今回のテーマは、こなせるかどうかで放銃率に差が生まれやすく、
他人と差がつきやすい部分であるため、守備に不安のある人は要チェックのテーマだ。
以下の14枚から何を切るか?















ここから


効率よくアガリに寄せるためには、完全イーシャンテン形を目指す手組みとなるため、横の受け入れを重視するのが基本となる。
必然的に打牌候補の


それでは、少し形を変えて以下だとどうか?















これならばシャンポン固定の


厳密にはカンチャン固定の方が受け入れがやや上回るが、愚形残りの場合は効率がそれほど犠牲にならないため、2ケン隣のトイツ固定はよくある。
両面形を意味なくトイツ固定するということはまずないため、先切り牌の1ケン隣はシャンポン待ちになりづらく、
先切り牌の2ケン隣はシャンポン待ちに当たりうる。これが基本的な牌理だ。
つまり、手出しツモ切りに関わらず、先切り牌の1ケン隣はシャンポンに当たりにくいということが、大抵の場合言えることになる。
仕掛けの場合も効率を重視することに変わりないため、同様のことが言える。
ただし、例外としてトイトイなどのコーツ系手役狙いの場合は、1ケン隣でもトイツ固定することがある。
このへんは場況との兼ね合いで判断する必要がある。
ちなみに、近代麻雀2018・6・15号の、「プロが間違えた何切る、第28回白田みおプロ」において、まさにこの事例が紹介されていた。
私見としては、後手対応の手順としては正解だと私は思うが、勝ち切るためにはそれでは不十分かもしれないということだろう。
私も危険度の勘案で無駄に打点を下げることが多いため、他人事には思えなかった。
それでは、実戦例から見ていこう。
case1

東2局の親番。
下家リーチに対応して、再びテンパイまでこぎつけたところ。
最終盤にスジ切るの選択となった。さて、どちらを切るか?

5m切りとした。
このケースでは5mシャンポンはまずないが、2mのシャンポンはある。
6mの先切りがあるため、5mトイツ固定のシャンポンというのがない。
456の三色などでカン5mに固定するケースもなくはないが、レアケースだ。
2mは意図せずにシャンポンになっていることはあるが、5mは意図してシャンポンになっていることがない。この点が重要。
ただし、このケースでは1mが4枚見えにつき、カン2mがないので、2mと5mの差はカン2mがある場合に比べて微差となっている。

二人テンパイで流局。
下家は意図して作ったカン3mだった。

下家はこの形からの6m切り。
先切りのひっかけにすることはあっても、先切り1ケン隣のシャンポンにすることはほぼない。
牌理上の必然を覚えておきたい。
case2

東3局の西家。
上家がファン牌を2つ仕掛けて河が濃い。
こちらはドラ3のバックでテンパイ。この手は何とかものにしたいところ。
スジ切るのチョイスとなったが、さてどちらを切るか?

5m切りとした。
上家はトップ目につき打点がそれほど必要ない。
4m先切りにつき、5mシャンポンはまずない。さらにこのケースではカン8mがある。
446からカン5mに固定することもまずないため、
先切りの1ケン隣はシャンポンのみならずカンチャンにも当たりにくいということが言えるだろう。
4m切りの後の手出しが多ければ多いほど、この傾向に当てはまりやすいと言える。
ただし、この場合は25mのスジに当たる可能性があるため、その危険度を十分に吟味する必要がある。

実際はこうだった。ホンイツでもないんか〜。
このように、一生懸命考えても徒労に終わることの方が多い。

無事にツモって2000・4000。ニコニコの私。
やっぱり九段はツモがいいね!
case3

南2局、ラス目で後がない親番。
2着目からリーチが入って、大ピンチ。

何を切るか?

ダブルワンチャンスだな、などと思いながらうっかりツモ切ると、これが当たり。
裏1で5200となってしまった。
2sが通っているので、ここは当然のことながら5sを切らなければならなかった。
ボンレスハム、じゃなかった、ケアレスミス。

677から6は切らないが、688から6は切る。
2ケン隣はシャンポンのケアが必要だ。
片スジが通っているシャンポンのケアは実戦で遭遇する頻度は意外に少なく、
うっかり間違えやすいということが言えるので、イメージして慣れておく必要がある。

蛇足だが、この3mはチーして捌く手はあるかもしれない。
2枚目ならスルーの方が得だと私は思うが、3枚目ならチーして123s落としか。
case4

東4局、ラス目の親から早いリーチが入って必死にオリているところ。
さて、何を切る?

1枚通れば、3巡凌げる、これぞ必殺暗刻落とし。

最後の最後に安牌が尽きた。
3mが4枚見えたところ。
さて、何を切る?

先切りの1ケン隣はシャンポンに当たりにくい。これはリーチ宣言牌でも同様だ。
5mトイツ持ちなので、なおさら。
ノーチャンスなら内側の方が当たりにくい傾向がある。これはいずれ記事にしようと思う。

なんと、2mはシャンポンにズバリ刺さっていた。打っていたら河底つきで7700だった。
実は2mは直前まで打牌候補にあったため、冷や冷やものだった。
このように、先切り牌の1ケン隣は、シャンポンかつカンチャンに当たりにくい。(しかも手出しツモ切り無関係)
上級者でも錯覚することが多いので、他人と差がつきやすい部分と言えるだろう。