2016年02月28日

一気通貫の作り方(鳴き)

前回に引き続き、一気通貫について。
今回は鳴き一通だ。

基本的にはメンゼンである程度までは形を整え、
相手の手の進み具合を見ながら仕掛けも考えるわけだが、
その仕掛けのタイミングは手の形や場況によって様々に変わってくる。


ポイントは、以下の通りとなる。


@安手一通はかわし手として使う

赤やドラのない一通の場合、メンゼンにこだわってもそれほど破壊力がないばかりか、あがりにくい。
なぜなら、一通は受け入れが狭くなりやすいというデメリットがあるからだ。
特に愚形含みの場合は、安穏としたスルーが一手遅れになりやすい。
安手の場合は、かわし手の意識を持って積極的に仕掛けることをおすすめする。


A一通の急所は456

456牌は他家も必要とするため、一通においては急所となりやすい。
特に、4と6は片あがりとなる部分であるため、最後に残ると何かと不都合が生じやすい。
他家視点からも456チーからの123789待ちは盲点になりやすいため、
一通の仕掛けは456牌から仕掛けるのが効果的だ。


B上家のいらない色(場に安い色)を利用する

一通はシュンツかつ一色で構成する手役であるため、
それが上家のいらない色であるかどうかというのは成就の上で重要なポイント
となる。
さらに、フィニッシュまで考えるなら全体的に場に安い色である方がいい。
このへんを機敏に読み取ることで仕掛けの精度を上げることができる。


C片あがりでも19待ちはあがりやすい

最後に19待ちが残る場合は必ず片あがり確定形となるが、
中盤以降の19は他家にとって不要牌であることが多いため、
場に2枚ぐらい見えていてもあっさりあがれることも多い。
46待ちのあがりにくさとは対照的であると考えていい。


それでは、具体的に実戦例から見ていこう。



@安手一通はかわし手として使う
tenhou.2339.jpg

2pをツモったが何を切るか?





tenhou.2340.jpg

迷ったら字牌切り、だ。

この形は58p引きでいずれもリャンカン形が残るので、
牌効率的には白切りがベストだ。


tenhou.2342.jpg

狙い通りの5p引き後、1pを引き戻してまさかの一通形に。

ここでは2m切りとし、タンピンの変化を見た。


tenhou.2343.jpg

愚形&愚形のイーシャンテンなので、8pはチー。

巡目的にも点棒状況的にもスルーするメリットがない。
かわし手と見てこのチーは迷わないところ。


tenhou.2344.jpg

あっさりツモって、300・500。

親の手も下家の手も煮詰まっていて、このあがりの価値を実感できる。

仕掛けというよりも、9pを残した手組みが本局の焦点だった。


tenhou.4770.jpg

5pをツモったところ。何を切る?





tenhou.4771.jpg

横伸び意識で様々な手役との天秤に、ということで5pツモ切り。

純チャン、789の三色、ソーズの一通の天秤だ。
いずれも仕掛けが効くので悠長な手組みというわけではない。


tenhou.4774.jpg

5sツモってやっと形が決まった。3p切り。


tenhou.4775.jpg

ラス目の親リーチ一発目に7sが出たが、これを鳴く?





tenhou.4776.jpg

一発を消しつつ、とりあえず出あがりの効くテンパイに取る。

ただし、次の危険牌ではオリるので当座のテンパイとなる可能性が高い。


tenhou.4777.jpg

ラッキーにもこれがあがれて1000点。

このように、安手の一通はかわし手としての価値が高い



A一通の急所は456
tenhou.13061.jpg

オーラス1本場。28400点持ちトップ目の親番。

広いくっつきイーシャンテンのところ、上家から4sが出た。
さて、どうしよう?





tenhou.13062.jpg

ここだけは鳴くと決めていた。

幅広いくっつきなので、滅多なことでは仕掛けたくないが、
ピンズは場に高くて赤5pにくっついても意外と苦労しそう。

しかも、愚形になったらリーチが必要で、そのリスクを負わないための仕掛けでもある

ソーズくっつきにしても47sツモ以外はそれほどあがりやすいとは言えない。
切られたばかりの9sだが、端牌だけに十分に拾える可能性はある。

ただし、ここで9sが出たとしても鳴かない。
急所の4sだからこそのチーだ。


tenhou.13063.jpg

上家リーチの宣言牌が6s…と思ったらこんな6sツモりやがった(ノω・、)

ショックは大きいが、何食わぬ顔で6sをツモ切る。


tenhou.13064.jpg

8sをツモったが、どうするか?





tenhou.13065.jpg

ここでは7s切りとした。

上家の7sはツモ切りだが、実質67s両面ターツ落としだ。

場況的にかなり良い58s受けを嫌うのは理由がある。
ダブルワンチャンスとはいえ、この8sは危険と見た。


tenhou.13066.jpg

ほら、やっぱり、ということで700・1300の親っかぶり。

9sは山に3枚ということで、判断は間違いではなかっただろう。

裏乗って2着終了でもいいのに、という点棒状況で、
ここから地獄の西入となったが、なんとか2着で終了した。



B上家のいらない色(場に安い色)を利用する
tenhou.13016.jpg

オーラス、41300点持ちトップ目の親番。

実質残り1局で引き気味に構えることも可能だ。

上家から4pが出たが、さてどうしよう?





tenhou.13017.jpg

これは機敏にチーとした。

見ておわかりのように、ソーズがバカ安の場況となっており、
上家も対面もソーズ要りません、と言っている。

こういう場況では、ドラ色は後々高くなりやすく、
ドラまたぎで表示牌の4pはもはや急所と言っても過言ではない。


下家には満貫ツモで捲られる状況なので、
攻撃を受ける前にかわす可能性を見たい。


tenhou.13018.jpg

狙い通りに7sチーしてテンパイ。

対面が明らかにピンズの仕掛けで、47p受けが残っていると厳しいことがわかる。

さらに、最終形がソーズ待ちなのも場況的にプラスで、
万が一あがれない方をツモっても、この場合、白の保険がある。

急所から仕掛けることによって、このような好循環は生まれやすい。
ペンチャンより両面が急所であることも往々にしてあるのだ。


tenhou.13019.jpg

まあ出るわなあ、という感じで2900終了。

下家の牌姿は逆転条件を十分に満たしている。
場況を加味した機敏な仕掛けが上手くいった例だ。



C片あがりでも19待ちはあがりやすい
tenhou.282.jpg

急所の7mポンから入って、一通に寄せた高い手の成功例。

上記3例からも、19に寄せる仕掛けの一通は比較的あがりやすいことがわかるだろう。

端牌待ちは、あがれない方が出たとしても、そのスジは盲点となるため、
すんなり出てきやすいというのも理由のひとつだ。



一通は、赤が使える上に、ホンイツなどの手役とも複合しやすく、
仕掛けても十分に打点が見込める。


また、あがりトップやかわし手の手役としても、
仕掛けの機動性が生きやすく、非常に使い勝手がいい。


スピードが重視される現代麻雀では、
常に一通を視野に入れたメンゼンでの手組み、
そして的確にあがりに寄せる仕掛けのタイミング、

これらを意識することが必要不可欠であると言えよう。



ラベル:天鳳 手役
posted by はぐりん@ at 21:06 | Comment(7) | 手役の作り方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月21日

一気通貫の作り方(メンゼン)

今号の近代麻雀(2016・3・15号)のDVD&巻頭で女子プロの特集があった。

そのうちの一人、塚田美紀プロについて。

初めて知ったという読者も多いと思うが、
私は『ケイズ杯 女流プロ雀士vsアイドル雀士女王決定戦』というDVDにて既に見知っていた。

文字通り、アイドルと女流プロが麻雀で対決するという企画だったのだが、
とにかく印象に残っているのが、決勝後に行われた罰ゲームでの塚田美紀プロと豊後葵プロとの絡みで、
麻雀DVDとしてはありえないぐらい腹を抱えて笑ったのを覚えている。

小悪魔塚田と天然豊後の絡み、ぜひ一度ご覧いただきたい。


ケイズ杯 女流プロ雀士vsアイドル雀士女王決定戦 決勝 麻雀界史上初、女流プロアマ交流戦の決定版 [DVD] -
ケイズ杯 女流プロ雀士vsアイドル雀士女王決定戦 決勝 麻雀界史上初、女流プロアマ交流戦の決定版 [DVD] -


女流雀王のタイトルを昨年失った、豊後葵プロだが、
芯から溢れ出る明るいキャラクターは、ストイックさが要求される麻雀において、とても貴重だと思う。
豊後プロにはなんか憎めない、愛嬌があるんだよね。

例えば、大崎初音プロにも同様の天真爛漫さを感じることがあって、
やっぱりこの部分は持って生まれたものが大きいと思うので、
こういう人たちに麻雀界を明るく引っ張ってもらいたいなあというのが現在の私の本音だ。


実はこのDVDのアイドル予選にはプロになる前の松田麻矢さん川又静香さんが出演しており、
現在はプロになったばかりか、麻雀アイドルグループ「More」の一員としても活躍しているではないか!

彼女らの躍進ぶりにはちょっと目を見張るものがあるが、
DVDで見せた気概が実績に結びつくかどうか、これから真価が問われていくだろう。


ケイズ杯 女流プロ雀士vsアイドル雀士女王決定戦 予選1 麻雀界史上初、女流プロアマ交流戦の決定版 [DVD] -
ケイズ杯 女流プロ雀士vsアイドル雀士女王決定戦 予選1 麻雀界史上初、女流プロアマ交流戦の決定版 [DVD] -



さて、本題に移って、今回は手役の作り方第4弾「一気通貫」だ。


一通は人によって大きく出現率が変わってくると考えられる手役で、
牌効率を重視する打ち手の方が成就率が高いだろう。

第一打に字牌よりも19牌を先に切るタイプの方が一通をしくじりやすいと言える。


一通作りのポイントは以下の通りだ。

@迷ったら字牌切り

数牌は横に伸びるという面で、無限の伸びを見せることがある。
何を切るか迷ったらとりあえず字牌を切っておけば一通をミスることはなくなる。
そういう意味では、ファン牌は一通とそぐわない役であると言える。


A引き戻し牌を生かす手組を

フリテンを恐れずに、引き戻し牌を最大限生かす手組を意識すれば、
一通の成就率も上がってくる。


B一萬三萬四萬五萬五萬六萬七萬八萬九萬からは五萬を切る

この形からピンフと一通の選択になった場合は、一通に取るのが基本だ。
打点的にもそうだし、自分で2枚使っている47待ちというのはかなりあがりにくいと考えていい。


Cタンヤオなら三色、タンヤオでないなら一通に取る

これは場況にもよるので一概には言えないが、
一般的には三色の方が不確定になりやすいので、
タンヤオがつくなら打点や柔軟性の面で三色を選んだ方が有利になりやすい。


D横伸び意識で様々な手役との天秤に

一通はその手役の性質上、手作りの過程で様々な手役との天秤になりやすい。
横伸びの意識を持って、幅広く手役の可能性を見ていくことで一通もできやすくなる。


それでは、具体的に実戦例から見ていこう。



@迷ったら字牌切り
tenhou.1407.jpg

ドラドラの手から1pをツモったところ。
さて、何を切る?





tenhou.1408.jpg

ドラドラを生かすために発中の重なりを視野に入れていたが、
1枚ずつ切られて、重なりの妙味が薄まった。

そこで、素直に字牌切り。


tenhou.1409.jpg

6pを引いて、一通の種ができた。

1p引きの時に、これがイメージできるかどうかが重要だ。


tenhou.1410.jpg

1pさえ残すことができれば、誰でも手順でこのテンパイが組める。

仕掛けられるので一通は融通性もある。


tenhou.1411.jpg

あっさりツモって、3000・6000。
トップを盤石にした。

天鳳の場合は守備を意識しすぎて、
こういうあがりをミスってしまうケースも多くなるだろう。

もちろんバランスは大事だが、
常に先にある手役のイメージを持ってツモに臨むことが肝要だ


tenhou.9857.jpg

配牌で6sツモって、何を切るか?





tenhou.9858.jpg

最も強気の東切り。
親に重ねられたくない東を先に切った。

守備のイメージが強い私だが、
シュンツ手の場合は、効率重視で字牌をバンバン切っていく。


tenhou.9860.jpg

字牌を切っていくだけで、あっという間に一通のイーシャンテンに。

重なりのない同種4〜5枚あれば、常に一通は狙える手役であることがわかる。
これを逃さないための字牌切りだ。

ここでは、発の重なりの方が嬉しいので9m切り。このへんは丁寧に。


tenhou.9861.jpg

テンパイ取らずから、狙い通りの一通に仕上がった。

文句なく即リーチに踏み切る。


tenhou.9862.jpg

残念ながら流局。2人テンパイ。

感触はあったが、あがりには結びつかなかった。



A引き戻し牌を生かす
tenhou.7729.jpg

赤赤のチャンス手から、1s切ったところ、2sツモの裏目。

さて、何を切る?





ここでは、ドラの西を切った。

2sは重なりでも3sツモのフリテンでも嬉しい。
1枚切られた西が重なっても、あがりのイメージが沸かない。

タンヤオになるか、東が重なるか、あるいは23mツモでもターツができた方が嬉しい。
このへんは効率よくあがりに寄せるためのテクニックだ。


tenhou.7730.jpg

1sを引き戻して、一通の形が決まった。6s切り。

フリテンを恐れない手組がこのような伸びを見せることもある。


tenhou.7731.jpg

下家のリーチ一発目だが、ブンと6mを切り飛ばす。

この3s待ちは感触あり。


tenhou.7732.jpg

しかし、上家の1000点に掴まってしまった。

3sは山に3枚。
リーチという選択もあったが、結果は変わらなかっただろう。



B134556789からは5を切る
tenhou.8308.jpg

テンパイだが、どうするか?





tenhou.8309.jpg

ダマにした。

自分で2枚使い、場に2枚見えの47mはかなりあがりにくそう。
ドラも見えていないし、さらっとかわしたい。


tenhou.8310.jpg

1mをツモったが、どうしよう?





tenhou.8311.jpg

5m切り、しかもリーチだ。

前巡の3m切りがアクセントになっている上、2mはかなり良さそう。

リーチした方が出あがりは期待できるかもという感じで、これなら勝負に行ける。


tenhou.8312.jpg

ドラをツモってめちゃくちゃ寒いが、これは対面のポンで済んだ。


tenhou.8313.jpg

親の追っかけも入り、勝負局となったが、無事にあがれた。8000。

どこかに2m固まっているかもと思ったが、山に4枚もいた。

しかも、4mであがり逃しをしているので寒かったぜ。



Cタンヤオなら三色、タンヤオでないなら一通に取る
tenhou.6813.jpg

567の三色と一通の両天秤。
かなり難しい牌姿だが、何を切る?





tenhou.6814.jpg

タンヤオにならない上、三色は不確定なので、7m切りとした。

7mが4枚見えだし、重なりを見るにしても、マンズの下は場に高い。


tenhou.6815.jpg

狙い通りにソーズが重なって、一通のテンパイとなった。

重なりの比較でみても、一通は確定しているため、打点妙味がある。

ダマっていてもマンズの下は出にくいため、即リーチに踏み切った。


tenhou.6817.jpg

宣言牌をポンされた上、親にゼンツされ、1500の放銃。

悔いはないが、混沌を予感させる放銃だ。



D横伸び意識で様々な手役との天秤に
tenhou.1436.jpg

何を切るか?





tenhou.1437.jpg

4pを1枚ほぐして、イーペーコーと一通の両天秤

マンズは安く、2m引きや赤5p引きを見ている。


tenhou.1439.jpg

4mツモ→嬉しい8mが埋まって一通出来合い。

文句なく即リーチに踏み切る。


tenhou.1440.jpg

楽にツモって裏なしの4000オールとなった。


tenhou.8484.jpg

何を切るか?





tenhou.8485.jpg

6mはツモ切って横に伸ばす意識。

純チャン、789の三色、マンズの一通の天秤だ。
ドラ受けも意識している。


tenhou.8487.jpg

4m5mとツモって、完全に一通の形が出来た。

7sツモに備えて4s切り。


tenhou.8489.jpg

テンパイ即、回線落ちの対面から拾って2600。

リーチなら飛び終了だったため、トップへの望みも繋がったが、結局2着で終了した。


tenhou.9117.jpg

何を切るか?





tenhou.9118.jpg

通常は6p切りで、3pの布石にするのがいいが、
この場合は5p7pツモで弩級の手に進化するので、6m切り。

ホンイツと一通の天秤だ。

いまいち微妙な6pツモだが、勢いで3s切りとした。


tenhou.9119.jpg

下家リーチの一発目に掴まされた6sがいまいち切りにくい。

ここでは辛抱の6p切りとした。


tenhou.9122.jpg

これを上手く捕らえて5200のあがり。

下家の入り目は6sだったため、感覚は間違いではなかった。


一通は形がはっきりと見えるまでにどのくらいイメージできるかというのがポイントで、
厚い色にできるだけ寄せることが上手く仕上げるコツと言える。


次回は、鳴き一通について書こうと思う。



ラベル:天鳳 手役
posted by はぐりん@ at 22:05 | Comment(8) | 手役の作り方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月14日

上下大きく離れた2着目の戦い方

今回は、トップ目との点差が大きく、
下位2者との点差も離れている2着目という状況での戦い方
についてだ。


天鳳におけるトップは通常の麻雀におけるトップより価値が低いので、
この状況ではトップを目指すことは二の次で、
下位者との差を詰められないようにすることが最優先となる。


そのため、受け重視にシフトするのは必然であるが、
攻守バランスをどの程度調整するかということが重要となってくる。


受けているうちにじりじりとにじり寄られていつの間にかということもよくあるが、
それでも最終的にラスで終わらなければそれは勝ったも同然であり、
多少のポイントを押さえておくだけでその確率はぐっと高まる。


必要なのは、ちょっとのコツと、ちょっとの忍耐だ。

意識するポイントは以下の通りとなる。


@下位2者のリーチに放銃しない

最も重要なのは、自分が下位2者の側に回らないことであり、
その上で何が最悪かといったら下位者のリーチに放銃することだ。
下位者がツモあがる分には、自分はまだ下位者とはならないため、まだまだ耐えられる。


Aトップ目が親の時、ダマテンや仕掛けに放銃しない

トップ目の動きに注意するのは、トップ目が親の時だ。
王様状態のトップ目は、放銃を気にせずに攻めてくる可能性大なので、
特に守備の意識が必要となる。
トップ目の親への放銃で喜ぶのは誰かと言ったら、親よりも下位者の方だ。
労せずに目標が切り下がってくるわけで、沼に自ら足を踏み入れる事態だけは避けたい


これらを果たすための具体的方策は以下の通りだ。

★守備面

(1)中盤以降は受け入れを狭めて安牌を抱えてもいい

自分の手があがりまで厳しく、かつ他家の安牌が足りなくなる可能性のある序盤終わりからは、
受け入れを狭めるのもやむを得ないケースがある。
どうせ攻め返す余地が少ないのなら、ピンポイントに受け入れを限定させることで、
相手の攻撃に対処する余裕を持つということだ。
テンパイチャンスを減らすのは抵抗ある人もいるだろうが、
これは日和りではなく、順位戦略であるという認識を持つことが重要だ。


(2)ただし、あがりの可能性、テンパイ流局の可能性はギリギリまで見る

上記の補足で、あがりやテンパイを放棄する水準まで安牌を抱えすぎないということ。
ピンポイントなツモによるあがり、ピンポイントな仕掛けによるテンパイを取る余地を残すことが大事だ。
もちろん、リーチなど明確な攻撃が入った場合はその限りではない。


(3)配牌オリはしない

攻めにあまり意味がない局面でも、あがりを100%あきらめないということ。
中張牌バラ切りは相手に読みの手がかりを与えてしまうし、
1人マークをはずすだけで麻雀というのはどれほど楽になるか、という認識を忘れてはならない。
配牌オリをしない、というのは強者の鉄則であると私は考えている。
歴代天鳳位の牌譜に配牌オリはないのではないだろうか?これは勝手な推測であるが。


★攻撃面

(1)リーチは極力かけない

好形先制でも安手のリーチは大きな隙になるので注意が必要だ。
この場合本手の下位者は喜んで攻め返してくるし、
余裕のあるトップ目が攻め返してくる可能性もあり、非常にリスクが大きい。
下位者に放銃する可能性が最も高いのは、実は自分が先制リーチを打った時であるということを忘れてはならない。


(2)自分が親で安い仕掛けはしない

自分が親の時の安い仕掛けは、あがったとしても相手のチャンスも増えるため、
いたずらに同じ状況を長引かせることに他ならない。
流局してもいいというぐらいの気持ちで、
できればメンゼンの中堅手以上のあがりを目指したい。


(3)苦しい配牌はチートイツ狙いが攻守兼用

チートイツは重ねる牌を自分で選べるため、安牌候補を重ねつつ、
あがりに向かえるという非常に使い勝手のいい手役だ。
下を見ることが大事な天鳳では、チートイツを上手く利用することで成績も安定しやすい。



以上が主なポイントとなる。

それでは実戦から半荘の流れを通して見ていこう。


tenhou.13840.jpg

東2局3本場、22400点持ち2着目の西家。

点棒状況は自分から順に22400、9200、58300、10100。

対面が開局から親連荘含む4連続ホーラで早くも6万点に迫っている。

中盤に入り、何気なく白をツモったが、さて何を切る?





tenhou.13841.jpg

ここで私は1s切り。

対面の4sにラグがあった上に、上家のドラ切りが光っている

ここでは上家に対するケアを考える必要があるため、
白をツモ切ってしまうと手詰まりに陥る可能性がある。

まあこの程度のロスであれば、白を残すのも当然かもしれない。


tenhou.13842.jpg

次巡、発をツモってきた。

さて、何を切る?





tenhou.13843.jpg

ここで、全員に危険な8p切り。

捨て牌的にはまだ全体として煮詰まっていないので、好きな牌を切れそうだが、
上家に対して受けゴマが1枚では少し厳しい。

上家以外には安全そうなソーズの下だが、親と上家の攻撃に晒されたらたちまち手詰まってしまいそう。
4sに再びラグがあったのも1sが切りにくくなる要素と見て、ここで安牌を確保した。


自分の手がもう少しあがれそうな牌形なら、まっすぐ行ってもいいが、
トップ目が親であるという点棒状況から、特にケアが必要な局面と判断した。

ピンズ以外に手をかけると、リャンシャンテンを維持できないというのも見落としがちだが重要なポイントだ。


tenhou.13844.jpg

親の3p手出しが脂っこく、そろそろダマテンのケアも必要だ。

ここでは上家に合わせて4p切りとした。


tenhou.13845.jpg

そして開戦。下家が3m手出しリーチ。それを親がチーした局面。

ここからはベタオリのつもりだったが、
カン2sをツモってまだ粘る余地がある。

まっすぐに発切りとした。


tenhou.13846.jpg

この局は上家が親に1500の放銃となった。

手狭に構えても、ツモが噛み合えば本局のように最後まで粘ることができる。
スリムに構えるからこそ間隙を縫うことも可能となり、
ギリギリのバランスをいかに保つかというのが重要となってくる。


tenhou.13847.jpg

次局、4本場。親は6万点を超えた。

中盤を過ぎたところで、6mをツモったが、何を切る?





tenhou.13848.jpg

ここでは7pを切った。

もうどこから火の手が上がってもおかしくない。
全員に対していまいち安全牌に不安があるので、ここでは西だけは切れない

ピンズの上が伸びても苦しいので、ここは雀頭固定の7p切りとした。


tenhou.13911.jpg

この東も正直言うと残したいところだが、ツモ切り。

ここはあがりの余地をギリギリまで見るという部分で、
上家の切りからソーズの下で凌げそうという感じがあるので、少しがんばった。


tenhou.13849.jpg

親が赤5pをツモ切りし、待ったなしの河となっている。

1pをツモったが、さて何を切る?





tenhou.13850.jpg

ここは親のダマテンもケアしなければならない。そこで6m切り。

上下に危険な6mを先に合わせて、親に危険な2mを使い切る手組にした。

自分の手は大した手ではないので、
こういう場面ではうっかり放銃しないことだけを考えたい。


tenhou.13851.jpg

満を持して親がリーチ、上家のドラ切りを下家がポン。

一瞬で場が沸騰したわけだが、
西が残っているのと残っていないのではこの手牌の安定感がまるで違う。


本局ではこの西が生命線となっているので、迂闊に切るわけにはいかないのだ。


tenhou.13852.jpg

結局親がツモって、裏なしの2000オール。

生命線の西が残ったまま、ピンポイントの3mでテンパイになる余地も残している。

こんな風にゆるゆるとあがりやテンパイを目指していくのが2着キープのコツと言える。


tenhou.13853.jpg

次局、5本場。親の持ち点は7万点に迫ろうとしている。

少し苦しい配牌をもらって、南ツモ。

さて、何を切る?





tenhou.13854.jpg

こういう場面で有効となるのがチートイツ狙いだ。

12mという機能性の低いトイツが2組。
ドラ色のホンイツに寄せるには少し材料不足で、
それならば危険になりやすいマンズを処理しながらトイツ手に向かおうという算段だ。


フラットな場面ではこういう捨て牌はキズになりやすいので、
できるだけ控えたいのだが、点棒状況がそれを許す局面となっている。


tenhou.13855.jpg

狙いがピタリとはまり、10巡目にテンパイ。

3枚切れの西を切って、後はギリギリまで押すのみ。


tenhou.13856.jpg

下家がドラをポンして、ファン牌バックが濃厚。

残っているのは東、発、白。

東も発も使い切れるので、できればこのまま押し切りたい。


tenhou.13858.jpg

下家に変な手出しが続いて???だったが、チーの直後に出てきた。

何にせよこの局をあがりでかわせたのは大きい。
チートイツ様様だ。


tenhou.13859.jpg

下家は高い手の後々付けだった。

これは読みにくい。


tenhou.13864.jpg

局は進んで東4局の親番。
下家2000点、上家4000点となっている。

69s待ちで先制テンパイが入ったが、さてどうしよう?





tenhou.13865.jpg

好形安手では絶対にリーチを打たないのがこの点棒状況での基本だ。

この状況なら最低でもどちらかを飛ばす打点がなければリーチにいけないし、
その場合ですら発の融通性からダマテンの選択もある。


そして、ここからは発が出ても鳴かない方がいい。

仕掛けの安手も隙になるため、発は受けゴマとして残しておく。
役なしダマで当分押し、相手の攻撃に対しては受ける構えを取りたい。


tenhou.13866.jpg

上家から先制リーチが入り、一発目に生牌の南を持ってきた。

さて、どうしよう?





tenhou.13867.jpg

ここでオリても、安牌が続かないため、この南はプッシュ。そしてダマ続行だ。

ここでの追っかけが最悪の選択であることは今までの流れからおわかりいただけるだろう。

ツモあがりの余地を残しつつ、危険牌をツモったらいよいよオリる。
それがこの局の方針だ。


tenhou.13868.jpg

かなり意外なことに、何気なく切った北が下家のチートイに当たり。

1600の放銃で済んだので御の字だが、
69sで先制リーチを放っていたらどうなっていたかを考えてほしい。


2件リーチからのテンパイということになると、
ままよ、と追っかけに踏み切る可能性が高いのではないだろうか。

待ち取りも選択はあるにせよ、この北が一発放銃になることも十分にありえた。
こういうところが先制リーチの隙であり、凋落のきっかけとなるのだ。
この部分は絶対に舐めてはいけない。



tenhou.13870.jpg

下家が親番で安手をあがって迎えた1本場。

親リーチに対して、安牌を切っていたら、手順でテンパイ。

ツモり三暗刻だが、さてどうしよう?





tenhou.13871.jpg

親リーチに対してリーチをぶつけるのは自殺行為だ。
当然ダマに構えて、危険牌をツモったらオリる。

「コーツ手の基本は即リーチ」だが、
あくまでもそれは先制攻撃の場面だ。
点棒状況的にはこの手で先手を取ってもダマだ。

ところが、手の内全部危険牌となっており、
次に何を切ろうかと考えている局面。


tenhou.13872.jpg

次巡に僥倖のツモで、2000・4000。

実質ラス回避確定あがりで、めちゃくちゃ嬉しいあがり。
危険牌をツモる前に決着というのは好調を意識させる。

親は69mの本手だった。


tenhou.13873.jpg

次局、下家を飛ばして2着終了。

下家には酷な結果となった。


このように、上下の離れた2着目の打ち方には意識するポイントがある。

蝶のように舞い、蜂のように刺すというほど華麗な感じではないが、
とにかく下位の争奪戦に巻き込まれないように、泥臭く守る

しかし、一点の光明によってあがりの可能性を途切れさせないことも非常に重要で、
苦しいからこそかわすことには大きな価値がある。

このへんのバランスを自分の中で確立することで、上手に凌ぐことも可能となるだろう。



ラベル:天鳳 戦略
posted by はぐりん@ at 23:31 | Comment(12) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする