2016年10月23日

ペンチャンターツ 内から払うケース

前回はペンチャンターツ落としの基本として、外側から切る例を紹介した。

それでは、ペンチャンターツを内側から切るケースにはどういう場合があるのだろうか?

内側から切るとは、
二筒一筒の順に落とすということである。


ペンチャンを内から払うのは概ね、危険度重視と手役狙いの2ケースに大別される。


手役狙いで二筒から切るのは、一筒の重なりに意味があるケースだが、
それに当てはまる状況はそれほど多くはない。
つまり、ペンチャンを内から払うケースの大半は、危険度の高い方から先に切るという部分に意識が置かれている


@危険度との勘案

二筒はカンチャン待ちがあるため、
それがない一筒よりも危険度が高くなる。

二筒八筒はカンチャン即リーチで狙われやすい牌であるため、不要ならできるだけ先に処理することが望ましい。

危険度を念頭に置いた上で、以下のパターンがある。


(1)形が決まっている

ターツ候補が充足していて、手牌の形が決まっている場合は、
一筒が危険である特段の理由がない限り、二筒から切られる。

(2)中盤以降

ターツの有無に関わらず、中盤以降は危険な方から先に切られる傾向にある。

(3)牌理上フォローが利いている

一筒二筒五筒とある場合は五筒三筒四筒のフォローを兼ねているので、
二筒を引っ張る牌理上の理由に乏しい。

そこで、危険度の高い二筒を先に切ることになる。

(4)守備意識に比重の高いとき

手が遅かったり、安かったりしてゆったり構えたい状況のとき、とりあえずペンチャンを先に払っておくケースというのもよくある。
この場合、ほぼ例外なく内側の二筒から切られる。



A手役狙い

前回のタンヤオと真逆で、二筒よりも一筒の重なりに価値がある手の時に内側から払われる。

外側の重なりに価値がある手役というと、チャンタ系、トイツ系、コーツ系、ファン牌とのシャンポンなどがある。

これら変則手は、この部分以外の河も変則的になりやすいため、合わせて考慮すると待ちを読むヒントにもなる。
特に、不自然に一筒が引っ張られているケースではそれが手役に大きく関係している可能性が高い。




ペンチャンの切り順によって、相手の手を確定的に読むことは不可能だが、
例えば、序盤で手がかなり整っているケースでのペンチャン落としは大抵内側から切られる、というようにある種の傾向がある。

この切り順をひとつの要素として、さらに次の手出しや他家の動向から読みを深めていく。
小さい要素を集合させて合わせ技で読んでいくことで読みの精度を高めていく、麻雀はその作業の繰り返しである。



以下の実戦例から、なんとなくパターンを把握していただきたい。



@危険度との勘案
(1)形が決まっている case1
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開局の西家。
絶好のカンチャンが埋まって何を切るか?





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ドラツモでフリテンに取る可能性がないので、2pから切った。

ドラまたぎで非常に危険度の高い2pだけに、切り遅れは避けたい。


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イーシャンテンからやたら長引いたが、終盤にやっとテンパイ。

うーむ、宝の持ち腐れか。


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二人テンパイで流局となった。



(2)中盤以降 case2
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南1局、16800点持ちラス目の親番。

ラス目につき牌効率を重視して打っていたが、3pツモってメンツが完成した。

ここは、当然…





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2mから切る。

仕掛けに対してドラまたぎを引っ張れるギリギリのタイミングという感じ。

ラス目でなければここの受けは先に嫌うという選択肢もありそうだ。


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直後に対面が7pのポンテンを入れる。

2mがタッチの差で間に合っている。


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下家の先制リーチ一発目に、こちらもテンパイが入り、勝負の追っかけ。

この宣言牌の6sは結構な確率で放銃するだろうと思った。


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しかし、対面の700・1300のツモ。

こういうのは間に合わせた側が勝ちになるとしたものだが。

このように、中盤以降は1巡の差が明暗を分けることになりやすいため、
危険度の高い方から払うことが重要となる。


この半荘は気合いで3着に浮上した。



(3)牌理上フォローが利いている case3
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開局の親番。
何を切るか?





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好形変化を見てイーシャンテン取らずのペンチャン落としとした。

この場合、赤五筒六筒七筒のフォローを兼ねているので、八筒切りによるロスはない。

必然的に危険な8pから払うことになる。

五筒八筒九筒からのペンチャン落としは八筒から切るのが基本だ。


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なんとも感触の良いツモ。

東1局で試合が決まっちゃうんじゃないの?


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テンパイ取らずから、狙い通りの6p引き。

即リーチに踏み切る。

あれ、これどこかで見たような…


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不調時はこうなる。

上家の追っかけに一発で掴んで裏1の8000。

モウ牛田…じゃなかった、モウ嫌だ…



case4
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南1局、32800点持ちトップ目の親番。

4pをツモって、さて、何を切る?





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内からペンチャンを払った。

先の例同様、浮き牌の5pが67pをフォローしている。

9pから払っても8pに利用価値がないので、危険度との兼ね合いで8pを切ることになる。


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対面の仕掛けによって、絶好の6pを引き入れる。

ドラを生かしたチートイツも視野に入ってきた。


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カンチャン先埋まりなら、ドラ切ってリーチ!

ダブルワンチャンスの47pはなかなかにいい待ちに見える。


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ところが、ドラをポンされ3m即掴みのハネマン放銃。

な、なぜこんなことが…? モウ嫌だ…



(4)守備意識に比重が高い case5
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東4局、22600点持ち2着目の西家。

対面のラス目が親で18100点とかなりの僅差だ。

4sが重なったところだが、さて、何を切る?





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目いっぱいに構えず、8p切りとした。

全体の安牌が不足気味で、中を切ってしまうと受けに苦しみそう。

自分の手はドラも赤もないので、そこまでがんばる手でもない。

ドラそばのマンズに1メンツを見込んでゆったりと構える。


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ドラがくっつき、カン4pが埋まる。

意外にもいけそうな感じになってきた。


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こっちが入ったら文句なし。

即リーチに踏み切る。


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流局間際にツモって1300・2600。

まさか先手を取ってツモあがろうとは。

麻雀はやはりツモが大事だ。



A手役狙い case6
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東3局、20400点持ちラス目の西家。

1メンツもない微妙な手から、4pが重なった。
さて、何を切る?





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4p重なりからピンと来て、2sを切った。

トイツ手の可能性を見ての2s切りで、
場況から良し悪しはわからないが、とりあえずの端牌残しだ。


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方向性は間違っていなかったらしく、牌は縦寄り。

ツモり三暗刻のテンパイとなり、即リーチ。

これは8mをツモれそうな雰囲気だ。


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残念ながら三人テンパイで流局。

こういうのツモれるとかなりテンション上がるんだがなあ。



case7
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南2局、40700点持ちトップ目の親番。

1メンツ完成して、さて、何を切る?





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567三色の変化があるのでペンチャンを払うわけだが、
中を生かす最終形を考えた際に、1p重なりの方が嬉しいので2pから切った

首尾良く1pを重ねることができれば、2p先切りの効果も相まって、
かなり出あがりのしやすい最終形でリーチがかけられる。


ファン牌トイツの手は、シャンポンの相方を考慮に入れることになる。
必然的に端を生かす牌組が河に現れる。

トイツ手の単騎や、コーツ手のシャンポン、ファン牌待ちなど、内側から切るターツ落としによって、
変則待ちの可能性が若干高まる傾向にある。

この点は、他の情報からも合わせて考えていくのが効果的だ。


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こっちの端牌が重なった。

これはこれで嬉しいツモ。


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ドラをツモってテンパイ即リーチ。

9p切られた直後だが、まあいいでしょう。


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しかし、上家の当たり牌を掴んで2000の放銃となった。

まあいいでしょう。



case8
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南2局、35500点持ちトップ目の西家。

なかなか楽しみな手牌だが、さて、何を切る?





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ホンイツやコーツ手を見ながら、2pを切った。

赤5mツモを保険にして、1p重なりが生きる手と考えている。

残した1pはツモによってはすぐに切られるわけだが、
序盤なので他家への危険度は考慮に入れていない


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ドラが重なって、一気にグレードアップ。

トップ目なら効率重視で北ぐらいを切っておいても良さそうだが、
ここでは6mを切った。


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ツモが噛み合って、テンパイ。

ダマテンに構える。


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上家から出て、12000となった。

メンホン四暗刻とはいかなかったが、まあ満足。



case study
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他家視点。開局の親番。

下家のリーチは八筒九筒ペンチャン落としのリーチだが、
このリーチからあなたは何を読み取るだろうか?





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まず、このリーチを見て、なんか変だな?という違和感を感じることができれば大体正解。

違和感の根拠は、2枚切れの白よりも最後まで引っ張られた9pにある。

場況から9pは安全というわけではないため、これを引っ張るのは必ず理由がある。


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親は待望のドラを暗刻にして、弩級の追っかけリーチに踏み切る。

もしかしたら、下家の当たり牌はこの東かも、と思っていたかもしれない。


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しかし、先に当たり牌の南を掴んでしまい、裏裏のハネマン放銃。

9pを引っ張った理由を考えれば、この南が当たるのはもっともだろう。


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下家の私はここからの8p切り。

2枚切れの白手出しを間に挟んだことによって、チートイツが非常に読まれやすくなってしまった。


このように、要素を組み合わせることによって、
ペンチャン落としひとつで手役や待ちが透けることがある。


なんとなくパターンを頭に入れておくことで、
相手の手牌をイメージしやすくなるはずだ。



ラベル:天鳳 牌理 定跡
posted by はぐりん@ at 23:03 | Comment(6) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月16日

ペンチャンターツは外から払う【基本】

今回はペンチャンターツ落としについて。

外側から払うというのは、一筒二筒とあったら、
一筒二筒の順に切るということである。


ペンチャンターツは好形変化まで二手かかるため、最も利用価値の低いターツであると言える。
現代のスピード重視、ツモあがり重視の麻雀においてはいかにこの愚形をスマートに払っていけるかが、
勝負のひとつの分かれ目である
と言っても過言ではない。

当たり前のようにおとずれるペンチャンターツ落としだからこそ、
落とす順番、そしてその意味について今一度深く考えてみてはいかがだろうか。



もちろん、状況に応じて切り順というのは変わってくるが、
好形ターツが不足している序盤は外側から切ることが正着であることが多い

ペンチャンターツを外側から外すケースを以下に挙げるが、
今回は@とDを特に注目して見ていただきたい。


@好形作り

麻雀の基本は内に寄せて好形を作り、スマートにメンツを作ることにある。
一筒二筒一筒から外すことによって、
裏目の三筒を引いても二筒三筒という好形ができる。
一筒二筒時の三筒は急所だったが、
二筒三筒時の一筒四筒フリテンとはいえ急所ではない

フリテンはテンパイまでに解消すればデメリットは全くないが、
ここに大きな錯覚を持つ人が多い。

とにかく内に寄せて好形を作り、フリテンは無視してテンパイまで突き進めばいいのであって、
そういう意味で好形ターツが不足している場合、ペンチャンターツを外側から払うのは必須であると言えよう。


Aタンヤオを見る

タンヤオが見える手ならば、一筒から切ることで、
二筒重なりや、四筒引きの変化を見られる。
かわしに価値のある局などで威力を発揮する。


B牌効率的に有利

内に寄せることで自然と牌効率が有利になることが多い。
特にペンチャンターツの逆側に色が伸びている場合など。
例えば、一筒二筒五筒六筒六筒七筒
こういう並びの場合、一筒から切ることで、四筒ツモ時に、
二筒四筒五筒六筒六筒七筒となり、
一気に3種の受け入れを見ることができる。


C危険度との勘案

ターツが十分で、一筒二筒いずれも払う可能性が高いとき、
あるいは相手の河に危険信号が灯っている時は、危険な方から先に切る。
巡目によって大きく変わり、中盤以降は危険な方を先切りするのがターツ落としの基本だ。


D狙いが透けないようにする

二筒一筒と落とした場合、
好形ターツが十分であるとか、何か手役を狙っているといったような、打ち手の意思や狙いが河に現れてしまう。
上記のように内側から落とした場合は相手に対し注意を喚起するという効果を生んでしまう。
つまり、本手につき注目を浴びたくない場合は、あえて外側から切るという手がある。
一筒二筒という切り順であれば、ノーマルで目立たない。
可能性が無限であるため、待ちや手役の意図が透けにくい。


ペンチャンの切り順一つで色々な意図が河に現れるものだ。
その効果を逐一考えながら切っていくことも重要だと私は考える。


それでは、実戦例から見ていこう。



@好形作り case1
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東2局、24500点持ちの親番。

さて、何を切る?





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1m切りとした。

ピンズの形が少し重いが、ツモによってはタンピンイーペーコーぐらいまで伸びるかもしれない。

ひとまず1mを切っておいてもマンズの伸びは期待できる。


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しかし次巡、裏目の3mをツモってしまった。

さて、どうしよう?





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フリテンターツを残して6m切りとした。

ツモによっては234の三色もある。
ピンフリャンシャンテンと見れば14mはネックではない。


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このツモなら手順で7p切り。

47sツモでタンピン三色が見える意外と楽しみな手に育ってきた。


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フリテン引き戻しでテンパイ。

上家の2pにポンラグがあったのと、234の三色を考慮してダマテンに。


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2mが赤5mに振り替わり、さらに赤5pでロンの5800。

リーチという選択もあったと思うが、
この局の結果としては十分に満足のいくものとなった。



case2
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東2局1本場、39600点持ち連荘中の親番。

中暗刻のチャンス手から、さて何を切る?





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1sを切った。

ドラ引きやマンズのホンイツを見ながら一番使いにくいターツを払った。


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しかし次巡ツモったのは裏目の3s。

さて、どうしよう?





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ここでホンイツを諦め、3m切りとした。

23sは好形ターツとして十分に生かせる。
後はどこが頭に潰れるか、だ。


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7mが頭になり、フリテンの4sを引き戻した。

さて、どうしよう?





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リーチとした。

この巡目ならドラ引きを待つより、リーチの方が実戦的だろう。
7pは悪くないし、何よりフリテン部分が先に埋まってくれた。


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下家の爆打から出て、ロン。
これが裏3となり、12000。

人間様の実力を見たか!などとドヤっていたらこの半荘は3着まで転落した。


Aタンヤオを見る case3
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南3局1本場、42400点持ちトップ目の南家。

テーマとしては親流しだが、さて何を切る?





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1s切りとした。

タンヤオを見る典型のような手牌と状況だ。

4mはチーして親の現物2s単騎に取る。


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ある意味裏目の3sツモだが、さてどうしよう?





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これを残し、4sチーにも備えられる形に。

4sチーでも4mチーでも単騎の最終形は悪くないトリだ。

自力で4mをツモり、当初の予定通り2s単騎に取る。


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すぐに出て1300となった。

三者が競った天鳳的には理想的なオーラスを迎えた。



B牌効率的に有利 case4
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開局の西家。

何を切るか?





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1p切りとした。

4pツモった際にリャンカン形ができる、わかりやすい効率だ。


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それが生きることはなく、ソーズが伸びてリーチツモ。
裏なしの1000・2000となった。

思慮が徒労に終わることも多いが、
細かい積み重ねが長い目で見れば大きな差に繋がってくるのだろう。




C危険度との勘案 case5
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東3局、33300点持ちトップ目の南家。

456三色もある大チャンス手から、3mをツモった。

さて、何を切る?





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9sを切った。

ここでのポイントは、ドラを切っているラス目の親の5sツモ切りだ。

5sが光っているので、親に危険な9sは真っ先に処理しておきたい。


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見事に親には69sの受けがある。


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しかしその結果、対面に3900の放銃となってしまった。

わざわざホンイツになるまで待ってから放銃してしまった。

ラス目の親を最重要視しているので問題ないが、
このように中盤以降のターツ落としは場況から危険な方を先に切るのが基本となる。



D狙いが透けないようにする case6
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オーラス、43100点持ちトップ目の親番。

ここからどういう構想で何を切るか?





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1pからペンチャンを外した。

2pから切っても1pから切ってもほとんど私の手に影響はない。

ここでのポイントは、完全安牌の北が2枚あること、そして白のドラがトイツというある程度チャンス手が入っていることだ。

安牌に不足しているなら基本通り2pから切る。

1pから切ることで、目立たない捨て牌をアピールする。

それが大きな意味を為すという状況にも思えないが、とにかく最善を尽くす。


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マンズが猛烈に伸びて、メンホンチートイドラドラという弩級の手に育った。


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これを捕らえて18000終了。

1p2pの切り順は結果としては影響を与えなかった可能性は高い。
しかし、状況に応じてメリットを把握し、きちんと使い分けることによって、
その細かい切り順が必ず生きることがあるだろう。


攻めたい時ほど目立たない捨て牌作りをすることが肝要なのだ。



case7
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東2局、24500点持ち2着目の南家。

このケースでも、タンヤオ移行など様々な可能性を想定しながら、9mから落としている。


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結果、ソーズが猛烈に伸び…。


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チンイツのテンパイまでこぎつける。

この段階では、75pターツ落とし、さらに中のトイツ落としと、
河にはもっともっと目立つ情報が現れている。

なので、89mの切り順についてはほとんどかき消されてしまっている。


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しかし、この12000をあがる確率をほんのわずかでも高めるために、
ペンチャンの切り順を全力で考える。


麻雀というのはそういうゲームだと私は思う。


機能的、効率的価値だけにとどまらず、
捨て牌を相手にどう見せるか、どう読ませるか
、という部分においても
ターツ落としの切り順を考えることで、もう一段高い次元で戦うことができるのではないだろうか。



ラベル:天鳳 牌理 定跡
posted by はぐりん@ at 13:43 | Comment(9) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月02日

好調時はいったい何が良いのか?

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八段復帰した。

七段降段から一度も原点を割らずに、わずか65戦でのスピード昇段だった。


イメージ的には、八段底辺で道をならしてならして、
さあこれから噴き上がるぞという、その直前のプチ不調でぴったり七段の損切りに引っかかった感じ

果てしない降段戦の苦境でもがき苦しんだことは、
降段してからの好調に大きく貢献したと個人的には思っていて、
メンタル面はもちろんのこと、
技術的にも押して勝つという進歩があったのではないかと思う。


それは最近のトップ率の高さにもデータとして見られていて、
直近500戦のトップ率は294と、私の平均値を大きく上回っている(ラス率は222)。


ちなみに、降段直後から昇段までの成績は、
65戦 28−13−16−8 平均順位2.062 安定段位18.750となっている。


私の感覚としては、
特上においては、徹底した守備重視の麻雀の方が若干安定段位的には優位だと思う

ただ、ラス率を少し上げてもトップ率を高める打ち方の方が、
「麻雀」の打ち方としては理に適っている


押すべき場面で押さないと、変に局面が歪んで、
起こるはずのない紛れを生んでしまうことがあり、
3位が多くなるなど、順位分布も歪む。

「天鳳」の戦い方としては間違いではないが、
見ている者が納得する麻雀とはなりにくい。


このへんの折り合いをどうつけるかが難しいところではあるが、
私の方向性は押し気味にシフトチェンジしていることも確かである。



ところで、降段から昇段までのポイントを計算してみて妙なことに気づいた。

総獲得ポイントが2490pt−ラスで失ったポイント1080pt=1410pt(七段昇段pt)

仮に、降段を喫した戦いがラスではなく3着だったすると、その時のポイントが55pt。

八段のまま同じ成績を出したとすると、
総獲得ポイントが2490pt−ラスで失ったポイント1200pt=1290pt
それが55ptに加算されるので、1290pt+55pt=1345ptということになる。

なんだこれは。
七段に落ちていなかったら八段原点に255ptも足りない結果になっていたのか?


冷静に考えてみると、
八段のままでは登る際にラスのマイナス分が減らないが、
七段に落ちると登る際のラスのマイナス分が減る上、
昇段までの必要ポイントが減る。
七段→八段までに必要なポイント1400ptと、八段に昇段した時の基礎ポイント1600pt、
この200ptの差が想像以上にポイントに寄与していることがわかった


これはスピード昇段だからこそ、この恩恵となっているが、
七段の滞在が長ければ長いほど、ラスによる八段とのポイント差が顕著になるだろう。

もちろん、降段時のポイントがどの程度だったのかにもよるが
(145ptからの降段と5ptからの降段では大違い)、
私はともすると、わざ降段の恩恵をみくびっていたのかもしれない



ただ、それでも私はわざ降段をしない。


なぜなら、場合によってはラスを引いてもいいんだという考え方は麻雀打ちを堕落させるからだ。

前にも書いたが人間の精神構造は脆弱にできている。
わざ降段によって、ラスを引くのが癖になってしまう、そんなことが十分に起こりうるのだ。



取りとめのないことを書いてきたが、
今回のテーマは「好調時の巡り合わせ」だ。

昇段にあたって不調時とはいったい何が違ったのか、
どのような牌運があったのか、実戦例からご覧いただきたい。




@配牌が良い
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東3局、前局満貫あがって迎えた南家。

こ、この配牌は…。


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47mが先に埋まってのダブリー。

これあがれなかったら麻雀辞める!


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うほっ、すぐに出た。

あまりにも美味しいハネ満となったが、ただボタンを押しただけだ。



Aツモが良い
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東2局1本場、19800点持ち3着目の西家。

南家から3巡目リーチを受けて、こちらの手はどうしようもない。

とりあえず発切りからのベタオリ。


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ドラのペン3p、カン3sとツモって危険牌を切らずに手がまとまってきた

6s切ってイーシャンテンに。

ここで私が考えていることは、
下家2巡目の白にラグがあったのでそれが関連しているとすれば十分に勝機はあること、
それからマンズ待ちなら中引っかけのカン6mが匂うので、
そうなるとやはりチャンスはこちらにある、ということだ。


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ズバリテンパイが入り、追っかけに踏み切る。

47mは通っているので8mケアも兼ねて、4m切り。

というかこの待ち、かなり強いだろ。


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海底で上家が掴み、裏は乗らずの5200となった。

5mであがり逃ししているがご愛嬌ということで。

上家の待ちは大体読み通りだった。

こういう勝てる予感みたいなものが、実際その通りになる時は、
自分の中での波長が噛み合っているということは言えるだろう。




B仕掛けがはまる
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東4局1本場、30900点持ちトップ目の親番。

発が重なったが、仕掛けても安い。


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2枚目の南が出たが、さてどうしよう?





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ポンした。

発さえ鳴ければ早いので、この好形なら鳴いてもいいかなという判断だ。


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次巡、まさかのダブ東が重なって、手順でホンイツへ。


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直後にダブ東もポン。

なんというタイミングだ。


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すぐに発が出て、労せずに12000のあがり。

単なる1500のバックだけに恐る恐るの仕掛けだったが、
牌の巡り合わせによってはこれが最速の親満になるのだから面白い。

不調時なら大抵リーチを被せられて、親っかぶりが関の山だ。



C選択を間違えない
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東3局、20300点持ち3着目の北家。

9sをツモったが、さて何を切る?





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ドラ受けをはずす2p切りとした。

場に1pが3枚切れや9s重なりの感じからトイツ場の雰囲気もある。

上家の25s切りは、自分に5sが2枚あるだけに、46sを持っていない可能性が高いと読んでいる。

仮に発を生かしたメンツ手にするにしても、1pがない以上、ドラ受けを嫌ってもあがりにくくはならないだろう。


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4sをツモってチートイのテンパイ。

先ほどの読みに従って、6s単騎のダマに受けた。

さすがにリーチに踏み切るほど6sが強いという情報はない。


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8sをツモったが、さてどうしよう?





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難しいが、ここでも6sダマ続行。

ラス目対面のリーチを受けてひょっこり6sツモの800・1600。

なんとこの8sは対面リーチの当たり牌。
8s単騎にしていたらどう考えても分の悪い勝負で、放銃までありえた。

5sが3枚見えているだけに、他家にはソーズの上の方が使われやすいという読みもあるにはあるが、
難易度の高い選択を間違えなかった結果のあがりというのは非常に価値が高く、
こういうかわしがすんなり決まるかどうかは、半荘の結果を大きく左右するものとなりやすい。



Dきちんと押し切れる
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南1局、20300点持ち3着目の西家。

現在5200点持ちラス目の親からリーチが入っている。

こちらもピンフのテンパイが入ったが、さてどうしよう?





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暗刻の2mを切って、押した。

当たり牌の6mは3枚目が場に見えたばかりで、こちらのあがり目は大きくない。

全体の河から見ると、宣言牌裏スジとはいえ2mの危険度は高めに見える。

ひとつ、押せる要素としては、対面はドラが固まっていない限りは持っていないだろうと読むことはできる。


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さらに、無スジの8mを持ってきたが、さてどうしよう?





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押した、が、放銃となった。

ワンチャンスとはいえ、さすがに危険度が高すぎる牌だったか。

ただ、パッと見そんなに高くない手に見える。


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これが2400点の放銃で済んだ。

この放銃をどう見るか?

私が対面の立場だったら、なんとなく嫌だな、と思うだろう。

あがり牌はもう山にはなかったが、それは実戦中にはわからない。
オリて親の一人テンパイよりも押してこの放銃の方が、
きちんと戦って放銃した上での好結果という意味で、圧倒的に好感触だ。

放銃して良し!と思えるような時はきちんと打てている時、つまり好調時だ。

この半荘はそのまま3着で終了した。



E選択ミスが悪い結果にならない
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東2局2本場、36600点持ちトップ目の親番。

絶好のペン7pが入って、即リーチの態勢だが、さてどう受ける?





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両面でリーチした。

ここでは8mが非常によく見えた。

親でドラ1あるなら、枚数重視が基本だろう。


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しかし、ラス目の上家から一発で発をツモ切られる。

間違う時はなぜか一発が多い。


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さらに、このツモか!

これはさすがにやっちまったか?


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満を持してラス目が反撃に来るも、宣言牌をとらえて裏は乗らずの3900。

上家の手牌がピカピカ光っていて恐ろしさを物語っている。

選択ミスをするとあがり番は他家に移るのが常だが、
これが致命的なことにならないのが好調時なのだろう。



Fピンチがピンチにならない
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南3局2本場、30100点持ち2着目の南家。

トップ目が親で32100点、ラス目が対面で11900点となっている。

ドラのペン3m待ちでテンパイが入ったが、さてどうしよう?





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即リーチとした。

はっきりいってこのリーチはギャンブルリーチだ。

ドラが固まっている他家が攻め返してくるのは必定。

運良くツモれればトップも固いが、攻め返された時のリスクが高すぎるので微妙。

赤5mがなければ悪手に近いだろう。


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ラス目の対面が無スジを飛ばしてくる。

もうこの時点で気が気ではない。

流局までが長すぎる…


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さらに下家の7mに肝を冷やす。

ここからの6巡が実に長い。

サッカーでいうところの後半ロスタイムの長さにも似た感覚だ。


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無事に一人テンパイで流局。

最後の1pまで気は抜けず、ホッと胸をなでおろす。

こういう微妙な攻守判断が是と出るからこそ、好調なのだろう。
この半荘はトップで終了した。



G牌の巡り合わせで放銃を回避
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東2局、原点の親番。

3m残しの工夫が生きて、最高の三面張ができた。

手広く8s切り。


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6pツモって何を切るか?





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6pツモ切りとした。

対面のターツ落としを見ているので、ドラまたぎの6pは引っ張っても危険度がかなり高い。

三面張固定とはせず、ドラ受けの方を固定した。


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この7pは対面の現物だが、全体の危険度で見て同様にツモ切りとした。

これは7m切りという選択も十分にあると思う。


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しかし、下家のツモ切った4mが対面の7700に当たり。

いつ出てもおかしくなかった7mだが、ギリギリ止まってくれた。

テンパイが入らないからこそ助かっている、
好調時に散見されるパターンだ。


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テンパイが入ってもダメだし、
選択が別の方に傾いてもダメ。

こういう助かりは大きい。



Hオーラスに条件を満たす手が入ってくれる
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オーラス、14600点持ちラス目の西家。

3着目の上家とは5100点差となっている。

配牌はパッと見悪いが、ドラドラの南と中を生かすだけでOKの好配牌だ。


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親の第一打1mポンから仕掛ける。

場合によっては符が必要となるので、これは必須の鳴き。


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自力で中を暗刻にしてのテンパイ。

7pは悪くなさそうだが、はたして…


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これがあがりまで結びつくのが好調時の牌運だ。

手が入って捲れませんでした、では手が入らないのと変わりない。

しかし、危険牌を使い切ってテンパイまでこぎつけている上家の粘りは見事だ。



Iスタイルが良い
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言わずもがな。



ラベル:天鳳 好調 昇段
posted by はぐりん@ at 22:50 | Comment(19) | 好調 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする