
東4局、30100点持ちトップ目で迎えた親番。
ペン7pが入って、一応テンパイしたがどうしよう?
ちなみに3巡目に出た中は鳴き無しでスルーしている。

これは7m切って即リーチでいい。
ここでは、スルーした中を生かしてあがることを考えるのだが、
最も嬉しい69p重なりは、9pが2枚場に出ていて変化しにくい場況となっている。
また、リスク回避による中ポンのテンパイ取りもやはり待ちとなる69pが弱い。
4p切りのテンパイ取らずによる変化待ちは、
即リーチに行ける変化が678m67pツモによる5種17枚でそれほど多いわけではなく、
劇的な打点上昇も見込めない。
7m切りのとりダマ(とりあえずダマ)は言うに及ばずで、嬉しい変化がかなり少ない。
中に頼る最終形となると、4m暗刻にくっついた形のもう一段変化を見込む必要がある。
そこまでガチャガチャと手牌を組み替えて好形にしたところで、
打点上昇メリットはまるでなく、
むしろ叩き返されたときに受けれるようにするという意味合いが強い。
それならば、親の特権を生かして先制リーチと行き、相手に対応させるというのが第一感だ。
うっかり赤5pでもツモろうものなら決定打となる。

前巡に4mをカンして、あっさり黒5pツモ。
残念ながらドラは乗らずに1600オールとなった。
リーチが成就したこの局の結果としては十分だが、
ドラが1枚でも乗っていれば決定打となっていただけに、この半荘の行く末としては微妙なところだ。
実際次局、満貫親っかぶりであっという間に肉薄され、
この半荘は2着で終了した。

別の半荘。
東2局、21900点持ちラス目で迎えた西家の自分。
カン3mがズバリ埋まって、役ありテンパイ。
さて、どうしよう?

ソーズは場に高くて感触はないが、これも即リーチだろう。
嬉しい変化が5sツモぐらいで、シャンポンになってもあがりやすくならない。
これがノミ手なら期待値的にはダマテン優位で、
リーチツモ1000・2000の役ありならダマでさらっとかわす手もある。
しかし、ツモで1300・2600確定ならこれはもう勝負手だ。
愚形やあまり良くない待ちでリーチするか迷った場合、
ツモで40符3ハンの点パネが確定するかどうかというのは一つの大きな判断基準だ。
そしてこの基準は、愚形で追っかけに踏み切るかどうかの判断基準にも流用できる。
裏ドラによる得点効率的にはツモ30符3ハンも、ツモ40符3ハンも大きなメリットがあるのだが、
裏ドラというのはそんなに乗るものではない。
1300・2600ツモというのは満貫に準じて他家との点差を縮める得点だが、
このあがりが順位に与える影響というのはかなり大きいと俺は考えている。
特に愚形ならツモでぴったり点パネというケースが多く、
符ハネの得点上昇メリットを最大限受けられるという意味で、
ツモで1300・2600なら積極的にリーチに行くべきだと言えるだろう。

ドラ3のテンパイが入った上家から7sがこぼれて、裏は乗らずに2600のあがり。
リーチの次巡によもやの5sを持ってきたが、
早い巡目なら合わせ打ちによって7sが盲点になるし、
ツモで点パネの権利が失われていないので悪くない。
リーチ後の5sは決して裏目ではないのである。
しかし、出あがりで裏ドラが乗らないとなると2600の収入でいまいちこの手が生きない。
エネルギーを使った割には、それに見合う報酬が得られていない。
これがこの手の弱点だ。
この半荘は運よくトップを取ることができた。

別の半荘。
29000点持ちのトップ目で迎えた、東4局1本場、西家の自分。
かなり好手が見込めそうな手牌から2m重なりでテンパイが入った。
さて、どうしよう?

これも即リーチでいいだろう。
この巡目のこの牌姿なら絶好形にして本手リーチを打ちたいというのが本音だが、
肝の14mの1mが早くも3枚見えてしまっているというのがポイントだ。
最も嬉しい変化であるはずの13p縦重なりが、
ここではそれほどあがれそうな最終形とはならない。
つまり、ここで1p切りのテンパイ取らずならマンズを伸ばすというよりソーズを伸ばすことが必要となってくるわけだ。
しかし、そこまでして好形を作りに行く必要は果たしてあるか?
ここで重要なのは、2待ちというのが良い愚形であるということだ。
2のあがりやすさを踏まえたら、テンパイ巡目を大幅に遅らせて本手を作るのも、
ここで2600の即リーチを打つのも期待値的には変わらない。
むしろ、感覚的には後者が優位とみる。
例えば、1mが1枚しか見えていなかったり、赤5mが黒5mだったりしたら、
1p切って他を伸ばしていくのも自然な選択だろう。

結局、一人テンパイで流局。
このぐらいの手で一人テンパイなら作戦は成功と言っていい。
自分のツモを見ると4pの好形変化を逃しているが、5pツモであがりを逃しているわけでもないし、
この結果を見ても大成功だ。
決して拙速なリーチではなく、戦略的自然なリーチで、
愚形でもこういう早いリーチは天鳳では有利に働くことが多い。
この半荘はトップで終了した。