まずは以下の画像をご覧いただきたい。

これが伝説の6シャンテン配牌だ。
雀頭がないので、十三不塔よりタチが悪い。
国士でも、チートイツでも、メンツ手でも6シャンテン。

少し見づらいが、1巡目【自:6向聴】とある。
他家は悪くても3向聴。
私の配牌は大体いつもこんな感じだ。

結局親と私の二人ノーテンで西入へ。
親がノーテンなら私はテンパイで30000点越えトップ終了だったが、ドラを掴んでままならず。
あの配牌の割には最終形はかなりがんばった方だろう。
鳳凰卓はここから勝ち切るのがまた至難で、
危うくラスまで落ちそうになりながら最終的にはトップだった。

もう一度先ほどの配牌を見てみよう。
麻雀において、
配牌が良いのとツモが良いのはどちらが大事だろうか?
例えば、この配牌に、






また、







どうだろうか?この上ないクソ配牌にも見えたが、
7巡で役満2種が見られるとなると、意外と輝いて見えるのではないだろうか?
ダイヤの原石のように。
逆に、この配牌から









つまり、麻雀において重要なのは配牌よりツモだ。
配牌が良いのはメンタル面において好影響を与えるが、
結果において真に重要なのはツモの良さの方だ。
配牌が悪いとやる気が出なくて適当に切ってしまいがちだが、
実は配牌が悪い時こそ、好ツモを想定して高い手に寄せる、その構想が重要になってくるのだ。
これらを踏まえると、
麻雀は配牌が悪い時こそ、その手牌の構想力、構成力(見切り含む)に実力差が生まれやすいため、
それをどのように捌くかというのは意外にあなどれない差を生むのではないだろうか。
配牌が悪いからといって腐っている場合ではなく、
むしろダイヤの原石をどう輝かせるか、
ピンチをチャンスに変えていく発想力が重要だと思えば、クソ配牌も苦にならなくなるだろう。
それでは、クソ配牌の捌きを実戦例から見ていこう。
case1

東4局、33400点持ちトップ目の南家。
ソーズの西ヨーロッパに孤立字牌5種。
見るも無残なクソ配牌だが、さて何を切る?

マンズのホンイツ、国士、チートイツ、ドラツモを見て2sを切った。
正直何を切ったらいいかわからなかった。
緑一色を狙う人もいるだろう。

意に反してソーズが伸びたので、ここで方針を転換し、字牌を切り出した。

赤をツモって中が重なったところ。
多少の好ツモで大分手牌が見違えて見える。

デジタルっぽく9mの方をトイツ落とししたら、絶好のカン7sが埋まった。
こうなれば即リーチだ。

配牌が悪かったので、リーチ時の河が異様に強い。
クソ配牌からツモが噛み合った時にはこうした傾向が生まれやすく、
これはひとつの特長と言える。

親満テンパイの親から出て、裏なしの2600。
配牌と最終形の差異に驚いてしまうが、
他家の河は有効牌を持て余し気味なのに対し、
こちらは資源を無駄なく使っている印象がある。
限りある資源は有効に活用したいものだ。
case2

オーラス、親と8300点差の2着目、北家。
この配牌では捲るのは厳しいか。
ひとまず3着目と変わらないようにテンパイ流局を目指す。

ドラが重なるも、うーんという感じ。
せめて役牌をどれか重ねたいところだ。

無駄ヅモなく牌が重なり、チートイイーシャンテンに。
こ、これは…。

なんと、テンパった。
しかもリーチで捲り確定になったので、いやらしく1p単騎とした。

まさかの親の追っかけが来た挙句、ツモられた。
親も力強くチートイツだったが、追っかけいらんのでは。。
1pは対面の手に暗刻で、親の宣言牌2pを見てか、止められてしまった。
case3

東4局2本場、19400点持ち3着目の南家。
配牌はバラバラだが、ここからどんな最終形をイメージするだろうか?
直観的にはチートイ本線といったところか。

5mをツモって、さて何を切る?

ダブ東を絞りつつ、受けも意識のペンチャン落としとした。
さすがにここから全力であがりに向かうのはリスクが大きい。

ドラが重なり、少しずつ形になってきた。

そしてドラが鳴けた!
こちらの手は不十分形のイーシャンテンだが、抑止力にはなりそうだ。

ほどなくしてテンパイ。
クソ配牌特有の河の強さ。これは大いなる強み。

変則三面張に変えたら、出た。
あの配牌がまさかの7700に仕上がった。
case4

東2局、現点持ち西家。
配牌格差社会。
あなたはどの配牌を選ぶだろうか?

しかし、なぜかわからんが10巡目には3900のチーテンに取れていた。
しかも両面テンパイ。親はというとまだテンパイしていない。

結局、3人テンパイで流局。
配牌格差をものともせず、収入を得ることに成功した。
case5

東2局2本場、34500点持ちトップ目の西家。
うって変わってなんだこの配牌は?
567の三色も見て第一打4s切りとした。

8sツモって盤石のイーシャンテンに。
リーチは時間の問題でしょう。

ところが、なかなかテンパイしないまま、親リーチが入る。

5sがカンツになったが、どうするか?

親リーチでもあり、5s暗カンはリスクが大きい。
雀頭不在になる可能性もあるので、8s切りとした。
クソ配牌と逆のパターンで、後手になった時になまじ手が良いのでオリられない。
あの配牌が一転、ここまで追い込まれることになろうとはだれが予想できただろうか?
ツモが噛み合わないと、配牌の良さは弊害にすらなるという例だ。

結局、親がツモって裏なしの2000オールとなった。
放銃しなかっただけ良しとしよう。

全員の配牌がこうで、最もテンパイが遅かったのが私。
テンパイするために何が大事かは言わずもがなだ。
case6

オーラス、3着目の上家と800点差のラス目北家。
ほしいのは1000点だが、少し絶望的な配牌。
丁寧に西から切り出し、ファン牌の重なりに期待する。

ツモが効いて、123の三色イーシャンテンとなった。
果たして間に合うか?

3pチーしてテンパイ。
トップ目の対面はテンパイだろう。ビビりながら7sを勝負。

出た〜〜〜!値千金の2000点。
恐ろしいことに上家もピンフのテンパイだった。

この時点で14pはアウト。
2pがくっついた幸せを振り返ってしみじみと感じた瞬間だった。
このように、麻雀は配牌よりツモが重要であり、
クソ配牌にこそ無限の可能性が潜んでいる、ということを今一度確認したい。
ラベル:天鳳