2018年10月21日

トイツ落としの狙い撃ち

さてさて、久々に戦術らしい戦術を(九段に復帰したので)。

今回は「トイツ落としの狙い撃ち」だ。

トイツ落としは、形を整える・好形作りに必須の手順であるばかりか、
相手の攻撃に対して回るのにも好都合であるため、お目にかかる機会は多い。


ターツ落としは9mが出ても次に8mが出るか7mが出るかはわかりづらく、
そのターツがペンチャンかカンチャンか両面かで変わってくるため確実性は下がるが、
トイツ落としの場合は前後関係で見抜きやすい場合があり、
ターツ落としに比べて狙い撃ちをしやすいという特徴がある。



例えば、中盤の相手リーチに対して3巡目に二筒を切っている人が、一筒を切ってきた。

スライドの可能性もあるが、これなどは顕著にトイツ落としの可能性が高いパターンだ。

また、相手リーチに対して、生牌の字牌を切ってくるケース。

オリ気味の人がこのような打牌を選択してくる時はトイツ落としというケースが多い。


これらはみなさんも実戦でわかることが多いと思うが、
重要なのはそれをどのように上手く利用するか、ということである。

わかっただけではなく、それを自分のアガリに結びつけなくてはならない。


狙い撃ちが可能となりやすいのは、相手の注意が自分より他に向いている時、
つまり、先制攻撃者や仕掛けに注目が集まっている時だ。


自分から進んで放銃しようという人はいないため、
麻雀でアガリが発生するときというのは、攻撃がぶつかり合う以外では、
気配がない他家に対して放銃するということが大半だ。

つまり、トイツ落としを狙う際は虎視眈々と、自分の気配が出ないように工夫する必要がある。


トイツ落としをしている可能性が高いときに、自分がリーチと行ってしまうとどうだろうか?
せっかく出ていたはずのそのアガリ牌を止められてしまうかもしれない。

ダマテンでも危険度の高い牌を長考して切ってしまうと、
注目を浴びて、やはり止められてしまうかもしれない。

危険牌を切るでも、注目を浴びすぎないようにスッと切ることで、トイツ落としを捕らえやすくなる。
打牌速度は意外に重要なので、どうするかを前もって準備しておくことが大事になってくる。



ネット麻雀ではラグによって、2枚持っていることがわかるケースもあり、
トイツ落としの狙い撃ちはリアルよりもしやすいと言えるだろう。


今回は、ラグの有無は無関係で、汎用性のあるトイツ落としの狙い撃ちを集めた。
ラグの狙い撃ちは次回以降に書きたい。


それではどうぞ。



case1
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9巡目に南家が1s切り先制リーチ。

こちらもイーシャンテンとなっている。


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絶好の7sが入ってテンパイ。

現在16000点持ちラス目だが、さてリーチするか?





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ダマとした。

理由は上家の1s切りにある。もう一度よく見てみよう。



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上家の1s切り。

3巡目に2sが切ってあるのに手出し1s。前後関係が明らかにおかしい。

こういうケースでトイツ落としの可能性が高いと読むことができる。


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お、お前が出すんかい!みたいな感じで下家から1sがツモ切られ、3900のアガリ。

件の上家はやはり1sのトイツ落としだった。

リアルではそれを確認する術はないので、ネットで見返せるのは大きい。


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仮にこの1sにラグがかかった場合、さらにその確率は高まる。

上家は2sを2枚切っている上、2sのワンチャンスになっているため、チーラグの可能性が低くなるからだ。

実戦でもこの1sにラグがあり、ダマテンの選択はしやすかった。

この事例は、前後関係がおかしいというトイツ落としに特有の傾向を示しており、
狙い撃ちに最適なパターンとなっている。


この半荘は3着で凌いだ。



case2
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東4局、ドラの8mをポンして西バックの仕掛け。


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4cmになるまで食い散らかした結果、アガれない方をツモってしまった。

タンヤオの保険があるので、こうなれば西のトイツ落としでタンヤオへ。


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山に居そうな2pで待っていたが、立て続けに切られた8sを持ってきた。

8sにラグはなかったが、さてどうしよう?





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これは難しかったが、東家か南家がトイツ落としである可能性に賭けてみた。

引き気味の他家が2pを切ってくることはまずないが、8sは今なら拾えるかもしれない。


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ビンゴ!上家から8sが続けて切られて7700となった。

もちろん、2pでツモアガリを逃す可能性もあるため一概には言えないが、
思い切った読みに賭けてみることでこのようなアガリを得られることもある。



case3
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オーラス、21200点持ちラス目の南家。

全員が3万点未満で、4巡目の早い親リーチが入っている

こちらも大チャンス手からテンパイが入るも、345崩れの2sツモ。

さて、どうしよう?





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6m切ってのダマとした。

ここは様々な戦略が考えられるところで、いずれかのノベタンリーチならツモってトップ捲りまである。

ここで注目したのは対面の河だ。

1mが切ってあって、5mを勝負しているにもかかわらず、2mが手出しで出てきた。

前後関係から言えば、この2mはトイツ落としの可能性がある。

そして、ここで読み解くべきは他家の心理だ。

トップ目の親リーチに対して2着目3着目は絶対に放銃できないため、親リーチのケアが絶対の状況であるということ。

ラス目の私は押しが必然の状況であるため、強い6m切りがテンパイかどうかの判別はしにくい。

こういう状況では多少危ないと思っていても現物は出てきやすい。


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対面からズバリ2mが出てきて、2600。

西入だが、リーチ棒込みで現状の2着浮上に成功した。

一撃で決めたいと思うのが人の性だが、天鳳ではこのようなアガリが非常に大事だと私は考えている。

決して勝負を焦らずに、目の前の確実なアガリを取っていくこと。

これによってトップを逃すことも多くなるが、それ以上にラスの回数が減る。

歯を食いしばって、読みで踏み込んだダマだ。

この後も予断を許さなかったが、西4局まで縺れた結果、最終的にはトップで終わることができた。



case4
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東3局、17000持ちラス目で迎えた南家。

2者が仕掛けているところ、3着目西家からリーチが入った。

こちらもチートイツのテンパイとなったが、さてどうしよう?





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かなり危険な7sだが、これを押してみた。

上家の親は、一発目は無スジの1mを押しているものの、前巡は中スジの6s切り。

リーチに回ってのトイツ落としの可能性もあると考えた。

ただ、私の7sはかなり強いので、それに対応される可能性もある。


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結果は親が2フーロした直後に、6mをリーチに放銃。1300。


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親の6sはただまっすぐに押しているだけだった。

確かに、オリるつもりであれば一発目の1mは強い。

6sはトイツ持ちだったため、危険牌で回るならもう1枚出てくる可能性もあったものの、
さらに仕掛けて押しているということはゼンツの可能性が高いか。

チートイツは役の性質上、このようにトイツ落としの狙い撃ちをする機会も多い。

鳳凰卓では、脇の強い打牌に対してもかなり的確に対応されてしまうため、
こういう7sは押し損になりやすい。


受けの効かない仕掛けがいるなど、状況を加味して狙い撃ちをする必要がある。



case5
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東4局、トップ目の北家。

テンパイから3sが暗刻になったが、どうするか?





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7s切って、9s単騎待ちとした。

ポイントは対面の9s手出しだ。

先にも出てきた、8sを先に切ってる9s手出しのパターン。

これはトイツ落としの可能性が十分にあるが、こちらも7s手出しだけにそれがどう出るか。


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対面から9sが出て来ない上に、対面も仕掛けて親に1500の放銃。

対面の9sは1枚からの切り出しだった。


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コーツ手トイツ手両天秤から1sが暗刻になっての9s切り。

9sはチートイツの待ち候補だった。

このように、読みが外れることもある。

トイツ手をやっている人からは先手のトイツ落としはないため、場況や手役を加味する必要がある。



case6
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オーラス、トップ目の西家。

現状タンヤオのテンパイだが、ラス目の親からリーチが入っている。

5mをツモって、さてどうしよう?





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ワンチャンスの3mを勝負した。

ワンチャンスとは言え、36mはかなり危険で、天鳳的には押しすぎかもしれない。

親の切った7mにラグがあり、7mにトイツ落としの可能性があると読んだ。

7mがチーラグなら、8mが4枚見えにつき、5mがノーチャンスということにもなる。


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狙い通りに上家から出て2000でラスト。

上家はなんと、暗刻落としだった。

天鳳の場合、3着目は上を見ないので、こういう場面では積極的にサシコミを期待できる。

点棒状況を加味して、使用したいところだ。



case7
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南2局、3着目の南家。

ラス目の親リーチに対し、こちらも仕掛け返してハネ満のテンパイ。

北をツモってきたが、さてどうしよう?





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ツモ切りとした。

下家がトイツ落としかもしれないと思いながらも、もし違った場合には残り巡目から不利な勝負を強いられると判断した。

親リーチと叩き合うためには枚数の保険も必要だ。69mのスジも通ってないし。


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か〜〜〜、やっちまった、北はトイツ落としだった。

下家は現物の4mを合わせ打ち、その直後の北だけに、引き気味のトイツ落としということは十分に考えられた。


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踏み込めず、アガリを逃した結果がこれだ。

親がツモって1300オール。

ちなみにこの時対面の切った北には(確か)ラグがなかった。

ラグがあれば狙い撃ちの余地が増えると言えるだろう。



case8
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南2局、6500点持ちダンラス目の南家。

2着目の親にリーチが入っており、回し打っていると赤5m引きでこちらもテンパイした。

さて、どうしよう?





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4p切りダマとした。

ここでの即リーチもあるが、終盤だけに他家はベタオリに回るだろう。

生牌の中は山に残っているかは微妙で、枚数の多い追っかけを敢行したいという意図。

親への放銃リスクも考え、対応できるダマが柔軟だと考えた。


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多くは語らないが、1巡で状況は変化した。

さて、どうするか?





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下家の唐突な中切りを見て、ツモ切りリーチを敢行した。

この巡目に親に通っていない中切り。

これはトイツ以上からの切り出しの可能性がかなり高い。

ここでは下手に空切りするよりも手牌変わってないツモ切りアピールの方がおそらくいい。


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ご覧のように下家の中はトイツ落としだった。

この瞬間に9sが通ったため、下家はこの巡目を9s切りで凌ぐ。


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下家の手にはさらに中が舞い込むも、現物を切って流局に逃げ込む。

結果は2人テンパイで流局。

ギリギリのところで下家に放銃を回避されてしまった。


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ちなみに、4p切り即リーチなら、下家は生牌の中よりも先に7pを切るのではないだろうか。

結果的には即リーチの方がアガれる可能性は高かったかもしれない。

しかし、この執念のツモ切りリーチが下家のメンタルを削り、親番で大爆発した私がトップ捲りを為した。



case9
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南3局、3着目の南家。

タンヤオ赤赤のテンパイが入り、ダマテンに。

このカン6pは場況的に良さそうだ。


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4sが暗刻になったが、さてどうしよう?





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5p切りの7p単騎とした。

というのも、上家の親の十段の打牌にやや間があったからだ。

ラス目の対面が明らかにマンズの仕掛けで、そろそろ対応を始めても不思議ではない巡目。

上家の7pは前後関係的に手出しはやや不自然で、トイツ落としの可能性があると考えた。


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対面の北に、親も合わせ打ち。

やはり対応が入っていたことがわかる。


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そして出てきた7p。トイツ落としを捕らえての5200となった。


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上家はやはり対面に対応していた。

そして、対面の手はまさかの2000イーシャンテン(笑)

これはおそらく、対面も親の仕掛けに対応してドラが切れなくなったということだろう。


基本天鳳では上を見るよりラス回避の戦略に傾くことが多いため、
回し打ちやオリ気配を狙い撃つということも可能となる。




case10
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南2局、3着目の南家。

親リーチに対応して東のトイツ落としをしていると、下家から追っかけが入る。

さて、何を切る?





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ここは冷静に2件の安全牌を切りたい。

東が当たることはまずないが、ベタオリなら丁寧に通る方から選ぶ。


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直後に下家が親の当たり牌を掴んで、3900の放銃。

下家の待ちは何とトイツ落とし最中の東だった。

うっかり打っているとラス目にハネ満を献上するところだった。


下家が仮にダマだったならば、私の東は確実に出ていただろう。

トイツ落としがわかっていても、リーチだと止められてしまうことがあるため、
上級者を確実に仕留めるためには、やはりダマが優っている。


この場合は、トイツ落としかどうか1巡様子を見て出なかったらリーチという戦略もある。


この半荘、私は2着だったが、ラス目に満貫放銃なら立ち直れずにラスだった可能性が高い。

一発で東を切っても大差ないことがほとんどだが、ベタオリの手順がいかに重要かを教えてくれた一局となった。



ラベル:天鳳 戦術 対子
posted by はぐりん@ at 23:54 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月14日

好調時は愚形リーチをツモアガれる

さて、今回は愚形リーチ特集。

以下の実戦例はすべて、直近八段から九段に上がった際のものだ。


不調時とは何が違ったのかを考察するに、
愚形リーチのツモアガリ率が顕著に高かった。

待ちの枚数が少ないということは、
追っかけリーチなどのめくり合いに弱く、
本来リーチ時放銃率は高くなりがちだが、
直近はその頻度も少なかった。


愚形リーチはそれを打つ的確なタイミングなどセンスが問われる部分もあるが、
赤あり麻雀ではリーチのみ愚形を打つ機会はそう多くはなく、
ある程度打点があるからこそ踏み切るものであると言える。


そういう意味では、ある程度手が入っていたとも言える。


麻雀で言うところの本流とは、リーチをかけてツモアガることにある。

なんとかタイムというのは最終的に好形リーチのツモアガりを連発することだし、
むこうぶちの傀だって御無礼の終着点はリーチツモのはずだ。

愚形リーチでそれを為すというのは、
非科学的に言えば、いい状態、仕上がっている状態であり、
科学的に言えば、いい偶然が偏っている状況と言え、
いずれにせよ結果にはポジティブとなっている。


好形リーチが致命的な放銃に結びついていた不調のどん底に比して、
愚形リーチがツモアガれる天国モードは麻雀といえどまるで別ゲームであり、
なぜあれだけラスを連発していたのか理解に苦しむ現在の自分がいる。

愚形リーチを連発しても、通常そんなにひどいことにはならない、
しかし、不調というのは突如牙を剥いて襲ってくる、そういうものだと認識している。

現在は平穏無事な九段生活を送っている。


それでは、実戦例から、
愚形リーチをかけるタイミングはいつか、
どんな愚形リーチが決まりやすいのか、
を見ていきたいと思う。



case1
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南3局、僅差2着目の南家。

受け入れの狭いイーシャンテンからドラが暗刻になり、即リーチ。

手の発展性が少ないだけに、テンパイ速度は重要で、なおかつ打点が伴っているのでリーチを打ちやすい。


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反撃もなく、これをツモって2000・4000。

オーラスが親番だけにここでの満貫ツモはあまりに大きい。

下家が現物待ちのタンヤオテンパイで、かわされる可能性も十分にあった。

これをアガれていないとオーラスはまた僅差のラス争いに骨を折るところだった。



case2
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南2局、28700点持ち2着目の南家。

トップ目の親とは7200点差。

タンヤオテンパイとなる4mをツモったところ。

リーチもあるし、ダマもある。テンパイ取らずから好形組み直しもあるが、さてどうしよう?





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即リーチとした。

入り目が1mなら、マンズの好形を生かして2s切りも考えるところだが、
タンヤオなら出て5200、ツモって満貫なので打点的にリーチに踏み切りやすい。

下との点差もそこそこあって、一発打ってもまだ大丈夫だ。


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しかし、トップ目の親から追っかけリーチが入る。

待ちがいいか、高いか、もしくはその両方。

こうなると観念するしかない。


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ところが、苦しむことなくあっさりツモ。2000・3900。

親は好形の7700で、こちらに分の悪い勝負だった。


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山にいる枚数は3s2枚に対し、47sは5枚。

不調時に有利なめくり合いを負けた逆の巡り合わせがあった。

これだけあっけなくツモってくれると助かる。



case3
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南1局、24000点持ち2着目の北家。

終盤にさしかかる11巡目、テンパイが入る。

が、待ちはドラ表示牌のカン6s。さて、どうしよう?





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こういうのは悪い待ちとわかっていてもリーチに踏み切るしかない。

後手ならば場合によってはダマからのオリも考えるが、
先制ならばダメ元のリーチでいいような気がする。

赤がなければリーチに踏み切るかは微妙なところ。


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いとも簡単にツモって、2000・3900。

難しい待ちを早期決着、助かります。


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なんとドラ表示牌にして6sは山に全部いた。

先入観で悪い待ちと決めてしまいがちだが、時にこういうこともある。

そして注目すべきは上家の待ちの南が紙一重の位置にいるということだ。

テンパイのめくり合いは枚数関係なくいつの時代も紙一重で、毎度唸らされる。



case4
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東4局の北家。

テンパイだが、どうするか?





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こういうのは問答無用でリーチでいいだろう。

好形変化枚数が少なく、打点も十分。


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これを終盤にツモ。

苦しんでオリたり回ったりしていた他家が一番痺れるパターン。

こちらはリーチのボタンを押して傍観しているだけなのだから。

下家の3pはかなり出そうだったが、ギリギリ踏みとどまったようだ。


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裏も乗ってハネ満に。

か〜、毎度これなら楽なのに。



case5
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開局の北家。

テンパイだが、どうするか?





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これは、2600だが、場況でかけるリーチ。

第一打9m切りが二人いるので、7mは山にいそう。


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これをツモって裏はなしの1000・2000。

基本天鳳では先制リーチが有利で、この場合はドラの中が鳴かれていないのでリーチをかけやすい。


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第一打9m切りの2者は7mを持ってない、かつ6mを持っている。

第一打数牌切りのスジは持たれている可能性が高く、その隣牌は持たれていないことが多い。

単純な牌理だが、これを様々な戦術に応用することができる(詳細は後日)。



case6
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南2局、24400点持ち2着目の北家。

テンパイだが、どうするか?





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これも場況でかけるリーチ。

マンズの上が見えているので、7mは山にいそう。

特に対面は6mが2巡目なので、7mは持っていないと推測できる。


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上家のドラポンが入るも、無事にツモって裏1の2000・3900。

愚形の2600リーチは裏1の価値が非常に高い。

バラバラドラ1とタンピン三色の価値が一緒、どちらが得した気分になるだろうか?


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上家はホンイツドラ4のハネ満、対面は3900の47mテンパイだった。

近くには47mが固まっていて、通常はどう考えても対面のアガリが濃厚という牌山。

不調時にさんざんやってきた巡り合わせ、それを対面が享受している。私は好調者の側だ。

例に漏れず、私はトップで対面はラスで終わった。



case7
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南2局、私の親番で、ダンラス目がリーチツモ。


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これがなんと裏3で倍満の親っかぶり。

一撃で私はラスまで叩き落とされる。


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迎えた次局。

赤赤テンパイだが、ドラが4pで変化もある。

さて、どうしよう?





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即リーチとした。

気持ちは焦っているが、決して焦ったリーチというわけではない。

対面の河が濃いので、リーチでプレッシャーを与えつつ、8mに期待しようという作戦だ。

入り目が赤を使い切れる4mなので、打点的に十分というのもある。


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難しい待ちだが、これをツモって2000・3900。

この苦しい時にツモってくれるからこそ好調なのだ。

前局の親っかぶりも何のその、捩じり返して最終的にはトップだった。



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東2局、微差のラス目の南家。

テンパイだが、ドラのペン7m待ち。

タンヤオの変化もあるが、さてどうしよう?





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即リーチとした。

赤が1枚でもあるならリーチも行きやすいが、追っかけが入ると負け濃厚の、ギャンブル的リーチ。

変化を待っても打点妙味に欠けるため、即リーチが有利と判断した。


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ビクビクしながら待つも、終盤にツモ。

この待ちだと中盤の1巡1巡が怖い。相手リーチの一声で、圧倒的窮地に立たされるからだ。


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ドラをツモって裏1で約満貫。

麻雀をしていて一番イラッとする瞬間はこれをやられた側ではないだろうか。


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リーチ時ドラは3枚持たれていて、山には残り1枚しかなかった。

通常一人ぐらいは反撃してくるものだが、他家の手がまとまらなかったのも幸いした。

こういうわずかなチャンスをものにできる時というのが、勝ち運に乗っている時だ。

やや苦しい愚形リーチでも先制なら積極的に踏み込むことは決して悪くない。

それが活路を開く、ということも多いだろう。



ラベル:愚形 好調 天鳳
posted by はぐりん@ at 23:09 | Comment(0) | 好調 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月07日

九段昇段 ここが私のスタートライン

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九段昇段した。


七段原点を割り込み、泡を吹いていたのはほんの1か月前のことだ。

9月は失速することなく好調を最後までキープできた。

絶望に打ちひしがれながらも何とか立ち直ることができたのは、このブログで反省し、取り組み方を見直したことも効果があったのでないかと思っている。

メンタルを回復させながら打つ、調子が悪いと思ったら控えめにする。

自分の実力を発揮できる環境を作る、ということは大事なんだと今さらながら痛感した。

奇しくも、過剰気味に打つことで、自分の調子の出ないタイミングがどんな時かを認識できたというわけである。




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九段復帰は実に半年以上ぶりのことだ。


実は前回九段から八段に落ちた際、2週間ぐらいで九段に戻るチャンスがあったのだが、
ブログ更新に間に合わせようなどという不純な動機により、連戦を焦ってそのチャンスを不意にした。

その後もあと1トップで九段昇段など、3000ptには何度か到達するものの、
そのたびに早く昇段したいという思いが強すぎてリズムを崩していった。

以前にも書いたが、七段に落ちた時は九段昇段タッチ寸前からジェットコースターのように真っ逆さまに落ちていった、そんなこともあった。


みなさんも昇段寸前に似たような経験をしたことがあるのではないだろうか。

目の前に人参がぶら下がっているとどうしても欲が出てしまう。

昇段したいと思うのは欲であり、そのために何をするかは自分の意志である。

無心で臨むほどの境地に達するのは難しいので、
最善を尽くすためのメンタルコントロールを自身で行う、その意志が重要だと思う。


今回は、好調の9月中に昇段するという我欲を捨て、余裕を持って取り組んだ。
プロフィールの試合数が少なくなっているのはそのためである。


ともかく、久々の九段に返り咲き、ほっとしている。

ここからが天鳳の本当の戦いであり、やっとスタート地点に立ったのだとそういう認識でいる。

段位に恥じないよう、自分らしい麻雀が打てればいいと思っている。



さて、今回のテーマは、「八段史上最大に押しまくった半荘」だ。

見る人が見たら、酔っぱらいが打っていると思うかもしれない。

酔っ払いではなく、風呂上がりに打った半荘だ。

そういえば、私は風呂上がりに打つと、脳が疲れてしまうせいか麻雀はあまり成績が良くない。

ともかく、ミスも含めてこれだけ押しまくる半荘も珍しい。

ではどうぞ。



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ブログが有名なメカゼットンさんと。

今は配信対局などにも参加されていて、近代麻雀のDVDにも出てたっけ。

ゼットンさんとの相性は比較的良くて、勝ち越していると思われる。



東1局1本場
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親リーチが入っている終盤。

さて、何を切る?





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MAXの6p切りとした。

残り巡目が少なく、テンパイに取るには無スジの7sをもう1スジ勝負しなくてはならない。

ドラが見えているのである程度押しやすいとはいえ、どちらかというと分の悪い選択。

安全牌がやや少ないのと、4mが現物ということで勝負した。


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結局、親と対面の二人テンパイで流局。

親はカン3mのリーチのみだった。

対面の突然のリーチに面食らって最後7m切っているが、これは9s切りが正解だ。



東1局2本場
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赤3ドラドラの大チャンス手。

上家から出た6m、鳴く?





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チーした。

456の三色になる方なので比較的仕掛けやすい6m。

私にしてはワンテンポ早い仕掛けという印象で、リードしている局面ではスルーするかもしれない。


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しかし、ほどなく上家からリーチが入り…


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一発で掴んで裏は乗らずも8000の放銃。

こちらがドラをいっぱい持っているのに高い。

仕掛けが軽率だったと思わせるような、ラスになりがちなパターン。


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36mは他に5枚持たれていて、都合6枚目。

枚数から見れば仕掛け始めは間違いではなかったと言える。

が、因果が良くないので総合的には良くない仕掛けと私は判断する。



東2局
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親リーチが入って一発目。

あちゃ〜チートイテンパイとなる5pを裏目った。しかもかなりの危険牌。

ここでは一旦、発切りとした。


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次巡、8mを持ってきて、どうするか?





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ツモ切りとした。

結構な危険牌なのはともかく、5p裏目ってるのに勝負に行くのは通常自殺行為だ。

冷静なら北切りぐらいだが、巡目的にはもう少しがんばりたいという気持ちも確かにあって難しい。


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ドラが暗刻になり、ここで1mを勝負している。

5mよりはやや危険度の高い1mだが、赤重なりもケアしたか。

5pはメンツ手の含みで残している。


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2つポンできて、テンパイ。

あの手がテンパイまでいったど〜!


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7sをツモってどうするか?





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これは結構な確率で放銃すると思ったが、押した。

現状は満貫テンパイなので、危険牌押しは大抵見合う。

これに比べればチートイイーシャンテン時の押しの方が損としては大きいはずだ。


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この7mも押し。

現状通っていないスジが4スジぐらいしかないので、放銃確率はかなり高い。

ゼンツを決めてノータイムというわけではなく、いったん止まって考えて、嫌だなあと思いながら切っている。


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そして、待望のアガリ牌を親から討ち取り、8000。

なんと親はメンツ手なのにドラ単騎というこれまたレアな待ちだった。

ゼンツなら絶対に放銃することはないが、逆にオリると打ってしまうかもしれないという。

最後に3sとか持ってきてドラで放銃みたいなオチもありかもしれない。

これにて対面と立場逆転の3着浮上。



東3局
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ラス目対面のリーチ一発目。どうするか?





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安心してください、オリませんよ!

ラス目リーチ一発目でもこれぐらいの打点と形なら割に合うかも。

天鳳だとこれでも微妙な勝負かもしれないが。


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どうするか?





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これも敢然と押し。

しかしよくもまあ次々と危険そうなところを持ってくるもんだ。

これに下家のチーの声がかかる。


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トップ目下家の300・500で決着。

押しが奏功したパターン。

アガられてホッとしている自分がいた。もう押さなくていいんだ!ってね。



東4局
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現状3着目の親番。

チートイイーシャンテンから、安全度を考慮してここで1s切り。


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次巡、生牌の中を持ってきた。

誰からもリーチはかかっていないが、さてどうしよう?





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僕はテンパイまで粘るのだ!と割合マシな7sを切るもアウト。これがやたら高くて12000。

テンパイ臭は対面というよりも上家だったので、やや意外な放銃。

とはいえ、この終盤でテンパイでもないのにこの無スジを押すのはどちらかというとヌルいだろう。


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牌山を開けてみると、確かにテンパイに取れる順はあった。

最後に中勝負からの7m単騎、みたいな。

放銃がなければテンパイになるので、放銃がなければ、正しい。

放銃しているので間違いだが。

こういうギリギリのテンパイ読みこそ鳳凰卓では巧拙が問われる。



南1局
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親が3フーロで、明らかな染め。

チンイツの可能性が高い仕掛けだ。


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こちらもドラドラのテンパイだが、切り出す5sがかなり危険。

さて、どうしよう?





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知らん!と押した。ラグがかかるもセーフ。

ロンと言われれば、即座に飛び終了する点数。

ドラドラ異色のテンパイなら、ギリで勝負する価値はあると判断した。


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そして直後に5200を討ち取り。

5sにラグがかかったら通常は死んだと思うだろう。


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冷静に見えるテンパイ取らずとするとどうなるか?

ほどなくして親が6s単騎をツモって4000オールとなる可能性が高い。

結局回し打ちというのは延命策に過ぎず、相手のツモ筋にアガリ牌がいればそれまでなのである。

麻雀は一牌の後先を競うゲームなので、大抵の場合は危険牌を切って捲り合った方がいい。これは私の長年の研究でわかっている基本事項の一つだ。



南3局
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南3局、15800点持ちラス目の南家。

ここでの目標は、満貫ツモぐらい。

配牌はどちらかというと良い。満貫ぐらい狙えそう。


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トップ目ゼットンさんの仕掛けにより、ツモが噛み合い始めた。

これはいけそうな気がする〜。


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手なりでタンピン三色のテンパイが入って即リーチ。


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高目を難なくツモって、3000・6000。

今まで押してきたことのご褒美と言わんばかりに、逆転手が炸裂した。

好調時は放銃でどれだけ点棒を失っても、それを取り返すだけの手が入る。

不調時は一回満貫を打ってしまうとそれで終わってしまう。


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下家は、この赤5mを押すことができれば、次巡南をツモって満貫だった。

トップ目の立場からは当然押さないわけだが、この意地悪な巡り合わせも私に有利に働いた。



南4局
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オーラス28100点持ち2着目の親番。

あとはこの配牌を2000点に仕上げるだけ。


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絶好のペン3mが埋まって即リーチに踏み切る。


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これがアガれず、流局となったが、何と一人テンパイで逆転トップ終了となった。

点棒状況的にはトップ目下家以外の2人テンパイ以上で西入となり、ラス目上家は必死になればテンパイを取れたはずだが、
3フーロ対面がテンパイ濃厚と読んで無理をしなかった可能性が高い。

このへんの展開も私に味方した。


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トップ目下家の手は、圧倒的に粘れそうな感じもするが…


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ここから親満を打つとラス転落なので、下家は行けないのだ。

トップ→ラスだけは天鳳でなくても避けなければならないので、抜くのはやむを得ないと言える。

こういう場面で愚形リーチを効果的に使いたいものだ。


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こうして長い半荘は幕を閉じた。

全部押し切った末の勝利の味は格別だ。

つまり、ヌルい放銃をしても、ツイてれば勝てるよ、ということ。


今なら言える。「お寿司ぐらいは上がいい」…じゃなかった、あれなんだっけ?

押しすぎくらいがちょうどいい←メカゼットンのブログ



ラベル:天鳳 好調 昇段
posted by はぐりん@ at 18:20 | Comment(6) | 昇段 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする