2014年12月21日

不調時の放銃 part2

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30700点持ちトップ目で迎えた南1局、北家の自分。
下家の親が15100点のラス目で、まだまだダンゴ状態だ。

嬉しい方が先に埋まった。
これなら躊躇なくリーチにいける。
6p切って即リーチ。


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ところが、親から追っかけが入って戦々恐々。


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やめろっ!と叫びたくなる一発目のツモ。


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おいおい!これ何枚目の14sだよ…

自分の目から7枚目の14s、実際にはラス牌の14sで、
しかも一発がついてぴったり11600。

俺の待ちの47pはといえば、なんと山に6枚も残っていた。


トイツ系雀士の河はかぶりやすいという特性をズバリ見抜かれたのだろうか?


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次局、1本場。
先ほどの一撃で一瞬にしてラス落ちしてしまった。

好手牌をもらって鼻息も荒いが、対面から先制リーチが入ってその一発目。
ツモの感触は良好だが、さて何を切る?





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さすがにここはまっすぐに振りぬく2m切りしかないだろう。

テンパイチャンスも大きく、高打点が十分に期待できる手組みだ。


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有効牌をまったく引かないまま、ジリジリしていたところ、
この3pツモ。

さてどうしよう?





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何ともきなくさい3pだ。
ここは、一歩バックして2sを切った。

逡巡している間にソーズとピンズの関連牌が大量に切られ、
くっついてもかなりあがりにくい最終形になりそうだからだ。


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ところが、下家の3sに上家が合わせ打ちして、急所が捌けた。

これは勝負になると3pを切り出すも、これが見事にアウト。
裏が1つで2600の放銃と相成った。


感覚的には47pの方がかなり危険度は高く、
ギアチェンジしながらも上手く手牌が捌けた最終形だっただけに、
この放銃は意外とダメージが大きい。

さらに、自分の手はドラを何枚ツモろうが使い切ることができる形だ。
放銃するのは3pのみで、これは紛れもなくラス牌であった。


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次局、南2局。15200点持ち。
親番は残っているし、まだがんばれる。ここが踏ん張りどころだ。

8巡目に6pをツモってテンパイ。
さて、どうしよう?





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ここは当然の即リーチだ。
最も美味しい変化の赤5sはたった今上家に切られてしまった。

愚形ドラ1だが、ツモ裏1でこの手は化ける。

ラス目のリーチには誰も向かってこないだろうし、
この手のセールスポイントは何と言っても河の強さだ。


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上家、対面ともに少考の末、強い牌が出てくる。
それなりに手牌が整っているのだろうか。


手がかりのない捨て牌は得なことが多い。
ポロッと出しちゃっても構わなくてよ。


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ポロッと出しちゃったのは俺だった。
タンヤオ高め三色赤赤は12000。

この4pが当たるとはどういうことなのか。
脇が通した現物をリーチ者が掘り起こすって、普通は逆であろう。

しかも、上家の手牌である。
6枚持ちの47pの切り出しが、間一髪間に合っているばかりか、
親の最終勝負牌ドラの2mをダマテンによって捉えきれていない。

このダマテンは普通の選択だとは思うが、
上家が次に危険牌を持ってきたらどうなったか?

親のテンパイ気配&あがり逃しに重きをおいて、
オリる選択に傾きやすいはずだ。

その場合、3巡の安全を買って7p切るという選択はかなりの確率で起こりうる。

そういう上家大ピンチの状況を自ら救ってあげるあたり、
いかにも不調の影が垣間見える。

そして見ての通りこの4p、この巡目にしてラス牌の放銃なのである。



このように、不調時はラス牌での放銃が多い。


俺の成績が比較的長きに渡って低迷する時、
この傾向は確実に現れている。


自分の待ちがどんなに山に残っていても、
たった1枚の牌で相手のチャンスを成就させてしまうわけで、
その得失点差は計り知れない。

俺は対戦した全牌譜は必ず見返すし、
この不調時の傾向は、対戦相手の手牌も後から確認できる、
ネット麻雀だからこそ把握できる特徴ということができるだろう。



逆に、好調時は当たり牌を掴まないし、
何気なくラス牌でのあがりをものにすることが多い

上記のように3連続ラス牌での放銃など、何をかいわんや、である。


こういう状態になったら、「ラス半!」と発声し、
半荘が終わるや否やシャットダウンボタンを押すことをおすすめする



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この半荘の結末。

渾身の一通リーチも単騎待ちに放銃してぶっ飛び終了。

いかにも不運な放銃かと思いきや、
実はこれ、トイツ場なので、単騎待ちが強いのだ。

ゆえに、上の3局よりは順当な放銃と言える。
これについてはまた後ほどトイツ場の項目で触れよう。


不調時の兆候を甘く見てはいけない。
この半荘をその日のラス半にした翌日、
見事に2連ラススタートで、都合3連ラスを引いてしまった。

そろそろ、ピクニックにでも出かけようかと思っている。



ラベル:不調 天鳳
posted by はぐりん@ at 19:22 | Comment(0) | 不調 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

トイツ場の待ち取り

デジタル麻雀全盛の現在、「トイツ場」という言葉は死語になっている。
なぜなら、どこからがトイツ場というその定義が曖昧だからである。
デジタル雀士の著作を見ると、トイツ場について語られている記事は一切見られない。

曖昧なものを排除して目に見える確実なものだけを考慮するのがデジタルなのだからそれは当然のことだ。


10年前の俺は間違いなくデジタル雀士であり、
鳴けるファンパイは全部鳴いていた。

現在の俺はというと、スーパーデジタル、デジタル、アナログ、オカルト、流れ論、体勢論、雀鬼流、すべての主張を取り入れたハイブリット麻雀だ。

なぜか?
鳴ける牌を全部鳴いていくだけでは頂点に立てないことに気づいたからである。


この立場に立った以上、俺は誤解を恐れずに書きたいことを書いていく。
アマチュアであるという立場からもそれはやりやすい。
他人の意見にも耳を傾ける。

自由な思想で麻雀を打っても、決して弱くはないということを証明していきたいと思っている。


そして、トイツ場である。
この言葉に抵抗があるなら、縦場、横場でもいい。

麻雀において今の場況が縦か横かどちらを向いているのかを把握することは、
決定的な雀力の差になりうると俺は思っている。


なぜなら、デジタル的にはあり得ない選択が正着となりうるからである。
あるいは、デジタル的にも判断の難しい選択の答えを導き出すからである。

言葉では表現せずとも、感覚的にその重要性を認識しているプロ、上級者は多いはずだ。


トイツの名手として有名なプロに、土田浩翔プロがいる。

彼の著書『土田システム 麻雀が強くなるトイツ理論』は面白い主張が展開されているが、
用いる理由がいまいち不明瞭なのと、
理論がぶっ飛びすぎてて素人には使いこなせない(笑)きらいがあるため、
実戦的かというと微妙なところだ。


俺がおすすめする隠れトイツ手の名手は、金子正輝プロだ。
金子プロは縦横の場況を的確に見極め、
トイツ場ならかなり早い段階でチートイツに決め打ったりする。

攻撃の場合は十分にあがりの見込めるトイツ手になっているし、
受けに強いチートイツに組んだりもして、トイツ場でも攻守のバランスが非常に優れている。

鉄人プロ代表決定戦などでもお目にかかる機会は多いだろう。
ぜひ注目してみて頂きたい。


今後、このブログでは実戦に有用なトイツ場の用い方を延々と書いていく。
トイツ場は麻雀の面白さが凝縮している。

強くなりたい人は騙されたと思って取り入れてほしい。
トイツ場を制する者は麻雀を制するのである。


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飛び寸から持ち直して、前局6000オールをあがって迎えた南1局1本場。
2着浮上で気分もノリノリだ。

3巡目のこの牌姿からさて何を切る?





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素直に中切りもありだが、ここは7p切りを選択した。

スジトイツだらけの4トイツ。
メンツ手でまとまるには少し苦労しそうだ。

ドラ受けは残すとしても、トイツ手両天秤ならぜひとも中は残しておきたい。


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この9mツモでトイツ手を見切る。8m切り。


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8sが暗刻になり、間髪入れずにドラをツモってテンパイ。

当然のリーチだが、カンチャンとシャンポンのどちらに取る?
その理由は?





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ここはノータイムで1mを切った。

大事なのはその理由だ。
4pが中スジになっているからシャンポンなのではない。
トイツ手模様の手組みから、8sが暗刻になった準トイツ場だからシャンポン受けなのだ。


前巡の下家の1m手出しはいかにも2mか3mを持っていそうだが、
その流れで上家が1mをツモ切っているあたり、やはりトイツ風味の場況が臭う。


経験上、縦の場は縦の受けで受けた方があがりやすいばかりか打点も高くなりやすい。

横の場では牌が分散しやすいのに対し、縦の場は牌が固まって入りやすいため、
無スジのトイツ以上は出にくいことは理由として挙げられるのだが、
縦の場の縦待ちは不思議と横待ちに引けを取らない残り枚数であることが多い。


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トップ目の下家から追っかけリーチが入る。

親に追っかけている以上、好形なのは間違いない。
しかし、こちらもそれほど負ける気はしない。


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このへんまでくると、さすがに下家の待ちは「あれ」だろう。

トイツ場で待ちになりやすい好形は基本的に固まって入るスジである。

そうとわかれば、さあ振り込んでもらおうか。


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この局は流局に終わった。

下家の待ちはやはりあれだった。


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リーチ時の手牌オープン。

シャンポンなら残りは山に3枚、カン2mなら山に残り1枚だった。
これは偶然ではない。
上家の手牌を見ても、4トイツでなんとなく縦に寄った手牌であることがわかるだろう。

ちなみに、下家の待ち58sはこの時点で純カラ。
これが縦の場における横待ちのあがりにくさなのである。


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別の半荘。
南3局親番を迎えて、44800点持ちの抜けたトップ目。

8mが重なってチートイイーシャンテンに。
マンズが安く、対面と上家の捨て牌から変則場風味だが、
ソーズの並びがいかにもトイツ系の場といった感触だ。


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上家の仕掛けによって急所と思しき4sが入り、さらに1sツモでテンパイ。

鳴きで入ったテンパイだから当然のリーチだが、さてどちらに受ける?





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ここは迷わず7s切りでリーチする場面だ。

安めの1sツモだから打点の面を重視するのかというとそうではない。
序盤からトイツ場の意識を持っていたからシャンポン受けなのだ。

かつ、この場面は上家がソーズに染めていて、
スジトイツ持ちの36sは染めの急所だ。
ここを場に出してしまうと、対面が合わせるなどして、上家のあがりがかなり現実的になる。

つまり、シャンポンに取ることで、上家の返り討ちに合う可能性がかなり低くなるのだ


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結果は6sを一発ツモの2000オール。

ご覧のとおり、待ちの6s白は全山。
両面の58sも残り4枚でイーブンだった。

変則場らしく、他家の手牌も縦寄りとなっている。


このように、縦の場の縦受けは相手に攻め返された時にも強い。
打点上昇で受けに強いとなれば縦受けに取らない理由がない。


いわゆる好形は縦の場では好形にはならないことに注意が必要だ。


続いて失敗例を。


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南1局、15400点持ち3着目西家の自分。
ラス目上家は10200点、2着目下家は26800点。

ピンズが寄ってくる。
対面の捨て牌が少し気になるが、
この時点ではトイツ場という感触はない。


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ピンズが続々と寄ってきて、テンパイ。

さて、何を切ってリーチする?





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下家との点差を考え、ノミ手ではつまらないと、7p切りリーチ。

いかにも1pが山にいそうな河だ。


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ところが、ド裏目の赤5pをツモって意気消沈。

真っ先にこれをツモってしまうとやっちまった感がある。


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上家から追っかけが入って、4度目のあがり逃しとなる8pツモ。

さすがにこれは勝てる気がしない。


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テンパイの入っていた下家が4pと1pを振り替え、大ピンチを切り抜けた。

裏は乗らずの1600だが、上家がラス目だけにほっと胸をなでおろす。


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リーチ時の牌オープン。
1pは山に2枚いたが、58pは何と山に6枚。

俺が見誤っていたのは、これが本当にトイツ場かどうかという見極めだ

1p重なりの時点では、シュンツ手模様の手牌であり、
ピンズが寄っている以外は特にトイツ場の兆候を感じているわけではなかった。

手牌を作っていく過程で、自分の感覚がどちらを向いているのかというのは、
最後の待ち取りにおいて非常に重要なヒントを与えてくれる。



本局が上の2つの成功例と決定的に違うのは、
トイツの傾向が一色限定であるということである。

本局は、山にうなるように眠っていたピンズが、
たまたまトイツ系に寄ってきただけで、
全体の場況としてはそれほどトイツ場ではなかった。

このように、全体としてトイツ場を認識するなら、
三色が同様の傾向になっている方がその信頼度は高まるのである



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トイツ場を見極めるための重要なヒントをもう一つ。

上家のこの8pにラグがあるかどうかを見ることだ。

トイツ場の傾向が強い時は、他家にもトイトイ含みの手が入る。
つまり、ポン材なら仕掛ける構えを取って鳴きありの状態になりやすい


つまりこの8pにラグがない時点で、残りの8pは山に眠っているのではないかと推測できるわけだ。


三暗刻の手は、三暗刻に受けるのは基本的には正しい。

しかし、本局のように全体的にはシュンツ場だったり、
58pがかなり強いという場況を読み取ることができれば、
より間違いのない選択ができる。

そういう意味で、場況が縦か横かを真に見極める必要があるのである。



ラベル:天鳳 対子
posted by はぐりん@ at 21:08 | Comment(0) | トイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月07日

仕掛けの工夫

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親番で連荘を決めてトップ目で迎えた東2局、北家の自分。
2着目との差もそこそこあり、余裕を持って打てる点棒状況だ。

1巡目に自風の北を鳴き、たった今1sをチーしたところ。

さて、5mと5sどっちを切る?





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ここでは、ある狙いを持って5mを切った。

対面の捨て牌にマンズが安く、自分で3sを一枚使っているため、
牌効率的には5mへのくっつきを見る方が勝っている。

手拍子なら5sを切る方が常識的だろう。


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その狙いとは、これである。

9sをポンできた時の手出しが、5sか5mかで相手から見たこの手の印象が大きく変わってくるのである。


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他家視点ではこんな感じである。

第一打が中とはいっても、
5sが最終手出しだとホンイツの懸念があって、
おいそれと字牌やソーズが切りにくくなる。

最終手出しが5mだと、ホンイツの線がかなり薄くなり、
その分チャンタが警戒されやすくなる。

端牌絡みの待ちだけに、この差はなかなかのものではないだろうか。


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作為を無にするかのごとく、あっさりツモ。

長引くよりはよっぽどマシだが、
狙い通りに進んだからには出あがりで決めたかったというのが本音だ。


リアル麻雀はもとより、
天鳳ではなおさら致命的な放銃を避ける傾向にあるため、
自分の待ちと関係ない部分に、手役の影を見せる工夫というのは出あがり率を高める上で非常に重要だ


仕掛けの場合は手牌が透けやすいため、なおのことである。


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同じ半荘東3局、対面が1500をあがって迎えた1本場。

字牌トイツ3組がすべてファン牌という絶好の手牌をもらっている。

対面から出た中をポンしたところ。
さて、何を切る?





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マンズの下が安いため、手拍子で打つなら7p切りだ。
しかし、俺は3m先切りを選択した。


どうせ東西のどちらかに頼ることになりそうなので、
かなり良さそうな25mが出やすくなるように布石を打つ先切りだ。

また、7pに両面でくっついたら迷わずマンズのターツを払ってホンイツに移行する算段だ。

これだけのチャンス手は半荘単位でもなかなか来るものではないため、
リードを守る完全牌効率よりも、リードを広げる決定打を見据える方が力強い。

そういう意味で3m切りは、出あがり率の保険と打点力を兼ね備えた、
バランスのいい一打ということがいえる。


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ほどなく西をポンでき、7p切り。

この7p手出しがとてつもなく効果的なのだ。

2役確定で、最終手出しが初めて出るピンズということになると、
他家はどうしてもピンズのホンイツを警戒せざるをえない。

しかもトップ目の仕掛けは基本的には牌効率に忠実であると考えられるため、
先切りしている3mのまたぎは盲点になりやすい。

仕掛けている時はなおさら、
くっつきテンパイのように、待ちと関係ない部分が最終手出しとなることで、
あがり率はぐっと高まると考えられる。


牌効率や危険度と相談しながら、
最終手出しを工夫する視点を持つことが仕掛けの成功率を高める上では欠かせない。


1、牌効率全盛時代であり、
2、鳴き読みのレベルが上がっており、
3、天鳳では極端なラス回避偏重=放銃回避偏重であるからこそ、
出あがり率を高める仕掛けの工夫が求められているといえるだろう。


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下家が3フーロの上、親リーチがかかったところであがることができた。

作為を凝らした捨て牌は、完全に無視されてしまった。
まあこういうこともある。



ラベル:天鳳 鳴き
posted by はぐりん@ at 20:47 | Comment(2) | 鳴き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする