
やっちまいました〜(てへぺろ)
九段昇段以降初となる5連タコ(ラス)を引いてしまった。
十段のラスペナ180pt×5=900pt
私はたかだか2時間ほどの実戦で1000に近いポイントを失ってしまったことになる。
それまでは比較的穏やかな順位推移で、平均順位は2.38ぐらいだったが、
それでもさすがに十段だとポイント漸減となっていて、
5連タコの前は1500ptぐらい所持していたはずだ。
十段になってからは大きなミスもなく、そこそこ打てている実感があったので、
耐えていればチャンスも来るだろうと考えていたが、
まさかこんなにも早く降段の危機に瀕するとは思ってもみなかった。
九段時代も実は昇段直後に4連ラスというのがあったのだが、
それを楽に盛り返すぐらい順風の波があった。
今回のポイント状況は自身の経験から言っても、相当厳しい現状と言わざるを得ないが、
ポリシー通りわざ降段はせずに、自身の麻雀を貫きたいと思う。
さて、十段を瀕死の状態に追い込んだ5連タコはどのような過程で成ったのだろうか?
皆様には晩御飯のおかずとしていただければ幸いである。
1タコ目

東2局の親番。
上家の加カンにより新ドラの1mが乗って、かなり勝負手のテンパイ。
当然ながら4mを切って即リーチ。
対面はマンズの染め模様だが、下家のマンズ切りに対する反応が薄いことと、
マンズ自体が私の目からかなり見えているので、ノーテンが濃厚と見ている。
むしろ、しれっと9mを押している下家の方が怖い。

対面から1枚切れの発が出てきた。
対面からマークははずしていい、通常はそう思う場面だろう。

ところが、突如5mを押された挙句、掴まされた白で8000の放銃となった。
実戦心理としては、かなり意外だった。
というのも、対面にすんなりテンパイが入るような雰囲気にはまるで見えなかったからだ。

後から牌を開けて納得したのだが、なんと対面は私のリーチ後に中を2枚吸収してのアガリだった。
親リーチを受けた仕掛けの後手がこんなにきれいにアガりきれるなど、
なかなかあるものではない。私の感覚ではレアケースだ。
ともかく、勝負を決める決定打を打つべき局面で、
逆に致命傷を負ってしまっているようでは、ラスを引くのもやむを得ないと言えるだろう。
2タコ目

東4局1本場、微差のラス目の西家。
上家からリーチが入るも、ズバッとカン4mを引いてこちらもテンパイ。
さて、どうしよう?

9s切りダマとした。
先制ならリーチで問題なさそうだが、勝算がある待ちでもないので対応の余地を残したいというのがダマにした理由だ。
8s切りから好形模索という手もなくはないが、さすがにソーズの2スジを切るのは厳しい。
ところが、この9sにラグがかかる。
これは直観的にチーラグだろうな、というのがわかった。
なぜなら親が先に切っている9sにはラグがなかったからだ。
チーラグであるとすれば、私の待ちはほぼ絶望的になってしまう。

親が中を仕掛けて、直後に7pを持ってきたところ。
さて、どうしよう?

これは結構迷って2s切りとした。
自身のアガリが相当厳しい以上、この7pは止めて回るのが自然だ。
下家は78sというターツを持っている可能性が高いので、
8sは実質7sのワンチャンスということになるが、
8s連打で回れる可能性があるか?ということを考えていた。
私自身が9pを切っているのでピンズでアガリを拾うことも難しいと考え、粘らずにオリる選択とした。

5mをツモって、何を切るか?

これは切った瞬間、あっ、と思った。親も5pを押しているわけだし。
ここはきっちり3mを抜くべきだった。
時間に追われてボーンヘッド気味の5800献上。
この半荘だけはラス回避は可能だっただろう。

7pは上家の当たりで、しかも裏3だった。
トラップ続きの局を凌ぎ切れるかどうか、これは不調を回避できるかどうかの一つの分水嶺だろう。
3タコ目

東3局、ラス目の西家。
親が2つ仕掛けているが、さて、どうしよう?

これが下家の確定三色ドラドラに刺さって、なんと12000。
こちらもチャンス手につきオリることはないが、1p3枚見えにつき2pの利用価値に乏しかった。
典型的な不調時の交通事故。

親の中1枚目スルーに一つのアヤがあった。
スルーしたことで私にカン3s、下家にテンパイとなる8sが入った。
私はこのスルー自体は悪くない打ち筋だと思う。
一昔前の鳳凰卓の戦術からは大きな変容を遂げている、そんな感じのスルーだ。
この半荘は次局できれいに飛ばされ終了。
4タコ目

南2の親番。会心の手順でラス目下家から7700を打ち取る。
通常こういう抜けた一人沈みがいる場合、自分のラスはなさそうと思うところ。

ところが次局、ラス目の4巡目リーチをあっさりツモられ、裏裏のハネマン親っかぶり。
私自身はまだ2着目なので落ち着いて打てば問題ないところだが、
放銃がないにもかかわらず、オーラスを微差の3着目で迎えてしまうことになる。

オーラス。恐れていたラス目のリーチが入って一発目。
2900点差の下家がリーチ棒を出して、現状3900点差。
親が27500点、トップ目の上家が30000点ジャスト。
ここは順位戦略の巧拙が問われそうだが、さて、どうしよう?

ここは実はまっすぐに行かなくてもいい局面だ。
親はラス目の直撃だけは避けたい点差だし、
上家は30000点の権利を簡単には放棄しないだろう。
上位2人はかなり攻め返しにくい前提がある。
上家がノーテンなら流局にさえ持ち込めば西入するし、
仮に上家がテンパイでも下家のリーチ棒の影響で2人テンパイなら私がラスにならない。
さらに、下家がツモアガったとしても、南家が30000点を割るのでこれも西入となる。
つまり、私が下家に直撃を打つことが現状最もラスになりやすいシナリオなのだ。
私が放銃することで大喜びする3人、それだけは避けなければならない。

ところが、最後の最後になって安全牌が尽きた。
完全な手詰まり状態。
究極の選択、あなたは何を切るか?
実戦心理としては、25mと6m、そして69pだけは切るつもりがなかった。
それ以外の牌から何を選ぶかを必死に探していた。

振り絞って河に置いた8mに無情にもロンの声がかかる。
ピンズが選びにくかったので、マンズの7mと8mのどちらを切るか考えた末の結論だった。
仮に9pと2mを押しても海底でテンパイを取ると8mが飛び出る形となる。
マンズもピンズも切れないので、3pツモ時にほぼ確実に78sのターツ落としを選択するからだ。

この放銃がグラグラッとくるのは、河底の1ハンがなければ捲られていない、ということ。
点棒状況が少し違っていたとしても8mを先に切る順はなさそうだが、
それにしても悔しすぎる一局となった。
私自身、本局の打牌選択に後悔はない。
5タコ目

東2局の南家。
よだれが出そうな6mツモでテンパイ即リーチ。

しかし、対面の仕掛けに放銃し、3900。
リーチの河が仕掛けに利するという悪循環。
36pの固まりを捕らえられなかったのはあまりに痛すぎた。

東4局1本場の北家。
上家先制リーチで供託が3本に。こちらも追いついて追っかけ。
この47sはアガれる感触がある。

しかし3件目に追っかけられてやはりこうなる。
47s山4、58m山3、25p山4とほぼ同等の勝負だった。
裏が1枚乗って3900となったが、この裏が地味に痛く、その点差でラスを食ってしまった。
あわや6タコ

南3局、3着目の南家。ラス目下家とは6600点差。
ピンズをリャンカンにした結果、親リーチ宣言牌の5mをポンテンに取れないという間の悪さもあったため、
ここでは対応の5m切りとした。
こちらも高い手だが、3着目という立場からはかなり押しにくい。

私は通常このような回りながらの仕掛けはまずしないのだが、
3p5pがいずれも完全な危険牌につき、使い切る意味でも渋々鳴いた。
そして、何を切るかというと…

赤5mを切ると、これに対面のロンの声。
対面は1s切りで回っているようにしか見えない、しかも高い。
なんとこの7700でラス転落してオーラス親番を迎えることとなる。
打っている最中は茫然自失だ。そんなに変なことはしていないつもりだが…

仮に4pをスルーして、3mをツモったところで切るのは赤5m以外にない。
強いて言えば仕掛け自体が良くなかったということだろう。

件のオーラス、好手からあっという間に親満のテンパイ。
さすがにテンパイまで辿り着けば簡単には負けないだろう。

一向に58mが出てこないまま、47pスジの選択。
さて、どちらを切るか?

結構迷ったが、これは7pを切った。
仕掛け者は打点が必要ないのでカン7p固定は考えにくい。
生牌の4pはポンされるかもしれないし、カン4pはともかく、対面のペン4pがある。
しかし、意外にも下家にポンの声。ここを捌かせてしまった時点でラスを覚悟した。

最後の最後に下家から出てきて、18000飛ばして終了。
上家のチーがなければ6000オールだとかそんなことはどうでもよく、ただただアガれたことに感謝した。
こうして私のタコは5で止まった。
次の半荘もラスだったから実質7タコみたいなもんだったけど。