政府の株の買い支えというのは市場原理に逆らった行為であり、
その金額がどれだけ大きいものであろうと、
結局はその企業が持つ本来の価値へと株価は収斂することになる。
この視点だけは常に持っておく必要がある。
これは、10月25日の過去日記、単独トイツは仕掛けて良しにて書いた一文である。
12月18日の株式市場は、日銀の「補完的」緩和策を受けて乱高下し、
上下幅886円という大混乱を経て大幅反落となった。
外国人投資家は、過剰なボラティリティーを好まない傾向にあり、
市場を歪める日銀の介入は、「投資チャンス」というより「リスク」として捉えられてる向きが直近の雰囲気からは感じられた。
そこで私は、後場に高止まったところで、クリスマス用に持っていた買いポジをすべて決済し(損切り含む)、
ドテンで空売りのポジションを入れた。
猛烈に踏みあげられる恐怖を感じながらも、読みはピタリと当たった。
株式市場は反射神経の勝負とも言われるが、
私の場合、決断力・判断力が速いわけでもないし、優れているわけでもない。
それではなぜ上手くいったのか?
それは、あらかじめ展開を予測し、こうなったらこうするという風に決めていたからだ。
もちろん雰囲気的なアドリブというのもないわけではないが、
次の緩和によって日本株は崩れる可能性が高いという予測を持っていたからである。
これは麻雀においても同様であり、
あらかじめ何が来たら何を切る、何が出たら何を鳴く、
と前もって考えておくことは非常に重要だ。
なぜかというと、打牌や仕掛けをスムースに行うことによって、
相手に読みの手がかりを与えないことに繋がるからだ。
時間をかけるということは、時間の浪費だけではなくて、様々なチャンスを逃してしまうことにも繋がってしまう。
予測しておくことで、急な事態にも対応でき、
判断力や決断力に欠ける優柔不断な人でもある程度それをカバーすることができる。
自分の能力に欠けた部分を補ってくれるという意味で、
予測する力、予測する努力というのは日銀以上の大規模な補完効果を生んでくれる。
日銀の介入に対し、市場は明確にNOを突き付けたわけだが、
ひとつ、確実に言えることは、補完策の内容つまり金額の多寡は株価の下落とまったく関係ないということだ。
ETFの買い入れが、3兆ではなくてそれがたとえ10兆だろうと20兆だろうと今回の下落シナリオは避けられなかっただろう。
日銀といえど、買ったETFはいずれは売らなくてはならない。
ボランティアでやっているのではない以上、トレンドに逆らった買い入れは外資のエサになってしまう。
日本の株式市場は手詰まり感が台頭し、短期的には円高方向に振れる可能性が高いと私は考えている。
政府が今後、どのようなウルトラQを放ってくるのか、注目していきたい。
今回は、この予測という内容に絡めて、
打牌をスムースに行うことのメリットについて、実戦例から見ていきたいと思う。

オーラス、13700点持ちラス目で迎えた親番。
3着目の対面は17300点となっている。
長引いてくれたおかげで、終盤になんとかテンパイが入った。
さて、どうしよう?

当然の即リーチだが、正解は「ノータイムでリーチをかけること」だ。
4mがドラである以上、打牌候補は1m切りか8m切りの2択だが、
マンズの切り順に特徴があって、
最終手出しが待ちに絡む以上、ここで悩むと完全にマンズがケアされてしまう。
時間というキズを残しさえしなければ、
ドラ切りリーチすらそれに勝る選択肢に見えてくる。
実戦では、ほぼノータイムでかけられた。

しかし、3着目の対面に追っかけられ、赤5pで7700の放銃。
対面は5mを暗刻から1枚はずしており、これはさすがに読めない。
山には7mが1枚残っていた。
いずれにしてもあがれていないわけだが、
麻雀の出来不出来という点から言うと、
選択による残り枚数の多寡よりも、テンパイ時にどれだけ悩まないかという方がよっぽど打てているかどうかのバロメーターになると私は考える。

別の半荘。
東3局2本場、23500点持ち3着目の西家。
二役を積極的に仕掛けて、4mツモでトイトイが見える。
牌効率的には3p切りだが、二役が生きるトイトイは打点妙味があるため、ここでは6m切りとした。

4mをポンしてテンパイだが、何を切る?

どちらを切ってもいいが、絶対に悩んではいけない、これが答えだ。
実戦では、突然14pが猛烈に良く見え、少考してしまった。
4cmで悩んでしまっては、どう考えてもそばは出てこない。
8sは良さそうに見えるので8sポンなら14pに受けようかなと考えていたところ、
出にくい方の4mが突如出たので、少し戸惑ってしまった。
6mを切っている一貫性からは当然の2p切りにも見えるが、
ラス回避がチラと頭によぎった瞬間に何を切ったらいいかわからなくなる。
こんな思考回路は麻雀打ちなら誰でも頭の中を駆け巡っているわけだが、
そんなことは全く関係なく、
この局面では迷った時点であがろうがあがれまいが作戦失敗だと私は考える。

案の定、トップ目の親からリーチが飛んできて、一発目のツモは6p。
さて、どうしよう?

ここでは、腹を括って全ツッパすることにした。
感覚的には最上級の危険度と思しき6pである上、
少考した感触の悪さから、よっぽど8sを切って回ろうとも思ったが、
ここで日和って放銃した日にゃ半年は立ち直れない。
ミスの上塗りはせずに、ここは攻めきることで天啓を仰ぐことにした。
打点があるから攻め返すのか、待ちがいいから攻め返すのか、考え方は様々だが、
どちらかというと打点がある方が相手は嫌がるのではないだろうか。

結局、2人テンパイで流局となった。
覚悟を決めたことが良かったのだろうか、悪い結果にはならなかった。
この半荘は最後まで苦労したが、3着で終えた。
たとえこのトイトイがあがりに結びついても、いまいちな半荘という印象になっていただろう。

別の半荘。
東3局、12200点持ちラス目の南家。
対面から早い先制リーチが入る。
好手牌のイーシャンテンにつき、これはある程度押し返したい。

終盤まで何も変わらずに、やっとテンパイ。
何を切るか?
そして、ここでは何を意識するのが大事だろうか?

ここで最も重要なのは、7s切りに時間をかけないことだ。
今通ったばかりの6sだけに、
この7s切りに時間をかけてしまうと相手に考える隙を与えてしまう。
自然に目立たない着手であれば、
このように合わせ打ちであがりを拾えるチャンスも増える。
実戦では、6s合わせ打ちによるチーの準備をしているため、
一瞬うろたえたり戸惑ったりしてしまいがちで、
口で言うほど速く打つのは簡単ではない。
速すぎることが常にいいわけではないが、
遅すぎることはいいことがほとんどない。
速く、一定のテンポを保つのがベストだ。
これについては雀鬼流に一日の長がある。

別の半荘。
東2局、原点の親番。
ライジングサンイーシャンテンから、西が重なってテンパイが入った。
しかし、2件リーチのともに一発目。
さて、どうしよう?

天鳳史上最速で切った2s(つω`*)テヘ
ポイントは対面の中手出しだ。
下家リーチの一発目に切り出している中だけに、トイツ落としの可能性も十分にある。
ここで悩んでしまうと2s切りが目立ってしまうため、
出かかっていた中がカメの首のように引っ込んでしまうかもしれない。
ドキドキしながら、対面の打牌を見守る…

だ〜〜〜っ、残念…(ノω・、) ウゥ・・
すぐに出てこないとなると安牌が増えてオリやすくなってしまう。
これはちょっとピンチか…?

結局上家がツモって3000・6000(´・ω・`)
下家が中トイツかあ(>_<)
上家が現物待ちで追っかけたため、長引いてチャンスは増えたんだがなあ。
対面の中の一巡の後先、こういうところで麻雀の勝負は決まる。
そして、待っていたのは例の格言だった。
→役満をあがれないとラスになる