2019年06月23日

シャンポンの片割れがないリーチ

「場薄」ということに関連して、今回はシャンポンの片割れがないリーチ特集だ。


待ち頃のヤオチュー牌でシャンポンリーチを狙っていたら、リーチ前に片方が場枯れになる、ありがちな光景ではないだろうか。

シャンポンの片割れが場枯れだと、見た目にもアガリ枚数が少なく、即リーチに踏み切りにくいと考えるのが普通だ。

そこで、その後は枯れた方のトイツを落としていって、ターツを組み直していくという作業に精を出すことになるが、
元々シャンテン数を進める段階で愚形ターツを払ったり、強弱浮き牌を河に並べているはずなので、組み直す際にフリテンになったり、有効牌が少なくなっていたりなど、支障をきたしやすい。


弱い部分を払って、強い待ちを作るというのは麻雀の基本であり、通常はそのような手組みで問題ない。


だがちょっと待ってほしい、あなたのその手、本当に組み替える必要があるのだろうか?


まず、シャンポンというのは出アガリに適した待ちである。

両面が無スジをケアされると100%出てこないのに対し、シャンポンは後スジやノーチャンスによって出てくる可能性がある。

字牌ならシャンポンや単騎にしか当たらないので数牌よりも放銃確率は低い、と言う理由で切られる。

事実、字牌シャンポンのアガリ率は両面待ちに匹敵するレベルである、とどこぞの統計学の本で読んだ。

待ち枚数が物理的に少ないのにそこそこのアガリ率が期待できる、ということは言い換えれば同じ打点なら待ち牌1枚あたりの価値は両面よりシャンポンの方が高いとも言える。

ざっくり言うと、シャンポン1枚待ちは両面1.3枚分に相当する、と考えれば分かりやすいのではないだろうか(数値は適当です)。

このへんは研究が進めば正確に数値化されるものと思われる。

この「シャンポンは両面に比べて出アガリが期待しやすい」という特性を踏まえた上で、片割れのシャンポンリーチに踏み切るべき条件にはどのようなものがあるのだろうか?


@字牌・端牌が待ちで高打点

Aファン牌が待ち

Bツモり三暗刻などコーツ手


@残り2枚がアガリやすい待ちで高打点なら組み替えるより有利と判断して即リーチに踏み切る。

Aファン牌が待ちなら直ちにアガリが高打点に結びつきやすい。

Bツモり三暗刻なら打点が伴っているので待ちを組み替えるよりも期待値が高くなりやすい。

逆に組み替えてピンフなら組み替えた方がいい、ということ。

トイツ場なら即リーチ、シュンツ場なら組み替える、と言うこともできる。


それでは、実戦例から具体的に見ていこう。



case1
tenhou.17816.jpg

東3局、21000点持ちラス目の北家。

対面から2枚目の中が出たが、さてどうしよう?





tenhou.17817.jpg

スルーした(鳴き無し)。

ノーメンツ4トイツはスルー推奨。スルーがチートイツになることも結構ある。

そもそも前巡の2p切りがすでに縦シフトだ。

ここからポンのトイトイ狙いもなくはないが、遅い上に受けが効かず、リスクが大きい。

と、思ったら3pが暗刻になり、早くもてんこしゃんこに。


tenhou.17818.jpg

カン4sツモと、ツモは順調だが、やや捌きが難しくなっている。

ここでは9s切りとし、白ツモでの振り替えの目を残した。

ここからチートイツになる可能性も十分にある。


tenhou.17819.jpg

7mが暗刻になり、テンパイが入る。

さて、どうしよう?





tenhou.17820.jpg

即リーチとした。

片割れの中は場枯れだが、ツモで三暗刻につき枚数の少なさに見合う。

元々縦構想で手を進めていただけに、この最終形なら踏み切りやすいだろう。


tenhou.17821.jpg

結果は親から後スジになった8sが飛び出て裏は乗らずの1600。

枚数が少ない割に出アガリの打点が低すぎるのがこの手の難。

9sを先切りしているだけに、後スジの8sは盲点になるというシャンポンのメリットが如実に表れた恰好。

親は赤5sか8sいずれかを切ればテンパイ、この四面張で親の手なら、あなたはどうするだろうか?

終盤とはいえアガリ目も十分にある上、打点上昇が大きいので8s切りは間違っていないような気がする。

仮に、残り2巡なら丁寧に赤5sを切った方がいい、そんなバランスか。



case2
tenhou.17837.jpg

開局の北家。

オタ風の西2枚目が切られたが、これをラグありスルー。


tenhou.17838.jpg

巡目が早いので東のポンテンに備えてカン8pを払っていったところ、あっさりとテンパイ。

さて、どうしよう?





tenhou.17839.jpg

即リーチとした。

西が1枚でも残っていれば絶好のシャンポンだったが、高目しかないので悪くはない。

これが中盤ぐらいのリーチだと、止められるということも十分に考えられるが、序盤で安全牌が少ないことも加味すると、1枚抱えの人がポロッと出してもおかしくない。

ちょうど東は処理の頃合いにつき、一発も期待できる。


tenhou.17840.jpg

ほどなく、手の進んだ親から出てきた。5200。

親は安牌に窮してまっすぐ行った結果だった。

上家がホンイツ模様の仕掛けで、東は出にくくなっていたのでホッと一安心。

親が南あたりで回っていると、一転私がピンチになっていた。

このように、分散すると使いようがない字牌待ちなら十分に勝負になることがわかる。



case3
tenhou.19027.jpg

東4局、30200点持ちトップ目の北家。

まず、1枚目の発をスルー。このぐらいの形だとポンをする人も多いかもしれない。

最終形をドラ単騎に想定して7700という手もなくはないが、手牌が不安定になるので基本私はやらない。


tenhou.19028.jpg

イーシャンテンになったが、何を切るか?





tenhou.19029.jpg

8mを切って狭く構えた。

9m2枚切れだが、ここで白を鳴かれたら対抗できない。このへんがトップ目の選択肢の多さ。

発のポンテンでドラを切り出すつもり。

次巡テンパイが入ったが、さてどうするか?





tenhou.19030.jpg

とりあえず打診のダマとした。

ポンと言われるとさすがにこの待ちでは分が悪い。


tenhou.19032.jpg

そして次巡ツモ切りリーチ。

鳴かれなかったのでリーチ、というやつだが、レベルが高くなればなるほどこういうのは隙になるので微妙と言えば微妙。

3s手出ししなかったのは生牌をケアしたからだが、ツモ切りの隙を見せるぐらいなら3s手出しリーチの方が良かったように思う

3sは下家の親に鳴かれる可能性は低いし。


tenhou.19033.jpg

対面に追っかけられて肝を冷やしたが、たまたま対面の現物に発があり、下家から出て裏1の8000。

下家にきっちりベタオリされると勝負はどう転ぶかわからなかった、このへんに特上卓の甘さが垣間見える。

打診の白からツモ切りリーチという一連の流れはイマイチにも映るが、8000の加点ともなればこれはでかい。

リーチの甲斐があったと言うこともできるが、守備力の高い相手なら私の放銃も十分にあったわけで、ここはダマから確実に2600をアガるのが本筋ではないだろうか。



case4
tenhou.19229.jpg

東2局、原点の西家。

北と発のシャンポンリーチを目論んでいたところ、テンパイが入る前に北が2枚切られてしまった。発も1枚切られている。

マンズが好形変化したが、さて何を切る?





tenhou.19230.jpg

7m切りとした。

効率的にはピンフ移行の発切り、もしくは発を生かした北切りが筋だが、マンズが高くてカン8mにまったく自信がなかったので

カン8mに期待できないなら、発のポンテンの方が魅力的だと考えた。


tenhou.19231.jpg

テンパイしたが、待ちは発の残り1枚。

3pくっつきがなかなか良さそうに見える。さて、どうしよう?





tenhou.19232.jpg

即リーとした。

赤がなければやや行きづらいが、5200なら見合うという判断。

掴んだらなかなかに止まりにくいだろう。


tenhou.19233.jpg

上家から出て5200となった。

これも特上だから出ているが、鳳凰だと止められている可能性がある。

離れトイツ落としリーチに一件隣の2pはかなり安全、2pの暗刻落としで回ることもできた。

それでは、鳳凰卓ではどのような結果になるのか、以降で見ていきたいと思う。



case5
45103.jpg

東4局、19600点持ちラス目の西家。

テンパイしたが、9mは2枚場に見えている。

さて、何を切ってリーチするか?





45104.jpg

ツモり三暗刻なので当然こう受けるだろう。

8mも一見悪くはないが。


45105.jpg

下家から追っかけが入る。

や、やめろ…


45106.jpg

一発目、暗刻スジの2p掴んでげげんぴょとなるも、これがシャンポンにぶっすり。

北は持ち持ちでっか、というか2pも完全ラス牌なんですけど…


45107.jpg

お、お〜い。リーチのみやないかい!

鳳凰卓に来た途端これ…厳しすぎるぜ…

これが響いてこの半荘ラスだった。


45108.jpg

北家のこのテンパイ、あなたならどうするだろうか?

3mはかなり切りづらく、ドラケアも兼ねて北のトイツ落としも十分に考えられるところ、しかしそれだと私にハネ満放銃だ。

そして上家に固まっている14mのスジ。積極策が奏功、というのはまさにこのことではないだろうか。



case6
52560.jpg

東2局、33900点持ちトップ目の西家。

赤1ドラ1のチャンス手のところ、1枚目の中が出た。

さて、これを鳴く?





52561.jpg

スルーした(鳴き無し)。

雀頭のない手牌でネックのカン4pが残っているのでとりあえず1枚目はスルーした。

メンゼンで自然に急所が解消されるのを待つ。トップ目なので焦る必要はない。


52562.jpg

すぐさま2枚目が切られたが、さてどうしよう?





52563.jpg

スルーした(鳴き無し)。

ここから鳴く手はあるが、やはりネックのカン4pも雀頭不在も解消されていない。

スルーした結果、自風の西が重なる。これはこれで良いツモだが、少しタイミングが悪い。


52564.jpg

と、思ったら間髪入れずに急所のカン4pを引き込む。

巡目に余裕があり、7mくっつきも十分に期待できるが、さてどうするか?





52565.jpg

即リーチとした。

スルーした結果のテンパイ即リーチ、というやつだ。

鳴くかどうかの選択を2回経て、この最終形に辿り着いているわけだから、流れに沿ってリーチとした。

スルーして持ってきた西、これを生かすためにどうするかを考えれば、自ずと答えは出る。

中のトイツ落としで取らずとしても、西がイマイチ生きないからだ。


52566.jpg

驚くほどあっさりツモって裏が1枚乗り、3000・6000。

大量リードを得て、この半荘をトップで終える。


52567.jpg

2枚目の中ポンでもすんなりテンパイは入るが、アガリまではもたつく。

ポンでもスルーでも間違いではない。重要なのは、ポンした結果の因果関係がどうなるのか、スルーした結果の因果関係がどうなるのかを考えること、である。

ポンしていると、下家の大物手が成就する可能性が高い。そうなったらそうなったで、自身の対応を変えていけばいい。

スルーして持ってきた牌が好牌であれば、その流れに身を委ねるだけ、である。



case7
57232.jpg

南2局、14200点持ちラス目の南家。

1s2枚目が無情にもツモ切られる。この巡目で形テンに取るにはまだ早すぎる。


57233.jpg

テンパイが入ったが、どうするか?





57234.jpg

即リーチとした。

全体の河が濃く、大物手が入っている可能性もあるが、リーチで対応させた方が得だと判断した。

下家の牌の被り具合などを見ても、トイツ場である可能性が高く、場況に合った手牌であると思われる。


57235.jpg

結果は、最終盤に下家が親に12000の放銃。

私と親を同時にケアする牌が難しかったか。考えすぎて裏目ったパターンだと思われる。

下家の焦りの色が目に浮かんだが、最終的には私がラスだった。


57236.jpg

リーチ時9pは2枚持たれていて、山にはなかった。当然こういうこともある。

リーチで対応させた結果、下家の対応を誤らせたのは一応の成果だったと言える。



case8
62187.jpg

東2局1本場、17000点持ち3着目の南家。

トイツ手コーツ手天秤から、コーツ手テンパイ。

しかし、1p9pは場に3枚切られている。

ドラはまったく見えていないが、さてどうしよう?





62188.jpg

リーチとした。

9pは機能的に他家は使いづらいため、掴んだら出る可能性がある。ダマで自由に打たせるのも癪だ。

ただし、追っかけられたら覚悟しなければならない。


62189.jpg

ラス目からの追っかけが入る。

目指せ、流局(´・ω・`)


62190.jpg

と思ったら、自分の当たり牌を掴む。2000・4000。

ラス1、取ったど〜。


62191.jpg

リーチ後に持ってきた6pで、意外と9pは出るかもしれない。

このあたりが残り1枚とはいえシャンポンのメリットだ。

下家は国士みたいな河だが、きっちりと高打点の手が入っていた。

7pカン!なんて言ったら死んでたで、これ…



case9
71785.jpg

東3局、14200点持ちラス目の親番。

1枚目の白をスルーし、北も立て続けに2枚目が切られたところ。

これを鳴いて、ホンイツに組み直すということもあるが、さてどうしよう?





71786.jpg

スルーした(ラグあり)。

現状ラス目の焦りはあったが、ここからホンイツというのは手組みの失敗感を助長するだけだ。

ネックのドラ受けがある以上、オタ風仕掛けのバックでは自らの隙を認めることになる。


71787.jpg

対面の仕掛けにより、ズバリのドラが流れてきて、さらにテンパイが入る。

北は場枯れで、白は残り1枚のみ。

ソーズの中ぶくれを生かしてピンフに組み直すという手もあるが、さてどうしよう?





71788.jpg

即リーチとした。

スルーしてもツモが効かなかったが、対面の仕掛けによりツモが噛み合った。

この流れを重視する。仕掛けを咎めるリーチだ。


71789.jpg

むむっ、一発目のツモがこれだとやっちまった感が。

組み直しが正解だったか?


71790.jpg

正解はこっちでした。

一見紛らわしい、フェイクとか罠とかそういうものが麻雀には潜んでいるが、流れを見極められれば正解に辿り着く可能性は飛躍的に高まる


71791.jpg

ラス1の白をツモってそれが裏ドラに…

ピンフに行ってたら裏ドラ3枚河に並べるところだったぜ。

これは何かが来たと思える瞬間。

このトップの後、好調の波、裏ドラの波が押し寄せ、九段昇段を引き寄せることとなる。



鳳凰卓では守備力が高く、リーチに対してなかなか当たり牌を打ってもらえないため、待ちの枚数が少ないリーチは基本不利だ。

ただ、片割れがないシャンポンであっても、使い方によってはリーチが上記のように効果的となるということも理解いただけただろう。

最高峰の戦いでは待ちの枚数云々で勝敗は決しないことが多い。

重要なのは、自分が今どのような流れの中にいるのかをシグナルから敏感に感じ取ることだ。

自身のスルー、相手の仕掛け、その選択一つで変化する流れに決して逆らわず、身を委ねるということ。

決して表には現れない形のミスを発見していくこと。麻雀はデジタルなゲームなどでは決してない。

大海に掉さして、漕ぎ出でる船がグングンと進んでいく、そんな感じで勝利をイメージしていただきたい。



ラベル:天鳳 立直 因果
posted by はぐりん@ at 01:51 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月16日

場薄リーチの是非【鳳凰卓編】

さて、今回は鳳凰卓の実戦編だ。

「場薄」の定義は、目に見えて待ち牌が2枚以下となっている状況を指すものとする。


待ちが2枚以下でもリーチに踏み切りやすい場況というのも稀にあり、
例えば前回記事のcase3のカン2mなどがそれにあたる。

とはいえ、それが雀頭で持たれているとその瞬間にアガリ目がなくなってしまうので、
周辺のターツ落としなどの手出しを注意深く見ておく必要がある。

また、チートイツで持たれているケースもあるので、
場況および他家の手役傾向を把握する必要がある。


待ち牌の2枚のうち1枚が他家のメンツとして使われている、ということも多いため、
待ち牌周辺が場に多く見えていた方がその可能性を排除しやすい。

が、逆に言うとメンツで1枚使われているということはもう1枚は山にいる可能性が高くなるため、
トイツで持たれているよりはマシであるとも言える。


いずれにせよ、麻雀は山にいる1枚や2枚を捲り合う勝負であるので、
目に見えて薄いかどうかということよりも、実際に山にどのくらいいるのか、を読む精度の方が遥かに重要となってくる


10巡目以降なら、他家が使えない、かつ確実に1枚山にいる、という条件であればそこまで悲観する必要はないと私は考えている。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
41985.jpg

南3局1本場、16100点持ち3着目の親番。

3者に仕掛けが入っていて、ダントツの上家が3フーロ。

ラス目対面とは大体満貫分の差。

テンパイしたが、待ちの2mは2枚場に見えている。

さらに、切り出す南は生牌で危険度は高い。さて、どうしよう?






41986.jpg

即リーチとした。

この南で上家に8000と言われると、ラス転落でオーラスを迎えるため、天鳳的にはかなり勇気のいるリーチだ。

対面のポンで済んだが、ラス目対面も不退転で向かってくるため、この待ちの弱さには一抹の不安が残る。

トップ目も3フーロだけにオリそうにないこともまた怖い。

かわしの2着目をリーチで降ろしてしまっていいのか、ということも含めてなかなかに難しいリーチ判断だ。

これがリーチで3900なら行かないということも十分に考えられる。


41987.jpg

僥倖にも、下家から出て、裏1の12000となった。

ご覧のように全員が全員、打点の伴う手だった。

3sや6pを掴んで泣きながらオーラス突入という可能性もあっただけに、2mが浅かったのは幸運だった。


41988.jpg

事実、次巡に6pを掴んで下家に7700の放銃となっているところだった。

このへんはまさに紙一重だが、山に2枚いれば何とか戦えるということがわかる。


41989.jpg

巻き戻してみると、対面はここから北落としのテンパイ取らず。これが結果的には緩手と出た。

さらに、下家は4pの食い延ばしが凶と出ていることもわかる。

上家4cmでノーテン!

道中では様々な要因が絡み合っていたことがわかる。



case2
44893.jpg

南3局2本場、7200点持ちラス目の北家。

もう親番がないので好手を生かしたいところだが、急所の4pにポンが入る。

これは痛し。


44894.jpg

上家の先制リーチに、対面が追っかけと、2件リーチが入っている。

こちらもテンパイしたが、待ちはポンカスのカン4p。

さて、どうしよう?





44895.jpg

どうせなら、とリーチするも4mにロンの声が被る。

5800と3900できれいに飛び終了。

発が切れないとなると意外とオリきるのも難しい。

リーチかどうかはともかく、4mを押すのはやむを得ないと言えるだろう。



44896.jpg

4pは山に1枚いたが、王牌に眠っていた。

回っていると次巡親がツモって2000オール。これだとまだチャンスは残った。

それよりも見てほしいのは、次巡6pツモって47p待ちに変化し、海底間際に7pをツモる順があることだ。

もちろんその間に他家のアガリが発生するわけだが、出アガリが効くならばダマからの変化を丁寧に見なさい、と教えてくれている

リーチで手にフタをする前に、思考にフタをしていないか省みよ、ということである。



case3
50576.jpg

開局の親番。

テンパイが入ったが、6pは2枚見えたばかり。

ドラは9pだが8pは3枚見えと変化に乏しい。

さて、どうしよう?





50577.jpg

ダマにした。

取らず、リーチ、ダマ。色々な選択があるところ。

ドラが見えていないのでリーチだけはややリスキーに映るが、親番ということもあり難しい。

6pは1.5枚ぐらい山にいそうな感じはある。


50578.jpg

ダマテン一発ツモで500オールとなった。

これはこれで良し、と考えるのが普通だろう。


50579.jpg

8pツモの変化はなく、6pは2山でいずれも自身のツモ筋にいた。

テンパイ取らずだとソーズが伸びずにアガリ目がない。

このあと手が入らずに、この半荘はラスだった。

仮に雀頭を9mにしてリーチをかけていれば4000オールだったな、などとくよくよ考えていたのを覚えている。

何気ない手が実は半荘最大のチャンス手だった、なんてこともあるわけだが、case2同様じっくり変化を待つのがいいだろう。



case4
56830.jpg

東1局1本場、25500点持ちの親番。

ドラカンチャン固定するも、テンパイが入る前に3枚場に切られてしまった。

さて、どうしよう?





56831.jpg

リーチとした。

親番ならダメ元でこうしたくなるところ。カン裏もあるし。

仕掛けに脅威はさほどなさそうだが、新ドラの白が1枚しか見えていないのがやや気になるか。

4mが見えていないので、2m自体が山にいるかどうかも怪しいところ。


56832.jpg

直後に2pを掴んで、テンパネ3900の放銃。まあこうなることが多い。

上家がダマテンで助かった、というところ。

25p薄目とはいえ、私の待ちよりはよっぽどいい。


56833.jpg

2mは山に1枚いたが、王牌だった。

山にいさえすれば、うっかりツモって4000オールにつき、十分に勝負に値するだろう。

ただこの場合は、残り1枚が対面に持たれていてもおかしくはなかった。



case5
67371.jpg

南1局、15300点持ち3着目の北家。

下位三者が僅差となっている。

ズバリのペンカン7mを引き込み、ドラドラのテンパイとなったが、3pはたった今切られて2枚見え。

3sの強浮き牌との兼ね合いで難しい。さて、どうしよう?





67372.jpg

即リーチとした。

このリーチでトップ目対面の仕掛けを止めるのはどうかというところだが、傍観してもあまりアガってくれなそうなので問題ないだろう。

問題は上家が3pを持っているかどうかで、上家が3pをもう1枚持っているとかなり厳しそう。

中盤の中張牌手出しはトイツからということも多いが、中張牌手出しが2牌目ぐらいだと、単独牌ということも多い。


67373.jpg

実際はこう。

上家は単独の3pだった。親は3pを持っていなかった。

対面が遅そうというのも大体合っていた。

山に2枚あれば勝機はある。


67374.jpg

河には4s→2sと並び、はっきりアガリ逃しの型が。

やや迷ってのリーチだっただけに気分のいいものではない。

とはいえ、山2なら変化待ちと同等以上の期待値はあると見ていいだろう。


67375.jpg

しかも、二人テンパイと、親連荘を許してしまった。

実戦感覚としては、次局の親にだけは注意を払わなければならないと考えるところ。


67376.jpg

ただ、この即リーチの結果、親の手を曲げさせることには成功していた。

私がテンパイ取らずなら、親はカン3pのテンパイで先にアガリがあった。

このへんは良し悪しだが、即リーチが悪い面ばかりではなかったということ。

この半荘は2着だった。



case6
43160.jpg

東2局1本場、36200点持ちトップ目の親番。

ズバリのペンカン3sを引き入れ、三色ドラドラのテンパイ。

ピンズがダダ安の場況だが、3pは残り1枚。さてリーチする?





43161.jpg

リーチとした。

場況を利用して回ってもらい、あわよくばオリ打ちも期待というところ。

ダマならただなので、ダマももちろんあるが、残り1枚では心もとない。

これが残り2枚ならダマ優位という感じがする。


43162.jpg

しかし、止まってくれず、上家が対面に1000点の放銃。

1mは私に対する超危険牌につき、これが出るとなるとダマでもリーチでも変わらなかったということになる。

3pはやや意外にも対面のメンツに組み込まれていた。

強い場況でもこのようにメンツとして使われていることもある。

この場合は1pが2枚しか見えていないことが不安要素か。



case7
68676.jpg

開局の西家。

ドラ3のテンパイとなったが、7mは2枚切られたばかり。

さて、どうしよう?





68677.jpg

即リーチとした。

これはタンヤオ変化も十分に見込めるため、9pのトイツ落としと迷うところ。

ソーズの受けが強く、仕掛けも効くので柔軟に構えられる。

ただし、ピンズ仕掛けの下家に9pを降ろすことも込みでどうか。

7mがもう1枚切られると手は死んでしまうし、敵に塩を送るぐらいなら、ということでリーチに踏み切った。


68678.jpg

リーチ後に絶妙の4mを持ってきた。

山との勝負だけではない。河との勝負もあるのだ。


68679.jpg

下家からひょっこり3枚目が出てきて、8000。

逆に2枚切れが盲点となり、この後スジは通常より出やすくなる。

このように、場薄リーチには後スジやノーチャンスが盲点となりやすい。

なので、リーチ後の河がどうなるかというのも重要度が大きい。



case8
70566.jpg

開局の親番。

3pにくっついたのはイマイチの1p。

2pは場に2枚切れだが、さてどうしよう?





70567.jpg

即リーチとした。

マンズも好形の受け入れはそこそこ広いが、場にマンズは高く、待ちになっても出は期待できない。

それならば即リーチの方が仕掛けの足を止められるのではないかという判断だ。


70568.jpg

4pツモで好形変化を逃したが、期せずして4pが連打されていく。


70569.jpg

結果、安牌に窮した上家からノーチャンスの2pが炙り出された。

裏は乗らずに3900。

まさかのベタオリ者から出る展開、周辺がさらに安くなると盲点になりやすいのが場薄待ちだ

こういうのも加味すると想像よりもアガリ率は高い。

ただし、戦って得たアガリではないので、こういうのはさほど順位に影響を与えない。この半荘は3着だった。



case9
73831.jpg

FRASH版の画像ですが、鳳凰卓実戦です。

南3局、4900点持ちラス目の北家。

テンパイしたが、2sは場に3枚切られている。

さて、どうしよう?





73832.jpg

即リーチとした。

マンズ変化を待った場合とどちらがアガリが見込めるかというところ。

2sが残り1枚なら、ギリギリマンズくっつきを待つ手もありそう。

2sは山にいる可能性がそこそこ高いが、上家以外の2者にメンツとして使われているということもありうる。


73833.jpg

次巡持ってきたのは、赤5m。

く〜、こっちが正解だったか?


73834.jpg

正解はこっちでした。2000・3900ツモ。

注目してほしいのは、カン4mになっても、他家に全部持たれていて出は期待できないということ。

平均6巡程度の変化を待ってさらに待ち牌がないなんてこともざらにあるので、残り1枚が確実に山にいるならむしろそれに賭ける方がいいということもある。

オーラスは下家との黒棒勝負となったが、無念にもラスのまま終局となった。



case10
74073.jpg

東4局1本場、36700点持ち2着目の親番。

トップ目下家とは3700点差で、その下家がドラの白をポンしている。

たった今、1100点持ち飛び寸の対面からリーチが入ったところ。


74074.jpg

こちらもテンパイが入ったが、2枚切れのペン7pとかなり弱い。

さて、どうしよう?





74075.jpg

トップ取りの勝負所と捉え、リーチとした。

飛び寸を飛ばしてトップを捲るチャンスなので、これは比較的踏み切りやすいだろう。

ダメだったら結果を見て立て直せばいい。


74077.jpg

上家のポンが入った直後にツモって1000オール。

対面を飛ばして値千金のトップ捲り終了となった。


74078.jpg

山に2枚いれば4人捲り合いでも十分に勝機はある。

仕掛けが絡んでツモアガリとなったが、山を見ると決着は極めて紙一重であることがわかる。

ちなみにラス目のリーチはのみと思いきや、裏ドラが3枚。負けたらただでは済まないということは覚悟しなければならない。



重要なのは、山にどのくらいいるかを読む洞察力、それから勝負所を見極める嗅覚、である。

この2点を駆使して、真の「場薄マスター」になっていただきたい。



ラベル:立直 天鳳
posted by はぐりん@ at 23:49 | Comment(10) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月09日

場薄リーチの是非

今回は、場に出ていて薄い待ちのリーチ判断について。

「場薄」というと厳密には語弊があるかもしれないが、語感がいいのでこれを用いることにした。

「場薄」の定義は、待ちが目に見えて残り2枚以下、になっている状況を指すものとする。


麻雀においては、手牌構成上ターツを選択していかなければならないので、テンパイ前にその有効牌が場に多く切られるということは少なくない

有効牌をポンと言われて、一瞬で愚形ターツ化する、なんていう経験も多いだろう。

両面ターツならまだしも、それがカンチャンやペンチャンなどの愚形ターツの場合は、ターツ落としを強いられるケースが大半だ。


一方、ターツを振り替えるための有効牌を引かないまま、場薄ターツが残ってテンパイするということも、ままある。

この場合に、ターツを振り替えるか即リーチといくかどうかで悩ましい、と感じたことはないだろうか?

場薄でも即リーチに踏み切るための要素としては以下のものがある。


@巡目的にターツを振り替える猶予がない

中盤の後半、10〜12巡目ぐらいのテンパイだと、ターツを振り替えるための巡目的余裕がないため、下手すると再テンパイすらしないまま流局ということにもなりかねない。ある程度の打点があるなら即リーチの方が局収支的には優ると考えられる。


A待ち色が場に安い

場薄ということは必然的に他家がその色を切っているということであり、比較的待ち色は安くなっていることが多い。
それに加えてノーチャンスになっているとか、自身の河にも迷彩があるとか、自身の出アガリが期待できる河になっているなら即リーチが有効であることが多い。


Bドラを固めているなど、打点が伴っている

自身の打点が高いからこそ、もっとアガリやすい待ちを求めるのかは判断の分かれるところだが、自身に打点が伴っていると相対的に他家の打点が下がるので、リスクは低くなる。捲り合いでもそんなに悪くはないが、ラス率はやや上がる打ち方ではある。


C余剰牌が有効牌ではない

ターツ振り替えに一手で済むか二手かかるか、ということはかなり大きい。
手組み上ブクブクに構えることはこういう場面で効果を発揮する。
自身が高打点であれば、アガリを逃さないように構えやすいので、むしろそうではない受けの手組みの際にこうなっていることが多い


私の考えるリーチの判断基準としては、10巡目以降なら、相手がほぼ使えない、かつ山に待ち牌が1枚いるならリーチ、というのが明快ではないかと思う。

この場合、相手が使えないことで掴んだ際に出さざるをえない、ということもポイントになっている。


いずれにせよ、以上の4ポイントの重複具合も加味しながらリーチ判断していくこととなる。

それでは、失敗例も含んだ実戦例から見ていこう。



case1
tenhou.9832.jpg

東3局、22300点持ち3着目の北家。

場にピンズが猛烈に安くなっているところ、このテンパイが入る。

東は場風でピンフはつかず、高目のイーペーコー目も場枯れ。

さて、どうしよう?





tenhou.9833.jpg

即リーチとした。

自身にドラがなく、非常に怖いリーチ。

上家の仕掛けのドラ切りがなかったら、リスクが高くて行かなかったかもしれない。

仮に残り1枚の東が暗刻になったとしても、47pも薄くて特別アガりやすくはならない。

8pは山に1枚はいて、誰が掴んでも使えないだろうことが、このリーチの強みだ。


tenhou.9835.jpg

結果は仕掛けの上家に凌がれ、500・1000となった。


tenhou.9834.jpg

親はドラ暗刻の大チャンス手だったが、当たり牌の8pを掴んでストップ。

押し切れば確実に放銃というところに追い込むことができた。

ダマにしてこの8pをツモ切られているかどうかというのは大きい。

このように、他家がほぼ使えないだろう牌で待つことは回し打ちが機能しにくいため、リーチに踏み切る要素となる。

ただし、攻め返されるとリスクが甚大なだけに、せめて赤orドラが1枚、もしくは高目の5pが1枚生きている、ぐらいならこのリーチが正当化できる、そういうバランスではないだろうか。



case2
tenhou.19412.jpg

東4局2本場、18900点持ちラス目の南家。

くっつきテンパイのところ、場に2枚目が切られたばかりの2sが待ちになった。

さて、どうしよう?





tenhou.19413.jpg

これを拙速と見るかどうか。

1s切っての手変わり待ちは、優秀な変化が4s7mぐらいしかない。

マンズは好形に変化しづらく、ピンズは伸びても9pがフリテンになるし、例えば9mツモってのドラ表示牌待ちになったとしてもたいしてアガリ率は変わらない。

一見乱雑なリーチに見えるが、変化効率的に考えるとなるほどと思える部分もある。


tenhou.19414.jpg

リーチ時の全員の手牌はこうなっていた。

対面の2sが浮いていて、親は2s先処理が間に合った形。

親の手が高く、対面の2sが止められるとなると、やはりリスキーなリーチであることがわかる。


tenhou.19416.jpg

結果は、意外なことに、対面が終盤に一発ツモで2000・4000のアガリ。

丁寧に対応されて、当たり牌の2sをまんまと使い切られた。

親は手順でピンフへ移行したが、ツモが効かずにテンパイしなかったのは幸いだった。

私はリーチ後ほどなく7mをツモってしまい、裏目感も漂ったが、69mでのアガリ逃しもなかった。

残り1枚の2sは山に1枚眠ったままだった。

今の私のこのリーチに対する評価としては、さすがにこの巡目のリーチなら最低ドラ1はほしいところで、やはり1s切りから打点か好形を求めていく方がいいように思う。

ただし、こういう一見常識はずれな着手に勝利への道筋が潜んでいるということもあるので、思考を遮断せずに、きちんと評価していきたいと思う。

この半荘は3着だった。



case3
tenhou.21536.jpg

東3局、19000点持ち微差の2着目の西家。

ドラドラのテンパイだが、2mは場に2枚切られている。

さて、どうしよう?





tenhou.21537.jpg

即リーチするも、5sがアウトで5200。

このぐらいの場況であれば、変化待ちよりも即リーチの方が実利的だろう。

自身の3m先切りで、2mはわりと出やすくなっている。

ソーズの亜両面形は好形変化枚数がさほどでもないし、待ちになっても出にくい。

事実、2mは山に2枚いた。他家の使えない山2は威力十分だ。

この半荘はラス。



case4
tenhou.24637.jpg

東1局3本場、6900点持ちラス目の南家。

ドラ3のテンパイとなったが、3sが場に2枚切れている。

さて、どうしよう?





tenhou.24638.jpg

即リーチとした。

絶対にアガりたい手だが、待ちが微妙で曲げるか迷う、ありがちなシチュエーションではないだろうか。

この場合、余剰の5sが有効牌で、巡目的にもまだ余裕があるというのが迷える要素。

ただ、連続形ではない孤立5sなので、好形くっつきが2種しかないというのがある。

取らずでも手をこまねくのが目に見ているので、それならばプレッシャーも兼ねてリーチとした。


tenhou.24639.jpg

この時点で、なんと3sは空だった。

上家の切り的には、3sは持っていない可能性が高いのだが、これが誤算だった。


tenhou.24640.jpg

ところが、5sを切った効果で河がこんなことに…

あれ?これってもしかしてアガれるやつか?


tenhou.24641.jpg

しかし、そうは問屋が卸さず。一人テンパイで流局。

ベタオリされると出ないわけだが、一人テンパイなら及第点。

5sくっつきを待っていたら日が暮れてしまっていた。

他家へのプレッシャーも込みでこれで良かっただろう。



case5
31557.jpg

東2局、18000点持ちラス目の北家。

トップ目の親リーチが入っているところ、場に6枚目の36mが上家から放たれた。

こちらはドラドラ赤の大チャンス手。

さて、これを鳴く?





31559.jpg

スルーした(ラグあり)。

これはかなり意見の分かれるところだとは思うが、私が仕掛けるかどうかの基準は自身のアガリ目がどれくらいあるか、というところにある。

余剰の1m、5p、6sの危険度が高く、47pも急所となっていて放銃せずにアガリを得る未来が見えない。

トップ目の親リーチ、しかも九段ということもあってぬるい待ちとは考えにくい。

この局は耐えるべき、という判断でスルーした。

一牌仕掛けてしまうと、止まることは許されず、放銃確率も高まる。


31560.jpg

丁寧に回っていると、1mが暗刻になり、テンパイが入る。

あの後3mが1枚切られて都合7枚の36mが見えている。

さて、どうしよう?





31561.jpg

さすがに5m切りから回った。

36mが残り1枚というのもあるが、切り出す6sの危険度がかなり高めなので見合わないと判断した。

スルーして回った結果のテンパイで、わりと感触はあるので、これが残り2枚なら腹を括ってリーチというところ。


31562.jpg

うわっ、6m一発で出てたよ、マジか…

こうなってくると6sが当たりであってくれた方がいい。


31563.jpg

粘った結果、6sにくっついてテンパイが入る。

5mと3mがノーチャンスにつき、4mは安全。

8sがフリテンでなければリーチもあるが、ここはダマで良し。


31564.jpg

結果は3人テンパイで流局。

親の待ちは47sで当たらずも遠からずだったが、結果的には36mでリーチなら一発で8000からのアガリを得られていた。

が、自身もテンパイで粘れたことは大きく、アガリを逃しても非常に感触のある一局だった。

待ちの枚数と切り出す余剰牌の危険度を考慮してバランスを取った一局。

総合的には正しいと思えるが、時に動物的嗅覚が正しいこともあり、その感覚を極めていくことが麻雀道であると私は思っている。



次回はこれに関連して、【鳳凰卓の凌ぎ編】をお届けしたいと思う。



ラベル:天鳳 立直
posted by はぐりん@ at 23:56 | Comment(12) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月02日

一発を消しつつテンパイに取る仕掛け【鳳凰卓の凌ぎ編】

さて、今回は鳳凰卓での実戦譜を紹介したい。


自分の手牌を相手の速度に合わせる、これは麻雀において重要なことで、そのためには仕掛けのタイミングが重要となってくる。

チーテンポンテンに取るタイミングは迷うことも多いが、一発を消すついで、と考えればそれは一つのタイミングとも言える。



その後の押し引きは難しいことも多いが、仕掛けてテンパイに取ったからには、ある程度リスクを負って捲り合った方が好成績に結びつきやすい、と私は考えている。

相手リーチ者にとっても確実にその方が嫌なはずだし、侮れないな、という印象にも繋がるはずだ。


そのへんの押し引きも含めて、何が良くて何がいけないのか、という解説をしていきたいと思う。



case1
38952.jpg

東3局、24300点持ち2着目の南家。

ラス目西家のリーチ一発目に、親から8pが出てきた。

チーテンに取れるが、さてどうしよう?





38953.jpg

チーテンに取った。

これは巡目も考慮してメンゼンでは間に合わないと判断したからだ。

さて、何を切るか?





38954.jpg

3p勝負とした。

ここで考えるべきは、一発目にしては親の打牌がかなり強い、ということだ。

スジの7mは下家リーチに対して安全度は高いが、親にロンと言われる可能性がある。

下手に対応してもそのようなリスクがあるのであれば、まっすぐ自分のアガリを見るのがいいと判断した。


この場合、親と下家を同時にケアできる牌が少ないので、一発を消しつつテンパイに取る、ということの価値が高いと考えられる。


38955.jpg

結局、下家と私の二人テンパイで流局。

親の8p切りは7pのワンチャンスで、高打点ゆえのシャンテン押しだった。

全体の場況からは、暗刻の3pの危険度はかなり高いため、賛否は分かれそうだが、こういう迷った場合に一発消しが背中を押してくれることがある、という例だ。

親の河がもっと濃くて、親もテンパイが明白、という状況であれば3pは切らない方が賢明だろう。



case2
40226.jpg

南1局、15000点持ちラス目の北家。

3着目の西家とは300点差と僅差。

親リーチ一発目に、6mが出たが、さてどうしよう?





40227.jpg

チーテンに取った。

69mが都合5枚目と、かなり急所というのが大きい。

仮にメンゼンで進めても物理的に69mが薄くてアガリが見込みづらい。

モロヒの2sの出はあまり期待できないが、切り出す1sの危険度が特別高いわけではない。

3900クラスの打点というのも仕掛けの後押しになるだろう。


40228.jpg

あっさり上家から出て3900のアガリとなった。

出にくい待ちだと思っても、他家の都合でこのように出てくることもある。

親は赤ドラの本手で、これをかわせたことは大きい。

感触のあるアガリだったが、最終的には私がラスだった。上家の放銃が一概に悪いとは言えないことがわかるだろう。



case3
47302.jpg

開局の北家。

南家リーチ一発目に、チーテンに取れる9mがツモ切られた。

さて、どうしよう?





47303.jpg

取った。

やはり9mが3枚目と69m受けがやや薄目になっているのが後押し。

カン3pという難しい受けが残っているので、ノーテンのまま押すくらいならチーテンに取ってうっかりかわせれば上出来という感じ。

ドラの東は現物だが、親の仕掛けに対して引っ張りたくないので、切り出すいい頃合いでもある。

リーチという明確な攻撃に対してこちらもスピードを合わせる仕掛け、かつ一発を消せるとなればじゃあいくか、となるだろう。


47304.jpg

通っていない2mを持ってきたが、どうするか?





47305.jpg

これぐらいは押すが、カン2mに刺さり、裏1の5200放銃となった。

南家リーチは情報が少なく、2mの危険度が特別高いわけではない。

これが2600で済めば全然なんでもないが、裏1で5200となるとちと痛い。

69mは極めて薄く、急所判断は間違いではなかったが、カン3pも山に残り1枚しかなかった。

も、上家テンパイで切り出される可能性の高い3pだけに、アガリ目が薄いわけでは決してないことがわかるだろう。

局所的には失敗にも見えるが、この半荘は最終的に私がトップだった。

大局的には間違っていなかったと言えるだろう。



case4
51041.jpg

東1局1本場、現点持ち2着目の南家。

親リーチが入ったところ、この5pを仕掛けるか?





51042.jpg

チーテンに取った。

余る3pはソバで危険度が高く、待ちの58sも出は期待できないが、いかんせん親に対する安全牌がない

一発を消せることを理由に、まっすぐテンパイに取っちゃおう、という感じ。


51043.jpg

結果は、親が下家の当たり牌を掴み、1000点の放銃となった。

私の仕掛けは結果的に下家に赤5pを流してしまったが、親リーチをかわすことには成功した。

リーチで2600ぐらいの手であれば親リーチにそこまで押したくないので、チーテンに取る価値は高まる。

天鳳ではなく麻雀として見れば、親を独走させないことも重要だろう。



case5
59992.jpg

東3局1本場、10500点持ち3着目の南家。

ダントツの下家が先制リーチ、そして今2着目の親から追っかけが入ったところ。

ラス目対面との差はわずかで、押し引きが難しい。

さて、この4s、仕掛ける?





59993.jpg

チーテンに取り、8m勝負とした。

親に対する安全牌が乏しいので、一発を消しつつ勝負する算段とした。

ややトイツ系の場況で、6p8sのシャンポンはそれほど悪く見えない。

この場合は安全牌が増えたらオリて傍観するのも手だ。


59995.jpg

結果は、対面が親から2000点のアガリとなった。

対面も腹を括って攻めた結果、アガリを拾うことに成功。

下家も親もドラがトイツの好形と、きっちり手が入っていた。

全員が型を作って攻め合えば、そこまで悪いことにはならないものだ。

こちらも覚悟を決めた結果が横移動であれば、気分は悪くない。

この半荘は最終的に2着だった。



case6
60096.jpg

南3局1本場、23700点持ち3着目の西家。

こちらはドラドラのチャンス手だが、8500点持ちラス目の北家からリーチが入って一発目。

宣言牌の8mが合わせ打たれたが、さてどうしよう?





60097.jpg

チーして…


60098.jpg

4p切りとした。

4p切りとするとややアガリづらいが、打点と安全度を天秤にかけた。

天鳳的にはできることなら勝負したくないのだが、下家の河が強すぎて適当な安牌がない。

中途半端にオリて放銃するぐらいなら、ある程度押して自分のアガリを見る方がいい。

一発を消せるのは、そのための後押しとなる。

この場合58mは急所ではない可能性が高いが、テンパイに取ってかわせる状態になっていることに価値がある。


60099.jpg

7mも全然通っていないが、勢いで押す。

安全牌が1枚ぐらいなら押した方が得、という判断だ。


60100.jpg

結果、下家との二人テンパイで流局となった。

下家は47s待ちで幸いにもスジトイツの部分だった。

ここを掴んだら比較的ヤメやすい。


60101.jpg

仮にチーテンに取っていなければ、次巡の3sツモでむしろ右往左往してしまうだろう。

自身がアガリ目のない状況で危険牌を次々と切らなければならないほど苦しいことはない。

下家はツモってハネ満の本手リーチだったが、見てもらえばわかる通り、47sは山に1枚もなかった。

このように、相手リーチにアガリ目がないなんてこともあるので、きちんと自分のアガリを見て勝負していくことは決して悪くないとわかるだろう。



case7
67545.jpg

東4局、13100点持ちラス目の北家。

14700点持ち3着目の親がリーチを敢行してきた。

こちらの手はブクブクのイーシャンテン。


67546.jpg

対面から7mが出てきたが、さてどうしよう?





67547.jpg

ポン、して何を切るか?





6pを勝負した。

ここでよく見るのが1pのトイツ落としで回りながらアガリを見る、という手法で天鳳でも仕掛けるタイプにはありがちな打ち方だ。

6pは確かにかなり危険度は高くて切りづらいが、ここで1pを切るぐらいなら仕掛けない方がマシだと私は考える

仕掛けるのはなぜかというと、自身のアガリで親リーチをかわすためであって、リスクを回避するためではない。

リスクを負わずにアガリたいなどという虫のいい話は麻雀に限らず、ない。

天鳳はラス回避なので、一切リスクを負わずに仕掛ける手法もまかり通るところはあるが、麻雀的にはそれは正しくない可能性が高い。

仕掛けの考え方にもよるが、そのへんを混同してしまうとなかなか結果は出にくいのではないかと思う。


67548.jpg

2s、7sとブンブン押しているところ、白がカンツになった。

さて、どうしよう?





67549.jpg

カンせずにツモ切りとした。

なぜカンをしないかというと、オリる気がまったくないからだ。

この局の目的を親流しに設定している以上、カンで親リーチのドラを増やしてしまうことは勝負が本当の丁半博打になってしまう

自身のアガリが決定打にはならない可能性が高いのに、放銃が致命傷となってしまいやすい。

そうではなくて、放銃してもまだ次に繋がるように、余裕を持ってカンをしない。

決して弱気なわけではなくて、強く押すためにカンをしないのである。

もちろん、ドラ1あるなど打点上昇効率がいい場合なら、決定打になるカンをする手はある。

あくまでこの状況ならカンすることにそこまでのメリットは感じない。


67550.jpg

結果、ツモアガって400・700。

親リーチをかわすことに成功した。


67551.jpg

結果的には、7mポンによって、親のツモアガリを流していた。

かつ自身のアガリに結びつけたわけで、いかに大きい仕掛けだったかわかるだろう。

白はカンしていてもドラおよびリンシャンの影響はなかった。

6pはかなりの危険牌だが、一発を消せるタイミングだからこそ勝負に行けたとも言える。

この半荘は2着だった。



case8
68053.jpg

南2局、31000点持ち2着目の北家。

トップ目の南家からリーチが入って一発目。

チーテンに取れる8sが出たが、さてどうしよう?





68054.jpg

取った。

片アガリだが、6pは現物につき出アガリは十分期待できる。

宣言牌が3pにつき、2pはかなりの危険牌だが、一発を消せるタイミングなら勝負しやすい。

メンゼンで進めても、ソバの2pか4pはいずれにせよ勝負しなければならない。


68055.jpg

7mも押して全ツする算段だったが、親リーチを誘発してしまい、対面が一発放銃の11600

これにて自身がトップ目浮上となるも、ラス目の親も浮上してしまったため、イマイチ。

最終的には2着だった。


68056.jpg

8sをスルーしていると、4pが暗刻になり、勇んで即リーチするだろう。

すると、あろうことか69pより先にドラを掴んで対面に8000の放銃となる。

親が58mをチーテンに取る可能性も高いが、その場合も私がドラを掴んで同様となる。

この結果を見るに、仕掛け自体は私にとって悪くなかったと言える。

仕掛け一つで対面の結果が180度変わっているのがなかなか面白い。



case9
70429.jpg

東4局、31000点持ちトップ目の北家。

3着目の南家がドラ切りリーチ。

その一発目にチーテンに取れる3mが出た。さてどうしよう?





70430.jpg

取った。

リーチの安全牌が少ないので、一発消しついでにテンパイに取った。

こちらの有効牌は少なく、メンゼンテンパイで即リーチと行ける手ではないので、それなら仕掛けでかわす手が最善と判断した。

このように、テンパイ効率が悪い手ほど相手リーチに合わせた仕掛けの有効性は高まる。


70431.jpg

しかし、切り出した6mがまさかのダブロン。3900と8000。

対面の両面はいいとしても、上家の中スジはできすぎな気がする。しかも高い。

この放銃によって、トップから一転ラス落ちとなり、暗雲立ち込める。

妥当性のある仕掛けでも、こういう不運に見舞われることもある。

幸いにもこの半荘はトップを捲り返した。



case10
72467.jpg

東4局2本場、43000点持ちトップ目の北家。

2着目の親から早いリーチが入る。


72468.jpg

上家からチーテンに取れる9mが出たが、浮いているのは超危険牌のドラ。

さて、どうしよう?





72469.jpg

チーして…


72470.jpg

ドラ勝負とした。

面白いことに暗刻の9sとトイツの1sは5sの裏スジでかなりの危険牌。

78mは宣言牌ソバでこちらも危険。

安全なのは暗刻の発ぐらいだが、これを切り飛ばしてベタオリするのもいまいち気が引ける。

一発を消せるのなら、ということで勝負した結果はセーフ。


72471.jpg

7pは通っていないが、どうしよう?





72472.jpg

押した。

まだ通っていないスジは多い。ある程度勝負に行かなければドラ切りに見合わない。


72473.jpg

6pは通っていないが、どうしよう?





72474.jpg

押した。

9pのスジ。


72475.jpg

6sをブンと切って、持ってきたのはドラまたぎの2m。

さてどうしよう?





72476.jpg

押した。

ワンチャンスにつき。


72477.jpg

結果、ツモることができた。700・1300。

親リーチに対して愚形で都合5無スジ押した。ここまで押すことはなかなかないが、ドラ切りで勢いが止まらなくなった。

放銃したらしたでまた立て直せばいい。


72478.jpg

親の待ちはドラ表示牌のペンチャンイーペーコー形という考えうる最悪の待ちだった。

足止めを兼ねてツモアガリ期待といったところだが、実際は5巡目にして純カラのリーチだった。

先にもあったが、リーチの幻影に怯えすぎるとこういうリーチのかけ得になってしまう。

一発消しした勢いで、ついでに押してみる、というのは案外悪くないかもしれない。

一発ツモ牌を食い取って放銃したりすると、リーチ者はそのアガリ以上のショックを受けたりするものだ。



いかがだっただろうか?

総じて言えることは、一発消しついでにテンパイを取る仕掛けは有効であることが多い、ということだ。

勘違いしないでほしいのは、シャンテンを進める仕掛けではなくて、テンパイに取る仕掛け、である。

一発を消しつつシャンテンを進める仕掛けについてはまた別の機会に紹介しようと思う。

全体的に押しすぎにも思われたかもしれないが、自身がテンパイであればそのぐらいで問題ないのだ。

取ったからには、押してみる。皆さんもぜひお試しあれ。



ラベル:天鳳 一発 鳴き
posted by はぐりん@ at 23:58 | Comment(0) | 鳴き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする