この記事を楽しみにしていて夜も眠れず、睡眠不足の日々を送っていた人も多いことだろう(そんな人はいないか)。
令和の時代は回顧の時代。打点を顧みる手役重視の時代へと再び舞い戻る動きもあろう。
個人的に思う麻雀の歴史としては、
・昭和→ファイア(鉄火場の熱狂に踊る)
・平成→ブリザド(科学と効率に耽る)
・令和→サンダー(前時代の良きところを顧みる)
という感じで、令和の麻雀は、ビシビシッと的確に打点で取る、というのをテーマとしてはいかがだろうか。
前回記事は、タンヤオを狙うか否か、みたいなちまちました内容も多かったので、今回はスケールを大きくしてお届けしたい。
それではどうぞ。
case1

開局の親番。
嬉しいは嬉しいが、やや捌きの難しい中重なり。
チートイツを見るならピンズ落としだが、69p引きの裏目を逃さないようにここでは2m切りとした。

上家から発が出て、仕掛けたところ。
さて、何を切る?

7p切りとした。
当然の打牌のようにも見えるが、シビアに南切りと考える人はむしろ上級者かも知れない。
なぜかというと、上家の河に両面ターツ落としが入っており、染め手もしくはトイトイの可能性が高く、字牌が出にくく使われていそうな場況だからだ。
とはいえ、南のトイツ落としをしても、ダブ東ならまだしも中ポンで2900はつまらないというのもまた確か。
この場況とはいえ、マンズの染めに行くのも自然と言える。

ほらほら、狙い通りに南を持ってきたよ。
どちらのフィニッシュでも打点変わらず、親満のテンパイ。

しかし、下家がリーチをツモアガって、1000・2000。
69pもツモっていたが、南落としでもやはりテンパイまで。
上家とは中持ち持ちで、やっぱりな、という感じだが、東の方は山に2枚とアガリ目も十分にあった。
対面はご存知、沖ヒカルさん、下家は現在十段の00saiさんだが、当時七段の画像。
過去の画像には段位の変遷も見て取れ、趣深い。
case2

西1局、19100点持ちラス目の西家。
かなりの好手をもらっていて、これを是が非でも生かしたいところ。
9sをツモって、さて何を切る?

ツモ切りとした。
567の三色を絡めてハネ満にすれば、30000点を超えて一撃トップ終了につき。
一見普通に見えるが、6m4枚の受け入れの代わりに47s7枚の受け入れを犠牲にしており、テンパイ効率としては微妙なところ。
6mチーが魅力的なので、それで補えるか。
ドラの8mツモでも自然な変化を見ることができる。

来たで来たで、リーチだ!

一人テンパイで流局となった。
対面の親がテンパイなら即終了につき、降ろしたことは大きかった。
この後粘って2着捲りをゲットすることに成功。
case3

東4局、微差3着目の北家。
4sをツモって何を切るか?

234の三色部分が確定しているので、タンヤオの効率には取らなかった。
ソーズの場況は抜群で、カン3sもかなりよく見える。
7p先引き時は損得微妙だが、先に3sが入った時に5200ダマに構えられるのは大きい。

親と上家の2件リーチに対応した結果、この上ない赤引き。むひょ〜。
たった今現物になったばかりの3s、これは拾えるかも…

しかし、上家が力強くカン5pをツモって、裏1の3000・6000。
大蔵遊星さんが九段だった頃。当時の彼は愚形も全部リーチして全部ツモアガっていた。今は若干打ち方を変えたか。
昔と打ち筋が変わったな、と思う人も長く打っているとわかる。
case4

東3局、原点3着目の北家。
嬉しいカン4sツモ。さて、何を切る?

9m切りとした。
テンパイ効率的には大幅ダウンの一打。昭和の打牌選択を彷彿とさせる。
メリットは、
・69mツモによる赤5m切りのピンフのみを避ける(赤5mを使い切れる)
・単騎テンパイのグズグズがなく、テンパイ時に好形が確定する
・タンヤオが複合しやすく打点が見込める
その代わり、効率を犠牲にしているのでテンパイ巡目が遅れるのがデメリット。
場に高いマンズ待ちになるのを避け、かつ369sが強い、という場況を生かした打牌選択でもある。

5p重なりでテンパイを逃すも、来たで来たで!の絶好リーチが入る。

が、流局…
手順が良くてもアガれるかどうかは別、と言われた気がした。

他家の手を見ると、マンズの上目はかなり使われ、有効牌が少ないことがわかる。
待ちになりやすい47mはこの時点で山に2枚しかいない。

前巡の5p重なりテンパイでの47mは山に2枚で、上家が掴むもおそらくは出さない。
47pは山に3枚で、47mだと感触はまるでないが、47pは確かな感触があった。
打点重視の打牌選択というテーマだが、かつ場況重視の打牌選択、というテーマにもマッチする内容だ。
case5

東2局、26500点持ちの南家。
ここから何を切るか?

ダイレクトテンパイチャンスは減るが、567の形を生かしやすいように内に寄せた。
一通にはなりそうでなりにくいので、打点アップする受け入れを重視した。

3pツモって、どうするか?

これはいささかやり過ぎの感も否めないが、さらに壊して内に寄せた。
三色のシャンテンを崩すことになるが、カン6mが厳しいのであれば、再構築でも間に合うでしょ、と。
カン2sも悪くないのでこれがどうなるか。

ツモが言うことを聞いてくれ、この素晴らしいイーシャンテンに。
3pが普通だが、ここでは3s切りとした。

うむ、できた。
しかし、親リーチ一発目に最も危険な3pが残ってしまった。
このへんの兼ね合いは難しいが、ここは当然の勝負で無事通過。

これに勝利し、8000。
親の待ちは47pで3pはかなり危険だった。形を決めてこれを処理しておくのも一つの手だ。
最初の形に戻ると、例えば8s切りなんかは有力な候補に挙げられるが、これを切ってしまうとその後相当テンコシャンコになることは想像に難くない。
肝心のカン2sカン4s先埋まりがないため、本来嬉しいはずのカン6mツモが空振ってしまう羽目になる。
カン6mの2600リーチに踏み切りたくないのであれば、最低でも三色のプランを持つのが良さそうだ。
case6

東3局、30200点持ちトップ目の親番。
ダブ東がポンできて、カン4sが埋まった。
ツモは順調だが、ここから何を切るか?

両面ターツの方を払った。
上家下家の河から、2pは割と良さそうなので、打点狙いでここを残してみた。
西を叩いた場合に2900では物足りないので。

中の方が叩けた、これで親満テンパイだが、さすがに警戒度は高いか。

最終盤に下家のリーチ宣言牌で出てきて、11600&1300。
えっ?出るの?という感じでこれは意外だった。
この高め取りは緩手になることも多いので、場況との兼ね合いが肝要だ。
case7

東4局、12800点持ちラス目の西家。
123の三色主眼に進めていたところ、7sの引き戻し。
ここから何を切るか?

ドラ含み両面ターツ落としとした。
純チャンには雀頭がネックだが、ピンフにならないのであれば、ドラ1愚形はそこまで魅力的ではない。
ドラ重なりを見つつ、純チャン狙いの一打。

待望の雀頭ができる。これが一番の好ツモかも。

来たで来たで!満を持してリーチ。
できればカン8sで待ちたかったが。

上家から一発で出たのは、なんと入り目の8s。くぅ〜!これは惜しかった。
ドラ含み両面ターツ落としだけに、他家が戦々恐々の雰囲気なのはかなり伝わってきた。
字牌も怖いので、暗刻落としも恐る恐る、という感じだった。

結果、一人テンパイで流局。
まあこの作品を作れただけでも満足です。
case8

南3局、34900点持ち2着目の親番。
ここから何を切るか?

純チャンしかみえねえぜ〜BABY〜俺は高打点狙いだぜ〜。
先ほどの味を占めて、純チャン狙いに。3sが4枚見えだし。

べいべ〜、こ、こんな安目が、この世に、あるのか…?
しゃあない、リーチのみだがかけるぜ。

OHMYGOD!
ドラ3のみならず、三色付きでド高め12000。これはやっちまったぜ。
みなさんも、ご利用は計画的に。