2019年03月24日

俺の三倍満

タイトルの通り、三倍満特集だ。

よく、「三倍満は役満より難しい」と言われるが、実際のところはどうなのだろうか?

私自身の和了集計を参照してみると…



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役満が14例に対し、三倍満はなんと3例しかアガっていなかった(鳳凰卓5343試合)。

試合数に換算すると、役満は382試合に1回、三倍満は1781試合に1回ということで、噂通り三倍満の方が遥かに難しいということがわかった。


考えてみると、大三元みたいに9枚でできるような部分的な役が三倍満にはない。

役満に大三元があるかどうかだけで、三倍満との出現頻度に大きな差が生まれるのははある意味当然と言えるだろう。


天鳳は赤があるので、タンピン形でも一発や裏ドラ次第で三倍満は現実的に狙いうるが、
鳳凰卓では相手の守備力が高いため、ダマっパネ、ダマ倍の手をわざわざリーチするという選択になることは少ない。

完全順位戦の天鳳では必然的に三倍満の出現率は下がることが想定できる。


逆に、一発や赤にご祝儀があるリアルでは高打点でも相手を抑え込んでツモアガリを狙うという戦略があるため、ネット麻雀より三倍満の出現頻度は上がるもの思われる。

事実、去年私はリアルで三倍満をツモアガった。

リアルでは、赤が2枚ぐらい噛んでいると積極的にリーチに踏み切りやすく、この時も例に漏れない。

三倍満というと一昔前はメンチンやドラ絡みコーツ系ぐらいでしかお目にかかれない印象だったが、
赤の台頭によってタンピン形でも現実的になっているというのは、時代の流れを色濃く反映していると言えるだろう。


出現頻度が0.02%という数値からもわかるように、三倍満は裏ドラ次第で何とかなるというものではないので、
いかにラス回避が上手い私でも、オーラスの三倍満ツモ条件はほぼ不可能なレベルであることがわかる。

逆に言うと、オーラス時点で子相手に対し、20100点以上の差があれば、放銃しない限り捲られることはない、と言える。

倍満が約1%の出現率であるため、倍満と三倍満の壁はあまりに大きい、というのは感覚的に理解できるのではないだろうか。


ちなみに、アイスドール和泉由希子プロは、テレビ対局で頻繁に三倍満をアガるため、一時期「トリプルクイーン」と呼ばれていたことがあった。

トリプルクイーンがキャッチフレーズだと、三倍満をアガらなきゃいけないプレッシャーで麻雀がボロボロになってしまいそうだと思うのは私だけだろうか。

思うに、最近のプロは勝ちに拘る打ち手が多すぎて、破天荒に三倍満や役満を狙うキャラがいないなあ、と。

両立しえないのは百も承知だが、見る者を圧倒する「個性」というのも今後のプロに求められるものではないだろうか。


雑談はこれぐらいにして、私はどのような三倍満をアガったのか、ご覧いただきたい。



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南3局3本場、27400点持ち微差2着目の南家。

下家が天鳳位のウルトラ立直さんだ。

トップ目の対面が先制リーチ、その宣言牌を親が仕掛けたところ。


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直後に持ってきたのはテンパイとなる2p。

役なしテンパイだが、さて、どうしよう?





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東切りで回った。

東1局なら追っかけでも問題ないところだが、さすがに南3局の僅差。

この状況でトップ目がリーチをかけてくるというのは十中八九好形テンパイで、ドラが見えていないことから高打点も十分に考えられる。

この局面で満貫を放銃してしまうと一気にラス落ちとなってしまうため、リーチのリターンよりリスクの方が遥かに大きい状況と言える。


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4sがカンツとなり、カンを保留していると、次巡持ってきたのは絶好の7p。

これなら…


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カンからの追っかけだ。

危険牌をすべて使い切った上、この三面張なら十分な勝算がある。

カンドラにペロリとめくれたのは皆がギョッとする3sで、俄然ボルテージは高まる。


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御無礼!一発ツモです。


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無礼に裏が4枚乗って、なんだかわからんが6000・12000。

これだけ偶然役のみで構成された三倍満というのも逆に珍しいのではないだろうか。


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王牌にはあらかじめ3sをたくさん仕込んでおいたのさ、ニヤリ。

対面は中堅手だったが、愚形で曲げてきたというのがやや意外だった。


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たまったもんじゃないのは親っ被りでラス争いに巻き込まれた上家。

そして突然訪れた天鳳位のロンの声。

この喧騒にもまったく動じず、冷静に2着捲りを成し遂げるあたり、天鳳位の格を感じることができた。



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東4局1本場、29700点持ち2着目の親番。

むむっ。配牌からソーズに寄っている。これは高打点も狙えそうだ。

さて、第一打は何を切る?





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私の好みは1p切りだ。

ホンイツをはっきり視野に入れながら、好形ターツや赤を逃さない手組み。


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さらにソーズが伸びてイーシャンテンに。

ここから何を切る?





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ここで6m切りとした。

ここまでソーズが伸びている以上、6mにくっつけてリーチと行く手ではないと判断した。

これが出アガリの効くピンフなら、6mを残して字牌を切るのがいいと思う。


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順調にソーズを引き込む。

こうなってくると何を鳴くかが悩ましい。

47s、58sはチーだが、236sはスルーか。


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あっさりドラを引き込んでテンパイ。悩むまでもなかった。

47sでイーペーコー確定形だが、これは結構高いんじゃ?

この巡目ならすんなり出る可能性があるぞ、とドキドキしていると…


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上家からあっさり出た。


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無情なEND。

日常が非日常になる瞬間ではないだろうか。


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対面は私の河から何かを嗅ぎとったか、7sを止めて打3m。

紙一重の回避に成功していた。こういう第六感みたいなのが麻雀においては意外と大事だったりするものだ。

やるな、こうへい!



case3
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東1局1本場の北家。前局は親の一人テンパイで流局している。

決していいとは言えないまとめるのが難しそうな配牌。

第一打は南から。


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6mが暗刻になり、これで俄然やる気が出てきた。


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さらに4mも暗刻になってテンパイ。

さて何を切ってリーチする?





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8p切ってリーチとした。

9pが3枚切れということもあって、この三暗刻には受けやすいだろう。


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南家が果敢に追っかけてきたが、こちらも果敢に暗カンだ!


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リンシャン牌から掘り当てたのは高目という名のお宝だった。


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じゅげむじゅげむごこうのすりきれ、で6000・12000になります。

うっかり6mをツモ切ると一発放銃につき、危ないところだった。


鳳凰卓でのアガリは以上の3例だが、少し物足りないのでおまけを用意した。



caseおまけ
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南3局、12000点持ち3着目の親番。

チートイツのイーシャンテンだが、2着目の下家からリーチが入っている。

うっかり満貫でも打とうものなら、ラス転落してオーラスに突入という繊細な状況。

受けゴマがなく、オリ切るのも難しい牌姿だが、とりあえず安全度の高そうな2mを選ぶと…


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2mに上家のポンが入って、絶妙すぎる5mツモでのテンパイ。

さて、どうしよう?





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勢いリーチと行きたくなったが、慎重にダマに構えた。

8mの危険度はかなり高いが、こうなった以上はテンパイに取る。

アガリ目の薄いドラ単騎で待ちを変える可能性もそれほど高くないが、放銃するにしてもリーチ棒1本がラスに影響する点差だと考えた

放銃が満貫に満たない場合でも、1000点出すことは対面の逆転条件を楽にするので、案外馬鹿にならないものだ。


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海底にひょっこりドラがいて、1本余りの8000オール。対面の飛び終了となった。

アガれただけでも十分すぎるが、8000オールでは上家をわずかに捲れず、2着捲りまでだった。


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勢いでリーチしていると、裏裏が追加され、三倍満でトップ捲りだった。

仮に海底ツモを狙ってここでリーチなら数え役満まであった。

ラス目との点差を見てリーチ棒を温存するのは天鳳的には常識的な判断だが、「上家の仕掛けで入ったテンパイ即リーチ」のシステムに従っても良好な結果が待っていた。

何より、伝説の「チートイツで数え役満」のチャンスが眠っていただけに、やや惜しい実戦譜だったかもしれない。



ラベル:天鳳 三倍
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月17日

昇段に必要なもの…それは裏ドラ

今回八段から九段に駆け上がった大きな要因として、裏ドラが乗りまくった、というのがある。


不確定要素の大きい裏ドラは、その乗り方次第で短期的には成績を大きく左右する要因となりうる。

・2600に裏が1枚乗って5200になる

・3900に裏が1枚乗って7700になる


私の感覚ではこの2つが特に順位に与える影響が大きいと感じている。

2600では蚊に刺された程度だが、5200ではそうとも言えない。

赤入り麻雀では手役が絡まなくても赤1でリーチと行くだけで、十分な得点効果が見込める。

天鳳の場合は裏ドラ1枚の差でラスに泣くということが少なくない。


そもそも、不調時にはリーチをかけてもまったくアガれないのに、アガりを得られているばかりか裏ドラが乗っているわけだから、この影響は大差と言えるだろう。

苦しい手牌を育てて針の穴を通すようなアガリをした際に自身の裏ドラは乗りやすく、
逆に自分が精神的に追い込まれて戦う気持ちが萎えている時に相手の裏ドラは乗りやすい、
というのはオカルト的だが私の経験則だ。

いいアガリには裏ドラが自然についてくる、という感じだろうか。


とはいえ、過度に裏ドラに期待しすぎて安易にリーチを打つのは、奈落への扉を開けるようなものだ。

好調だからといって決して麻雀を舐めないということは私自身肝に銘じておきたい。


さて、今回の私はどのように裏ドラが乗ったのだろうか。

裏ドラに関しては天鳳よりもリアルで乗ってくれた方がありがたい。

余分な裏ドラは取っておいて次回に使用できる、「裏ドラ貯留システム」なんてどうだろうか?

それではどうぞ。



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東4局、14000点持ちラス目の西家。

両面が先に埋まって、感触のいい先制リーチ。

このへんで少し挽回したいところだ。


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一発とは行かなかったが、二発目に白が出てきた。


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これが裏3で8000。

裏1の5200でも十分なところなのに、これで一撃2着捲り。

この半荘はその勢いのまま最終的にはトップ捲りまでいった。


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下家の一発目、安牌がなく、白と発の2択となっているところからの発切り。

これはつまり、裏ドラの乗りやすさ考慮の発切りだ。

これについては私の過去記事「超・最新戦術 『三元牌の切り順』」で詳しく解説している。


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下家は裏ドラの乗りやすさを根拠に発を選択し、あと1巡だけ耐えることができれば、おそらくオリきれていただろう。

それだけでなく、一発がつけば8000が12000になっていただけに、この差は大きい。

この半荘、下家はラスに沈んだが、最終的にはかなりの僅差でのラスだった。

こういう微差が長い目で見れば生きてくる、というのは特にラス回避の重要な天鳳では言えるのではないだろうか。



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東3局、14200点持ちラス目の親番。

白1枚目スルーからメンゼンで進めていたところ、対面から2枚目の北が出た。

これをポンしないと間に合わないような気もするが、さてこれを鳴く?





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スルーした(ラグあり)。

白からならポンだが、安手愚形のバック仕掛けはかなりの隙を生むことになる。

ラス目なので焦りたくなるところだが、自分が悪くなる仕掛けはできるだけ避ける、というのが私のポリシーだ。

例え親が流れても問題ない、という気持ちの余裕が大事。


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そうこうしているうちに、3着目の仕掛けで急所のドラが飛び込み、あっという間にテンパイ。

片割れの北は2枚切れだが、さてどうしよう?





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即リーチとした。

ソーズの形がいいので、白落としのピンフを本線に考えるところだが、
ポイントは、対面の仕掛けによってカンチャンのドラが入ったテンパイ、というところ。

組み直す間に対面に自由に打たせない、ということも含めて流れでかけたリーチだ。


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残り1枚の白をあっさりツモり…


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その白が裏ドラで、6000オール!

自分でもびっくりするほどうまく決まった。

前巡に5sツモで好形テンパイを逃しているものの、それよりもこちらのアガリが早かった。

本筋はソーズの好形を生かしてのリーチで、他家の動きがなければおそらくそうしていただろう。

自身の仕掛けを迷うところから鳴かずに、相手の仕掛けを逆用してアガる、このへんに因果関係の妙を見て取れるのではないだろうか。



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南3局、24700点持ち3着目の西家。

絶好の赤を引き込み、ダマでも7700テンパイだが、さてリーチする?





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これはリーチとした。

ドラが見えていないのでラス目上家の仕掛けも怖いが、トップ目下家のアガリにやや違和感を感じていたというのがその理由だ。

道中下家は無理をしてエネルギーを浪費している、それならばまだトップ捲りのチャンスはあるということで、チャンス手は打点に関わらずリーチをすると決めていた。


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自身最後のツモに2sはいた。


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やっぱりか!無駄なエネルギーを使っていない私に運は溜まっていたのだ。


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仮に親がまっすぐ来ていたら、この2mが一発放銃の18000になっていた可能性もあるのが麻雀の怖いところだ。

リーチが抑止力となり、チャンス手をものにしたことで、この半荘はトップを得ることができた。



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南3局、17000点持ち3着目の北家。

ラス目の上家とは1500点差の接戦となっている。

ドラドラ赤のチャンス手をもらっているところ、トップ目の親が南をポン。


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終盤になり、やっとテンパイが入る。

親の河もかなり煮詰まっているが、さてどうしよう?





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リーチとした。

4sが危険牌ということもあるが、仮に親のポンが軽い仕掛けであった場合はこれを咎める絶好のチャンスだと判断した。

親に動きがなかった場合は、ダマテンに構える可能性が高い。


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さらに、対面にも仕掛けが入って、高目をツモることに成功。


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裏が1枚乗って倍満となれば、本局だけでトップ捲りを成した。

恐ろしいことに、次局再度トップ捲りに走った下家はデバサイを打ち上げ、ラスにまで落ちることになる。


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親の仕掛けはこの形からだった。

賛否あるだろうが、トップ目としてはやや軽いように私は感じる。

軽い仕掛けだと感じたなら、それはイコール隙であるので、リーチで被せるのが有効だ。



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南2局、20200点持ち3着目の西家。

ここから何を切るか?





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ソーズが好形ならともかく、カン7s残りではトイツ系雀士でなくてもこう受けるのが普通か。


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5pが入って即リーチ。

縦がアガりやすそうな場況だが、4p1枚切れた直後だけにこれはいい最終形。


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5pは固まっていることも多く、ツモるなら2pだと思っていた。


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いとも簡単に乗る。

ツモれただけで十分の手だが、好調時は簡単に乗る。



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南2局、23700点持ち3着目の南家。

5巡目にしてドラ暗刻からの好形リーチ。これは是が非でもアガりたい。


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ラス目が猪のように突っ込んできて終盤にアガリ。

高目ならハネ満GETだぜ!


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END!?って一瞬戸惑ったが、裏ドラを見て納得。

しかし、倍満で一撃トップ捲りまでは想定外だったぜ…



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九段昇段直後もその勢いは止まらない。

東2局、16000点持ちラス目の親番。

前局リーチ後に河底で下家に満貫を打ち上げ、リベンジの時、いざ。


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一発、いただきました。


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裏3、いただきました。

倍返しなど生ぬるい、三倍返しだ!



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同半荘、41000点持ちトップ目の西家。

役ありテンパイだが、どうするか?





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リーチとした。

親が競ってる2着目というのもあるが、東場は自分の都合で点棒をかき集めるのが基本。


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ラス目の仕掛けに親の追っかけも入るが、難なくツモ。


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止まらんな〜。これだけ乗ったら逆に怖いわ〜。


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親に固められた36pは、残り山に1枚。

親の58mは山に3枚で、2巡後に赤をツモられ6000オールの算段だった。

わずかな差だが、あまりにも大きな差。

裏ドラもさることながら、これをあっさりツモる巡り合わせに好調の秘訣がある。



ラベル:ドラ 好調 天鳳
posted by はぐりん@ at 19:56 | Comment(2) | 好調 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月10日

九段昇段 飾りじゃないのよ段位は haha〜

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九段昇段した。


実に1000試合超、八段を彷徨い続けた結果、
運よく降段より昇段を先に引き当てることができた。


昨年末の記事をみてもらえばわかるが、今年は八段670/3200ptからのスタート。

年末にラスを量産し、今年はその負の遺産を受け継いでの苦しい立ち上がりだった。

八段原点を割っている期間が圧倒的に長く、
とりあえず1000ptが目標、という辛い状況も続いたが、
低次元の目標設定にすることで、目の前の1試合に全力を注げるように努めた。


最も負けが込んだ瞬間で、八段200pt台、Rは2120台まで落ち込んだが、
そこから奇跡的に盛り返すことができた。

私の経験から言えば、1000ptを割ったあたりから、なし崩し的にポイントは減少しやすく、
500ptを割ってしまうと、大抵の場合はもうダメである。

500ptのデッドラインを割った瞬間に、わざ降段うんぬんではなく、
なにか特別な引力に引き寄せられるかのように劇的なラスを引かされ、降段する。

あたかも死の淵にいる人を死神が誘う(いざなう)かのように。

ポイントというのはその人の持つ運量であり、同時にメンタル力を表す数値でもある。
心の弱った者から魔物に食われるというのは、ゼロサムゲームにおいては至極当然の帰結であろう。



それでは、私はなぜ降段しなかったのか?


不調時と好調時で何が変わったのかと言えば、実は何も変わっていない。

打ち筋はもちろんのこと、ミスの量も変わっていない。

裏ドラがめちゃくちゃ乗ったという事実はあるが、それは偶然の一要素に過ぎない。


ただひとつ、言えることがあるとすれば、平常心を持って打ち続けることができたこと、これが良かったのではないかと思っている。

降段寸前の心理状態には、どうしても焦燥、焦りというものがある。

降段を恐れる意識、段位を延命させようとする意識、様々な思惑の中で打ち手はメンタルバランスを崩し、
本人が無自覚のうちにいつも通りの麻雀が打てなくなってしまう。

だから、ポイントを減らす過程で、「打ち筋が変わっていない」というのは実はいいことなのだ。

普段通りに打てなくなることの怖さ、というのは天鳳の降段過程で顕著に表れるし、
おそらくプロが配信対局に慣れていない場合の緊張感でも表れてくるだろう。


私の場合は、このような降段間際の経験も多く、この焦燥感に慣れている。

前日の牌譜から反省点を導き出し、本日の指針をしっかり持って対局に臨むことで、焦燥感や緊張感から解放され、着実なステップが踏める。

現状のポイントを気にすることなく、常に平常心で打てる工夫というのが、魔物に打ち勝った要因ではないかと思っている。





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これは私のRateの推移だ(鳳凰卓5136試合)。

赤い丸で囲った部分が、直近八段の推移を表していて、
青い矢印は、最低到達ポイントを示している。


九段昇段時のプロフィールを見て、何か気づいたことはないだろうか?


そう、昇段時Rが2271と、明らかに平均よりも高くなっている、ということだ。

プロフのRランキングでも23位となっており、十段者の平均R2234をも上回っている。


どうしてここまでRが高くなるかというと、八段底辺付近にいる滞在期間が長かったからだ。

わざ降段が有効であるということは、段位底辺付近で粘ることはポイント効率的に好ましくないということを意味する。

実質7.1段ぐらいのポイントで八段配分を受け入れるのは、八段原点までの距離が長い。

それならば一旦降段して七段配分で潜った部分を消化した方が、ポイント的にも精神衛生的にも良い、ということなのだが、
おそらく青矢印の部分で一旦七段降段していた方が、九段までの距離は短かったであろうと推測できる。


つまり、たまたま降段しなかったことが、実はポイント的には損になっていて、その分昇段までの負担が大きくなったということが考えられる。

私はわざ降段はしない派であることは以前も述べた通りなので、結果を受け入れるだけだが、あっさり降段することがデメリットばかりではない、ということがこのことからもわかるだろう。

死神の誘いは、実は天使の囁きである可能性もある、ということである。



さて、今回はメンタル面という内容に絡んで、とある一局を紹介したい。


相手の顔が見えない天鳳での実戦においても、様々な形で相手のメンタルのブレを窺い知ることができる。

それは自身がブレている時にやってしまうことを思い浮かべればいい。

例えば、出た牌を高速で鳴く煽り鳴き、相手の打牌が遅い時に催促する高速切り、煽りの意図がある高速リーチ宣言、などである。

後は、一瞬だけ回線を切ったりするような技?(私はやり方がわからないが)もある。


こういう動作がある人は、最終的に負ける可能性が高い、と私は解している。

統計を取ったわけじゃないが、実際にそうなっている確率が高いはずである。

一見、煽る側は状況を把握できていて、精神的に余裕があるようにも見えるが、
その実、自身が冷静に打てていないというキズを白日の下に晒す行為であるからだ。



煽り者は最初は威勢がいいが、次第に劣勢になっていき、最初の勢いが影をひそめる、こういうパターンが多い。

自分含めて長い間こういう行為を観察してきたが、不思議なことに展開読みがピタリと当たる。

自身がイライラしている時は、必ず最終的に自身が下位に沈む。

臆病だから、相手を煽るのであって、先にも触れたように心が弱い者から先に魔物に食われてしまうのである。

おそらくだが、麻雀に限らず全ての競争においてこのセオリーは成立するのではないか、と思う。


揺れ動く精神状態を相手に悟られるのは、麻雀においては損だ。

顔が見えないからそれを悟られないのがネット麻雀のいいところなのに、それをわざわざ晒すのは自身の隙を認めるようなものだ。

天鳳十段にそのような行為を頻繁にする人がいるか?ということであり、
成績上位者にはそのような行為は少ない=なぜなら冷静に打っているから、ということに結びつくだろう。


それでは、ネット麻雀において心の揺れは具体的にどのような形で表れるのだろうか?

わかりやすく私の実戦譜から失敗例をご覧いただきたい。



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東3局2本場、35000点持ちトップ目の親番。

6000オール、1500と気持ちよく連荘中の2本場。

対面の3pに時間めいっぱいのラグがかかる。

上家のチーラグが濃厚なんだが、えっ?ってぐらい考えている。


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も、スルー。

同時に3pは上家がかなり欲しい牌であることがわかった。

若干イライラしながら私は…


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浮いている3pを連打!も、ツモってきた牌がなんと3p(笑)

天鳳あるあるではなかろうか。

ラグあり字牌を合わせ打ちしようとしてそれが偽ラグだった際によくあるパターンだ。


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やむなく3pのトイツ落としに。

これじゃまるで私がラグをかけたみたいじゃないか。

しかしこれはやっちまった感が強いので、こういうミスをした時は自分のアガリは基本ないと考える。


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終盤になり、対面リーチ一発目にこちらもテンパイ。

さて、どうしよう?





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9s切ってオリた。

5pはかなり通りそうだとは思ったが、58pが残っているのと生牌なのが少し気持ち悪かったので。


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結果は、テンパイの入っていた下家が一発で放銃し、裏1の12000となった。

件の5pはというと、なんと上家の当たり牌で、ドラドラ赤の7700。

たまたま放銃を回避できたが、打っていたとしてもまったくおかしくなかった。


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上家の3pラグはこの形だった。

確かに仕掛けるかどうかはやや悩ましい。

不自然に長かったので、もしかしたらマウスを床に落としたのかもしれないし、マウスの電池が切れただけかもしれない。


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注目してほしいのは、私の不慮の(?)3pトイツ落としによって、上家はカン3p受けを嫌いやすくなった結果、盲点のカン5p待ちができあがり、なおかつ最終的にそれに飛び込みそうになっている私がいる、というところだ。


仮に3pのトイツ落としを見せていなければ、上家は待ち取りに選択が生まれ、純カラのカン3pに受けていた可能性だってある。

イライラしてミスを犯した挙句、その因果関係が明らかに上家が得、私が損するようにできている。

牌効率を損ねているばかりか、高速切りで冷静さを欠いている、という情報を相手に与えてしまう。

頼んでやってもらいたいぐらいのことを、ルールの範囲内の行為にイライラして勝手にやってしまう。

こういうのを自滅、というのだ。


要は、相手と勝負する以前に、自分自身に負けているということであり、
メンタルが十全でなければ、常にこういうリスクがつきまとうだろう。

これは一つの些細な例に過ぎないが、少しのほころびが取り返しのつかない崩壊に繋がる、麻雀とはそういうゲームである。


安易に心を揺らさない、勝つための勝負哲学、皆さんも意識してみてはいかがだろうか。



ラベル:天鳳 昇段 好調
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(4) | 昇段 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする