2019年08月25日

打点重視の打牌選択【鳳凰卓編】

前回の記事からなんやかんやで大分延びてしまったが、打点重視の打牌選択・鳳凰卓編だ。

この記事を楽しみにしていて夜も眠れず、睡眠不足の日々を送っていた人も多いことだろう(そんな人はいないか)。


令和の時代は回顧の時代。打点を顧みる手役重視の時代へと再び舞い戻る動きもあろう。


個人的に思う麻雀の歴史としては、

・昭和→ファイア(鉄火場の熱狂に踊る)

・平成→ブリザド(科学と効率に耽る)

・令和→サンダー(前時代の良きところを顧みる)


という感じで、令和の麻雀は、ビシビシッと的確に打点で取る、というのをテーマとしてはいかがだろうか。


前回記事は、タンヤオを狙うか否か、みたいなちまちました内容も多かったので、今回はスケールを大きくしてお届けしたい。

それではどうぞ。



case1
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開局の親番。

嬉しいは嬉しいが、やや捌きの難しい中重なり。

チートイツを見るならピンズ落としだが、69p引きの裏目を逃さないようにここでは2m切りとした。


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上家から発が出て、仕掛けたところ。

さて、何を切る?





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7p切りとした。

当然の打牌のようにも見えるが、シビアに南切りと考える人はむしろ上級者かも知れない。

なぜかというと、上家の河に両面ターツ落としが入っており、染め手もしくはトイトイの可能性が高く、字牌が出にくく使われていそうな場況だからだ。

とはいえ、南のトイツ落としをしても、ダブ東ならまだしも中ポンで2900はつまらないというのもまた確か。

この場況とはいえ、マンズの染めに行くのも自然と言える。


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ほらほら、狙い通りに南を持ってきたよ。

どちらのフィニッシュでも打点変わらず、親満のテンパイ。


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しかし、下家がリーチをツモアガって、1000・2000。

69pもツモっていたが、南落としでもやはりテンパイまで。

上家とは中持ち持ちで、やっぱりな、という感じだが、東の方は山に2枚とアガリ目も十分にあった。

対面はご存知、沖ヒカルさん、下家は現在十段の00saiさんだが、当時七段の画像。

過去の画像には段位の変遷も見て取れ、趣深い。



case2
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西1局、19100点持ちラス目の西家。

かなりの好手をもらっていて、これを是が非でも生かしたいところ。

9sをツモって、さて何を切る?





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ツモ切りとした。

567の三色を絡めてハネ満にすれば、30000点を超えて一撃トップ終了につき。

一見普通に見えるが、6m4枚の受け入れの代わりに47s7枚の受け入れを犠牲にしており、テンパイ効率としては微妙なところ。

6mチーが魅力的なので、それで補えるか。

ドラの8mツモでも自然な変化を見ることができる。


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来たで来たで、リーチだ!


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一人テンパイで流局となった。

対面の親がテンパイなら即終了につき、降ろしたことは大きかった。

この後粘って2着捲りをゲットすることに成功。



case3
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東4局、微差3着目の北家。

4sをツモって何を切るか?





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234の三色部分が確定しているので、タンヤオの効率には取らなかった。

ソーズの場況は抜群で、カン3sもかなりよく見える。

7p先引き時は損得微妙だが、先に3sが入った時に5200ダマに構えられるのは大きい。


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親と上家の2件リーチに対応した結果、この上ない赤引き。むひょ〜。

たった今現物になったばかりの3s、これは拾えるかも…


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しかし、上家が力強くカン5pをツモって、裏1の3000・6000。

大蔵遊星さんが九段だった頃。当時の彼は愚形も全部リーチして全部ツモアガっていた。今は若干打ち方を変えたか。

昔と打ち筋が変わったな、と思う人も長く打っているとわかる。



case4
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東3局、原点3着目の北家。

嬉しいカン4sツモ。さて、何を切る?





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9m切りとした。

テンパイ効率的には大幅ダウンの一打。昭和の打牌選択を彷彿とさせる。

メリットは、

・69mツモによる赤5m切りのピンフのみを避ける(赤5mを使い切れる)

・単騎テンパイのグズグズがなく、テンパイ時に好形が確定する

・タンヤオが複合しやすく打点が見込める



その代わり、効率を犠牲にしているのでテンパイ巡目が遅れるのがデメリット。

場に高いマンズ待ちになるのを避け、かつ369sが強い、という場況を生かした打牌選択でもある。


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5p重なりでテンパイを逃すも、来たで来たで!の絶好リーチが入る。


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が、流局…

手順が良くてもアガれるかどうかは別、と言われた気がした。


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他家の手を見ると、マンズの上目はかなり使われ、有効牌が少ないことがわかる。

待ちになりやすい47mはこの時点で山に2枚しかいない。


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前巡の5p重なりテンパイでの47mは山に2枚で、上家が掴むもおそらくは出さない。

47pは山に3枚で、47mだと感触はまるでないが、47pは確かな感触があった。

打点重視の打牌選択というテーマだが、かつ場況重視の打牌選択、というテーマにもマッチする内容だ



case5
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東2局、26500点持ちの南家。

ここから何を切るか?





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ダイレクトテンパイチャンスは減るが、567の形を生かしやすいように内に寄せた。

一通にはなりそうでなりにくいので、打点アップする受け入れを重視した。


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3pツモって、どうするか?





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これはいささかやり過ぎの感も否めないが、さらに壊して内に寄せた。

三色のシャンテンを崩すことになるが、カン6mが厳しいのであれば、再構築でも間に合うでしょ、と。

カン2sも悪くないのでこれがどうなるか。


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ツモが言うことを聞いてくれ、この素晴らしいイーシャンテンに。

3pが普通だが、ここでは3s切りとした。


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うむ、できた。

しかし、親リーチ一発目に最も危険な3pが残ってしまった。

このへんの兼ね合いは難しいが、ここは当然の勝負で無事通過。


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これに勝利し、8000。

親の待ちは47pで3pはかなり危険だった。形を決めてこれを処理しておくのも一つの手だ。

最初の形に戻ると、例えば8s切りなんかは有力な候補に挙げられるが、これを切ってしまうとその後相当テンコシャンコになることは想像に難くない。

肝心のカン2sカン4s先埋まりがないため、本来嬉しいはずのカン6mツモが空振ってしまう羽目になる。

カン6mの2600リーチに踏み切りたくないのであれば、最低でも三色のプランを持つのが良さそうだ。



case6
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東3局、30200点持ちトップ目の親番。

ダブ東がポンできて、カン4sが埋まった。

ツモは順調だが、ここから何を切るか?





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両面ターツの方を払った。

上家下家の河から、2pは割と良さそうなので、打点狙いでここを残してみた。

西を叩いた場合に2900では物足りないので。


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中の方が叩けた、これで親満テンパイだが、さすがに警戒度は高いか。


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最終盤に下家のリーチ宣言牌で出てきて、11600&1300。

えっ?出るの?という感じでこれは意外だった。

この高め取りは緩手になることも多いので、場況との兼ね合いが肝要だ。



case7
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東4局、12800点持ちラス目の西家。

123の三色主眼に進めていたところ、7sの引き戻し。

ここから何を切るか?





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ドラ含み両面ターツ落としとした。

純チャンには雀頭がネックだが、ピンフにならないのであれば、ドラ1愚形はそこまで魅力的ではない。

ドラ重なりを見つつ、純チャン狙いの一打。


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待望の雀頭ができる。これが一番の好ツモかも。


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来たで来たで!満を持してリーチ。

できればカン8sで待ちたかったが。


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上家から一発で出たのは、なんと入り目の8s。くぅ〜!これは惜しかった。

ドラ含み両面ターツ落としだけに、他家が戦々恐々の雰囲気なのはかなり伝わってきた。

字牌も怖いので、暗刻落としも恐る恐る、という感じだった。


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結果、一人テンパイで流局。

まあこの作品を作れただけでも満足です。



case8
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南3局、34900点持ち2着目の親番。

ここから何を切るか?





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純チャンしかみえねえぜ〜BABY〜俺は高打点狙いだぜ〜。

先ほどの味を占めて、純チャン狙いに。3sが4枚見えだし。


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べいべ〜、こ、こんな安目が、この世に、あるのか…?

しゃあない、リーチのみだがかけるぜ。


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OHMYGOD!

ドラ3のみならず、三色付きでド高め12000。これはやっちまったぜ。


みなさんも、ご利用は計画的に。



ラベル:打点 天鳳
posted by はぐりん@ at 23:57 | Comment(8) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月18日

不調を切り返す方法 とりあえずどん底まで落ちてみる

さて、今回は不調の切り返し方、について


株価の天井を予測できないのと一緒で、不調の底がどこなのか、ということは後になってみないと分からない。

ひとつ言えることは、大なり小なりミスをした結果が成績に反映されている限りは、それが不調の底になる可能性は低い。



不調の最終段階では、人為ではどうにもならない不運のマグマにさらわれて、辺り一面荒野と化す、こういう情景が思い浮かぶ。

そして、荒れ果てた大地にぴょこんと芽吹いた新緑の芽。これを見つけることができれば不調は終わりを告げる、というイメージだ。



空腹のまま打ち続けてしまった。睡眠不足で打ってしまった。体調不良なのに打ってしまった。

不調の原因となる要素は少し考えただけでも山ほどあるのに、好調のきっかけとなるのが何なのかを考えても思い当たる節がない。


そういう意味で麻雀はシビアなゲームであり、メンタルバランスの自己統制が欠かせないゲームであると言える。


さて、今回は八段に戻ってからの軽不調だったが、ある半荘を境にふっと波が変わった。

マグマにさらわれた半荘というのが一体どのようなものだったのか、個人的に印象深かったので紹介したいと思う。



東4局
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25000点持ち3着目の西家。

2枚目の東をポンして、局をかわしに向かう。


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3mをツモってきて、さてどうしよう?





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2s切りとした。

マンズの下は情報がないが、私が1m暗刻だけにこの23mは悪くない待ちだ。

25sはスジがかっているが、23mは2スジなのでケアしづらい

たった今6mが出たところでもあるし。


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7sをツモったところ。

さて、どうしよう?





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このへんで親の現物待ちにシフトした。

マンズが一向に出ないので固められているかも、と。

ドラ切りの親はそろそろリーチの頃合いだし、場況的に7sは絶好に見える。


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3mを切った途端に2m3mがパラパラと切られ、さらに親に2フーロが入る。

7sがチーで晒され、一気に47sは弱くなった。

そして持ってきたのは、5m。さて、どうしよう?(親の4mはツモ切り、5sチーの最終手出しが西)





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これが切りきれない。

58mは6mのワンチャンスだが、親は形の決まったイーシャンテンであったことを踏まえると、相当に危険なスジに見える。


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結果、全員テンパイで流局。


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この局面、親は7mと2sのシャンポンで、5mは通った。

5mを切っていると、ともすると下家の7sを捕らえられた。

つまり、本局私は25sと36sと147sと23mと47sの都合5回アガリ逃しがあったということになる。

大概こういうのがあるとダメ、というのが私の経験則だ。


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それではどうすればよかったのかというと、ここでは3mツモ切りが良かった。

23mは山5と強かったが、それはそれとして、1mが暗刻なのでソーズの4連形を生かしやすい牌姿だからだ。

ソーズは場況的に良さそうなので、食い延ばしはせずともツモで十分に伸びるし、25s自体がそれほど悪そうにも見えない。

実際、3mを切っていたら2巡後の6sで147sの三面張になり、難なくアガれていた。

ここでの失敗により、暗雲立ち込めることとなる。



東4局1本場
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気を取り直して次局。

マンズに寄った手牌から、9mポンしてチンイツイーシャンテンに取る。


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間髪入れずにカン7mも捌けて、好形テンパイ。

ここが鳴ければグッフッフ、しめしめといったところだが…


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切り出した発にカンの声。ん?なぜに大ミンカン。


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さらに下家が切った7sにポンの声がかかる。

ざわ・・ざわ・・


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上家から当然ですとばかりにツモの声。1600・3200。

私は新ドラが乗って、ハネ満確定の三面張だったがトリックプレーにしてやられた。


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上家のカンはこの形から。

私が3sからのターツ落としでカン2sに感触があった?

ドラドラなのでツモを増やしたかった?

理由を考えればキリがないが、受けが効かないカンはもろ刃の剣。ハマるのは好調だから、ということになる。


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大ミンカンがなければ7s2sは親が吸収して、親リーチが入っている可能性が高い。

その場合はおそらく私のアガリとなるだろう。

いずれにせよ、大物手を潰された私はさっきの局からの因果もあり意気消沈。



南1局
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23300点持ち3着目の南家。

ダブ南トイツ、発トイツと、なかなかの配牌。


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河が派手になったが、1枚目の発をスルーして、上手くホンイツに渡る。

ここで切り出した3sを対面がポン。


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出てきた発に即座に食いつく。

そこが鳴ければ、もろたでえ。


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6mもポンされ、ポン合戦。


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直後に持ってきた6sに、そこはかとなく嫌な雰囲気を感じつつも、河に置くと…


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片アガリやんか!ようけこんなの掴むのう!2000。

先ほどから的確にチャンス手を潰されている感じ。


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私の河を見て、6sでアガれるビジョンを持ったのだろう。

鳳凰卓はこういったアガリへの嗅覚が優れている。

14mが目と鼻の先。対面掴んだらどうするんだろ?



南3局
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マンズの好形を生かしてピンフに変化。

ピンズを払っていく。


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対面、上家が仕掛けて持ってきたのは南。

とりあえず3pと入れ替えておきましょ。


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手広くなったのでここで南を放すと…


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対面のダブ南、3900に刺さる。

親が3巡目に切ってる場1の南。こちらの手牌的にも止まりようがない。

遠いところからでも仕掛けるタイプなのでテンパイ確率も低く、南が当たるとは毛ほども思っていなかった。


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南は当然の後重なりで、チーテンが入ってかつ上家のドミノ仕掛けの送りバント牌。

ピンポイントでこの牌を掴まされる感じ。

私が仕掛けていたら王牌にいる気しかしないが。

とりあえず、3900で済んで良かった。これでオーラスはギリギリ3着で迎えられる。



オーラス
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17400点持ちの3着目。ラス目下家とは1300点差。

方針としては上がアガリ競争につき、一局は見ていられる。

仕掛けなどが入ったら受けに徹する。


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親に続いて、上家にも仕掛けが入る。

親の河を見ると、なかなかにアガってくれそう。


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まだか、まだアガらんか。

はよ決着。


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そっちがアガるんか〜〜い!2000でぴったり捲られ。

選択ミスでアガリ逃しの局から転落の段取りは整っていた感じ。

なぜ?どうして?と言っている間にラスを引かされるのが鳳凰卓の常だ。


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このラスにより次戦が降段戦。

マグマというほどではないかもしれないが、このラスによって諦観・無我の境地に達したこともまた確かだった。

ちなみに、名前を伏せているのは期限的な問題で、他意はありません。



降段戦 東3局
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原点持ちの親番。

下家からリーチが入って私の手はバラバラ。


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これを一発で引かれて裏1のハネ満親っ被り。

普段でもグラッとくるが降段戦はこの重みが違う。

近くて遠い3000点、これをどう詰めていくか。



降段戦 オーラス
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結局差を縮められないまま、オーラス17400点持ちラス目の北家。

上家と1300点差の1局勝負。

ここでアガれなければ降段だ。


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1mをツモって何を切るか?





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ここは雀風で分かれそうだが、私はピンフ固定が好み。

下手に仕掛けるとアガリ逃しが発生しやすいし、1000点だとツモ直条件なので。


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テンパイ。願いを込めて…


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リーチとした。

親も南家も放銃できないので、実質上家と直対になる。

リーチ棒を出して3000点差以内なら、テンパイノーテンで変わるので、リーチにメリットが大きい局面。


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後に引けない上家から追っかけが。

降段を賭けた捲り合い!


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そして、勝ったのは私だった。

値千金のアガリで降段回避。

不運続きでメンタルがグラグラと揺れていたが、もう大丈夫だ。

荒野に新緑が芽吹いた瞬間だった。



降段戦 次戦
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親番で6000オールをアガってラス争いから一抜け。

下家はダマなら上家から拾えていたが、14pは山ザクにつきこれが悪いというわけではない。

この半荘はダントツ対面を捲り切って堂々のトップで降段戦抜け。

きっかけを掴んだ私はそのまま浮上し原点まで回復することに成功した。


荒れ果てた荒野に新緑の芽を見つけるのは、次はあなたかもしれない。



ラベル:不調 天鳳
posted by はぐりん@ at 23:59 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月04日

八段復帰 言わばエゴとエゴのシーソーゲーム

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八段復帰した。


意外と早く戻ることができてホッとしている。

七段原点を一度も割ることなく、そのまま駆け上がった。
これはつまり、わざ降段的なポイントの恩恵を最大限享受できたということだ。



ラスを一度も引かずに残り500ptというところまでいったが、さすがにノンラスでの昇段とはいかなかった。

私の場合は七段に降段した直後から不思議と霧が晴れ、不調が影をひそめるという傾向が強い。

これは私にとって七段に降段するあたりが不調のどん底となっている可能性が高いということの表れではないだろうか。


七段降段直後のRが2140で、八段昇段直後が2193、七段のRとしては安定感の高い推移だろう。

途中4連続ラスなんてこともあったが、やはり七段でのポイント維持は八段に比べて楽だなあと感じる。

八段のラスで失うポイントが−150、七段のラスで失うポイントが−135、この差がたった15ポイントに過ぎないのだが、
難易度が全然違うように感じてしまうところが不思議であり、天鳳の段位ポイントシステムの秀逸さが表れていると言えよう。


前にも触れたが、七段原点のR2140と、八段降段寸前のR2140は肩書が違うだけで、実質は何も変わらない。

ところが、両者のメンタリティには確実に差がある。

経験上、降段寸前者は恐怖や焦燥と対峙して自身のバランスを崩しやすい。

降段した者はその事実と向き合い、気持ちを切り替えて対局に臨みやすいので、メンタル的には落ち着きを取り戻している。

なので、しっかり打てる可能性が高いのはどちらかというと降段を済ませた方、という印象もある。

わざ降段を薦めるわけではないが、落ちることでまた見える世界が変わるということもあるので、降段が近いという人は、落ちたら落ちたで楽になる部分もあるよ、と私からアドバイスをしたい


メンタル量で勢いを測るとすれば、わかりやすい例は、昇段した直後の人だ。

結果を出している人は自分の打ち筋にも自信があり、迷いがないので段位以上に強いと感じることも多い。

これは自分に置き換えてみればよくわかるだろう。

麻雀はゼロサムゲームなので誰か弱っている者を叩かなければならない。

その時にターゲットにするのは誰なのか、ミスを誘いやすいのは誰なのかを考える際、Rateはメンタル量を測る良い指標であると言える。



さて、今回は八段復帰に際してどのようなポイントがあったのかを紹介したい。

不調時とは見違えるほどに配牌が良く、当たり前のリーチが当たり前にアガれる幸運を噛みしめていた。

巡り合わせの妙だけではなく、失敗例も含めて様々なエッセンスを詰め込んだ。

それではどうぞ。



case1
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南2局、10700点持ちラス目の北家。

トップ目、下家の親が中をポンして、打3m。

こちらは一通イーシャンテンと、チャンスを迎えている。


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ソーズの伸びとの天秤に構えていると、4m引きで一通確定のテンパイ。

リーチに踏み切りたいが、さて、25sのどちらを切るか?





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2sを切ってリーチすると、上家のカン2sに刺さってドラ暗刻の8000。

ご存知「スジ切る」の難易度高いバージョンだ。

私の感覚では5sを切りたがっていたが、ドラまたぎということで理が2sを選択した結果、裏目と出た。

親にはどちらを切っても大差ないと思ったが、上家に対しては明確に2sの方が危険度は上。

6sが3枚見えているので、ドラが絡んだ複合形というのはそこまでなさそうだが、とはいえ58sで打ったらひどいと考えるのも普通。

こういうケースではワンチャンスなら2スジにかかっても内側の方がやや安全、というのが今のところの私の見解だ。

ただ、ドラまたぎにも当てはまるかは微妙だが。


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大概、選択ミスの後に自身のアガリが待っているもの。

そう思って恐る恐る牌山を開けてみたが、私のアガリ牌は対面に吸収されてどうやらアガリはなさそう。

とはいえ、上家のアガリもおそらくなく、流局決着が濃厚だった。

この半荘はこの後私が飛んで終局となった。

元々ラスからの放銃なのでまだしもだが、競っている場面では絶対に間違いたくないスジ切るの典型。



case2
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オーラス、35100点持ちトップ目の親番。

この局をやり過ごせば終了という局面。

2着目対面との差は7100点。

ここからの手組みは雀風で分かれるところ。さて、何を切る?





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私の場合は、普通に手を組む。

対面に1300・2600ツモで捲られるのであれば、自身のアガリを見た方が得と考えているからだ。

仮に対面との差が12000点以上であれば、ここは北を残す可能性が高い。


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7pツモにより、メンツ候補が充足した。

ここからはスリムに構えて相手の攻撃に備える。


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あっさり、テンパイが入る。

当然ながらダマに構えて打3mとすると…


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なんと、上家の8000に刺さる。

私の点棒は30000点を割り、まさかの西入延長戦に。

これを事故というかはともかく、完全に受けの構えならおそらく放銃はなかったはずで、うーんという感じ。


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上家はペンカン3m待ちから赤5m引きの三面張変化。

前巡に3mを切っても8000の放銃だったので、マンズを持っていると放銃は避けられなかった。

一通付きのハネ満じゃなかったのが不幸中の幸いか。

ちなみに私のツモ巡を追って見ると、その後6pでイーペーコー役ありに変化し、その直後に3sツモとツモアガリがあった。

自身にアガリがあるのであれば、この手順は決して間違いではないと私は思う。

変に受けを意識しすぎてもそれが伝わった瞬間、隙になる可能性があるからだ。

ただし、天鳳の場合、2着目対面は下が怖いので積極的にアガリを見ない可能性が高まる。

これを念頭に置くと、一局勝負ならより受けの比重を高めた方が良いという気もする。

2着目がどういう性質の打ち手か、などでも判断は変わってきそう。


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西1局1本場に超絶微差の点差から、対面がツモアガって決着。

這う這うの体で2着に踏みとどまった。

私の手は無駄に四暗刻、これがアガれなかったことよりも、当たり牌を掴まなくて良かった、というのが率直な感想。

とはいえあそこからラスに落ちていたら事件ですぜ、奥さん。

天鳳でこれをやったらアウト!という典型。



case3
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東2局、3着目の親番。

チートイツテンパイだが、何で待つ?リーチする?





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2p切ってリーチした。

これは待ちの優劣に明確な差がある。

相手全員が攻め返してくる場合、確実に2p待ちの方が有利だ。

なぜなら周辺を私が持っていて2pは相手が使いづらいからだ。

なので、山に居る枚数が同じくらいなら、2p待ちの方が有利、と思うでしょ?


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数巡後に下家から追っかけリーチが入る。

チートイツをやっていると、ヤバっ、と思う瞬間だが、8p待ちが優位となるのはこのケースだ

相手の攻撃に対しては、2pよりも8pの方が危険につき、攻め返された場合に8pで放銃する可能性が生まれる。

この場合、2pを被っても放銃率は低いが、8pを被った場合放銃率は高い。


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見事にツモって、4000オール。

なんと、下家は58p待ちで、2p待ちにしているとここで5200の放銃となっていた。

この往って来いはでかい。スジトイツ理論は奥が深いのだ。


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選択時、2pも8pも山に2枚ずつ。かつどちらも自身のツモ筋にいた。

しかし、条件は一緒でも片やアガリ、片や放銃である。

言ってみれば、こういう選択がピタりとハマる時が好調、ハマらない時が不調だ。

私はチートイツが圧倒的に多いという性質上、単騎選択の成否は好不調の分水嶺となりやすい。

ちなみに、スジトイツは258と3スジで持つとアガれない。25もしくは58と2スジで持つのがコツ。



case4
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南2局、2着目の親番。

ドラの白がポンできたが、まだまだ手牌にまとまりを欠いている。

ここで8mを払って、ソーズの伸びを見た。


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5sがくっついて、ここから何を切るか?





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ここから1mを切る人はなかなかいないだろう。

自身の仕掛けによって、ピンズとソーズが伸び、マンズが動かないのでここをほぐした。

「仕掛けによる、ツモの勢い理論」だ。


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うむうむ、狙い通りにピンズが伸びてきた。


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36pの二度受けをものともせず、軽々と3900オール。


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マンズの受け入れを重視していると、永遠にアガれない。

優劣不明の選択も、いい時はアガリに結びつくということ。



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南1局、6200点持ちラス目の南家。

ここから、何を切るか?





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4mとのスライドで、ダマっパネに昇格。


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ここから、何を切るか?





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対面の5mに合わせてスライド。

8mはカン8mがあるので。

この少考からの合わせ打ちで、私の気配がやや消えたのが幸いし…


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3着目から、デバサイを得ることに成功。

逆にノータイムで切っていたらこの8sは止められていたかもしれない。

何が自身の得となるかはわからないが、好調時はこういう些細なところで展開が有利に傾く。



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下家の親が早い巡目に発をポン。

手出しを連発している。


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最終手出し4mのソバ、36mがスジ掴まりになった。

さて、どうしよう?





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3m待ちのダマテン継続とした。

逆に4m手出しで36mの安全度が非常に高くなったとわかったからだ。

赤5s手出しの時点で、親の手はかなり整っていると推測できる。

となると、親はほぼ確実にテンパイで、現状の手出しはノイズである可能性が極めて高い。

5pは待ちに関連していてもおかしくないと思っていたが、この4m手出しだけはほぼ空切りだ。私が切っている4mに声がかかっていない、というのもあるし。


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対面から3mが出て、値千金の1600ゲット。


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下家は8s切りでテンパイ。

その後は空切りだった。

通常、赤やドラのような要牌を切った後は、手牌は推測しやすい状況にあるため、空切りの多用はむしろ逆効果となることもあるため、注意が必要だ。

空切りについてはいずれ記事を組む予定だ。



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ダントツの親が8000オールツモ。

ちょっと待て、私の持ち点は8300しかない!


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私300点、対面700点ちゃかない。

うんざりしている場合ではない、とりあえずアガらなくては。


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親リーチの宣言牌をゲットして1000点。

とりあえず3着に浮上してオーラスの親番へ。


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で、この配牌である。

この局の方針、ファン牌の絞りについては難しいが、放銃が即ラス転落に結びつくため、できるだけファン牌は絞る方が得だと考えられる。

対面に鳴かれた瞬間、下家が牌を降ろす可能性大だし、下家に鳴かれても私が非常にやりづらくなるからだ。


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結果は下家が上家からピンフをアガってくれて、辛くも3着で終了した。

怖ろしいことに、上家にはチートイドラドラのテンパイが入っていた。


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中をギリギリまで絞ったことで、下家にはピンフ移行の余地が生まれた。

逆に中を切る暇がなかったことが幸いしたとも言え、このへんが好調時の巡り合わせの妙だ。


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上家の7s切りにはチートイツの影があるので、ここでは2枚切れの白を残して危険な中を先に切る。

何気ないが、こういうところで一生懸命読むのは重要だろう。

中はロンと言われてもおかしくなかったが。



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東4局の親番。

この入り目なら迷わずに済むので嬉しい。

47m先引きなら場況的に縦かなと思っていたので。


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あっさりツモって4000オール。

何気ない一局だと思っていたが、対面の手を見てほしい。なんと国士無双を張っていた!


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唐突にドラが出てきたので、ん?と思っていたが…


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上家のチーがなければ、何と2巡後に対面がラス1の北をツモっていた。

私は親満どころか役満親っ被りでラス争いを余儀なくされるところだった。

他家の仕掛けが自分にとってどう作用するか、というのも好不調には大きい。



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南1局、トップ目の南家。

テンパイだが、さてどうしよう?





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ダマにした。

リーチで脇をロックしても親やラス目と直対になりやすい。

イーペーコー形はワンチャンスにならないので、リーチでの出アガリがかなりしにくいという印象がある。


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親リーチが入った際に、1sが現物になっていることも大きい。

ちなみに、先に白が出た場合にどうするかは議論が別れるところだが、私は仕掛けないつもりだった。


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下家から1sがツモ切られ、1300。

スライドしてドラも出て行ったが、値千金のアガリではないかと思う。


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即リーチでも私の4sツモアガリが先だった可能性が高い。

善悪はともかく、選択がハマっているところが結果に結びついている。



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残り5ptの昇段戦。2着でも余裕。

オーラス、41100点持ちトップ目の南家。

昇段確率は99%といったところ。

下家と競っている3着目の親が仕掛け始めた。


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回しながらも、テンパイが入る。

さて、どうしよう?





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7pが現物になったタイミング。これは行くでしょ、も、ロンの声。

いいよいいよ、もう1局ね。


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た、たけぇ…(;´Д`)

ドラが端牌で油断しているとたまにこういうことがある。

これで2着落ちどころか、親とも肉薄。

さらに、下家が次局満貫ツモで西入へ。ん?昇段が怪しくなってきた?


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対面がアガってくれて、なんとか2着終了。

99%の昇段戦を逃したら、一生這い上がれない気がするので、助かった。



caseおまけ
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八段昇段後1戦目。

開局の親番。

対面の9pに上家のロンの声。ん?これは…


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出た〜〜!まさかまさかの即終了。

降段直後、昇段直後は役満遭遇率が高い。


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座っているだけで2着とは、かなりお得。

永遠にこれを続けて天鳳位になる〜〜〜!



ラベル:天鳳 好調 昇段
posted by はぐりん@ at 01:41 | Comment(8) | 昇段 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする