2020年03月29日

フリーフォールの過程

さて、前回記事では特上落ちの危機についてお伝えした。

今回はそれに至る過程について実戦例から見ていきたいと思う。


私が経験してきた中で、絶不調というのはこれまで何回かあったが、
本気の超絶不調時というのは、放銃率うんぬんよりまったくアガれない、アガリ率が激低となる印象が強い。


好調時もしくは通常時は、仮にリーチ負けなどで放銃しても1回ぐらいは失点挽回のチャンスが来るものだ。

そのチャンスをものにして失点を帳消しにするから、一方的に負ける展開にはならない、これが普通だ。

しかし、絶不調時はそのチャンスを生かせるどころか、とどめを刺されるなんてことも少なくない。

配牌が悪くて、先制リーチすらなかなか入れられないのに、たまに手が入って勝負にいくと放銃する。

これを繰り返しているうちに、気持ちが萎えてまったく勝てる気がしなくなってくる。


七段でポイントを減らす過程においては、そもそも先制リーチすらまともに入らない、ということが続いた。

ラスを引く過程においては、例えば、あそこで早目に形式テンパイを入れていれば、よもやラスにはならなかったかも、などと振り返ってミスを確認することもある。

ただし、限りなく100点満点の打ち方でなければラスを回避できない、麻雀というのはそういう性質のものではなく、95点ぐらいの打ち筋でもきちんと続けていれば極めてラスを防ぎやすくなるはずである。

些細なミスだと思っている部分は、好調時には気にならない、ほんの取るに足らない部分にすぎない。

しかし、その細かい部分を検証するしかないほど、自身の手が細っている、勝つチャンスがそれだけ少ないということを表しているわけだ。

天鳳の鳳凰卓のような上位のレベルが極めて高いところでは、その5%が勝敗を大きく分けるかもしれない。これは確かにそう思う。

しかし、あまりに高い次元でのミスに捉われすぎると、逆に大局的な視点、本当に重要な部分をおろそかにしてしまうということにもなりかねない。

不調時に重要なのは、自分のフォームを崩さないように、メンタル管理を怠らないことだと私は思う。

木を見て森を見ず、にならないように、森のぬかるみにはまらないように、自分自身気をつけて取り組んでいきたいと思う。


それでは、不調の実戦例、どうぞ。



case1
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不調から間をおいて、久々の実戦。

メンタルもやや回復したし、今日はがんばろうという日の初戦。

自身の最初の親番で、対面が発をポン。


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立て続けに白もポン。

ちょ、ちょっと待って…


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そしてツモの声。

役満までは半信半疑だったが…


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ジャーンと開けられたのは、大三元。

久々実戦の最初の親番で、役満の親っ被りってマジなのこれ?

お前の不調はまだまだこれからさ、悪魔がそう囁いた気がした。


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こんな配牌でも役満になるんだから、ツモと鳴けるタイミングが大事。



case2
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東2の親番。

絶好の入り目、絶好の待ち。北家の仕掛けで入ったこの最終形。

え?これリーチしない人いる?


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下家から追っかけが入る。


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3m掴んだ瞬間気が遠くなったが、案の定ロンの声。

裏ドラが5mで8000。

史上最大の加点チャンスを大量失点で潰してしまう、この体たらく。

何をツモっても6000オールで大体勝負ありなのに…。地味に裏1も痛い。

不調時だったけどさすがにこれはアガれるだろう、と思っていたさ。


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リーチ時山5は十分だが、想像よりもやや少ないか。

下家はドラが浮いてるこの形から、7pを完全に吸収しての追っかけ。

巡り合わせもあるが、これは下家の打ち回しが見事だったと言えるだろう。



case3
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自身ラス目で迎えた南1局の西家。

上家が3フーロ目にドラポン。

こちらの手も十分形の勝負手だが、これは嫌だ。


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テンパイだが、どうするか?


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当然ながら、リーチ。

上家から直撃するチャンスも十分だろう。


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ところが、即2pを掴んで8000の放銃(ダブ南が4符で点パネ)。

上家は長考からの南切りで回ったかと思いきや、ただの待ち選択だった。

この選択を間違えないあたりはさすがといった感じ。


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147mは山に何枚いるでしょうか?みなさん、数えてください。

麻雀は枚数じゃないですよ、みなさん。先に山にいる待ちを選ぶことが肝心ですよ、みなさん。

つーか、三面張リーチが大失点チャンスみたいになってるのがこの不調時の特徴。

自分に手が入ってる時の勝敗ってめちゃくちゃ大事だよね。

この後なすすべもなく飛ばされる。ポイントが残り5ptになったのもこの時。



case4
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オーラス19800点持ち、3着目の北家。

ラス目の上家が2800点持ちで、トップ目の親が48400点とダントツ。

つまり、上家には満貫まで打てる1局勝負。


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白を2枚ふかしているが、ここから何を切るか?


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安全牌候補の北を切った。

もちろん、完全に受け重視で2sを切ろうかとも思ったさ。

ただ、直対の上家は私からハネ直条件、かつ私は親満も放銃できる。

ここで日和りすぎるのは順位戦略的に正しくないと思った。

満貫ツモで対面を捲って2着になれるので、ギリギリまでタンヤオ変化を見てその可能性を追おう、と。

不調を意識しすぎるとこういう場面で安牌を持ち過ぎになるきらいがあるので、それを是正した。

そもそも、白2枚の完全安牌がありながら、ここから捲られるなんてことがあるのか?

いくらなんでも私はそこまでヘボじゃないぞ、そう思っていた。


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予想外にラス目からのリーチが入る。

上家と私の点差は17000ジャスト。

ということは、ハネ直倍ツモ条件。それを満たす手が入っているというわけで、このリーチには絶対に打てない。

ここからベタオリを開始する。


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リーチ者の河が一向に強いままで安全牌が増えない。

完全安牌は1枚もなくなったが、ここから何を切るか?





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中スジの5pに手をかけると、親からロンの声。

これは想定内で、3着終了は固い。これはこれでよし。


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開けられた手を見て飛び上がった。

タンピン赤赤ドラ???

そしてまさかの三色!!


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この18000放銃でラス目と同点になり、座順でラス落ちとなってしまう。

ダマでインパチなんて入るかよ、そう思っていた私はいかにも甘かった。

結果だけ見ると受け重視にしなかったのは大失敗だった。


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この局面、8s切りも考えたが、8sは縦があるので。

上家への放銃を最大限避ける局面につき、5p切りは妥当だろう。

そして、惜しむらくはあの北を取って置きさえすれば、親が次巡2pをツモって決着という事実があったということ。

上家は8sの暗刻が裏ドラとなり、7pツモなら大逆転の倍満ツモとなっていた。これもすごい。

親の押しは見ていたが、河が強すぎて、ケアすべきスジが明確ではなかった。

そもそもこれだけの河で二者に弩級の手が入っているというのは恐ろしい。


この半荘は私に多大なダメージを負わせるのには十分で、相当にショックを引きずったことは確かだ。

ただ、私はこの局面でのダマインパチはレアケースだとやはり考えるので、今後も安牌は最小限でいいと現在も考えている。

2着目との差が10000点以上あったなら、ベタオリ体勢、10000点以内ならきちんと手を組みたい。



case5
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このドラ、鳴くかどうか?

普通鳴くよね?そして基本ゼンツ。


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8s持ってきて、どうするか?





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危険度は高いと思ったが、これを押すと当たり。

裏1で7700。

いやこれ、3900ならいいんだけど7700だとダメ。裏1があまりにも痛すぎる。

ドラの見え方などから言っても、対面のリーチの打点が極端に高いとは考えにくいから。

むしろ期待値から言ったらこちらの手の方が高いまである。

テンパイからの捲り合いにどうしても勝てない、そういう状況が続く。見た目にもわかりやすいだろう。



case6
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南3局2本場、5000点持ちラス目の西家。

ラス目の下家と熾烈なラス争いで、3700点差。

下家、3フーロからドラターツ手出しで、待ちが極めて読みづらい状況。

この点棒状況ならアガリやすさを選んでいる可能性も十分にある。


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私は5m勝負から、手の伸びを生かして、三色テンパイにこぎつける。

この8sはド急所で、8pのアガリの感触も十分。


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トップ目の親リーチが入って一発目。

嫌な5sを掴まされたが、さてどうしよう?





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ここはラス目だしオリない。当然のゼンツも下家に当たり。

なんと赤5s単騎で、3900。

心を折らせるのに十分なこの最終形、そして掴み様。もちろん、そう受けた下家が見事なのだが。


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8pの位置も紙一重で、本当に僅差の勝負。

このように、自身でも上手く打ってるはずなのに、結果がどうしてもついてこないということが多い。

上手く打ってると思っているのは自分だけなので、慢心や驕りを捨てて、謙虚に望むことが肝要ということ。



case7
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開局の北家。

ここから何を切るか?





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さすがにドラなしなら三色を見て赤5mは残すのが普通だろう。

もちろん、受け入れ的には赤5m切りが最大なのだが。


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あいた〜。これは痛い裏目。

ソーズの三面張テンパイを逃した。


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ドラでアガってたやん。。。これはちょっとくる。

7s切りで一旦、赤単騎に。


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んでもって、4枚目の4pにカン4pで刺さって2600の放銃、と。

この1局見ただけで、この半荘はもうダメだな、とわかる。

ツモにもてあそばれてるし、感触だけじゃなく、結果が良くない。



case8
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オーラス、極めて僅差で迎えたラス目の南家。

親と3600点差、3着目の下家とは1100点差。

つまり、三つ巴で3人ともノーテンが許されない。

私はテンパイ必須なのに、ツモが効かないし、鳴けないしでこの巡目にしてまだリャンシャンテン。

残りツモわずかというところから、やっとイーシャンテンになる牌が出て、これを鳴く。


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なんと私のツモ番が無くなった直後に、下家から中が出てきてテンパイを取ることに成功。

下家もテンパイ必須の状況につき、これでテンパイだろう。

ということは…


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まさかの対面がテンパイしてねー!

二人テンパイということは、親は際どく残って、私がラスのままの終了となった。


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親の4m切り。親はテンパイがほぼないところから私に仕掛けを入れさせているため、この打牌は審議だろう。

この巡目なら私は100%鳴く、鳴かざるを得ない。

ところが、私のツモを見てもらえばわかるように、親が慎重に8pあたりを切っていると、私は残り2回のツモでなんと自力テンパイが入るのである(!)

かつ、自然に下家と対面にもテンパイが入ることがわかる。

つまり、4mを鳴いてしまったがゆえに、私は自らラスの道を選ぶことになった、ということになる。

親は残りツモ1回でリャンシャンテンなので、私に対する有効牌をここで切るのは少々ぬるいかもしれない。

けれども、その打牌の善悪が直接的な順位を決めているわけではない、というところに注目していただきたい。

様々なパラメータが複雑に絡み合って順位を決めているが、短期的なものは偶然に左右されやすい、ということがわかるだろう。



そういう意味で麻雀の成績は長期で見るのが大事、ということになる。

こういう巡り合わせ、展開の妙も麻雀には重要ということである。



ラベル:天鳳 不調
posted by はぐりん@ at 23:58 | Comment(7) | 不調 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする