2020年03月01日

宣言牌裏スジはわりと安全

今回は宣言牌裏スジ待ちについて。

宣言牌裏スジが待ちになりにくいのはれっきとした理由があって、牌理上有効牌として機能しにくいからだ。


二萬三萬四萬二筒三筒九筒九筒三索五索七索八索九索西ツモ二索ドラ九筒

ここから何を切るか?

ターツ候補の決まっている手では、基本的に余剰危険牌は先に処理される傾向にある。

5sを残すことにメリットがないので、ここは当然5s切りとなる。

これはシャンテン数に依存しないが、テンパイに近い方がその傾向は強いと言える。


二萬三萬四萬二筒三筒九筒九筒二索三索九索九索九索西ツモ二索ドラ九筒

それではこれならどうか?

先ほどとは違って、テンパイチャンスが増えるため、西を切る人が多いだろう。

リーチ宣言牌において裏スジよりもまたぎスジの方が危険度が高いのは、余剰牌の機能が、またぎ待ちの方が有利に働きやすいからだ。


「序盤の裏スジ、中盤のまたぎスジ」という格言もあるように、序盤に切られている牌の裏スジが待ちになりやすいのは、牌理上機能しにくい牌から処理され、かつ危険度が高いからである。

深く考えずとも、これは定跡として理解できるだろう。

これは単純な牌理だが、「いらない牌から先に切られる」というのは麻雀の基本的な構造であり、局面がより複雑になってもこの基本の延長線上として考えていくことで正解を導ける。

例えば、鳴き読みが顕著な例で、手牌が短くなればなるほど、手牌は必要な牌で凝縮されていくわけで、手出し牌の意味合いが大きくなってくる。


宣言牌裏スジが待ちになる牌理については次回でじっくりと解説するとして、

今回は「リーチ宣言牌の裏スジはやや安全度が高い」という性質をどのように利用するのか。

具体的に実戦例からその局面をピックアップしてみた。

それではどうぞ。


case1
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東3局、26600点持ち2着目の北家。

ラス目の親から先制リーチが入っているところ、こちらも三色のテンパイとなった。

さて、どうするか?





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8mを押した。

8000のテンパイにつき、これはまっすぐという見方もできるが、ラス目のリーチだけにある程度危険度を吟味する必要がある。

4mが関連牌なのは間違いないが、4mがワンチャンスになったのでマンズ自体の安全度はやや上がったように見える。

複合形の58mやカン8m待ちということもありえるが、感覚的にはカン7mやその他の色の方が危険度が高い、実戦ではそのように読んでいる。


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すぐに2pが出て、ラッキーの8000。

下家リーチは十分形の高打点だった。


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雀頭が最後に出来ての36s待ち。

マンズは出来メンツで、概ね読み通りの牌姿だった。

この場合は雀頭が流動形なので直接安全度に差はなく、36sが58m待ちになっていてもおかしくはなかった。

ただ、裏スジ待ちになる組み合わせがやや少ない、ということを踏まえていればこういう場面で勝負に行きやすいと言える。



case2
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南3局1本場、31400点持ち2着目の親番。

トップ目の上家からリーチが入って一発目。

現状同点ラス目の二者とは差があり、トップまで見てもう少し粘りたい。

さて、ここから何を切るか?





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5s切りとした。

上家リーチは8s→6s切りというまたぎ超危険コンボになっているので7sは使い切る方針とした。

ソバの5sは一見危険に見えるが、3sが早いということと6sを最後まで引っ張っているので25sの安全度はまずまず高いと考えられる。


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7sが通って形になるも、上家がツモって2000・3900。

対面から追っかけが入ったのでまあ良しというところ。


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上家の入り目はまんま47sだった。

牌理上、宣言牌裏スジよりまたぎスジの方が危険であることを如実に物語っている。



case3
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南2局、39000点持ちトップ目の西家。

3着目の南家から先制リーチが入っている。

こちらの手もイーシャンテンだが、アガリはやや厳しく、安全牌もそれほどない。

さて、何を切る?





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7sのトイツ落としとした。

現物の赤5pを抜いてその後凌ぎ切れるかどうかというところ。

またぎにかかる24sに手はかけられないので、苦渋の7s切りとした。

情報のないマンズに手をかけるよりはマシという判断。

とはいえ、ソーズの中ほどは見えていないので47sは複合形で待ちになっている可能性も十分にある。

トップ目としてはリスクを取りすぎているという見方も普通だ。


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7s切りのメリットは2巡凌げる、ということ。

たまたまここでは4pが通ったが、赤5pを抜いても次に困ってしまう可能性も高かった。

7sを通しているうちに、手詰まりが解消されそうな感じになってきた。


35212.jpg

結果、上家がツモって700・1300。

見えていないソーズが厚く、47sは十分に危険だったことが分かる。

攻守判断としては微妙なところだが、情報のないところから切り返す手段として考慮の余地はあるのではないだろうか。



case4
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東1局2本場、22200点持ち微差ラス目の北家。

三者が仕掛けていて、南家から先制リーチが入っている。

持ってきたのは暗刻スジの2m。

さて、どうしよう?





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これは自重した。

牌理上の安全度はやや高いとしても、ドラまたぎにつき、放銃時の打点が高い。

下家にロンと言われることはなさそうだが、6枚見えの25mは切りきれないと判断した。

この場合、上家の仕掛けに対して6mを絞っていた、みたいなことも考えられるからだ。


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下家が上家に1000点の放銃となった。

リーチの待ちはモロヒのドラ。

それよりも下家の仕掛けが高く、2mはチーテンだった。

6mが関連牌だとすると、リーチには25mは当たりづらいことがわかるだろう。

牌理上当たりづらいとは言っても、当たる可能性は十分にあるため、使いどころ・勝負所を見極めるのが肝心と言えるだろう。



case5
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南2局1本場、26000点持ち2着目の北家。

対面からリーチが入って一発目。

ドラの白が浮いていて攻め返しづらい手牌。

下との差はそこまで離れていないため、放銃がラスに結びつきやすい状況となっている。

一発目はひとまず8s切りで迂回とした。


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なんとかかんとか凌いでいたが、いよいよ安牌が尽きた。

さて、何を切る?





tenhou.10635.jpg

宣言牌裏スジの3m切りとした。

白トイツ落としの方が放銃率は低いが、放銃時の打点が高い。

孤立3mなら選ばず、2巡凌げるというのも大きい。

2mが宣言牌だけにペン3mなどの放銃が怖いが、白以外で選ぶとなるとこれか。

2mがワンチャンスでなければやや選びにくいかもしれない。


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結果は対面がツモって裏1の1000・2000。

カン7mの愚形だが、マンズは厚く持たれていた。


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入り目は69sで、マンズはこの形。

ペン3m受けがあるとはいえ、他と比べてそこまで危険度が高いという感じもないだろう。

下家の2mにラグがかかっているなどの情報があれば、より3mの安全度は高まりやすい。



case6
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開局の南家。

下家リーチに親が追っかけといきなり鉄火場に。


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共通安牌がないが、何を切るか?





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親の現物で、下家の宣言牌裏スジの7m切りとした。

白切りと悩むところだが、2件に通っていない白よりは少しマシだと考えた。

ピンズの上、マンズの下ともに危険度が高く、かなりオリの難易度が高い。


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結果、下家がツモって1300・2600。

親の現物の9mに手をかけているとアウト。

これはなかなか危なかったが牌理上、宣言牌またぎスジの方が危険度が高いということはこの例からもわかるだろう。


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下家の入り目は3mだった。

牌理上、最終手出し8mで7mが待ちになる組み合わせはそれほど多くない。

7mシャンポン待ちになる可能性が低いのと、両面待ちになる条件がややハードだからだ。


見てきたように、宣言牌またぎと宣言牌裏スジには明確に危険度の差があることがわかるだろう。

この特性を生かすことで、安全牌に困ったとき、際どい攻め返しをしたいときなど、ギリギリの凌ぎができる可能性がある。

レベルの高い卓ではベタオリの難しい局面が増えるため、そういう場面で使える頻度は多くなるかもしれない。


次回はこれと関連して、宣言牌裏スジが放銃に結びつく牌理について紹介したい。

用法・用量を守って服用することの重要性、次回もワンセットでご覧いただきたい。



ラベル:天鳳 守備 定跡 裏筋
posted by はぐりん@ at 23:57 | Comment(2) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする