2019年11月24日

流し満貫狙い【実戦例part1】

さてさて、昇降段により間延びしてしまった流し満貫の記事、今回は実戦例だ。

概要については前回記事にこと細かく書いているのでそちらを見ていただくとして、少し補足をしたい。


鳳凰卓の流局率を.162とすると、

一人当たりの平均和了率は約.210となる。


つまり、流し満貫狙いは配牌時、自身が2割強のアガリを勝ち取る自信がなく、かつヤオチュー牌がたくさんある時に有効になりやすいと言える。

自身の手が相当にバラバラの際は、1割6分の流局に逃げ込む方が局収支は高くなりやすいわけで、その際はアガリを諦めて形式テンパイを狙いに行くか、それとも流し満貫を狙いに行くかの勘案となる。

ヤオチュー牌が最後まで足りている場合は問題ないが、大抵の場合はツモに賭けるということが多く、その場合はメンツから老頭牌を拝借するといったことも多いため、通常流し満貫狙いと形式テンパイ狙いは両立しない。

このへんにバランス感覚が問われてくる。


私見としては、配牌からは明確に狙うというよりは芽を摘まない、といった程度にぼんやり狙い、中盤を過ぎたあたりから自身の手と相談していよいよ本格的に狙うというのがいいと思われる。

2牌、3牌という好ヅモによって手は見違えるので、大したことのない配牌がチャンス手に化けるということもよくあるからだ。

逆に言うと、ツモが全く効かなかったり、ヤオチュー牌のトイツ落としをしたら3枚目を持ってきてしまったなど手牌が裏目っている時が流し満貫狙いのチャンスと言える。

そういう意味では、序盤は内に寄せて手の伸びを最大限見つつ、ツモが効かなかったり裏目った時は流し満貫狙いにシフトするという感じで、「保険的に」活用するのが流し満貫においては有効だろう。


ちなみに、私の鳳凰卓の流し満貫は9例、全アガリに占める割合は0.054%ほどだった。

私の役統計においては、三色同刻(9例)と同程度の難しさで、四暗刻(7例)よりは簡単で小三元(15例)よりは難しいといった感じになっている。

これを見る限りは難易度的には相当に難しいので、過度の狙いは禁物であることがわかる。

やはりぼんやり狙うぐらいがちょうどいいだろう。


さて、いよいよ実戦例だ。

今週と次週は流し満貫狙いの実戦例をシンプルに10個ずつ。

再来週は他家の流し満貫成立や、流し満貫にまつわるエトセトラを。

豪華3週に渡ってお届けするので、流し満貫のエッセンスが少しでも伝われば幸いだ。




case1
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東4局、13000点持ち3着目の親番。

配牌は7種でバラバラの類。第一打は無難に西から。


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ツモが悪く、手がまとまらない。

が、ヤオチュー牌は豊富にあるので、ここから流し満貫狙いに切り替える。

この場合、今ツモってきた完全安牌の西は大事な牌なので、温存する。


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ここで重要なのが、危険な老頭牌(1・9牌)から先に処理する、ということだ。

字牌より数牌の方が危険度が高く、かつ仕掛けを入れられやすい。

序盤の終わりあたりに方針を決めたら、自身の手を放棄してでも、真っ先に老頭牌の処理に勤しみたい。


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ほら来た。

リーチが入る前に、危険な1p、9p、9sあたりを処理できている。

手牌との天秤にかけていると、そのへんが残ってリーチに切りきれなくなってしまう。

中途半端にやめたり、押して放銃するのが一番馬鹿馬鹿しいので、やると決めたら思い切って切り飛ばす。


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むむっ、ここにきて足りなくなってきた…ぞ。

最後のツモにすべてを託すしかない。


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ざんね〜〜〜ん!(みのもんた風)

約38%を引ければ4000オールという期待値マニア垂涎の状態がこれだ。

手を尽くしても残り1枚に泣くということもかなり多い印象。

あれだけバラ切りしたのに手牌はタンヤオチートイツのイーシャンテンになっているのもまた不思議。

端だけ切ってると、案外手はまとまってきて、なんだかんだイーシャンテンくらいにはなる。



case2
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東1局2本場の北家。親が連荘中。

6巡目にして親がリーチと、さらに畳み掛けてきた。

赤赤あるものの、ここからは丁寧に対応するしかない。


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終盤に差し掛かったところ。

ここから何を切るか?





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1mを切って流し満貫に望みをつないだ。

現物の5mや4pを抜くのが普通だが、1mの安全度は高めにつき。

ほんの遊び心だったが、意に反して3連続でヤオチュー牌を引いてくる。

残りツモは後1回、ということは…


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ていっ、とドラ勝負。

ロンはともかく、ポンされるのは覚悟だったが。


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これが通って無事成立。


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1m切りの工夫が生きた流し満貫。

case1は最後の1枚が引けなかったのに、ここでは終盤の3枚条件を楽々クリアした。

ツモ依存の要素が強い面はあるが、それだけに最終盤はスリリングだ。


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ちなみに次局の様子がこれ。

流し満貫をアガったのに、まだ東1局。

天鳳では流局扱いなので、親がテンパイなら親番は続行する。

積み棒が増え、3本場に。かつ親が出したリーチ棒は供託される。

通常ならそのリーチ棒はアガった私の物になるはずなので、親はリーチ棒を取り返すチャンスが継続している。

親の点棒が減っているのに親番が続く、という奇妙な現象が起こっていることがわかるだろう。



case3
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開局の親番。

ダブ東が重なって大チャンスのイーシャンテン。

ここでは1mのトイツ落としとした。


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あれから一向に東が鳴けず、無駄ヅモばかり。

その上対面からのリーチが入ってしまった。

さて、何を切る?





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さすがにチャンス手につき、絞っていた白を勝負した。

しかし、次巡に危険な7mを持ってくる。

さて、何を切る?





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西のトイツ落としとした。

西は決して安全ではないが、粘り込むという意味も込めて。

あとは、あれが見えるでしょ、あれが。


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むむっ、これで流し満貫の種がそろった。

これは意外といけそうじゃね?


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しかし、上家が暴れて(加カンして)放銃に回ってしまった。裏なしで5200。

アガリ辛そうなノベタンだっただけに、チャンスだったがこればっかりはしょうがない。

ちなみにこれは特上卓だが、特上卓の方が横移動で流し満貫を阻止される可能性は高いだろう。

上家の2p加カンは、実は私のツモを一つ減らすカンでもある。このへんの兼ね合いも考慮する必要が生まれる。


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浮いている6s、7mどちらも当たり。

この当たり牌を吸収してかつ加点するチャンスが生まれるというのだから、いかに流し満貫がお得な役かわかるだろう。



case4
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東2局、32700点持ちトップ目の親番。

配牌にドラトイツ。これはいい部類の配牌だろう。


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ドラを生かすべく丁寧に打ちまわしていると、上家から早いリーチが入る。


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終盤に突入したが、ここから何を切るか?





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白勝負とした。

流し満貫の積極策で、残り2枚が必要な上、9mもドラも通っていない。

やや無理スジでトップ目なら自重するというのが一般的か。


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ここで持ってきたのは、望外のドラだった。

当然切るのは…


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これだわさ。

流し満貫の種を補充しつつ、安全度が劇的に高まり、なおかつポンされる危険性がなくなるというトリプルスリー。

思わず口元が緩む瞬間。


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oh!9mが通ったぞ。これで成立は固い。

さて、何を切る?





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絶対に油断してはいけないのがここだ。

ここで9mを合わせると、下家にチーされる可能性が高い。

9mはギリギリまで引っ張って処理する。仮に海底で切ることができれば、鳴かれない。

白を重ねられることを嫌って、ここで白だったかも。


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海底でさらに白を持ってきて2枚余りの成立。

ここで9mを切っても下家に鳴かれることはない。

なので、最終盤の老頭牌はできるだけ引っ張ることが肝要となる。(下家がリーチならその逆で、ケースバイケース)


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手牌を開けてみると、下家はなんと69mで張っていた。つまり、最後に白を持ってこなければ9mが7700の放銃となっていたわけだ。

9mを合わせていると下家に鳴かれていたわけだが、その方がマシだった可能性さえあった。

振り返って背筋が凍った瞬間だった。何が最善となるのかわからない難しさがある。


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親番につき4000オールだが、手牌はノーテン。

ということは?


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なんと親が流れてしまった。

下家に親が移り、1本場積まれて、供託リーチ棒はそのまま。

リードしながら振り切ってしかも親流れ。これは野球でいうところのいわゆる振り逃げですね(笑)


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ちなみに本局、下家はこの2mでオリたために、私の流し満貫成立となった。

押していれば上家から3900のアガリとなっていたはず。

しかし回ったおかげで私が7700放銃となる可能性もあったのだから、いやはやわからないものである。



case5
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開局の南家。

8種だが、ツモ次第で何とかなりそう。


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親のドラ切りリーチに、下家がポンで応戦。


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こちらは流し満貫の種が揃った上に、放銃リスクがゼロ。

流し満貫狙いの理想というか、夢のような展開ではないだろうか。


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しかしそうは問屋が卸さずとばかりに、下家が親に放銃。2000。

ドラポンテンパイならそりゃそうか。

このように、種が揃っていても、他家のアガリで蹴られることも多い。


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ちなみに、下家が3mを止めて4p単騎に受けても、対面が6pをツモアガる。

他家にまっすぐ来られるとなかなか成就しないのが流し満貫の難だ。



case6
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東3局、13300点持ちラス目の北家。

7種8牌でこれはバラバラと言えそう。

第一打は北から。


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種がやや多いので…


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1mを先処理して、字牌を温存。

字牌をツモり続けて数が減らない。


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それでも終盤は足りなくなる。

ここでの1mツモは大きい。あと1枚だがツモれるか。


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残り1巡というところで、親リーチが入る。

私は種切れ、最後のツモに全力を注ぐ。


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やってやったぜ!


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これにて2000・4000ゲット。


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ちなみに、王牌を覗くと、中張牌だらけだった。

13分の3(23%)と通常より低かったが、よく引いた!

あのぐらいの配牌からもリスクなく得られるので、7種8種ぐらいからの流し満貫の保険は重要かもしれない。



case7
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東4局、19700点持ちラス目の親番。

配牌は7種8牌とバラバラ。


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ん?老頭牌だらけだけど流し満貫が狙えそうな…

ここは最も危険そうなマンズから処理していく。


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何を切るか?





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9sを合わせ打つ絶好のチャンスだが、前回2枚の9sにラグあったので都合6枚目を切ってしまうと鳴かれてしまうかもしれない。

ということで9pを切った。9sはギリギリまで引っ張るつもり。

ここで対面にリーチが入る。

ここでも9sを合わせるチャンスだったが…


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やはりチーされることを嫌って発切りとした。

そして最悪なことに、下家からリーチが!


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種は足りているが、最後まで残ったのが下家に絞ったはずの9s。

さて、どうするか?





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当然勝負するも、これが当たりで痛恨の7700放銃となってしまった。


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9s2発のラグを見て、鳴かれるかもしれない危惧が発生した。

下家はタンヤオ移行を目論んでのチーラグだった。


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少なくともここか、この一個手前で9sを処理するチャンスはあった。

できるかどうかもわからない流し満貫を自分の勝手な妄想で、チーで消されると勘違いした結果だ。

下家は仕掛けたらチャンス手が潰れる可能性があるのだから、ここは自分の都合で処理するべきだった。

1・9牌の処理を誤ると、こういうリスクが生まれてしまうため、鳴かれることよりも先に処理することの方が重要だ。

何が重要かの判断を見誤った失敗例。この半荘は幸いにも3着だった。



case8
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東3局、24700点持ち僅差2着目の北家。

いらん9sを残してしまったので、9sを連打していると…


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ツモってきたのも9sで…


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ありゃりゃ、切ってしまった。

集中力が足りなかったり、イライラしている時にやりがちな天鳳あるあるではないだろうか。


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しゃあないので、落とします。

親の危険牌先処理と考えれば、まあいいか。


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その後、南家のリーチを受けてベタオリ。


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ん?長嶋さん、いけるか?


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1mはやや勝負だったが、1枚余りで成立。


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あの9s連打のミスがなかったら、ここ近辺での9s切りに確実にチーを入れられているはず。

怪我の功名で流し満貫成立。こんなこともあるんだなあと不思議な気分になった。



case9
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東3局、23700点持ち3着目の親番。

8種10牌とかなりバラバラ。

これぐらいになると配牌から流し満貫を現実的に見てもよさそうだ。


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東と白を温存しながら、慎重に老頭牌を先処理していく。

8s4枚見えの9sが暗刻になり、完全に道筋は見えた。


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上家リーチに対して、こちらもテンパイしたが、さてどうしよう?





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4p勝負?ノンノン、そんなリスクは損なリスク、なんちゃって。

こちらは後1枚ヤオチュー牌を引くだけ。


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しかし、無情にも下家にツモられ300・500。

下家さん、そんなあ〜(>_<)


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中ツモで流し満貫成立。

上家にもアガリは発生せず、これは惜しかった。



case10
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南1局、23800点持ち3着目の南家。

ラス目が3700点と離れている。

配牌は上の三色が見え、まずまず悪い。


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手牌はそれなりに整ってきたところ。

ここで対面が回線落ち。これなら普通にアガリにいってもよさそう。


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下家にリーチが入って対応を余儀なくされる。

流しがいけそうになってきた。


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ワンチャンスの1s連打で、安全に流し成立することが確定!よしっ。


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はい、成立。


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この1sをツモらなかったら、最後に9p勝負する羽目になっただろう。

それだとハネ満で一気にラス転落が見えていた。非常に怖い。

対面の回線落ちを見て下家はリーチに踏み切ったと思うが、対面も掴まず。

待ちの69pは山に3枚も眠っていた。

危険牌を押せば流し満貫が成立する、という状況では大抵の場合それが見合う押しになるため、それが逆にピンチを招いてしまうということもある。

流し満貫はリスクの低いラッキー役的な存在だが、使い方を誤ると諸刃の剣にもなりかねない、ということがわかるだろう。


次週も引き続きこんな感じで展開する。



ラベル:流満 天鳳
posted by はぐりん@ at 08:32 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月17日

八段昇段 わずか57戦でのスピード復帰

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八段復帰した。


先週の降段記事からわずか1週間での昇段。

昇降段の記事を2週連続で書いた記憶がないので、おそらく自身最短の昇段ではないかと思う。


この半荘が不調の底になる。今の私はなんとなくそんな予感がしている。

前回記事を締めたこの予感が、ズバリ的中した形となったが、まさかここまでの跳ねっ返りになるとは思いもよらなかった。



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降段時のこの成績が、

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昇段時にはこうなった。

降段後の成績は、57戦19−15−16−7、平均順位2.19

あの惨憺たる成績から、数十戦程度でここまできれいに収束するとは誰が予想できただろうか?

一番驚いているのがかくいう私なのだから、それも無理はない。

麻雀を打つことに恐怖心すら感じていたのがつい先週の私だったのだから。


逆に言うと、絶不調で打つ気がなくなって放置していると、直後に訪れていたはずの確変状態を逃したままになってしまうかもしれない。

メンタルバランスを崩したまま打つのは良くないが、諦めたり投げ出したりするのもまた良くないのである。

ある程度継続的に打ち続けることでこういう意外な結果が得られることもあるという、いいサンプルではないだろうか。


メンタルブレイクしかけた私が、なんとかメンタルバランスを取り戻したのは、前回ブログで自身の打ち筋をあらためて反省し、見直したことが大きかったと思う。

正直、降段記事というのはみなさんが思っている以上に精神的苦痛を伴うもので、降段を機にブログの更新が滞るなんて人も過去に何人も見てきた。

ただ、やってみて実感するのが、現状をきちんと理解できるというメリットがあって、自身の何が悪かったのかを客観的に分析することができる。

最近は負け慣れてしまって、気力が足りなかったので、たとえ正しくない判断だったとしてもしっかり最後まで戦おう、ということをテーマに打ったことがこの結果に結びついたと思う。


また、変化を求めてポーカーのメンタル本を読んだ。

『賭けの考え方』勝ち組ポーカープレイヤーの思考習慣という本だが、人間だからこそ陥りやすい誤った思考習慣について、丁寧に説明してくれている。

私はポーカーのルールはほとんど知らないが、この本はそれを知らなくても、スイスイと頭に入ってくる。

生きていく中で重要なことは何かというのを思い知らされる本でもあるので、ビジネスマンや経営者にもオススメできる良書だ。


この本を読んで、「自身のノイズを減らして正しい判断を下すことを優先させる」ということを特に意識したことで、逆境にもブレずに打つことができたような気がする。


感情がないAIとは違って我々は人間だから、不調が訪れたら何か気分転換をすることも重要だと今回感じた。


さて、昇段に当たってどのような巡り合わせがあったのだろうか?

実戦例から見ていきたいと思う。



case1
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南3局、20900点持ちラス目の西家。

全員が30000点未満と拮抗しているが、このままずるずるとラスは避けたい。

好配牌からテンパイが入ったが、現状の待ちは厳しい。

さて、どうしよう?





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ドラ単騎でリーチとした。

赤ドラの5mを使い切ってアガるためにはこれが手っ取り早いだろう。

確実にアガりたいと考えすぎると迷いそうな手牌だが、ここは躊躇なくいけた。


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ほどなくツモって、3000・6000。

何が好調かって、これがアガりきれることだ。

大抵は流局がいいところで、他家にかわされたりすることも全然ありそう。

こういった積極策がハマり始めたのが今回の好調の要因だ。



case2
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東1局1本場の南家。

いやあ、いい配牌だねえ。

さて、どうしよう?





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7s切って変化待ちとした。

さすがにこれなら好形変化を待つ猶予が十分にある。

一段目ぐらいに好形リーチを打てれば、ダブリーより期待値が高いまであるんじゃないの?


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最強の4sをツモって即リーチ。

変化待ちして良かったと思える瞬間だ。


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高めツモって裏が1枚。なんと倍満まで行った。

ダブリーでもアガれてる6sなのがミソ。それだとハネ満だが。

このラストの6sをいともあっさりツモってるあたりに好調のカケラが見える。



case3
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同半荘東2局。親番で2000オールアガって1本場。

えっと、テンパってますが。

当然リーチで!


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対面から高目のダブ東があっさり出た。


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無駄に(と言っちゃ失礼だが)裏3で対面は虹の彼方まで吹っ飛んでしまった。

2局前のダブリー配牌から延々と自分一人が攻めている感じ。

やはり好調時は配牌に恵まれている、というのはある。この短いタームでダブリーも何度もあった。



case4
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東3局、23700点持ち2着目の南家。

好配牌から4巡目にしてこのテンパイ。

リーチも全然ありだが、2mツモでの変化もあるので一旦ダマにする。


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親が仕掛けたので、おもむろにツモ切りリーチ!


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これが見事に一発ツモ。

か〜〜裏乗らんか〜、の3000・6000。

こういう何気ないリーチのタイミングもハマる。悪い時は唯一アガれない手順を踏んだりするからね。



case5
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南4局1本場、34100点持ち2着目の親番。

前局4000オールをアガって一気にトップ戦線に浮上。

トップ目との差は3700点。

ドラドラで条件は満たしているが、待ちが悪い。

さて、どうしよう?





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ダマにした。

リーチ棒を出してしまうと流局でトップが変わらなくなるため、抑え込みよりも変化待ちに期待することにした。

巡目はたっぷりあるし、変化枚数もそこそこ多い。


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ところが、3着目の下家から予想外の早いリーチ。しかも、宣言牌が当たれない5s。


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いやあこれは参ったぞ。

さて、どうするか?





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ツモ切り追っかけとした。

いやいや、ここで追っかけているようでは負け濃厚でしょ。


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ところが、リーチが再度5sを掴んでアガリ。7700でトップ捲り。

一度アガリを逃しているのに、まだアガリがある。これは好調時にありがちな巡り合わせ。

通常は3着転落濃厚のパターンだが、僥倖のトップ捲りだった。



case6
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開局の南家。

1巡目に出た9p、鳴く?





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ポンした。

結構普通の鳴きだが、急所でないと見てスルーすることもある。

以前は鳴かないことの方が多かったかもしれないが、鳴きの積極性も採用した


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出た牌を全部鳴いていったらこうなる。

こんなの出るわけないって思うじゃん?


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あっさり出るんだな、これが。8000。

逆に全部仕掛けたことで、鳴き読みが難しい待ちになった、と。

こういう仕掛けがいい結果を生んでこなかった自分にとっては興味深いアガリだった。

これがアガれるんなら、ガチャ鳴きも悪くないな、と。

ただ、見ていただきたいのは親の手。すでに12000のテンパイが入っている。

3pを止められれば私にアガリ目はなく、7sを掴む未来が見える。こちらがデフォルトだろう。

ともかく、こういう仕掛けの積極策が奏功すればメンゼン派にとっては鬼に金棒だ。



case7
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南1局2本場、供託リーチ棒3本、34000点持ち2着目の西家。

ラス目の親がファン牌を2つ仕掛けている。

テンパイだが、打点も待ちも悪く、258pのスジは危険。

さて、どうしよう?





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供託リーチ棒狙いのリーチとした。

アガれば3600点がおまけでついてくる。こんな美味しいことはない。

今まで供託リーチ棒に釣られない、みたいなキャラで来たが、これからはがめつく狙いますよ!


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結果は終盤までもつれた末、親が上家に7700の放銃。


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面白いことに、この時点で上家に7pが浮いている。

かなりアガリ辛そうに見えたが、結構なチャンスだったわけだ。

親が三面張へと待ち変えしたがために、上家の中トイツ落としが親のアガリ逃しに。

親は3sさえ引かなければ18000で終了だったわけだから、あまりに痛いチェンジ。

さらに上家は7pを切らずに粘って使い切り、なおかつアガリ切る見事な芸当。

三者三様の思惑が相まっていい闘牌となっている。

つまり、リーチ自体はリスク高めで、親への12000放銃になってもなんらおかしくはなかったということ。

たまたま悪くない結果になっているだけだが、このへんの攻撃にも積極策を講じている。



case8
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南3局、6400点持ちラス目の南家。

3着目の親とは2800点差なので、ここで是が非でもアガりたい。

赤5m引き戻しを手元において、難しい牌姿。

ここから何を切るか?





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9m切りとした。

発想を転換しないとなかなか切れない9m。

仕掛けるのであればこちらの方が早そう。


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早速急所が鳴けた。


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8が二つ鳴けてあっという間にテンパイ。


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大トップ目の対面が何のためらいもなく8sを切ってくれた。7700。

最後だけは切らないという人も多そうなので、ここまで面倒見てくれたことはラッキーだった。

こういうのは時の運だが、仕掛けが吉と出たということ。この半荘は3着。



case9
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南1局1本場、9500点持ちラス目の北家。

やや離されてしまっていて厳しい状況。

こちらも好手だが、親と南家の2件リーチが入る。


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何を切るか?





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8m切りとした。

8mは親の現物でワンチャンスだが、対面に対しては結構な危険スジだ。

8mだけならいいが、ドラまたぎの8sを切らなければならないことを考えると、少々気合いの要る打牌。


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すんなりテンパれば、勝負にいける。

8sはセーフ。


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これが何と一発ツモで、3000・6000。

過程よし、結果よし、このどちらもついてくるのが好調時だろう。

4s切りが対面に間に合っているし、親は五面張だった。

この後も色々あったが、なんとか3着で終えられた。



case10
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東3局3本場、29400点持ちトップ目の南家。

6pを切ると、ひじょ〜に長いラグを伴って下家が回線落ち。


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いざ尋常に!リーチ。


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回線落ちの下家が一発で掴んで、裏なしの3900。

下家の手を見ると4pが固まっていて、通常ならかなり止められそうな1pだった。


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場面は変わって同半荘オーラス。

私は痛恨のダブロン放銃があって、ラスまで落ちている。

3着目の上家とは3900点差の親番。

好手につき、是が非でもこれをアガりたい。

と、思っていると9sに長いラグがかかって…


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上家さんがお逝きになられた。

チャンスとばかりに私はチーテンを取った。


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ほどなく7mがツモ切られ、5800の直撃で3着捲り。

手を見てもらえばわかる通り、何と上家にはカン7mの受け入れがあった。

これが放銃に回ってしまう回線落ちというのはいかにも辛すぎる。


一方私は、この半荘神の手ともいわんばかりに重要な場面で2回も回線落ちからアガリを得た結果の3着終了である。

これを好調時の巡り合わせと言わずになんと言うのだろう。

ちなみに、私は回線落ちとの相性が極めて悪くて、恩恵を得られることが少なかった。その分が少し返ってきたのかもしれない。


八段復帰してかなり気持ちは楽になったので、今後も気力を振り絞って試行錯誤を重ねていきたいと思う。



ラベル:記録 昇段 好調 天鳳
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2019年11月10日

七段降段 4000試合ぶりにR2100を割る

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七段降段した。


10月は苦しいながらも耐えて忍んで、なんとかラス率を抑えていた。

さすがにそろそろ好調の波が押し寄せるはず、と期待しながらの11月だったが、まさかの逆噴射となった。


ラスを抑える過程で3着を量産した結果、降段Rは2100ちょいという低Rとなっている。

前回降段した際のRは2140前後だったので、順位分布次第でRは結構上下するということが分かる。


R2100を割ったのは、4000試合ぶり、約2年ぶりのことである。



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鳳凰卓で長いこと打っていれば、このぐらいの履歴は珍しくもなんともない。

分散が大きいという麻雀のゲームの性質上、短期的な結果は運に左右されやすい。

最近の私の傾向としては、

・ハネ満以上の親っ被りが多い
・放銃時の裏ドラが信じられないくらい乗る
・自身の裏ドラはまったく乗らない

とにかく、放銃時に裏ドラが固まって乗るため、結構なリードがあっても1つの放銃であっという間にラス争いになってしまう。

自身が親番での被ツモ時にも裏ドラが乗る影響からか、倍満親っ被りも何度も見た。こんなに倍満が出るものかと唖然としたものだ。


こういう状態が長く続いたことで、自身のテンパイに自信が持てず、やや臆病な着手が増えていたように思う。

決定打になりうる手のダマテンや、牌効率を損なう危険牌のワンテンポ早い先切りなどである。

ラスを恐れて踏み込めないことで、取れる2着を放棄して3着に逃げ込むことは、楽な方へ進むことで結局はジリ貧へと繋がってしまう。


麻雀は短期的には運の要素が強いが、それを理由にするためには、長期的に結果を出しうる正しい着手が前提となる。


貧すれば鈍す。ベタオリしすぎて感性まで鈍ってしまえば真の勝負所を見失ってしまう。

これを機会にもう一度自分の麻雀を見直し、正しいかどうかはさておき、気力を持って戦うこと、これを強く意識していきたいと思う。


さて、今回の転落劇にはどのようなポイントがあったのだろうか。

実戦から振り返ってみたいと思う。



case1
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オーラス、12400点持ち3着目の親番。

ラス目の北家とは200点差の熾烈なラス争い。前局上家が満貫親っ被りで、ラスが入れ替わった。

このラッキーを生かして逃げ切りたいが、何をツモられても再びラス転落してしまう。

まずまずの配牌から仕掛けをギリギリまでふかして、中ドラドラ赤のポンテンに取ったところ。

正直、この過程にはかなりの感触があった。


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結果は、下家の当たり牌を掴んで、痛恨のラス転落。

完全ラス牌を掴んでいるのはともかく、あれ?対面の手。

なぜ下家の4pでアガらない??



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つまり、私の切った1pが同巡フリテンだったのだ。

か〜〜、しかしこのタイミングでラストの1p持ってくるかね?

1pさえ切らなきゃ、対面はトップ捲り、私はラス回避で完全なるwinwinだったのに。

このレベルで下家を助けている以上、私が下家の当たり牌を掴むのは当然の因果であるとも言える。


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ちなみに、この選択の場面。

やや迷ったが、4mの方が下家の急所だと思い、3mを切った。

実際4m切りなら下家にチーが入り、カン3pテンパイ。

するとその後、上家が3pを暗刻にしておそらく4m切りのシャンポンテンパイに取るだろう。

それだと直後に下家が6mを掴んでジエンド。

北でアガリを逃したかと思ったのだが、結局はどう打っても「負け」だった。



case2
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南1局1本場、22900点持ち3着目の南家。

2着目の西家が先制リーチを入れて、一発目。

こちらもテンパイが入ったが、さてどうするか?





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迷わずに9mを切るも、これがなんと一通のド高めに当たり。12000。

ドラ引きで一通変化の含みがあるので、89mは払いにくいターツとして残ってしまっていた。

なんでこのタイミングでテンパイが入るんだよ、と愚痴をこぼしたくもなるが、この手の怖いところは仮に他の中張牌を持ってきたとしても、結構な確率で9mに手をかけてしまいそうになることではないだろうか。

なかなかにやれそうな手だけに、現物の4sを抜くことからは考えたくない。

実戦中は9mはそこまで危険だとは思わなかったが、この手組みにしている時点で「大体詰み」という例だ。



case3
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開局の南家。

親からリーチが入ったところ。

あまり攻めたい手でもないが、意外に安全牌がない。

ここでは1枚切れの中をツモ切りとした。


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粘っていたら、ピンズが好形になり、テンパイが入る。

ドラじゃない方を引いて、三色も崩れ、入り目としてはイマイチ。

さて、どうしよう?





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追っかけに踏み切った。

切り出す7pの危険度も高いので、見合うかどうかは微妙だが、ポイントは36pが悪くなさそうというところ。

山にいる枚数がある程度期待できれば、打点よりもアガリやすさの方が追っかけの根拠になるだろう。

高めツモなら1300・2600あるし、これはリーチする人の方が多いのではないだろうか。


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自身一発目のツモで、まんまと親の高目を掴んでしまった。

リーチ棒を出してから、きれいに掴む。不調時あるあるではないだろうか。

先に掴めば止めるっちゅうねん!と何度叫んだことか。


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唯一のトイツが裏ドラになり、私の点箱はすっからかんになってしまった。

69mは山5とかなり強かったが、36pも山4と十分だった。

こういうのに慣れてくると、辛いという感情さえ沸きあがらない。

次局はテンパイすらできずに飛び終了。



case4
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南3局、23200点持ち3着目の親番。

ラス目との差は約10000点。

こちらの配牌も悪くはなかったが、ラス目が2巡目にドラ切りで警戒警報。

案の定、5巡目の早さでリーチが飛んできた。これはヤバい。


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あっさりツモられ。これなんかちょっと高くない?


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出たし倍満!

放銃してもいないのに8000点も持っていかれる私の気持ちを考えたことがあるかね?

この親っ被りで次局なんと満貫出アガリでもラス抜けできないという圧差に追い込まれ、そのままラス。

自力では何ともならない領域だが、いずれ逆の目が出る日が来るということを心の糧にするしかない。



case5
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東3局、22400点持ち同点3着目の西家。

入り目絶好、25pがやや薄いのが気がかりだが、10人に8人ぐらいはリーチしそう。


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しかし、ドラを掴んで7700の放銃。

何気ないこの一つの放銃だが、鳳凰卓でラスになるためには十分だ。

下家はかなりバラバラなところから仕掛けていってのこのアガリ。

赤が1枚ある時は、ドラ単騎のアガリがかなり破壊力のあるものになる。赤入り麻雀ではかなり有効だろう。

ちなみに25pも白も山に2枚ずつだった。



case6
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東4局1本場、31200点持ちトップ目の北家。

ラス目の西家から先制リーチが入ったところ。

こちらもピンフのテンパイが入ったが、さてどうするか?





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追っかけに踏み切った。

ドラなしピンフにつき、やや躊躇うところ。

上家に対する安全牌が乏しく、危険牌を持ってきても回り切れるかどうか微妙につき、それならばリーチの方が得策と考えた。

8sは直近2枚切られているが、総合的には悪くない待ちにも思える。


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リーチ棒ごと最短で持っていかれました…

ダマでも7sは切っちゃうんじゃないかな。


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2枚セットで乗ってハネ満になるパターン。

安目で良かった!と言える大人になりたい。

ちなみに、47sも58sも山に4枚ずつだった。

出アガリが効くならドラツモの変化を待つのも一考か。



case7
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同半荘、29800点持ちトップ目の親番。

あれからなんだかんだダマでアガったりしてトップ返り咲き。

さすがにこの状況からラスに落ちることはねえべさ。

チートイドラドラのシャンテンと手がまとまってきたところ、3着目からリーチが入って一発目。

さて、何を切る?





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いやいや、上家チートイツ臭い河だけどさ、他に切る牌あるかね?

6mを引っ張っているのもいいアクセントになっている。


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あれ、なんかさっきも見たような…。どんな確率で乗ってんのよ。

6巡目に地獄単騎を一発で掴んで、それがチートイに刺さって裏裏。

トップから一瞬でラス転落して、さすがにこの時は言葉も失ったし、我も失った。

こういうことが続くと、そりゃ完全安牌が1枚ぐらいほしくなるわな。

逆に言うと、序盤の地獄待ちでも躊躇わらずにリーチをすればこういう好結果に結びつくことがあるということで、上家のリーチが見事だったとも言える。

この半荘は、オーラス奇跡的にアガリを拾って何とか3着で終えられた。



case8
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七段降段後の初戦。

南2局、28800点持ち2着目の親番。

下家が抜けたラスで、三つ巴のトップ争いと言ったところ。

テンパイが入ったが、さてどうするか?





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入り目絶好!これは10人中10人がリーチするだろう。

一発ツモ6000オールでラストまで夢見るところ。下家から出て裏1でもいい。


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ところが、僅差の3着目から即座に追っかけが入る。


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うん、知ってる。自身のリーチ一発で持ってくる牌は大体当たりだってこと。


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もう見飽きたって!なぜこんなにきれいに乗るのか。

私なんてカンドラあっても全然乗らないのに。

一発と裏裏が絡んでぴったりハネ満っていうのがあまりに多すぎる。



case9
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同半荘オーラス。17800点持ち3着目の西家。

ラス目の下家とは14100点差の実質1局勝負。

不運はあったが、なんとか3着で凌ぎ切れそう…か?

下家に満貫放銃だけは気をつけねば。


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と思っていると下家から早いリーチが入る。

ドラ切り…ということは、ハネツモ条件を満たしている可能性が高い。これはヤバい!


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死の宣告は突然に、何の前触れもなく訪れる。

麻雀というのはなんと残酷なゲームなんだろう。


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御無礼!5枚オールです。

こういうアガリはリアルにとっておきたいもの。

この半荘が不調の底になる。今の私はなんとなくそんな予感がしている。



ラベル:不調 降段 天鳳
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2019年11月03日

流し満貫狙い

さて、今回は流し満貫の特集だ。

流し満貫はローカルルールであり、大抵の競技麻雀においては採用されていない。

採用の有無、成立の条件、確定時のアガリ点数については、決めによってまちまちとなっているため、フリーで打つ際には優先的に確認していただきたい。


成立の条件については、流局が成立した段階というのが一般的だが、自身の最終ツモの打牌が完了した時点で成立とみなす、というルールも聞いたことがある。

アガリ点数も、一般的なのは満貫だが、倍満にしているという話も聞いたことがある(例えば三麻なら難易度が高いので上位役としてみなすということはあるだろう)。


例えば、国士の暗カンでアガれるか、というルールはその出現頻度自体が少ないため聞き逃しても損をすることは少ないが、流し満貫はそれに比して成立する頻度が多いため、有りか無しかで大きく戦略が変わってくるからだ。


我らが天鳳においても、流し満貫は採用されているが、その扱いは通常と若干異なっている。

その性質は以下のとおりだ。


@天鳳では流し満貫は流局扱い

天鳳では流し満貫はアガリ役とみなされていない。

流局時、流し満貫が成立した場合は、満貫ツモの収入は得られるものの、積み棒とリーチ棒の供託分の収入は得られず、さらに次局一本場が積み上がる。供託リーチ棒はそのまま供託される。

課金した際に、アガリ役とその回数、出現頻度のデータ(役統計)を得られるが、アガリ役一覧に「流し満貫」がないというのが、その裏付けとなっている。


A天鳳では流し満貫成立時の親権維持は、親のテンパイ時に限られる

流局扱いということは、親権維持に親の手牌が関連してくる。

誰が流し満貫を成立させようが、親の手がテンパイなら親番は続行し、親の手がノーテンなら親番は流れる。

例えば北家が流し満貫を成立させて、親が4000点を支払った場合でも、親の手牌の形が最終的にテンパイしていれば、親番は続行する。
この際、点棒が減っているのに親が続くという通常とは矛盾した現象が表れる。

さらに、親が流し満貫を成立させた場合も、手牌の形がノーテンであれば親は流れる。

流し満貫をやっている際に都合よく手の内もテンパイということはまずないため、親が流し満貫を成立させた場合、ほぼ親が流れることとなる。(しかも次局1本場となる)

4000オールを持ち逃げされたような感覚にもなるが、逆に言えば大連荘の可能性がなくなるため、大逆転を狙うことが不可能となる。

オーラス4000オールでも3着浮上できないダンラス目の親の際は、流し満貫を成立させてもラスで終了という珍妙な現象が起こるため、注意が必要だ。


B天鳳では自身が鳴いても流し満貫は成立する

これについての決めはまちまちだと思うが、天鳳では自身が仕掛けても流し満貫は成立する。

自身が仕掛けることでツモが増えやすくなり、不利を被りやすくなる、というのがその理由だろう。

ただし、天鳳の場合は先にも触れたように手牌がノーテンなら流し満貫成立しても親が流れる。

この性質を踏まえると、流し満貫を成立させつつ、仕掛けて手牌をテンパイに持っていくというウルトラCを考慮する含みが増える。


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私が鳳凰卓で初めて流し満貫をアガった時の画像。

一発目をアガるまでにかなり苦労した。最近その分パタパタと出始めた。





流し満貫というのは、非常にコストパフォーマンスが良い役である。

なぜなら、自身の手牌に依存しないため、「効率」を考える必要性が格段に薄れるからだ。

さらには、河に並べる必要のあるヤオチュー牌は比較的安全度が高く、守備面でも優れているからだ。


全部の牌に占めるヤオチュー牌の割合は一体どれくらいかご存知だろうか?

52/136=38.2%(約2.6分の1)である。

残りツモ1回、あと1枚で成立するという状況であれば、4割近い確率でアガリが見込めるということになる。

安全をある程度確保しながら、終盤にこれくらいのアガリ率のある手牌が他に存在するだろうか?

手牌で作る役は、アガリ牌以外を切らなければならないため、放銃率が格段に上がるが、流し満貫にはその制約がないというのが非常に大きいだろう。


さらに、鳳凰卓は守備力が高いため、流局率も通常のフリーよりかなり高めになる。

こちらのリーチはきっちり受けられて当たり牌がなかなか出て来ない上、粘られて流局テンパイに持ち込まれるという頻度が増える。

攻め返しも鋭く、先制リーチが隙になって勝負手に放銃してしまうということも多い。

相手の守備力が高い場になればなるほど、自身のアガリ率は相対的に下がり、その分流局率が上がる。

1つの放銃がラスに結びつきやすく、さらには流局率が高いという土俵は、ラス回避の重要な天鳳において、流し満貫の有効性をより高めているということは間違いないだろう。


これを踏まえた上で、流し満貫狙いにおけるポイントを以下に挙げる。


@第一ツモでヤオチュー牌7枚あったら流し満貫も視野に入れる

私の手元の集計によると、流し満貫狙いの分岐点は第一ツモ時14枚における半分の7枚と出ている。

8枚ともなると成立までがわりと現実的で、9枚以上なら結構な頻度で最後までいく。

仮に1局を18巡として、配牌に9枚ヤオチュー牌があった場合、流し満貫の半分は既に約束されているわけである。

さらにツモが約18回あって、その内の半分4割弱を引く。これがそこまで難しくないことは確率に疎い者でもすぐにわかるはずだ。
(厳密には第一ツモをのぞいた17回ですが、わかりやすく)

ヤオチュー牌が配牌に何枚あったら、流局時に流し満貫が成立する可能性が何パーセントか。

専門家がこれを算出して、シミュレートすれば配牌における流し満貫の期待値が比較的たやすく出るはずだ。

なぜなら、本来自身のアガリ時に必要不可欠な他家の河、というのは流し満貫狙い時には一切考慮する必要がなく、他家から独立して自身の河のみでシミュレートすることが可能だからだ。


さすがに7枚の場合は終盤の守備力含めて、やや心もとない感じはあるが、8枚だとぐんと可能性は高まるはずなので、狙ってみる価値はあるだろう。


A配牌八種や九種の時の第一打を工夫する

流し満貫で重要なのは、第一打だ。

第一ツモ時にヤオチュー牌が8枚あれば流し満貫が十分に狙えると先に述べた。

配牌八種でその他バラバラの時、むやみにド真ん中から切って、チャンタや国士を狙ってはいまいか?

守備力的にも安定するので間違いではないが、もしかしたら流し満貫の大チャンスを棒に振っているかもしれない。

八種で国士を狙う期待値と、八種で流し満貫を狙う期待値は、感覚的には流し満貫狙いの方が高いように私は思う。

どうせ手牌バラバラでメンツ手が成就する可能性は低いのだから、ならば第一打から流し満貫の芽を摘まないように打つのはどうだろうか?

八種八牌からだと厳しいが、例えば八種九牌ならトイツから1枚落とす、なんてのも洒落た一打かもしれない(チートイツ好きの私にはちと辛いが)。

九種十種ならさすがに国士狙いの方が期待値が高そうだが、一瞬で4枚枯れるなんてこともあるので、流し満貫を保険にする、という打ち方はかなり実戦的のように思う。

九種の際は流す人も多そうだが、守備も兼ねて流し満貫狙い、というのは意外と新しい戦術かもしれない。


B流し満貫狙いで重要なのは「切り順」

今までに書いた中で最も重要なのがこの点だ。

中盤ぐらいで安全度を考慮するのは当然のことだが、メンツ手に未練を残してしまうと、トイツの危険牌を残したりなどして、最終盤でリーチに打ち上げたりする羽目になる。

なので、流し満貫に行くと決めたら、中途半端に危険牌は抱えず、序盤であっても老頭牌(1or9牌のこと)のトイツ落としを始める。

触れていなかったが、流し満貫は自身の捨て牌を他家にフーロされた瞬間に不成立となってしまう。これは皆さんご存知だろう。

だから、行けると判断した際に真っ先に切るのは老頭牌である。

終盤の老頭牌は流し満貫阻止のために鳴かれるし、中盤の老頭牌は場に薄くなってきた際に鳴かれてしまう。

字牌も鳴かれる可能性はもちろんあるが、その確率はシュンツで構成できる老頭牌の比ではない。

ましてやチーされた瞬間に終わってしまうのだから、相手の注意がまったくない一段目に処理するぐらいが最適なのだ。


流し満貫を狙うと決めたら、危険な老頭牌、仕掛けられやすい老頭牌はなるべく先に切ること。これはかなり成否に影響を与えるので覚えておくといいだろう。



流し満貫狙いにおける留意点を以下に示す。

@自身の配牌にヤオチュー牌が多い際の流局率は若干下がる

あるサイトによると、鳳凰卓の流局率は.162だそうだ。

私の鳳凰卓における流局率も.158だったため、近似している。

仮に自身の配牌が九種九牌(第一ツモ取らず)だったとして、相手の手には大体何枚のヤオチュー牌があるだろうか?

配牌13×4=52枚において均等にヤオチュー牌が分配されているとすると、52枚のうちヤオチュー牌は20枚弱。

つまり、4人全体のうちの約半数を自身が占めていることになる。他家に分配されるヤオチュー牌は一人当たり約3.6枚。

この中に数牌である老頭牌が含まれていることを勘案すれば、2人ぐらいはタンヤオの早そうな手が入っていることは想像に難くない。

自身の手が役に立たない牌ばかりであるならば、他家の手が役に立つ牌ばかりであるのは自明。国士狙いの際に早いリーチが飛んでくる印象が強いのはこのためだ。

つまり、自身の配牌にヤオチュー牌が多い際は、狙いが明確になりやすい分、他家にかわされる可能性も高まるという点を踏まえる必要がある。

この点において、配牌九種だった際は、流し満貫狙いよりも国士狙いの方が期待値が高いのではないか、ということだ。


A天鳳では親での流し満貫狙いは不利、とにかく子で狙え!

このように書くと語弊があるかもしれないが、流し満貫成立で親が流れる天鳳では難易度の割に見返りが低いという意味であり、親の優位性が減る分、相対的に子の優位性が上がるという意味だ。

例えば、親がいかにも速そうな河の際、子である自身の打点が見込めない場合は、早期に流し満貫狙いにシフトするという戦略がある。

自身に攻め返す見返りがあまりない時に、メンツ手を構成しても結局は割に合わないことが多いからだ。

流し満貫のメリットとして、危険牌を切らずに成立させられるという守備面での効果が大きく、局収支的にも流し満貫狙いの方が上という状況が意外に多いと推測できる。(流局テンパイ率まで含めると微妙)

親リーチがかかってからでは修正が効かないので、親リーチが入る前から流し満貫狙いの態勢を整えておくこと、これが重要だ。



最後に、他家が流し満貫を狙っている際に意識すること。

@相手のツモを増やすためにとにかく鳴く

終盤の時点では流し満貫狙いに気づくと同時に、大体一人ぐらいはリーチが入っていたりするもの。

出アガリできるテンパイの際は、自身のアガリでかわすことを優先させるべきだが、そうでない場合は脇同士で連携するのだ。

流し満貫狙い時は、大抵足りないかあってもピッタリということが多く、そんなに都合よくいかないのが通例。

狙い者のツモを増やすために、2人(もしくは3人)で協力して仕掛け合う。

一番ツモまで遠くても、3回チーすればツモは1回増える。

二人以上で出来メンツから鳴いていけば、これはそれほど難しいことではない。

場所にもよるが、狙い者のツモを増やす工夫をすることで、狙い者からチーできる可能性も高まる。

さらに、温存していた危険牌が出てきてリーチに放銃するということも普通に期待できる。

テンパイから大ミンカンをするのもありだ。

とにかく楽にはやらせない、という姿勢で臨みたい。



東東東南南南西北白白白發中ツモ東ドラ九萬

東1局、南家の配牌が上記だったとする。

ここから何を切るか?東をカンするか?





東をカンするという人は積極的でよろしい。

河を大人しくするために東を切るという人、私もその一人だが、こちらの方がマジョリティだろうか。


史上最強の配牌をもらった、是が非でもアガりたい。最低でも字一色にはしたい。

多くの人がそう思うだろう。

しかし、実際は西家の配牌が以下だった。


西西西北北北發發發中中中九萬ドラ九萬

あろうことか、あなたに1枚ずつ浮いている字牌は、全部西家の手に暗刻だったのだ!


こうなった場合、あなたはツモ牌を全部河に並べる以外にない。


しかし、ちょっと見方を変えてみるとどうだろう。

配牌の14枚は全部ヤオチュー牌なので、流し満貫の種はあと4枚ぐらい持ってくるだけでいい。

首尾よく流局まで持ち込めたら大抵の場合、8000点が増えている計算になる。



これは極端な例だが、流し満貫の大きな特徴として、

・相手の手に依存しない

・自身の手に依存しない

・自身のツモにあまり依存しない

というのがあり、

純粋に自身のヤオチュー牌の数、それからヤオチュー牌のツモ見込み、ほとんどこれだけで成算があるというのだから、いかにシンプルな役かということである。

麻雀のアガリの手続きとしては例外も甚だしいが、それゆえに利用できる価値を模索できる手役ということだ。

少しだけ発想を変えてみると、また面白い勝ち方を見つけられるかもしれない。



次週からは、いよいよ実戦例を紹介していきたい。



ラベル:戦術 流満 天鳳
posted by はぐりん@ at 23:53 | Comment(2) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする