マンズのターツを取っておいても最終形は中と5mのシャンポンになっている可能性が高い。

ということは、47p待ちに優位性があったはずと私は考えるが、残念ながら手牌オープン画像はありませんでした。



case4
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開局の西家。

なかなか面白い配牌をもらって3巡目、1sをツモってきたところ。

さて、何を切る?





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これをツモ切りとした。

さすがにドラスジだし、ホンイツ確定というわけでもなさそうというのがその理由だ。


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ホンイツ含みになるのは想定内。

後はドラにくっつけるのみ。


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ところが、あろうことか1sの方を立て続けに持ってきてしまう。

痛恨、これ以外の言葉が見つからない。


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なんとかテンパイが入るも、アガリきるまでのエネルギーはもはや残っていなかった。

下家にツモられ、500・1000。


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仮にあそこで1sを残していたなら、この中でなんと4000・8000のアガリとなっていた。

些末な効率に捉われ、大魚を逃してしまった典型。

1sを切った瞬間、あっ、と思ったのだがその後悔が何倍にもなって押し寄せてくるとは…。

打てている時は何気なく残せる1sであっても、頭が硬い時はなかなか残せなかったりするものだ。

この半荘がラスであったのも合点がいくだろう。

この1sを残せるかどうかが、麻雀が打てているかどうかの試金石となっていること、これは理解していただけるのではないかと思う。


このように、ホンイツの分岐は頭で考えるというよりも、閃きや直観に頼る部分が大きい。

打てている時はなんとなく実践できるのに、勝ちにこだわると途端に逃してしまう不思議な傾向がある。

これを防ぐコツとしては、頭のアンテナを張り巡らせる、手牌を俯瞰して見る、このあたりにあるだろう。

アガリよりもその先を見る、ホンイツの奥深さを実感できるのではないだろうか。



ラベル:天鳳 染め 手役
posted by はぐりん@ at 00:39 | Comment(0) | 手役狙い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月06日

赤1チートイはリーチ前提 出にくいドラはほどほどで見切る

今回は今まで語られたことがない、知っていれば得する麻雀話をお届けしたい。

特に、赤入り麻雀と赤なし麻雀をどちらも打つ、と言う人にオススメの内容となっている。


唐突に伺うが、赤が出現したことで格段に攻撃力が増した手役がある

それは一体なんだろうか?

まずはじっくり考えた上で、スクロールしていただきたい。









チートイツ、と答えた方は半分正解。

正解はチートイツ、トイトイ、三暗刻といったトイツ系手役全般だ。


答えを聞けばすぐにピンとくるだろう。

縦系の手役は複合するのが大概2ハン役であることが多く、符を効率よく利用することが意外と困難だ。

例えば、トイトイ。

ドラを上手くポンできたはいいが、トイトイドラ3で満貫。なんか苦労より安く、損した気分になったことはないだろうか?

トイトイでドラを使い切るためには、最低でも雀頭の2枚が必要になってしまいその瞬間に苦労して積み上げた符が無駄になってしまう

比較的どの役にも複合しやすい手役にタンヤオがあるが、リスクの高いタンヤオトイトイの仕掛けをした割に、アガってみたら3900しかなかった、という経験は誰しもあるだろう。

タンヤオチートイツなどにも言えるが、トイツ系手役とタンヤオの相性は最悪で、アガリづらい割に符ハネの恩恵を得られにくい


三暗刻などはメンゼン出来合いならリーチなどの複合もあることはあるが、必然的にコーツが多く手の内の牌種が少ないため、シュンツにおけるドラ1枚の複合率は高くない。

しかし、自身のトイツやコーツに赤が1枚組み込まれていたらどうだろうか?

トイトイのみなら仕掛けない手でも、トイトイ赤1なら符ハネによる仕掛け効率も良く、積極的に仕掛けやすくなる。

赤入りのコーツがある三暗刻ならダマにしやすいし、仕掛けも見合いやすい。

このように、トイトイや三暗刻などのコーツ手に+1ハンの要素が増えると、符ハネのしやすさも相まって非常に得点効率のいい手となる。


そしておまちかね、最も赤入り効果が大きいのがチートイツだ。

チートイツもドラが絡むと確実に6400以上となり、リーチの効果が小さい。

絡む1ハンと言えばタンヤオぐらいのもので、メンタンチートイ、真ん中で待つチートイツがアガれるだろうか?

ドラドラだとリーチに行けない、チートイのみだと出アガリがイマイチと言う風にリーチによる恩恵が小さいというのがチートイツのデメリットであった。


しかし赤が1枚あったらどうだろう?

今まで実現しえなかったチートイ+1ハン役つまり、3200をリーチして出アガリ6400という極めてリーチ効率のいい手が爆誕した

1600をリーチして3200。

6400をリーチして8000、というむず痒い50符リーチの使い勝手の悪さを解消してくれる救世主、それが赤5だったというわけだ


特にメリットが大きいのは、チートイツなら2枚のみで活用できるため、コーツが必要な手役よりも赤5の恩恵が得られやすい点にある。

赤なしの場合、ドラのないチートイツは放銃しても裏ドラさえ乗らなければ大体3200だったが、赤入りでは常に6400と言われる可能性がある。

これによってチートイツの打点読みが極めて難しくなり、安易に突っ込めなくなった。

これもチートイツの脅威を高めている要素だろう。


最近Mリーグでチートイツが多いとは思わないだろうか?

私はMリーグは見ていないのだが、風の噂でそういう話を聞いた。

打ち手は明確には意識していないとしても、そういう理由でチートイツという手役のお得感が増しているからだと思われる。

赤入りによりチートイツという手役の期待値が大幅に高まった、と言い換えることもできる。

私が天鳳でチートイツを多用していた理由もそういうところにあったのかもしれない。

当時は深くは考えてはいなかったけれども。


麻雀で勝つためには8000点を超えないかつそれに近い打点をいかに積み上げるかのゲーム、端的に言えばそうなると思う。

その常勝理論に一役買っているのが、「赤の力を借りたチートイツ(トイツ系手役)」と言えるのではないだろうか。

結論としては、赤入りか赤なしかでチートイツという手役の期待値は変わるため、土俵によってチートイツ狙いの頻度を変えるのが最適戦略になりうる、ということだ。

(正確には期待値の上昇率が他の手役と比べて大きい)

Mリーグやフリーならチートイツを積極的に活用し、プロのリーグ戦ならチートイツはやや頻度を落とす、これが有効ではないかと思う。


これはかなり画期的な論であり、知ってるのと知らないのでは麻雀の戦い方が大きく変わってくる。

これを胸に秘めて戦えばあなたの勝率もきっとUPすることだろう。

トイツ系を制する者は麻雀を制す、正にそんな時代に突入していると言える。


話を戻して、今回のテーマは赤1チートイツにおけるドラの扱い方について。

具体的に実戦例から見ていこう。



case1
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南2局、22000点持ち3着目の北家。

上下縦長で、2着目の親とは200点差の微差となっている。

赤1チートイツシャンテンのところ、8mを持ってきた。

さて、何を切る?





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ここで思いきってドラ切りとした。

ドラは重なったら痛いが、8mも3sも割と山にいそうな半面、ドラは情報がなく持たれていても不思議ではない。

また、ドラは待ちになっても出にくくアガリづらい。

打点よりもアガリ自体がほしい局面でもある。


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打牌候補だった3sが重なってテンパイ。

ここは当然…


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発で待ってリーチとした。

赤入りチートイツは出アガリ6400である上、自由自在に待ちを選べる


これが終盤にラス目から出て6400となった


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アガリやすさを求めるのであればドラの先切りは悪くない。

赤を生かしたリーチ前提で、重なりやすい牌を残すのも一つの手だ。



case2
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東2局1本場供託1本、20600点持ちラス目の西家。

終盤に東を重ねてテンパイ。

新ドラの9mは生牌で場に見えていない。

さて、どうしよう?





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ドラを切ってリーチした。

親の仕掛けに対してかなり怖かったが、9mで待ったところでアガれない。

ドラはツモる以外ないが、3sはこの場況なら出る可能性がある。


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結果、親と二人テンパイで流局。


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一発消しによるチーがなければ、3sでアガリがあった?と一瞬見えるが、実はその前に親のツモアガリを潰していた

3sはこの巡目にして山に2枚、十分に見合う勝負だった。

このトライが生きてこの半荘は2着だった。



case3
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東2局、20100点持ちラス目の親番。

2pを重ねてチートイツのテンパイとなった。

1mはたった今切られて残り1枚。北はドラ。

さて、どうしよう?





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ドラ待ちのダマにした。

中盤は手が整い始めた他家からドラが出だすタイミングでもあるので、このへんで様子をうかがった。

リーチ宣言牌などで切られやすい頃合いでもあるだろう。

さらに巡目が進んで、1枚切れの中をツモってきた。

さて、どうしよう?





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これは難しいが、ドラ待ちダマ続行とした

自身の河の特殊さを懸念してのものだ。

早い巡目の両面ターツ落とし、ピンズの高い河、これが作用して字牌も警戒されやすい河になっている。

鳳凰卓レベルではこのリーチはまずアガれないと踏んだ。


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北家の動きが入ったので、ツモ切りリーチを敢行した。

仕掛けが入って脅威が減ったタイミング。

北家が仕掛けたことでダマでもドラは出にくくなった。


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結果、一人テンパイで流局となった。

一人ならまあいいかというところ。


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もう一度見てみよう。

確かにこの河だと中待ちリーチはアガりづらいかもしれない。

しかし、ダマでドラが出ることもこの巡目からはあまり期待できない。

中が山に居そうなのは間違いないし、中が絶対に出ないとも言い切れない。

改めて考えると、ここは河云々を度外視して、中待ちでリーチに行く方がいいように思える。

出ないドラに固執するよりは、少しでも出る待ちで9600を狙いに行くのが赤入りチートイツの正攻法であろう。

このへんの精度を上げていくことが上位卓では必須となる。

迷ってしまうとリーチに行きづらくなってしまうため、このへんに力量が問われてくる。



赤1チートイツは新時代のリーチ兵器だ。

このウエポンを自在に扱うことでチートイツの攻撃力を最大限に引き出すことができる。

今一度、あなたの戦略に組み込んでみてはいかがだろうか。



ラベル:天鳳 七対
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(4) | 最新戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月30日

ダマ5200でリーチに行くケース

今回は、リーチ判断だ。


ダマで出アガリの効く5200テンパイ時に、リーチをかけるかどうか迷った経験はないだろうか?

リーチをかけてやっと出アガリしたところで、8000となるのが関の山。

リーチ棒の1000点を出す見返りとしてはイマイチに映る。


そこで、今回は40符3ハン、役ありテンパイ時にどのような基準でリーチに行ったらいいかを端的に示してみた。

親の際も流用できるので、ぜひ活用していただきたい。


@東場・好形

東場で5200の出アガリをすることは、ラス率の低下には結びつくかもしれないが、さほどトップ率を上げることにはならない。

それならば好形の利を生かして、ツモ+一発or裏1のハネ満狙いに打って出るのが良さそうだ。

ハネ満ツモの一撃を得られれば5200の2回分以上、トップ率には間違いなく寄与する。

この条件なら通常純粋な期待値としてリーチが優位である(増加率が劣る)ため、好形なら大半はリーチで問題ないだろう


A愚形・河にやや迷彩がある

愚形の場合は扱いが難しい。

元々枚数が少ないためダマでもなかなか出てこないというケースがざらにあるからだ。

自身のチャンス手を完全に無視されて先にテンパイを入れられるとこちらが不利になるおそれがあるため、それなら足止めも兼ねて先制リーチを打とうと考えるのも普通だ。

これを応用したのが、河にやや迷彩がある時はリーチ、というもの。

「やや」というのがポイントで、完全なる迷彩ではなくてもよく、自身の河に安い色の待ちであるとか、先切りの内側待ちになっているとかそういう些細な迷彩でいい。

相手にプレッシャーをかけて手を止めつつ、その些細な迷彩から逆にアガリへの道筋を模索する。

というのも、愚形であればこそスジだとかノーチャンスだとかで待ちが盲点になるケースが増えるからだ。

この点は好形では不可能につき、愚形ならではのリーチの生かし方であると言える。


B仕掛けで入ったテンパイなど自身の得意なパターンに当てはまる

経験から自分に有利なパターンでテンパイが入ったと感じたら、待ちの良し悪しに関わらずリーチを打つ。

これは感覚的なものでいいが、決して気分的なものであってはならない。

契機となる相手の動作が必要で、ある程度の試行をこなしたものである必要がある。

・「上家のポンで入ったテンパイだから」はいいが「今日は体調がいいから」はダメ

・「親が鼻をかいているのは焦っている時の癖だから」はいいが「今日の占いが1位だったから」はダメ


ゼロサムゲームというのは期待値のみならず、精神面のやり取りでも行われているので相手のミスや不利な点をつく。

自分に優位性が高いパターンをエビデンスとして持つということは、相手が焦っているとか怯えているとか精神面で押しやすい状況を見抜くということでもある

これは何もこのテーマに限ったことではないが、自身の判断が迷うところだからこそ、そのわずかな優位性を判断基準として逆用する、というわけだ。

一番嫌なタイミングでリーチを打ってくるヤツのことをあなたはどう思いますか?ということ。


それでは、これらは実戦でどのように表れてくるのだろうか。

実戦例からご覧いただきたいと思う。



case1
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東2局、19000点持ちラス目の北家。

絶好のカン3sを引いてテンパイが入った。

ダマでも5200あるが、待ちはドラまたぎとわかりやすい。

さて、リーチする?





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リーチした。

まだ東2局なので確実性を取るよりも伸び伸びと打つことを優先した。

5200を闇討ちしたところで決して安泰のポジションというわけではない。

また、鳳凰卓では9巡目ぐらいからドラまたぎはなかなか出づらいという傾向もあるため、この待ちだとダマの優位性は下がるという感覚もあった。


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これがなんと僥倖の一発ツモ。

裏なしぴったり3000・6000で一躍トップに肉薄した。

このアガリが効き、この半荘は2着だった。



case2
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南2局1本場供託1本、19100点持ちラス目の親番。

2着目まで1600点差と下はダンゴ状態。

こちらは待望の雀頭ができて三色赤1のテンパイとなった。

喉から手が出るほどアガリが欲しい局面だが…さて、リーチする?





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リーチした。

ポイントはダマでもなかなか拾えそうな待ちではないことと、5s先切りがやや迷彩として効いているからだ

簡単に出る待ちではないが、例えば5sが4枚出ることに期待しながら時間を稼ぐことができる。


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しかし、意外にも上家が追っかけを敢行、700・1300をツモられてしまった。

腹を括って勝負されると所詮愚形につき、分の悪い勝負となってしまう。


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ぎゃっ!

となってしまうから見ない方がいいのに。

三つ巴なら無理しない要素は増えるため、迷彩を生かしつつ長引かせる作戦は悪くない。

この半荘はきわどく3着で終了した。



case3
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東2局、原点2着目の南家。

789の三色イーシャンテンのところ、同じく原点の北家にタンヤオの早い仕掛けが入る。

ドラ持ってるのかな、という仕掛けに見える。


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それによって持ってきたのは絶妙の9m。

三色ドラ1のテンパイとなったわけだが、さてリーチする?





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リーチした。

ペン7sは場況から強度は不明だが、北家の仕掛けで入った高目ということで、「あなたの仕掛け、焦ったんじゃないの?」と北家に問うているわけだ


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狙い通りに北家は白トイツ落としでオリが鮮明となった。

が、意外にも親が果敢に仕掛け返して2フーロ目をいれ、あろうことかスジの4sを通されてしまった。

7sを使い切られているだけに嫌な雰囲気もあるが…


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結果、手の入っていた下家からスジを追った7sが出て8000。

かなり意外な顛末となった。


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仮にダマにしていたらどうなっていたか?

7sは三者に組み込まれていて出てくる気配がない。

ダマだとおそらくアガリはなかったと思われる。


結果はたまたまだが、自身の経験則に則ったリーチ判断が成功した一例だ

精神面でもゼロサムゲームは確実に存在していて、なぜなら精神力は有限であるからだ。

打ち慣れた相手ならどこに弱点があるかをなんとなく把握することは大事だし、自身の勝ちパターンにできるだけ持っていけるように工夫すること、これは決してオカルトではない真っ当な戦術だ。


結果を予測しないAIに対し、反復によって身体に刻み込まれた経験は、未来を予測することができる。

これを一瞬で行う作業が人間の持つ直観力であり、未来を切り開く叡知である。

AI時代を勝ち抜いていく鍵がきっとそこにはあるはずだ。



ラベル:天鳳 立直
posted by はぐりん@ at 00:53 | Comment(2) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月23日

人和ありやなしや

今日は、「人和(レンホー)」という役について。


人和とは、一般的には純粋な1巡目における、ツモ番を経ていない子方の、ロンアガリのことを言う。

天和、地和と並列に話題に上がるため、かなり馴染みのある手役ではないだろうか?

しかし、その知名度とは裏腹に、プロ団体で採用しているところはなく、厳密にはハウスルール・ローカルルールとして存続している手役である


人和は以前は役満として扱われることが多かったが、最近では満貫・ハネ満、倍満のいずれかとして採用されることが多いようだ。

私のセットでは人和なしでやっているが、仮にありでも満貫ぐらいが妥当ではないかと個人的に思っている。

知り合いで雀ゴロのトンキーは倍満が普通だと思っているように、地域差や個人差があるだろう。

みなさんの感覚、地域のハウスルールはいかがだろうか?


私が人和について特に思うことは、値段の多寡ではなくて、有り無しについて確認が必要だなあ、ということ。

なぜなら人和だと思って倒したら役なしチョンボになってしまった、ということが普通にありえそうだからだ。

1巡目の理牌が忙しい時かつプレミアム感のあるアガリだけに、うっかり倒してしまうのはもはや雀士の性であり、人和不採用の不安感というのはとてつもないものがある

頻度も低い手役だけに、別段ありでも誰も文句は言わない気はする。


人和の面白い点は、北家が最も優遇される手役であるという点だ。


やれ座順でラスだ、やれ親に絞れ、安易に鳴くな日頃虐げられがちな北家が最も輝けるとき、それが人和という手役となれば北家マニアは感涙ものだろう。

なぜなら、ロンの猶予が南家は親が切った1打しかないのに対して、西家は2打、北家は3打あるため、相対的に有利なポジションにいるからだ。

逆に言うと、配牌時テンパイしているのが南家ならなんとなく損している気分になる(長期的にはほぼ影響はない)ため、どうせテンパイしているなら北家の時が良かった、などという不毛な損得が脳裏をかすめることになる

このへんの不平等感とか、曖昧さの部分が人和がポピュラーになれなかった理由の一つではないかと推察できる。



ひとつ、顕著な例を挙げよう。

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これは私の愛用する麻雀ソフト、竹雀(bamboo mahjong)である。

ソーズオンリーの二人麻雀でCOMと戦うというやつだが、ご存知の方も多いだろう。

バージョンは古いかもしれないが、私はいつもこれで訓練をしている。

このバージョンだと人和はありで、役満扱いとなっている。

8s単騎でテンパイしているところに5sを持ってきたが、さて何を切る?





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当然のごとく8sを切ってリーチ(2536s待ち)したが、これにロンの声がかかる。

人和で役満だ。

対面の待ちはパッと見で何かわかるだろうか。

147258sの6面張だ。

遅かれ早かれアガられていたと思われるが、この流れから何かを感じ取ることができたあなたはなかなか鋭い


そう、この麻雀における1巡目の子方は通常より期待値が高いのである。

親は1巡目に役満のチャンスがツモしかないのに対して、子方は1巡目にロンとツモの2回あるからだ。

人和が役満に設定されているだけに、子方の1巡目は非常にチャンスが多い。

逆に言うと、親は1巡目から切る牌をケアする要素が大きくなるわけだ。


人和にはこういう不均衡、不確定要素が増える手役でもあり、それゆえに競技麻雀からは嫌われる傾向にあったのではないかと思われる。


それでは、我らが天鳳において人和は採用されているのだろうか?

せっかくなので実戦例から確認していきたいと思う。



case1
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南3局、38000点持ちトップ目の南家。

ん?なんかテンパってる気がするが気のせいか?


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なんか1p出てるし!ロンしちゃってるし!(自動和了ボタンプッシュ済)

これはもしや、人…和…?


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にしぇんてん(ノω・、) ウゥ・・

天鳳では人和という役はございません!お気をつけください!


2000点アガればオーラス満ツモに耐えられるのでこれはこれで良し。

この半荘はトップだった。


60734.jpg

牌を開けてみると、地和紙一重だった。

例えばチップのあるリアルだったら、地和チャンスを放棄するのは愚の骨頂なので、人和の扱いをきっちり確認しておかなければならない。

天鳳でもこの2000はアガらない方がいいケースの方が多いはずなので、私のように自動和了ボタンを押す癖がついている人は特に気をつける必要があるだろう。



case2
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東2局、24000点持ちの親番。

何気なく孤立の北から切り出す。


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なんと、対面がツモ切りダブリーと来た。

地和親っかぶりのピンチだったということか…


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下家のツモ切った北にロンの声で、裏は乗らずに5200。

対面はツモ切りリーチだった、ということは?


tenhou.819.jpg

第一打の北はまんまと当たりだった。

人和がないおかげで交通事故に遭わずにすんだばかりか、当たり牌の先処理に成功するというミラクルをやってのけたわけだ。

ルールによって大きく結果が変わってくる局面だったことがわかる。

こういう場面で役なしロンと言ってしまわないように、ハウスルールは事前に確認しておきたい。



case3
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東1局、連荘を重ねてダントツの親番。

ラス目の南家から唐突にロンと言われる。

いやいや、あなた、人和ないですよ?




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ちょっwまっw

ツミコミ禁止ぃ〜!

仮に人和が満貫だったら高目取りって言うんか?


tenhou.67.jpg

二度と思い出せないように記憶を捨ててしまいたい。



ラベル:天鳳 手役
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2021年05月16日

5667889からの選択

今日は部分牌理について。


五索六索六索七索八索八索九索

この形から何を切るか迷う。

みなさんも一度くらいはあるのではないだろうか?


この形は、近代麻雀2021年4月号か5月号の「漫画でわかるコバゴー麻雀」でも触れられていたので、見覚えがあるという人もいるかもしれない。

それぞれ形ごとにメリットデメリットを簡潔にまとめてみた。


(1)九索切り

五索六索六索七索八索八索

最も基本的かつ攻撃的なのがこの9s切り。

メリット
・7sツモでイーペーコーになる
・入り目不問でタンヤオになる
・8sのポン材が残る

デメリット
・6sか8sが最終的に出ていきやすく、守備力に不安がある


(2)八索切り

五索六索六索七索八索九索

8s切りは攻撃と防御の折衷案

メリット
・安全度の高い9sを残すことができる
・雀頭不在なら4sツモで三面張ができる
・タンピンの可能性を保留できる

デメリット
・イーペーコーが消える
・タンヤオが消えやすくなる


(3)六索切り

五索六索七索八索八索九索

6s切りは守備寄り

メリット
・最も危険度の高い6sを先処理できる
・8sのポン材が残る

デメリット
・イーペーコーが消える
・47sチーができないのでクイタンには向かない
手牌の伸びを殺す可能性がある(5sツモなど)


現状の選択ではメリットデメリットがわかりやすくそこまでの差にはならないが、将来変化まで含めると、

・できていたはずのタンヤオを逃してしまったり、
・有利なスライドができない形にしてしまっていたり、
・手牌の伸びを殺して大幅に打点を下げてしまったり、


ということが案外多い。


中でも、タンヤオが見える手牌では安易に守備重視を選択すると最終的にリーチが必要になってあれ?となることが多い印象だ。

このへんは、様々な手牌変化をあらかじめイメージした上で、攻守のバランスを踏まえてどれが最善かという3択となるため、
見た目以上に経験やバランス力が求められる選択となる


特に、6s切りはタンヤオの可能性が下がる上に、手牌の伸びを殺してしまう可能性もあるため、軽率に選んでしまうとミスに結びつきやすいということは覚えておいて損はないだろう。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
44463.jpg

開局の西家。

何を切るか?





44464.jpg

9m切りとした。

東1局につき、伸び伸びと構えた。

イーペーコーになればリーチで5200となり打点効率がいい。

制約がなければこの形からは9m切りが基本となる。


44465.jpg

ところが、次巡に親と南家から2件リーチが飛んできた。

いずれも一発目だが、さてどうしよう?





44466.jpg

困った時の必殺暗刻落とし。

南家に対して怖すぎるが、2件に通ってないドラまたぎよりはマシと考えた。

幸いにもセーフ。


44467.jpg

終盤だがテンパイ取りに望みがつながった。

仮に9m切り以外だとこのマンズの好形を逃すことになる。

内に寄せることのメリットはこういう場面で実感することができる。


44468.jpg

結果、親が南家から7700をロン。

私が赤5sを持っているだけに割合安全そうに見える6s(カン8s待ちを優先しそうだから)は実は当たりで、中スジを追っていたら危なかった

攻守ともにバランス良く打てた一局。



case2
44955.jpg

オーラス、17400点持ち3着目の南家。

上家の親がラス目で、その差7800点。

脇に8000だけは打てないということで、やや繊細なオーラス。

風通しよくペンチャンターツを払ったところ、ド裏目をツモってしまいこれを残す。

7pは親の現物でもあるため、利用価値はあるだろう。


44956.jpg

おっと、どこかで見た形が。

さて、ここから何を切る?





44957.jpg

6sツモ切りとした。

親の現物につき残すのもアリだが、さすがにド急所のドラまたぎ

ここで打ってしまうと8000の放銃はあると考え、守備重視のシフトにした。

下家に6sを鳴いてもらってもいい。


44958.jpg

フリテンを引き戻し、意外にも役ありテンパイに。

8sがたった今2枚切れたところにつき、自然と47s待ちに取った。


44959.jpg

ここで持ってきたのはまさかのドラ。

さて、どうしよう?





44960.jpg

さすがにドラは切りきれずに9s切りとした。

親の最終手出し3sも嫌だし、何より47sが見た目にも残り4枚とアガリやすさに大差なしと見えたからだ。


44961.jpg

が、直後に下家から切られる4枚目の7s…

この巡り合わせは嫌な予感がプンプンする。

贅沢は言わんから、下家さん、アガってくれ。


44962.jpg

嫌な予感は当たるもので、バックの南を掴んで親に2900の放銃となってしまった

5m5sは全山につき選択が間違いというわけではなかったが、8枚目の47sを先に打たれた因果がこの放銃を呼び込んだ。

この直撃により上家と肉薄、最終的には捲られて私はラスで終了した。


フリテンの一手遅れも痛かったが、本局ではそれよりも重要なポイントがあった

それは一体なんだろうか?これに気づけたならあなたはスペシャリティーである。





44963.jpg

ポイントはここでの選択だ。

仮にここで9sを切っていたならばどのような手牌変化が想定できるだろうか?

本局13巡目
赤五萬五萬二筒三筒四筒六筒七筒八筒五索六索七索八索九索ツモ五索

私はこの手牌からドラが切れずに9s切りを選択せざるをえなかった。

しかし、ここで9sの代わりに6sが手牌にあったなら…?


赤五萬五萬二筒三筒四筒六筒七筒八筒五索六索六索七索八索ツモ五索

そう、8s切りのスライドによってドラを切らずに47s待ちを選択できたのである。

8sは親に対して通っている牌につき、自然に8sを選んだはず。

すると、直後に下家が7sをツモ切り、タンピンイーペーコー赤ドラドラというハネ満が仕上がり、ラスどころか2着捲りでフィニッシュできていたというわけだ


委縮した選択により手牌の伸びを殺してしまい、最終的にアガリを逃したばかりか放銃してしまう。

ここでの選択がいかに重要だったか、この一例からおわかりいただけるだろう。

1メンツをミスっている以上、受け気味になるのは自然ではあるが、このような失敗が起こりやすい形であること、これを認識しておけばいざという時に役立つかもしれない。



case3
70344.jpg

南3局、37200点持ちトップ目の親番。

対面が早い仕掛けで、ソーズがゴツゴツしてきた。

さて、何を切る?





70345.jpg

8sツモ切りとした。

7sのイーペーコーもあるが、直ちに裏目になるわけではない。

それより一通があるため、ここでは9sは選びにくい。

対面がピンズを持ってなさそうなのでピンズの伸びは期待できそう。


70346.jpg

さらにソーズが伸びてきた。

対面がマンズ模様であることも踏まえ、ここで自然に4m切りとした。


70347.jpg

ビシッといいところを引いてきて、テンパイ。

47sもカン2sも枚数的には変わらないが、ダマが効くならと1s切りでピンフに取った


70348.jpg

これが意外にもあっさり拾えて、5800。

2着目からデバサイの加点で、この半荘トップを取ることができた。


賢明な読者諸兄はもうお気づきだろうが、

四萬五筒六筒七筒九筒一索三索赤五索六索六索七索八索九索ツモ八索

ここで仮に6s切りを選択したなら、

四萬五筒六筒七筒九筒一索三索赤五索六索七索八索八索九索ツモ五索

この5sツモから完全に迷路にハマり込むことになる。

内に寄せた6sが潤滑油となって、手牌を活性化させていたというのはなかなか気づきづらい事実ではないだろうか。


このように、一見単純な牌理ではあるが、将来変化によって様相が玉虫色に変わる可能性を孕んでいるのがこの形だ。

内に寄せることが麻雀の基本である、という大前提を今一度噛みしめることができる。

守備が極端に重視されがちな天鳳においても重要な示唆を含んでいるだろう。



ラベル:天鳳 牌理
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