2016年11月27日

最終形を強くする決め打ち 【手役狙い】

前回のリャンカン形に絡んだ内容として、
先に形を決めることで最終形を強くする工夫がある。
リクエストもあり、今回はそれを特集してみた。


チートイやトイトイ等、トイツ系は手役構成上決め打ち傾向が強いため、
今回はシュンツ系の2ハン役に絞って、考察することにした


愚形含みの手牌では、牌理上、どうしても形を決めなければならない場面がある。
迷い多き場面とも言えるが、
そういう局面こそ、河を工夫して迷彩を施すことでリーチ時にあがりやすい最終形を実現できる


現代麻雀では早い時点でこれをやりすぎるとスピード負けの可能性が高くなるため、
凝りすぎるのも考えもので、自己満足にならないようなバランスが重要だ。

迷彩は、牌効率を損なわない自然な手順で施すのがベストだろう。


重要ポイントは以下の通りとなる。



@リャンカンは決め打ちの絶好の形

一筒三筒五筒と持っている場合、リーチ宣言牌で五筒を切っても現代麻雀では出あがりがあまり期待できない。
この五筒を自然な形で先切りすることによって、二筒の警戒度はかなり下がってリーチのあがり率は劇的に上がる。
リャンカン形は3枚使いで手牌を圧迫する形であるからこそ、
そのデメリットを逆用して、先切りで出やすい待ちになるように工夫する。
場に安い色の先切りが特に効果的だ。



A決め打ちの最も効果的な手役はチャンタ系

チャンタ系は手役の性質上、赤が絡まず、ドラも絡みにくいため、
中途半端に内の牌を残したところで打点が伴いにくい。
結果、自然に先切りの迷彩になることが多い。
赤が使えないのが難だが、逆に言うと赤も積極的に切りやすい手役であると言える。



B端の三色は決め打ちに適している

内の三色は伸びがあるため、決め打ちには適さないが、
受け入れの狭い端の三色は決め打ちが有効なケースが多い
これはチャンタにも共通している部分で、
受け入れが狭い分、形を決めて打点を見ることによって手牌のバランスを保つという意識だ。
形を決めたら中途半端に伸びを見ずに、出あがりしやすい河を作りにいくのが効果的だ。



C一通は割合決め打ちしにくい

先の二つの手役に比して、一通は手役固定しにくい。
なぜなら、一通決め打ちする過程で必ず複合形となるため、
ピンフや効率を犠牲にすることが大半となるから
だ。
特別打点や手役が必要な状況でもない限り、決め打ちをしにくい手役であると言える。



D手役両天秤の決め打ち

決め打ちをしながら手役両天秤を見るという贅沢な手牌もある。
どの受け入れが不要かというのを的確に見極めることで、
様々な手役に対応した打点の伴った手作りが可能となる




E意志を込めた最序盤の決め打ちは読まれにくい

効率重視の現代麻雀では、最序盤の捨て牌は不要牌であるという認識が強い。
手出し牌が多ければ多いほど序盤の手出しは関連牌でない可能性が高い。
だからこそ、序盤の決め打ちというのは読みをはずすために有効となる。
私自身はシュンツ系の手で序盤の決め打ちをすることはほぼないが、
他家がこれをした場合、放銃率の低い打ち手でもはまりやすいことは紛れもない事実だ。



それでは、実戦例からみていこう。



@リャンカンは決め打ちの絶好の形 case1
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南2局、21600点持ち3着目の親番。

9mをツモって、雀頭不確定の少し重い形。

さて、何を切る?





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5s先切りして、待ちを先に作った。

ソーズは場況からかなり良いので、待ちになった時に強い。
場に高いマンズの受け入れを広げてカン2sで勝負という構想だ。

1mや3mを引けば手順で123の三色ともなり、
やはり5sの先切りが生きる。


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構想通りにカン2s待ちになり、7m切って即リーチ。

9m暗刻で点パネのおまけがついた。

親リーチとはいえ、この2sはなかなか止まらないのでは?


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自らツモって裏は乗らずの1300オール。

見ての通り、2sは3山と、非常に強い待ちだった。


このように、場に安い色のリャンカン形は、最終形を決め打ちする絶好の機会となる。



A決め打ちの最も効果的な手役はチャンタ系 case2
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南1局、25900点持ち2着目の南家。

純チャンのイーシャンテンから、ピンフや一通も見える5sツモ。

さて、何を切る?





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ツモ切りとした。

これは4s切り、あるいは7s切りとする人もいるだろう。

どうせ3pのドラ依存の手なのだから、
仕掛けても7700となる純チャンの目を残したい。

5sを先に切るのは少しでも8sのマークを外す狙いだ。


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数巡後にツモってきたのは、ここしかないドラの3p。

さて、リーチする?





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ダマにした。

5s先切りなら当然のリーチにも見えるが、
河が少し脂っこすぎてリーチでは警戒されかねない。

場況から8sは拾えそうな感じもある。

結局、親からすぐに出て12000となった。


ダマなら4s切っとけ、という考えもあるが、
仕掛け時8sの警戒感がかなり変わってくるだろう。

このへんは遊びの領域で、雀風によっても大きく変わってくる部分ではないだろうか。



case3
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東1局4本場、18800点持ち2着目の西家。

親の猛攻が止まらず、現在4本積まれている。

チャンタ三色含みの手牌から5pをツモったところ。
さて、何を切る?





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5pツモ切りとした。

これは同様に形を決める人が多いのではないだろうか。
カン4pの受けにまるで意味がないので、
雀頭作りのために字牌を残す方がこの手には価値がある。


チャンタはドラが複数絡みにくいというのもあり、
打点の都合上、このように自然な手順で決め打ちがしやすい。



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少し場況が煮詰まってきた中盤、赤5pをツモってきた。

さて、どうしよう?





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当然ツモ切る。

5pを残しておけば重なってのテンパイとなったわけだが、
字牌重なりの方が打点が伴うため、これは仕方ない。

逆に、より目立つ迷彩になったと考えることもできる。


このように、チャンタ系は手牌の都合上、赤がわりと河に出現しやすい傾向がある。
赤の目立つ捨て牌はチャンタに警戒ということができる。


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温めていた字牌が重なり、満を持してのリーチ。

河が少し派手だが、十分に出あがりも期待できる先決めの2p待ち。

まさに構想通りでワクワクするリーチに仕上がった。


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白ポンに、下家が4pカンで、2pが出るお膳立てが整ったが、
残念ながら親の500オールツモ。

親の勢いを止めることができずにがっかり感が漂う。


こういう作品が不発に終わるとその半荘はジリ貧になるイメージもあるが、
この半荘はめげずに反撃を繰り返し、最終的にはトップを捲り切った。



case4
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南3局1本場、46100点持ちトップ目連荘中の親番。

端に寄った手牌から、1pが重なったところ。

さて、何を切る?





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純チャンを見ながら7mを1枚ほぐした。

789の三色にしろ、純チャンにしろ、7mは1枚余分だ。

この7mはあと数巡経つと危険度が高すぎて切れない牌となる。
切るならこのタイミングしかないという感じ。


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次巡、絶好のペン7sが埋まった。

さて、何を切る?





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こうなれば赤5pは不要だ。

仕掛けて11600が見える手でもあり、
赤を残すより純チャンを見た方が得点効果が高い。

点棒の余裕から赤を引っ張っても、
やはりチャンタ系では出ていくケースも多い。


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手なりで進めていって、メンゼンでテンパイ。即リーチに踏み切る。

赤の先切りが生きる、絶好のカン8p待ちとなった。

これは警戒しても止まらないんじゃないの?


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期待をよそに、二人テンパイで流局。

一生懸命迷彩を施したところで、ベタオリされてしまうと出てこない。

天鳳ではこういうケースも多いため、やりすぎるのは損となる。



B端の三色は決め打ちに適している case5
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東3局、26300点持ち2着目の西家。

縦横混ざった捌きの難しい手だが、123の三色イーシャンテン。

3sをツモって何を切る?





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6mを切って3m待ちの布石とした。

3sを雀頭に固定してしまうと、これ以上手の伸びを見ることは不可能となるが、
三色確定形のイーシャンテンであるため、受け入れの狭さに見合う打点がある。

3mは山にいそうなので、できるだけ引き出せるように河に工夫をしたい。


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次巡、8sをツモって何を切るか?





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6mのトイツ落としを見せる。

この6mを1巡でも切り遅れると、離れトイツ落としとなって、スジの3mの警戒度が高まりやすい。

リーチ宣言牌を6mにしないことが絶対命題なのだ。

これは過去記事、「1枚切ってる牌の手出しリーチ 完全看破」を参照してほしい。


赤5mをツモっても、それは3mを引き出すための布石となるため、
ここでは6mを河に並べることが重要だ。


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待ちにしたかった3mが先に入ってテンパイ。

これはこれでいい。即リーチに踏み切る。


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下家から出て5200となった。

4p暗刻だから2pは使いにくいわな。

このように端絡み三色は先に形を決めて、迷彩を作っていくのがいい。



case6
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東1局、開局の親番。

5sに4sがくっつき、好形ができた。

123の形が決まっているが、さてどうしよう?





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5pを切りたいのをグッとこらえて8p切りとした。

手役の決め打ち、私はけっこう好きなタイプらしく、どうしても5pを手が切りたがる。

ただ、冷静に考えた場合、4pの受け入れが嫌かというと、どうだろう?

4pが入ってのピンフリーチは悪くない。
親番ということも加味すると、5p先切りは緩手になる可能性がある。

ベタオリされると迷彩は無意味にもなりうるし、
即引っかけでも出る時は出るものだ。


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この時点での全員の手をごらんあれ。

2pは暗刻持ち含めて、全員の手に組み込まれ、山にはもうない。

5p先切りだと完全にあがれない手となってしまうところだった。

こういうこともあるから、基本は牌効率重視で、必要以上に迷彩を施す必要はないのだ。


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この局は、テンパイが入らないまま、対面に2000の放銃となった。



C一通は割合決め打ちしにくい

一通イーシャンテンで決め打ちできる牌姿として、以下の例がある。

(1)一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒

(2)一筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒

(3)一筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒九筒ドラ七筒


一通を決め打ちする直前の牌姿というのは、必ず複合形になっているため、
一通の決め打ちはチャンタや三色に比して、効率を犠牲にするケースが多い

(1)や(2)はわかりやすく決め打ちによって牌効率を損なう例で、
(3)は8pを残すことでペン7pの受け入れがあることがわかるだろう。


ピンフが十分に見込める手の場合、一通の決め打ちは牌効率的に損となることが多く、
先切りが特段有効となることはあまりない。


決め打ちの頻度としては、チャンタや三色よりもかなり少ない印象で、
これは手役の特性上、必然的にそうなるものである。



D手役両天秤の決め打ち case7
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東2局、24000点持ち3着目の西家。

ズバッとカン6pを引き入れたところ。

さて、何を切る?





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5m先切りして、三色と一通の両天秤とした。

4mツモが非常につまらないと考えれば、カン2mの布石とする5m先切りは真っ先に思い浮かぶ。

三色も一通も同じ2種が必要だが、一通の場合はピンフが複合する可能性がある。


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4pをツモって、一通も見込める手となった。

さて、何を切る?





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ここで一通にシフト。融通の利かないペン3sを払った。

5m先切りの布石を生かすのであれば、カン2mは残したい。

3sと8pの比較では8pが若干優位。
ピンズは伸びがあるので、その点でも一通が有利に見える。


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上家のリーチに対して、受け気味に。

結局、上家がツモって裏1の2000・4000となった。


三色は様々な手役との天秤になるが、
つまらない受け入れを嫌っていくことで、このような決め打ちが手役の可能性を広げることもある



E意志を込めた最序盤の決め打ちは読まれにくい case8
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南1局、33000点持ち2着目の親番。

ラス目の上家が3フーロで、警戒警報。

こちらの手もイーシャンテンとなったが、何を切る?





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手なりで8mを切ると、これにロンの声。

2000の放銃となった。

安くてホッとしたが、第一打が6mにつき、これはちょっと意表を突かれた。


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上家はこの手から第一打6m切り。

この打牌の是非はともかく、テンパイまで辿り着けば読めない待ちとなっていることは確かだ。

最序盤の意志を込めた決め打ちは、
読みに長けた上級者や、放銃率の低い守備的な打ち手からも当たり牌を引き出すことが可能となる。




ラベル:天鳳 牌理
posted by はぐりん@ at 21:51 | Comment(6) | 手役狙い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月20日

リャンカンは好形にあらず スマートに捌く

今回はリャンカン形について。

二筒四筒六筒というリャンカン形と三筒四筒というリャンメン形。
両者の受け入れは8枚と変わらないが、牌機能的にはリャンカン形が大きく劣る


以下の牌姿を比較してみよう。

(1)二萬三萬四萬五萬六萬七萬二筒四筒六筒三索三索六索七索

(2)二萬三萬四萬五萬六萬七萬三筒四筒三索三索六索七索西


(1)はリャンカン、(2)はリャンメンを含んだイーシャンテン形だが、
リャンカン形は手牌3枚使うのに対し、リャンメン形は2枚で済むので、
リャンカン形を含んだイーシャンテンは必然的に余剰牌がなくなる。


リャンメン形のイーシャンテンが安全牌を抱えたり、
完全イーシャンテン形などさらに受け入れを広げる選択ができるのに対し、
リャンカン形のイーシャンテンは形が決まってしまい、手牌に融通性がなくなる。
たった1枚の差だが、この1枚を自由にできるかどうかというのは大きい。
シャンテン数が進めば進むほど、1枚差が手牌を圧迫する要因となってくる


さらに、リャンカン形は他方が先に埋まると、待ち取りに迷うばかりか、
宣言牌が手牌にもろに関係する引っかけとなってしまい、
現代麻雀においては警戒されてかなりあがりにくい

ピンフが複合しないという点で、打点的にもいまいちとなることも多い。


手牌に融通が利かない上、最後まで残ってしまうとあがりにくいという点で、
リャンカンはどちらかというと愚形寄りの認識を持ってもいいだろう。


タンピン形の手牌であれば、リャンカンが残ってしまうのは仕方ないが、
ホンイツやトイツ手、コーツ手が狙える手であれば思い切って外しにかかるという手もある

リャンカンは外すのが遅ければ遅いほど、攻守において手牌を圧迫する要因ともなるため、
外すのであれば序盤の方が有利に働くことが多い。

リャンカンはリャンメンと違って、二筒四筒六筒から二筒を切っても、
受け入れがただちに0になるわけではなく、五筒4枚の受けが残るというところに特徴がある。

この特性を生かし、リャンカンを外しつつ好形変化を見ることで最終形を強くするという工夫がある。

例えば、三索四索五索六索の4連形や、四索五索五索六索の中ぶくれのような好形を残してリャンカン形をはずすことで、
イーシャンテンの受け入れは狭まるものの、他の伸びを見ることで最終形を強くすることが可能となる。


あがりに寄せるために、いかに上手くリャンカンを捌くか。

デメリットの多いリャンカンということを理解しておけば、
スマートにリャンカンを払っていくことで、あがりやすさのみならず、打点が大幅に上昇するケースも少なくない

このへんは形に捉われない、柔軟な構想力が必要となってくるだろう。


それでは、具体的に実戦例から見ていこう。



@リャンカン形がある場合、常に好形変化の可能性を見る case1
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東4局、12000点のラス目で迎えた親番。

イーシャンテンとなり手は悪くないが、
リャンカン含みで少し重い。

さて、何を切る?





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手なりでイーシャンテンに取る3m切りとしたが、これはどうか?

リャンカン形が先に埋まれば絶好の南待ちとなるが、
ここが埋まらずに南が先に切られるようなことになると、
相当この手牌はあがりが厳しくなる。


リャンカンが愚形であるという認識を持てば、
この手はリャンカン&1枚切れ字牌シャンポンのイーシャンテンで、受け入れが厳しすぎる。


南が1枚切れ、しかもこの巡目であれば、
ここでは焦らずに南を1枚払ってマンズの伸びを見るのが正しい応手だっただろう。


仮に南を払ってからリャンカンが埋まったとしても、
即リーチに劣らない十分形のイーシャンテンに構えられる。


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形に捉われて、イーシャンテンに取ってしまったため、
窮屈な受け入れのまま身動きがとれなくなった。

3mを切った手前、河に並んだマンズの好形が寂しそうにこちらを見ている。


もっと言うと、形に捉われなければ
五萬六萬八筒八筒一索二索三索四索赤五索六索七索八索九索
こんなテンパイに取れていた可能性さえある。


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結局、下家のリーチに回らざるを得ず、ツモられる。

裏ドラが1pモロ乗りで3000・6000の親っかぶり。

手組みの悪さを咎められるかのような結果となってしまった。


このように、リャンカン形は場合によっては手牌を大きく圧迫する要因ともなるため
ラス目だからといって焦らず、柔軟な形に持っていく心構えが重要だ。



case2
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南2局、4700点持ちダンラス目の西家。

かなり苦しい展開となっているが、手牌は悪くない。

目下イーシャンテンだが、打点がないのが気にかかる。

4sをツモって、さてどうしよう?





tenhou.20364.jpg

5p切りとした。

ソーズの伸びを見つつ、5pの先切りでカン8pの最終形を強くする狙い

タンヤオがあるなら9p切りだが、
マンズ先埋まりのテンパイ取らずが、劇的な打点上昇につながるわけではないため、
58m先埋まりならカン8p即リーチを見込んでの5p切りだ。


リャンカンを払っていくケースでは、
最終形を決めに行くのか、内の伸びを見るのかの判断はかなり重要だ。

これは難解なケースも多いが、
シャンテン数が悪い(手が遅い)場合は、赤ツモも想定して内に寄せるのが基本で、
シャンテン数が良い(テンパイが近い)場合は、フィニッシュ想定の外寄せが効果的となる



tenhou.20365.jpg

4m暗刻から、ソーズが伸びてリャンカン形を解消。

タンヤオも見込め、こちらの方がグッとあがりやすくなった感がある。


tenhou.20366.jpg

手順でタンヤオに変化し、さらにドラツモ後にテンパイ。
25mは薄いが、文句なく即リーチに踏み切る。


手牌を圧迫していたリャンカン形の重しが取れ、
無理なく安牌を抱えつつテンパイへと持ち込んでいる。



tenhou.20367.jpg

難なくツモって裏は乗らずに2000・4000。

払ったリャンカンが裏目になることもなく、
会心の一局となったが、この半荘はラスのままだった。



A手役狙い時リャンカン払いの構想 case3
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東4局1本場、27200点持ち2着目の北家。

かなりのチャンス手となってはいるが、
ゴツゴツしていて少し捌きの難しい手。

さて、何を切る?





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ホンイツやコーツ手を視野に、3sを切った。

場況から単純に受けとしてはカン6sよりカン4sの方が良いが、
ドラの8s受けが残ることと、コーツ手なら場に見えていない方を残すという意識から、
7sではなく3s切りとした。

現状で発が出たら、ポンしてテンパイに取る。


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次巡、嬉しい6mツモでソーズを払っていく。

どちらを先に切るか?





危険度としては赤5sも7sも大差ないが、
こういう場面では狙いを悟られないように、
赤はギリギリまで引っ張るのが基本だ


赤を先切りした河は弱くなるし、
ホンイツなどの手役狙いが読まれやすくなる
ため、
怖くても赤は引っ張りたい。

ただ、次の安全牌ツモではさすがに赤切りとする。


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上家からすぐに7mが出て、ポンテンに取る。

第一打9mによって、それほどホンイツには見えない河となっている。


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下家から安目が出て、8000となった。

全員の手を見ると、明らかなコーツ場況。

見込んでいたホンイツとコーツ手の両者が複合し、
捌きの方向性としては正しかったことがわかる。



case4
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東4局、22000点持ち微差のラス目の南家。

メンツが一つもないところから4sが重なった。

さて、何を切る?





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5p切りとした。

牌効率で赤5mを切るには少し早すぎる。
赤5mを使い切れる手組みを見ながら、
トイツ手やコーツ手を見てのピンズの外寄せだ。



ここではピンズを内に寄せる9p切りという手もあるだろう。
ただ、1メンツもないので、攻守の面からこちらの方が手っ取り早いと思った。


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次巡、赤5mに6mがくっついた。
このターツができたのであれば、どちらかというとメンツ手寄り。

これで完全にピンズのターツを払っていく。7p切り。


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白を一鳴き。

この牌形では守備に一抹の不安もあるが、
赤5mがターツである以上、トイツ系の手組みには不向きだ。


一方で、ツモによってはトイトイになるとも考えている。


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牌効率で鳴きやすい方に寄せていって、テンパイ。

こういう手はテンパイまで苦労するイメージもあるが、
意外と労せずにテンパイを果たしたという印象だ。


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あっさりツモって500・1000となった。

結果的にはピンズのリャンカンを残すよりもこちらの方が速かった。

手牌を圧迫するリャンカンを先に払ったことで、
ポンにも対応しやすい柔軟な構えを取ることができた。




case5
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南2局、1300点持ちの飛び寸、絶体絶命で迎えた親番。

この親番だけは何が何でもしがみつかなければならない。

配牌はかなり整っていて、ファン牌の南が暗刻でビルトイン。

さて、何を切る?





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これはかなり難しかったが、8s切りとしてみた。

効率を犠牲にするので最速テンパイを逃す可能性はあるが、
トイツの北を生かす手組みを考えた場合、
ピンズのホンイツも見ながらリャンカンを払って柔軟に構えた方がいい気がした



当然ながらこういう序盤では、赤5s引きや3s引きを見て外側から払う。


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2pを引いて手牌が引き締まった。

先の手から9p、2pと引いただけだが、
リャンカンが残っている場合と比較してどうだろう?
こちらの方が魅力的に見えてこないだろうか?

どうせ残しても急所のリャンカンは仕掛けることになるのだから、
それならば打点の伴う仕掛けの可能性を残した方がいい。

しかし、下家がドラの中をポンしていて、
なかなかにやりづらい場ともなっている。


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こうなれば文句なくホンイツでいい。

構想通りに北を仕掛けられる手牌に育った。

下家により鳴かれにくい3m切りとした。


tenhou.20002.jpg

しかし、速度で優った下家が上家から7700のあがりとなった。

この1pはチャンタの急所なのでチーするつもりだった。

この局の感触としては悪くなく、
3着目の上家の放銃によりラス回避も現実的に見えてきた。


が、そのままラスに沈んでしまった。



Bリャンカンより字牌の浮き牌を優先することもある case6
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東4局、24300点持ち3着目の親番。

イーシャンテンのところ、中をツモってきた。

さて、何を切る?





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ここでピンズのリャンカンを払った。

テンパイ至上主義の人にはこの選択はあまりないかもしれない。

場況からソーズは絶好で、8sは遅かれ早かれチーできる。
そうなると、手順で仕掛けていくだけでお手軽の満貫ができる。

リャンカンが先に埋まるより、中が重なる方がこの手には圧倒的に嬉しい。


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この南も待ちとして強いので、残すわけだが、さて何を切るか?





こういうケースでは赤5ツモを考える。

赤5pツモによって発ポンで5800の打点となるので、ホンイツにならなくても十分。
そこで、3pから切る。


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ソーズが伸びて、メンゼンテンパイ。

場況から絶好のカン8sとなり、ダマテンに構える。


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対面から出て親満となった。

対面は暗刻からの切り出しということは、やはり8sは安全度が高いと見たのだろう。


リャンカンが先に埋まるよりも、ずっと魅力的な最終形に仕上がっている。



case7
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南2局、27300点持ち3着目の西家。

上位三者が接戦となっている。

1sが暗刻になって手牌もグッと引き締まったが、さて何を切る?





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リャンカンを払う2m切りとした。

中を切ったところで何が入っても苦しいテンパイとなってしまう。
それならばカン4sなどを仕掛けられる手牌にするためにホンイツが有効だとわかるだろう。


北のトイツを生かす手組みとしては、
メンツ手のイーシャンテンというより、ホンイツのリャンシャンテンと見たい。



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7sツモの後、これは嬉しい中重なり。

リャンカンを払ったかいがあった。

6m→4mの切り順は単純に危険度の高い方から。


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無駄ヅモなく、メンゼンでテンパイ。

ドラツモに備えて3s切りとした。


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チャンタまでついて倍満まで育ったが、切り出した5sがアウト。
悔しい1000点の放銃となった。

8sはドラにもかかわらず山に丸生き。
アッと言わせることはできなかったが、
この局の出来がそのままトップ捲りまで結びついた。


打点や仕掛けの効率と、リャンカンの融通性を天秤にかけた際、
ホンイツが見込める手ではこのように字牌残しが有効となるケースも少なくない。

リャンカンという形に捉われず、柔軟な発想を持つことで、
スマートに高打点を実現することも可能となる。



ラベル:天鳳 牌理
posted by はぐりん@ at 00:14 | Comment(8) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月06日

子でのダブ東の切り時

今回は子でのダブ東の切り時について。

これは様々な考え方があるが、
現在の私の考えを述べていきたい。

ダブ東は親に重ねられる前に真っ先に切るという見解もあるが、
基本的にはある程度自分が戦える形になってから切るのがいいだろう

なぜかというと、バラバラの手から鳴かせてすぐにオリるというのでは、
一方的に親を有利にすることにもなりかねず、勝負の質が損なわれるからだ。

赤あり麻雀では手役さえつけば、打点は自然と高まる傾向にあるため、
ダブ東の2ハンは打点的にかなりの脅威であるといえる。


親落としは麻雀の一つのテーマであり、
親をバカヅキ状態にさせないことはトップ者を決定的にしないために重要であり、
そのために子同士である程度共闘することが必要となってくる



親を有利にさせないためにどうするかを考える。
それがダブ東の切り方にも大きく関わってくると言える。


重要なポイントは以下の通りだ。

@簡単に鳴かせない・絞るケース
(1)できるだけ合わせ打つ

ダブ東は重ねられる機会を最小限にすべく、
自分の手に関係なくできるだけ合わせ打つのが基本だ。

(2)好ツモで自然に切り出す

自分の手が戦える形になるというのは、
言い換えれば好ツモによって自然に押し出される時だ。
好牌を引き入れてから切ることによって、ダブ東を鳴かれるリスクを軽減することができる。
先に鳴かれていればツモっていなかった、ということを理由にすることもできる。


A先に切るケース
(3)ドラ表示牌に東がいる

ダブ東がドラ表示牌にいる時は、そもそも鳴かれる可能性が低いので、
重ねられる前に第一打で切っていい。

(4)牌効率が損なわれる

自分の手牌の牌効率が損なわれる段になってまで絞る必要はない。
特段の事情がなければ牌効率に忠実に打っていい。

(5)好手牌のとき

自分の手がかなりの好手・チャンス手である場合の序盤は、
真っ先にダブ東を切っていい。
親だけでなく子に重ねられるとスピードが加速してしまうからだ。
一方、中盤以降に余剰牌としてツモってきた時は、
自分のテンパイより先に鳴かれないように絞るのが基本だ。



それでは実戦例から見ていこう。



@簡単に鳴かせない・絞るケース
(1)できるだけ合わせ打つ
 case1
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開局の南家の配牌。

開局のテーマは落ち着いて打つ、というところにある。
仕掛けも最小限にし、暴牌を避けつつ、自分の状態を計っていく。

ダブ東第一打などという荒々しい着手はできるだけ控えたい。

ここでは無難に西切りから。


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次巡、いらない北をツモったが、さて何を切る?





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100%東を合わせる。

東重なりが重要な手ではなく、重なったとしても仕掛けないので親に重ねられるリスクを重視し、東を合わせる。

東を重ねることに価値が低いなら、ダブ東は合わせ打つのが基本だ。


tenhou.22578.jpg

親の7700のあがりとなった。



case2
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東2局、22900点持ち2着目の北家。

2巡目、何を切るか?





tenhou.24808.jpg

オタ風の西を切るより先に、東を合わせる。

処理するタイミングを常に窺う。


tenhou.24809.jpg

親から東が出てきた。

子方が処理するタイミングを見ているのと同様、親は重ねることを常に考えている。


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対面の300・500ツモあがりとなった。



case3
tenhou.24662.jpg

東4局、24500点持ち2着目の北家。

あまりいい手とは言えないが、何を切るか?





tenhou.24663.jpg

例によって、東を合わせる。

どうでもいい手の時は、なおのこと先に処理したい。


tenhou.24664.jpg

チャンス手の親にダブ東が重なるも、後の祭り。

意外とこういうケースは多い。
一打の後先がチャンス手を生かすか殺すかの分岐となる。


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しかしなぜか親の3900オールツモとなった。

ダブ東を上手く殺したはずなのに…

なんでやねん!なんでやねん!



case4 【失敗例】
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東1局1本場、41300点持ち僅差の2着目の南家。
トップ目対面が42500点、下家が3900点。

まずまずの手牌だが、さて何を切る?





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ここでは中を切った。

仕掛けで下家を飛ばせる手でもあるので、東は重ねられれば武器になる。

親に絞りつつ、場合によっては自分で使おうという構想だ。


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下家が東を切ったので、即座に合わせると、なんと親にポンされた。

たった今重ねられてしまったようだ。


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いらない5sを切ると、これが光速の5800。

なんでやねん!と叫びたくもなるが、
山越しの場合はこういうこともある。

結果としては失敗だが、手順的には何も問題ない。



case5 【失敗例】
tenhou.18173.jpg

開局の西家。

配牌&第一ツモ。何を切るか?





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東にラグがなかったため、トイツ手も視野に北から切り出した。

しかし、次巡に切った東を親に鳴かれてしまう。


tenhou.18175.jpg

まんまと1巡の間に親にダブ東を重ねられている。

こういうケースでいたずらに親にチャンスを与えないために、
東はできるだけ合わせ打ちしたい。


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結局、南家が親から7700の出あがり。

2者の本手のぶつかり合いを誘発してしまった。
これが正真正銘の失敗例だ。



(2)好ツモで自然に切り出す case6
tenhou.26122.jpg

開局の南家。
何を切るか?





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無難に西切りから。

配牌は普通だが、愚形含みでの東切りは少し乱暴にも映る。


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次巡、絶好の3pが埋まって、さて何を切る?





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自然に東に手がかかる。

好ツモとの交換。例えここから親に鳴かれたとしても、十分に勝負になる。

親はドラ切りにつき、ダブ東トイツならドラを温存しそうという読みも働いている。

これを対面の爆打がポン。


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北家のポンが親リーチを誘発してしまった。

爆打くん、責任を取ってくれたまえ。


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気合いで攻め返し、一発ツモ裏1の2000・3900となった。



A先に切るケース
(3)ドラ表示牌に東がいる case7
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東4局、31600点持ちトップ目の北家。

自風の北がトイツでまずまずの配牌。何を切るか?





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ドラ表示牌にダブ東がいるケースでは、真っ先に東切りでOK。

この時点で鳴かれる可能性が低い。


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上家リーチに一発で放銃し、8000となってしまった。



(4)牌効率が損なわれる case8
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開局の北家。

遠くに789の三色が見えなくもないが、第一打は9s切りから。


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7mツモって何を切るか?





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ここで東を放す。

牌効率的に東か中の2択だが、
東重なりと中重なりの価値が等しいので、危険度の高いダブ東から先に処理する。

愚形ばかりの手牌ならまた別だが、
これぐらいあがれそうな手牌なら自分の都合を優先していい。


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上家リーチに対してベタオリ。

対面が下家から3900のあがりとなった。



case9
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東3局1本場、18400点持ちラス目の西家。

何を切るか?





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牌効率的に東を切るしかない。


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安目ツモって裏1の1300・2600となった。



(5)好手牌のとき case10
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上家の手牌ぐらい整っていれば、自分の都合で東から切るのは正しい。

結果は上家の7700出あがりとなったが、
腰の重い打ち手であれば、子方であってもダブ東の早切りはマークの一つの対象となる。



ラベル:天鳳
posted by はぐりん@ at 00:18 | Comment(6) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする