2020年03月15日

裏スジ構成牌が引っ張られる理由

引き続き、裏スジにおける牌理について。


今回は、裏スジ構成牌が引っ張られる理由について考察してみたい。

宣言牌まで引っ張られる理由を考えることは、相手の手を読む上で大きな情報となるからだ。

三筒四筒六筒とあったら、ターツ候補が足りている場合は6pはさっさと切り飛ばしたいと考えるのが普通だろう。

しかし、ターツ候補が足りていても6pが引っ張られるケースがある。

それは一体どういう場合だろうか?


@好形変化強化版 頻度C

二萬四萬五萬五萬五萬六筒七筒二索三索四索六索七索八索

ピンズで雀頭ができればカン3mテンパイになるため、受け入れ重視で残っている。
牌効率で残るのはオーソドックスだが、やはり裏スジ方面が複合形で厚く持たれていることが多い


A手牌の伸びを見る(愚形ターツのカバー) 頻度B

三萬四萬六萬一筒二筒七筒七筒三索四索五索六索七索八索

ペン3pの比重が高いので、マンズの伸びを見て6mを温存している。
裏スジ構成牌を残すことで、4連形を作りやすく(5mツモ時)、好形への渡りを打つことができる


B手役狙いの天秤 頻度A

三筒四筒六筒六索七索東東東西西發發發

ピンズ方面が伸びたら一気にソーズを落として寄せる。
ホンイツに限らず、三色、一通、チャンタなど、あらゆる手役で裏スジからの渡りが打たれる
赤入りだと打点が見合う場合は形を決めてしまうケースも多く、赤なしの方が引っ張られる傾向が強いだろう。


Cクイタンを視野 頻度C

一萬二萬三萬四萬五萬七萬七筒七筒三索四索五索六索七索

カン6mがチーできればアガリは固い。
こういうケースで7mを引っ張ることが多いのは、思い当たる節があるのではないだろうか。


Dたまたま手に残っている 頻度D

三萬四萬六萬七萬八萬四筒五筒六筒八筒八筒六索七索九索

安全牌気味に手の内に残している、ということは意外と多い。
9sは安全牌だが、宣言牌が9sだと8sが出にくくなるので残し方に注意が必要と言える。


E敢えて引っ張っている 頻度C

二萬三萬四萬六萬七萬八萬三筒四筒八筒八筒二索三索五索

5sが早すぎると14sがケアされやすいため、ギリギリまで引っ張って匂いを消している。
宣言牌における裏スジがやや安全という認識が広まったゆえに、それを逆手に取る打ち手も最近では増えたように感じる。


それでは、実戦例から@〜Eを順番に見ていきたいと思う。


case@
36549.jpg

東4局、ラス目の南家からリーチが入る。

7pを使い切りつつ捌く方針で、8pチーとした。


36550.jpg

ところが、2着目の親から追っかけが入る。


36551.jpg

1pのポンテンに取れるが、さてこれを鳴くか?





36552.jpg

スルーした。

全体の河として、親の宣言牌裏スジ方面がやや高い。

中バックのアガリ目自体がそれほどでもないし、通った1pを安全牌として使えることも加味して、自重することにした。


36553.jpg

結果、親が上家に2600の放銃となった。


36554.jpg

親の手は、この十分形から入り目6sは絶好。

2pが通りさえすれば負けはない、ぐらいの感触だったに違いない。


36555.jpg

ピンズの中ほどが高いので、こういうケースでは3pも十分に危険。

超絶危険なまたぎの1pが通ったからこそ、3pの危険度はさらに増していると考えることができる。

勢いポンテンに取りたくなるところだが、スルーから回ったのは冷静な判断だった。

ポンからの3p勝負だと、親に3900の放銃となっているところだった。



caseA
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親の対面からリーチが入っている。

唯一のスジ9sはドラだが、さて何を切る?





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これは安全でしょうと2sに手をかけたところ、当たり。

裏1の5800は何気に痛い。

親の河からは間4ケンがもろに浮き出ているものの、ソーズが安くて複合形もあまりなさそう。

通常25sはまずまず通りやすい河に見える。

それではなぜ6sが引っ張られたのだろうか?


58255.jpg

対面はここから打1s。

6sを残しているのは、カン7mの愚形が残っているからだ。

5s引きならひとまず8mを切ってマンズとソーズの4連形2種に。この変化が大きい。

二度受けの7sツモは微妙だが、それでもカン7mに委ねるよりはマシだと考えられる。


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カン7mズバリなら、迷わずのリーチ。

愚形が残っている場合、手の伸びを見て裏スジ構成牌は温存される傾向にあるため、注意が必要だと言えるだろう。



caseB−1
tenhou.15897.jpg

トップ目の北家がリーチ。

3s5sと切っているところから、さらに3s手出しでリーチ。

3sが手牌に関連しているとすると、どういうケースが考えられるだろうか?


tenhou.15898.jpg

ここから何を切るか?

4sはかなり通りやすそうな河に映っていたが、生牌の南とドラが切れないため、ここは丁寧に現物の3s切りとした。

25sがかなり強く見えるため、南重なりなら4s切りリーチも視野に入れていた。


tenhou.15899.jpg

しかし、対面の宣言牌4sがまさかの当たり。

裏はなしの3900。


tenhou.15900.jpg

上家は345三色を見てカン4sダマからの、ピンフ変化だった。

不自然な3s手出しはこういう理由によるものだった。

一手変わり三色などのケースでは、愚形ダマからこういうパターンが多くなるので、不自然な手出しは裏スジ待ちに留意する必要がある。



caseB−2
40180.jpg

東1局の南家。

ここから何を切るか?





40181.jpg

1m切りとした。

なぜなら346形のソーズの方が伸びが見込めるからだ。

5sなど引こうものならテンパイ取らずとしてソーズ一気寄せとするだろう。


40182.jpg

25mが先に埋まれば喜んでリーチする。

下家がマンズ模様だしね。

かくして宣言牌裏スジ待ちが出来上がった。


40184.jpg

安牌に窮した対面から出て、裏1の6400。

50符だと裏ドラ1枚がでかいやね。

ご覧のように、安全牌に窮すると宣言牌またぎスジより裏スジの方が出やすい傾向にある。

そういう意味で裏スジ構成牌をギリギリまで引っ張ることには一定の意味がある。

この場合はドラ1sだけにカン2sもあるけどね。



caseB−3
52862.jpg

上家からリーチが入る。

宣言牌は7p。


52863.jpg

チートイツテンパイだが、さてどうするか?





52864.jpg

場に見えている枚数から36mの方が急所だろうと、3pを切るもアウト。裏1の2600。

さすがに裏スジを勝負するにはピンズが高すぎたか。


52865.jpg

ピンズが上方面に伸びた際に、一通が現実的ということ。

一通の渡りを打った7p残しだった。

単純に好形への渡りだけでなく、このように手役との天秤というケースも多いため、特に点棒がない人の宣言牌裏スジ待ちには注意が必要となる。



caseC
tenhou.878.jpg

ペン3pが入って36pの即リーチを打つ直前。

7pを残しているのは、8pツモの伸びを見ているのみならず、3p6pをチーテンに取る可能性も見ている。

つまり、7pを取って置いているのはクイタンへの渡りも見ているということ。


tenhou.880.jpg

無事に高目が出て、7700。

飛ばしてトップ終了となった。



caseD
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南1局、2着目の上家からリーチが入る。

私は現状ラス目の親番につき、ギリギリまで攻め返したいところ。


76089.jpg

巡目が少なくなってきたので、流局テンパイを目指して仕掛け始める。


76090.jpg

よっしゃよっしゃ!海底間際で上手くテンパイを入れられた。

色々と選択はあったが、6mを使い切ってテンパイに漕ぎ着けたのは大きい。


76091.jpg

海底…で持ってきたのはまさかの9m!

さて、何を切る?





76092.jpg

2mに近い方の3m切りとした。

両面に当たる危険度はほぼ差がないはず。

けれどもこの掴み方は69mに当たる気配がビンビンするぜ!


76093.jpg

これが無情にも当たりって、何切っても助からんや〜〜〜ん(>_<)

究極のスジ掴まりは、ドラ暗刻に河底付きで12000の致命傷。

必死にしがみついたテンパイだけに、ここでオリるのはなかなか難しい。


76094.jpg

上家の手に残った2m、これはおそらく安全度重視でたまたま残った2mだ。

5sを引っ張るのが巡目的に危険だと考え、より安全な2mに振り替えたと。

結果、裏スジ369m待ちが残ったがこれはたまたまの可能性が高い。

こういうケースもあるので宣言牌の意図を読むことが無意味に終わることもある。

3mはペン3mがあるので、組み合わせ的には9mより危険度は高いはずだが、実戦上は9mの方が極めて切りづらく感じた。このへんは感覚。

対面の仕掛けも踏まえると、9m切りの方がいいかもしれないが。



caseE
tenhou.15717.jpg

東3局、3着目の南家。

ここから何を切るか?





tenhou.15718.jpg

456の変化もあるため、6pを残した。

ズバリのカン3s引きで即リーチといったわけだが。

6pを引っ張ることで、ある一定の効果がある。


tenhou.15719.jpg

対面視点から、私のリーチを見てみよう。

離れ両面ターツ落としの外側からバージョン。

7pから切ってる理由はイマイチわからんが、58pだけは切れない、こういう印象を与える河になっているだろう。

58pはかなり危険だが、それじゃあ25pはどうだろうか?


tenhou.15720.jpg

6pを引っ張ったことで、58pは切れないが2pなら通りやすそうというミスリードを誘うことに成功した。2600。

仮に6pがツモ切りで、最終手出しが1mだとすると、河の印象がガラリと変わって25pの比重がかなり高くなる。

想像してみるとわかるだろう。

裏スジ構成牌を引っ張ることで、裏スジが通りやすい一定の効果を与えることがこのことからもわかる。

この性質を利用して、裏スジ構成牌を宣言牌まで引っ張るケースが最近ではよく見られる。

当たり牌の出やすさを考えた場合に、必然的に導き出される手順であるため、精通している人ほど河の見せ方に気を使っている印象もある。


裏スジ構成牌を先に切っているより、確実に出アガリがしやすいという効果があるため、危険度を勘案しながら上手に使いこなすことで、アガリ率UPにつながるだろう。

逆に言うと、それを利用する猛者も増えているため、宣言牌裏スジ待ちは一昔前より危険度は高くなった、と考えるのが妥当だろう。

勝手読みは禁物、ということである。



ラベル:天鳳 牌理 裏筋
posted by はぐりん@ at 23:58 | Comment(2) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする