2014年11月30日

ラス回避の戦略 オーラス編

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オーラス、微差の2着目で迎えた南家の自分。

点棒状況は自分から順に、26600、15400、26300、31700。
トップと5100点差、3着目と300点差と競っている。


ズバリ絶好の5mを引き込み、三面張テンパイとなったところ。
さて、リーチする?





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俺の選択は9p切りダマだった。


こういう場面で俺が常に意識しているのは、
いかにしてトップを取るかではなく、いかにしてラスに落ちないかということだ


ここでの選択はかなり意見の別れるところだろうが、
高段位になればなるほどダマの選択を重視する打ち手が多いのではないだろうか。

何が最も嫌かというと、
リーチ棒を出すことで一時的に3着に転落してしまうことだ。


リーチ棒を出して下家に攻め返され、満貫でもツモあがりされようものなら、
リー棒分ぴったりラス転落してしまう。

その場合、上家が30000点を割ってしまうため西入するとはいっても、
微差のラス目の親が圧倒的不利な状況であることに変わりはない。


そして、もうひとつの大きなデメリットは、
リーチをかけることにより上家の親が牌を止めてしまうことだ

上家の捨て牌には8mがあり、ダマっていたら出てきそうなのだが、
これを止められるようなことになると何が起こるか?

局が長引いて下家の手牌が成就しやすくなる、これが嫌なのである。

リー棒を出すことで一時的に順位が下がるばかりか、
下家の手が成就しやすくなるという二重のデメリットによって、
ラス転落のリスクは想像以上に高くなると思われるのだ。


これが、ツモでトップを捲れない点差なら間違いなくリーチなのだが、
ツモor直撃という条件なら、気持ちよくトップ目に放銃させてあげることで、
トップ率はともかく、ラス転落のリスクはかなり軽減できる


もちろん、ラス目からリーチが来た場合に、
順位をキープしたまま対応できるのも大きい。



一方、対面はラス目下家と8000点以上の差があるため、
ある程度手が整っていればこちらのリーチに対してはまっすぐに向かってくることが予想される。

これはリーチに踏み切る理由としては十分であり、
ラス目と1対1になるのではなく、
出どころが1対2というのはあがりを見る上で大きい。

かつ、入り目が2mや8mではなく三面張となる5mであるならば、
感触良しと見てズバッと即リーチに打って出るというのももちろんある。


ただし、対面もまかり間違ってハネ満に打った日には大事件であるため、
リーチに対しては慎重になることも想定される。

俺の手は実際裏ドラ次第でハネ満になりうる手であるし、
ラス目と違って対面の意図は自分勝手に判断できないということは言えるだろう。


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結果は、対面から即8mが飛び出て、2着のままで終わった。


対面の手を見る限り、リーチでもこの8mは出ていたであろう。

これを惜しいと見るかどうかは人それぞれだが、
天鳳の場合は下を見ることの方が重要な場面は圧倒的に多いため、
段位に鑑み、リスクリターンのバランスをどのように取っていくか、
自分なりに考えて判断していくことが肝要である



オーラスに意識すべきラス回避のポイントは以下である。

・オーラスにリー棒出しての順位転落は地獄行き超特急の片道切符

・ダマテンで気持ちよく放銃させて局を長引かせない



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別の半荘。
もつれにもつれて西3局2本場、南家の自分は3着目。

点棒状況は自分から順に、23200、22200、28000、26600。
ラス目とは1000点差と、予断を許さない。

ドラ含みのカン4pがズバリ埋まってテンパイ。
さて、どうする?





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俺の選択は2m切りダマだった。


3mがまずまず良さそうで、リーチをかければツモor出あがり裏1でトップになるため、
6m切りリーチで悩んだのだが、
ここで考えたのは、仕掛けている上家のツモあがりである。

リーチ棒を出すとラス目下家と同点になるわけだが、
開局の上下によりこちらがラス目になってしまう。

下家の点数を下回らないため、一見気づきにくいが、
これもリーチ棒を出すことでラスに転落するケースである。


こちらの待ちはさほど自信があるわけではなく、
親の手牌は煮詰まっていそうな河であるため、
さっとツモあがりされた場合に、リー棒でラスになってしまう。

こちらがリーチをしないことで親の手も止まらないため、
気持ちよく親にツモあがらせる選択だ。

いずれにせよこちらも簡単にはオリないし、
放銃すれば何点であろうがラスに転落するため、
1000点のリードを大事にして、
上家や対面のツモあがりの可能性を高くしてあげるという戦略だ。


これをリーチしない以上は、
7mツモの両面変化や、赤5mツモの即終了の可能性を踏まえ、
必然的に2m切りになる


マンズの場況がはっきりしない以上、
赤5mを拾って即終了という戦略は常にあるだろう。


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ところが、10巡目にラス目下家からリーチが入る。

その同巡、安牌の6sをツモったがさてどうしよう?





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ここは当然、ツモ切りで追っかけリーチだ。

下家からリーチ棒が出たことで、脇のツモあがりでの自分のラス転落はなくなった。

かつ、リーチ者が当面のライバル、ラス目の下家であるなら、
ここはぶつけて堂々と決着をつけるべき場面であろう。



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僥倖のツモあがりで、トップ終了。

順位戦略含めて、会心の一局となった。


・リーチ棒を出して、脇にツモあがられたらどうなるかを考えよう


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別の半荘。
南4局、微差の3着目で迎えた親番の自分。

点棒状況は自分から順に、18800、24800、39600、16800。

ラス目の上家とは2000点差と、切迫した状況だ。

発をポンして何とかテンパイにこぎつけたところ、
4枚目の発を持ってきた。
さて、カンする?





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俺の選択は、発のツモ切りだった。


ノーテンで終了できない点棒状況につき、
ほぼオリない状況であり、
オリないなら勢いカンというのも確かにある。

また、あがった際に次局にノーテンで伏せれるように加点する意味でカンするというのも実戦的だ。


しかし、俺がここで考えたのは、
脇がツモあがった際に、満貫になる可能性を高めたくないということだった。

上家との点差は2000点であり、
脇の満貫ツモあがりなら、親っかぶりの上家取りでぴったり捲られる。

カンをしてしまうとそのリスクが高まってしまう。

もちろん、放銃時の失点を抑えるという意味合いもあるが、
打ったら大体捲られるような点差であるため、
やはり親っかぶりに比重をおいたカンしない選択であった。


俺はオーラスのラス回避において、
次局以降にいかに有利になるかということよりも、
今現在いかにラスにならない選択をするかという方が圧倒的に大事だと思っている



自分のあがりは牌の巡り合わせによるものであり、運否天賦だが、
他家のあがりに備えてラスになるリスクを管理することは、運否天賦ではない。


4人でやっている以上、
基本的には自分のあがり確率<<他家のあがり確率&流局なのであり、
この考え方が根底にある限り、
失点を上昇させてラスのリスクを高める攻撃的なカンというのは、
オーラスにおいては損なことの方が多いように思う。


このように、攻撃的な加カンが圧倒的に少ないのが俺の特徴的な雀風でもある。


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すぐに上家から3mが出て、2000点の出あがり。

直撃できたことが大きく、
次局はノーテンで伏せての3着終了となった。


・カンをする時は放銃時の失点のみならず親っかぶりにも留意する

・オーラスは次局以降のことよりも、本局にラスにならない選択を全力でしよう



ラベル:戦略 天鳳
posted by はぐりん@ at 19:49 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月23日

裏ドラの魔力

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上位三つ巴で迎えた南3局西家の自分。
会心のチートイドラドラなどもあったが少しずつ削られ、
現状は3着に甘んじている。

点棒状況は自分から順に、28700、37900、1900、30500。
2着目とは2800点差、トップ目とは9200点差だ。


ジュンチャンが見える手からピンフにまとまり、手応えを感じていたところ、
上家から先制リーチが入る。
その同巡、8mツモでテンパイ。

ドラが余っているが、さてどうしよう?






この場面、点棒状況的には非常に攻め返しやすい。

リーチ者は当面のライバル南家であり、
南家には多少大きいのを打ってもラスまではまだ余裕がある。

恐いのはむしろ親の方だが、親は仕掛けていて一撃必殺の追っかけリーチがない。

ラス目の親さえ流れてくれればラス転落のリスクはかなり低くなるため、
積極的に参戦して局を進めることで、むしろ自分がラスになりにくくなるまである。


問題はリーチかダマかだ。
2pはリーチ者だけじゃなく、親の現物でもある。
現状だと、裏が乗らなければツモあがりで親が飛んで2着終了というのも少しリーチをためらわせる。

トップ目から2pをさっと拾うつもりのダマテンは十分あるだろう。


一方、ゼンツするしかない親から25pが出た場合、どちらでも結果は変わらないが、
25pが上家から出たらダマではつまらない。

また、赤5pをツモって2着終了というのはいかにもしょっぱすぎる。


そこで、赤5pをツモるという気合を込めてここではリーチに踏み切った。


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ところが、これがリーチに刺さる。

いずれにせよ放銃という結果になっていたわけだが、一発がついて少々高そうだ。


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マジかよー(>_<)


ペロリと乗ったのがアンコの北で、なんとも効率のいい倍満の完成。

裏ドラのタメは天鳳の一つの醍醐味だが、
失点が跳ね上がる瞬間の、あの何かがザワザワと蠢く感じは一体何なのか。

何度味わっても、メンタルがやられる見事な演出である。


ともかく、想定外の失点により、ラスがぐぐっと現実的なものになってきた。


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オーラス、自分12700、対面1900。

精神的には3.5着の現状だが、対面との差はハネマン分ある。

実質1局勝負で、ハネマン条件など無いに等しい条件だ。
それだけ前局の放銃が正当化できる条件でもある。


直撃と親満のみ警戒して、受け気味に構えていればやりすごせるだろう。


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あり得ないことが起こるのが麻雀である。


ハネ満条件をクリアする対面の手作りは見事だが、
ついさっきまで26800点差と役満条件のような差が、
こうもあっけなく捲られるのである。


先ほどの裏3が見事なドラマの立役者になったわけだが、
こうしてみるとラスの可能性が低いリスクオンの状態だからこそ、
前局のような放銃が生まれたわけで、
下を気にせずに打てる状況というのは案外チャンスと同時にピンチも潜んでいるものだ。


絶望的な状況からこういうチャンスが転がり込んでくることもある。
ダンラスになったからといって、決してあきらめる必要はないのである。


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気を取り直して次の半荘。

オーラス1本場供託リーチ棒2本、北家の自分は微差の3着目。
点棒状況は自分から順に、22700、23100、16200、36000。

トップ目の上家からリーチが入り、
その同巡こちらの手も14s待ちのテンパイが入る。
親の一発目のツモ8sをラス目の対面がポンしていよいよ場が煮詰まってきた。

そしてツモってきたのが9m。
さて、どうしよう?
読みの重要なポイントが詰まっているので丁寧に読んでいただきたい。





まず、トップ目がリーチをかけていることから、
上家は好形役なしである可能性が高い

さらに、上家は6巡目にドラを切っていることから、
低打点のリーチである可能性が高い


一方、ラス目の対面がフーロしていることから、
点棒状況的に対面は最低3900の手であると考えられる。

ということは、対面の手に最低あと1枚赤かドラがある

現状赤5pと赤5sは見えているので、
対面は赤5mかドラを最低1枚は持っていると考えられ、
俺の手にドラが1枚あることも考えると、
やはり上家の手はかなり低打点であることが推測できる


そして、俺の待ちの14sは場況的に絶好だ。


ラス回避のみを考えるならば、
対面がツモあがっても親っかぶりで下家がラス落ちするため、
ベタオリしていれば大体大丈夫なのだが、
2着浮上の可能性が下がるのと、長引いた場合にどうなるかわからないため、
上家に放銃してラス落ちさえしなければ、順位期待値的にはかなり9m切りが有利だと考えられる。

さらに、2者に対してベタオリするにも意外と打牌候補が難しいことに気づく。


9mでたとえ打っても、タンヤオがつかないことも大きい。

つまり、総合的には9m押しがかなり有利だと読めるのだ。


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読み通り!


グッジョブ、俺。


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マージーかーよー(>_<)



唖然としてマウスをブン投げる気にもならない。

たまに読んだつもりで積極的に前に出てみるとこの仕打ちである。

2半荘続けてどれだけの難関をくぐりぬけてラスになっているのか。


こんなに悔しい逆転があるなら、逆もまたしかりであり、
裏ドラの魔力にビリビリと痺れることも、麻雀の醍醐味の一つなのだろう



こんな半荘が2度も続いたら、布団をかぶって寝るに限るが、
熱くなって予約ボタンを押す俺はまだまだ甘ちゃんなのであった。



ラベル:天鳳
posted by はぐりん@ at 18:36 | Comment(0) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月16日

100点を笑う者は100点に泣く

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テンパイからの放銃が3度と、苦しい展開を強いられ、
ラス目で迎えた南3局北家の自分。

点棒状況は自分から順に、10000、20000、38200、31800。


好手牌から中盤のツモが空振り、ジリジリしていたところ、
3着目の親に続いて、2着目の上家からもリーチが入る。

さらにその同巡、俺の手にもテンパイが入る。
赤5mはかなりきついところだが、さてどうする?





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当面のライバル、下家の親リーチのみならばぶつける算段だったが、
2件に対してこの赤5mはさすがに切りきれない。

放銃が致命傷になるのはもちろんだが、
2件になったことにより、
親の放銃や親っかぶりなど3着目との差が縮まる可能性が高まったことも、
5m切りを思いとどまらせる理由としては十分だろう。


復活の可能性があるので、かなり安全な2p切りを選択した。


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次巡、親の捨て牌に5mがあっさり顔を出し、
さらにラス牌の2pをまさかの引き戻し。

こうなったら、当然の追っかけリーチだ。

例えばこれが3pツモなら超好形だがフリテンとなり、迷いが生じる。

いわゆる場況が味方して、攻めの後押しをしてくれている状態であり、
非常に手応えのある追っかけリーチだった。


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ところが、1枚もツモ牌をめくることなく決着がつく。

あがったのは上家で、ラス牌の赤5sをツモって2000・3900

感触が良かっただけに、いささか拍子抜けする結果となった。


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ラス目のまま迎えたオーラス西家の自分。
点棒状況は自分から順に、7000、15100、36200、41700。

3着目の下家とは8100点差という難しい点差になっている。


トイツ手主眼に手組みを進めたところ、
10巡目に待望のドラを重ねて、チートイテンパイ。
この1牌によって、ラス回避が俄然現実的になってきた。


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次巡、持ってきたのは生牌の中。

様々な選択肢があって難解だが、さてどうしよう?
場況も踏まえて考えていただきたい。





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俺が選択したのは、中ツモ切りダマテン続行だった。


南家の仕掛けはオタ風の西ポンで、場に出ていないファン牌は白と中のみ。
場況的に中はトイツ以上で持たれている可能性が高いといえる。

現状、下家との点差が8100点差で、ツモ直条件なのだが、
上家からのトイツ以上落としを狙ってリーチをかけたところで、
リーチチートイドラドラは8000点で捲れないことには変わりない。

むしろ、出されてしまっては困るのだ。

かといって、中待ちのダマに構えたところで、結局は出にくい牌であることに変わりはない。

一方の8pも、ピンズが場に高く、いい待ちとは言えないが、
中との比較でどちらがトイツ以上で持たれている可能性が高いかといったら、
この場況では中の方が高いような気がする。

また、俺の捨て牌には4巡目にして5pが切られており、
8pは若干盲点になる。
下家からの出はなかなか期待できないとは言っても、
どちらかというと中よりは切りやすいのではないだろうか。


つまり、ダイレクトに逆転するなら、
トイツ以上で持たれていそうな中は見切った方がいいと判断したわけだ。


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俺の切った中に、ラグはかからず、
あろうことか次巡、親から中切りのリーチが入る。
中待ちリーチなら一発で、裏を見るまでもなく逆転していたわけだ。

そして上家から合わせ打ちの中が出る。


俺の読みを嘲笑うかのように逆の目が出てしまったわけだが、
同巡に9mをツモってさてどうしよう?





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俺の選択は8p切りダマだった。

場況からマンズの上はかなり安く、
あがりを見るなら当然の8p切りなのだが、
リーチ者の捨て牌に6mがあり、
もしかしたら9mの直撃があるかもしれないと考えた。

マンズの上は安いのに9mが生牌というのもなんとなくリーチを思いとどまらせる理由の一つだったが、
リーチ棒が出て全方位出あがり可能なら、
即リーチの方が若干勝っていたように思う。


リーチ者から出あがりできないのがやはり痛すぎる。


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次巡、決断のリーチに踏み切るも、この5pが刺さる。

明らかに今テン、明らかに4枚目とわかる牌での放銃。
3着目を捉えられそうだっただけに、げんなりな終局となった。



この半荘、俺がラスを引いた背景には、
前局の結果に微妙なアヤがあった。



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南3局、上家のあがりは2000・3900と、従来型点数計算方式だ。

これは天鳳の一つの特徴でもあるが、仮にこれが切り上げ方式だとどうなっていたか。

2000・4000で、オーラス俺と下家の点差は8000点差となる。

8000点差ならば、満貫出あがり同点頭ハネで3着浮上。

つまり、あの中単騎の場面で俺は間違いなく中待ちリーチを放っている。


そう考えてみれば、場況が味方して出したリーチ棒や、
上家のこのあがりに裏ドラが乗らなかったこともその点差を生んだ一つのアヤである。


時と場合によって、100点という差があまりに重い条件を生んでしまうのが、
麻雀の理不尽さであり、面白いところでもある。


100点の重さを噛みしめ、100点に感謝する。
あとは淡々と打つだけである。



ラベル:天鳳
posted by はぐりん@ at 19:31 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月02日

予感に従う

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前局、会心のメンホンチートイをあがって迎えた東4局南家の自分。

点棒状況は自分から順に、35200、11100、34400、19300。
2人が抜け出した、まずまずいい並びとなっている。


2巡目に親が7pを789でチー。
これに対してラス目の下家が発と東をかぶせ、そのどちらも対面が仕掛けたという状況である。


これにて出ていないファン牌はドラの白のみとなり、
親の手役もかなり限定されるものとなってきた。


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ところが、次巡下家があっさり白をツモ切ると、これに親のポンの声。

白だけは簡単には出てこないと思っていたから驚いた。

なにせ、下家の当面のライバルは親であるから、
これが鳴かれてあがられるようなことになると、
上位三つ巴という下家にとって圧倒的不利な状況になってしまうからだ。


下家の意図はどうあれ、俺は打つわけにはいかないので、
対面のあがりに期待しながらベタオリをすることになる。


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この局は結局、親が4000オールをツモあがる。

上位三つ巴となり、トップ争いは激しくなったが、
自分がラスになる可能性もかなり低くなった。

俺がこの時考えていたのは、下家に浮上の目はないな、ということである。

自業自得で招いた一人沈みであり、
親にしてみたら棚からぼたもちの親満だからだ。
下家の心中も決して穏やかではなかったはずだ。


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1本場は対面が700・1300をツモあがり、
迎えた南1局、2着目で迎えた自分の親番。
点棒状況は自分から順に、30400、6300、33400、29900。


配牌はまずまずといったところだが、
下家がこの状況を作った以上、この局は決め所だと考えている。

下家を飛ばして南1で終わらせるという、はっきりとしたビジョンがここではあった。


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ところが、予期に反して下家から先制リーチが入った。
6巡目という早さである。


ギリギリまで押し返すつもりだったのだが、
ツモが全く効かずに危険牌だらけになったため、9pのアンコ落としを余儀なくされた。


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14巡目にツモの声。
ドラをツモって裏は乗らずの2000・4000。

この親っかぶりで俺は3着目に転落してしまう。


この時、俺の頭の中はハテナマークでいっぱいだった。

なぜだ?なぜ下家に手が入って高めツモなのだ?
そしてなぜ俺が親っかぶりなのだ?
下家は浮上の目がないはずではなかったのか?
それとも俺が見逃している何かがあるのだろうか…?


このように考えること自体、俺はデジタルな打ち手ではないのだろう。
1局が独立していると考えれば、このような事態は普通に起こりうる。


ともかく、俺にとっては想定外の出来事に、
下家の評価を修正せざるをえなくなったし、
かなり嫌な予感がしたのはまぎれもない事実だったのである。


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親っかぶりの次局の南2局。
下家が自分であがって引いた親番である。

1巡目に出た東を下家がポン。


この局のテーマは決まっている。
下家に辛く打つことだ。

ラス目の親に辛く打つのは天鳳において基本中の基本だが、
前局の流れから言って、
ここで軽快にあがられるようだと本当にラスが見えてくる。

下家には一牌たりとも鳴かせない、というぐらいの覚悟だ。


それを踏まえて上図から何を切るか?





ここから何を切るかは意外と難しい。
唯一、鳴かれない牌は北であるが、これを切ってしまうと後々受けゴマに苦慮しそうである。

トイツである9pを払っていくのが無難そうではあるが、
どうせ自分のあがりを見ないのであれば、もうひと工夫いれてもよさそうだ。


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脇にアシストする南切りがそれだ。

下家の親を流してもらうには、あがり役が必要だ。
ファン牌までガッチガチに絞っては風通しが悪く、脇もあがりにくい。

親に鳴かれた場合は、打点も上がってひどいが、
テンパイ後に放銃するよりは大分マシだ。
しかも鳴かれた場合の3分の2は散家なので、
この場合ファン牌をかぶせるのは合理的なのである。


ご覧のとおり、上手いこと上家に鳴いてもらえた。

子にあがってもらう分には、どれだけ高くても構わない。
先ほどの評価修正にはそれくらいまで危機意識が芽生えていたのである。


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一牌たりとも鳴かせなかったが、あがりを阻止することは叶わなかった。

上家が親に11600の放銃。
棚からぼたもちが降ってきたはずの上家がなぜか一人沈みになっている。

この時点で考えるのは、
上家は特段ミスをしているようには見えないので、
まだ死んではいないだろうということ。

上家にはラス親も残されているため、
まだまだ混沌とするだろうと予想している。

俺自身がトップを取ろうなどとは微塵も考えていない。


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南2局、500・1000をツモあがることができ、
2着目で迎えた南3局。

またもや下家から先制リーチが入り、これに上家が飛び込む。

なんとこれが裏裏で8000。


またもや3着目に転落してしまった上、
浮上の目がないと思っていた下家がトップ目でオーラスを迎えることになる。


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オーラス南家自分の配牌。
点棒状況は自分から順に、28700、32800、30800、7700。

トップ目の下家とは4100点差、2着目の対面とは2100点差である。

ダブ南トイツ、赤含みで絶好の配牌をもらったが、
さて、どういうことを感じるだろうか?





もちろん、ここで考えるのは手なりの1000・2000ツモでトップを目指すということなのだが、
トップ目と4100点差、2着目と2100点差という数字に嫌な雰囲気を感じることができる人はかなり鋭い人である。


手なりで3900ができたとしても、ツモ直以外ではトップを捲れない。
また、ダブ南のみの2000点だと、ツモ直以外では2着を捲れない。

点差には捲りやすい点差と捲りにくい点差というものがある。

本局の場合は明らかに後者である上、
その条件ができたのは前局の下家のあがりに裏ドラが乗ったからだということも加味すると、
ここは贅沢を言っていられない。


うかうかしていると上家に捲られるまであるかもしれない。
上家にはまだ目があると思っているからなおさらだ。


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3巡目にダブ南が鳴け、超十分形のイーシャンテンに。

ここで白を切り出すと、上家にポンの声がかかる。
上家は染め手が濃厚だが、この形なら勝算がある。



こちらは親の使えないであろうソーズとマンズの受け入れであるため、
一瞬でテンパイできると考えていたのだが、
なかなか鳴ける牌を出してくれない。


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挙句、このツモである。


これはもう、この形であがれと牌が囁いている。

これが自然な形で2000になった以上、
あなたにはトップはないですよ、という宣告であり、
親っかぶりから一貫してあった悪い予感に従って、折り合いをつけるべき局面なのである。


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案の定、親からこぼれる8s。
30000点持ちの3着終了となった。


これを見逃すことは100%ない。
赤5mを切った以上はどこからでも喜んであがる。

一見すると、トップ目や2着目を喜ばせるあがりにも見えるが、
実際には58sもペン3pも山に2枚ずつで、親との勝負は互角だった。

こういう場面であがりを逃した先に待っているのは何かを考えたら、
真に歓喜していいのはあがりきれた俺自身なのだと思っている。


予感に従い、牌の流れに従えば、必ずや牌は自分の進むべき道を教えてくれる。

その囁きにどれだけ耳を傾けられるかというのは、どれだけ謙虚に麻雀と向き合うかということでもある。

分をわきまえ、折り合いをつける。
それが最善手となることも、往々にしてあるのである。




ラベル:天鳳
posted by はぐりん@ at 22:19 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする