2020年06月21日

形テンを咎めるリーチ

今回は、相手の形式テンパイに対して敢行するリーチについて。


麻雀に限らず、スポーツなど様々な対人戦の勝負事において、勝つために重要なことはなんだろうか?



それは、相手の隙を突く、ということである。

これは、相手の弱点を突く、弱みに付け込む、と言い換えることもできる。

何をそんな当たり前のことを、と思われるかもしれない。

しかし、重要なのはここからである。

実力が同等の二者において、勝敗を決定づける最も大きな要因となるのが、心の揺れだ。

これは鳳凰卓で何千戦と打っている私が嫌というほど思い知らされてきた事実である。

不思議なことに、勝負事は相手の心を大きく揺らしてしまえばそこで大体勝負がついてしまうのである。


剣の達人同士が斬り合いをしてどちらが勝つかと言えば、技術よりも重要なのが勘と才だそうだ。

わずかな部分で勝敗が決する時に技術よりも重要なものが他にあるということである。

技術レベルが上がり、上位者の打ち筋に差がなくなってきた昨今、麻雀で勝ちきるために重要なこと。

それは、相手の隙を機敏に察知する直観と、それに呼応してアクションを起こす閃きだ

人間同士なのだから、セオリーonセオリーでは相手も周知で心を乱すことはできない。

相手の隙や弱っている部分をアンテナでビビっと察知し、そこを攻めることで、相手の感覚のコアな部分に訴えかける。

相手のメンタルを揺らすには、一見非合理的な部分、アナログな部分にそのカギがある。

正攻法オンリーでは強きを挫くことができないからだ。

麻雀歴の長い人ならなんとなく理解してもらえるのではないだろうか。


そこで話を元に戻して、麻雀において相手の隙を突く、ということ。

現代麻雀においてテンパイ料の重要性は以前よりも高まっている。これは周知の認識だろう。

しかし、その形テン仕掛けは果たして本当に必然なのか?

安易にテンパイ料狙いで仕掛けてはいないか?

その仕掛けに臆病や慢心が隠れてはいないか?

不安な面持ちで仕掛けているなら、リーチを被せてやれば間違いなく相手は迷う。

これが隙を突く、ということであり、弱い部分を咎める意識を持つ、ということである。


総論気味になってしまったが、形式テンパイを取りに来た相手は、アガリ目がない上に、守備においては無防備となる。

それがなんとなくミスを含んでいると思われる場合は、終盤でも積極的にリーチを打つことが効果的であることが多い。

剣の勝負と同様、麻雀も勝負は一瞬で決まるものであるため、閃いたら積極策を採ることをオススメしたい。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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開局の親番。

終盤にタンピン赤のテンパイが入った。

さて、リーチする?





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ダマにした。

これは場況的にダマなら25sがかなり拾えそうなため。3sが宣言牌というのもね。

一方、決定打にするリーチも魅力的に映る。

結果、切った3sにポンが入り、対面の4s切りに上家のチーが入る。


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どうするか?





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ここでツモ切りリーチを敢行した。

3sがワンチャンスになり2sが狙い目になったのもあるが、仕掛けで身動きが取れなくなったところでチャンスが増えたと判断した。

形テンかどうかはわからないが、形テン気味に仕掛けている人が一人はいるだろう。


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手牌を開けてみるとこう。

なんと二人とも形テンだった。

終盤の仕掛けにはそういう性質のものも多い。

ここで親リーチを被せられると対面と上家は結構しんどいはず。


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結局、全員テンパイで流局。

上手いことテンパイをキープされてしまった。

咎めるには至らなかったが、25sが王牌に3枚沈んでいるのを見ると結果は紙一重だったと言える。

3s手出しリーチだと25sはまず出ないが、3sポン後のツモ切りリーチだと狙いがボケるため、テンパイなら2sぐらいは押してくる可能性も十分にある。

そういう意味では、状況変化後のリーチにより期待値が高まっているケースだと言えるだろう



case2
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南2局、24300点持ち2着目の南家。

テンパイが入ったが、ダマテンに。

678三色を取り損ねた形につき、勇んでリーチとはいきづらい。

親がラス目というのもある。


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トップ目がおもむろに9sをポン。

ラス目の親のツモが増える、感覚的には大変危険な仕掛けだ。


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直後に持ってきたのは好形変化となる、4m。

残りツモはあと1回しかないが、さてどうしよう?





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間髪入れずにリーチとした。

トップ目の形テン仕掛けを咎めるリーチだ。


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対面がすかさず7mを合わせ打ってきた。

この時点でリーチ正解の雰囲気が漂う。


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結果、私の一人テンパイで流局となった。


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対面は2pを掴んで、テンパイからあっけなくオリ。

次巡持ってきたのが当たり牌の3mとなれば、リーチは完全に正解だった。

私がダマ続行なら対面は苦労なくテンパイ料を得ていたことを考えると、形テン仕掛けを咎めることに成功したと言えるだろう。

ちなみに、カン6mのままならさすがにダマ続行する。

この半荘はトップを捲り切るまでは至らなかった。



case3
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東2局、28900点持ちトップ目の親番。

終盤にカンチャンが埋まって、ピンフのみのテンパイをしたところ。

さて、どうしよう?





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ダマにした。

ドラツモのスライドがあるのと、58sはそこまで強い待ちには見えないので。

ドラ1あるならリーチでいいだろう。


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上家が仕掛けた後、対面にもおもむろに9pチーが入った。

これは形テンの可能性が高い。


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どうするか?

リーチするなら空切り?ツモ切り?





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ツモ切りでリーチした。

ツモ切りにしたのはこちらが好形テンパイだからだ。

形テン気味の仕掛けに呼応したのは一目瞭然なので、足止めリーチのように見せることで舐めてくれるかもしれない


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一発目に対面から現物が打ち出されて作戦成功臭が漂う。


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結局、私と上家の二人テンパイで流局。

海底で上家のzeRoさんが打ち出したのは無スジの9sだった。

これはツモ切りリーチというのも加味しての選択で、なるほどと思われるが実は紙一重。

ツモ切りリーチが端にかかる待ちならなおのこと効果的であることがわかるだろう。


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形テンを入れていた対面はまんまとドラを掴んで回っていた。

やはり形テンを咎めることに成功している。

58sはこの時点で山4で、かなりのチャンスだった。

ツモ切りリーチだけに、対面は掴んだら出していた可能性はある。



case4
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開局の西家。

かなり変則的な場況から、2pツモでメンツ手のイーシャンテンに。


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親が明らかに形テン仕掛けを入れている。

さらに国士みたいな河の上家がペン3pをチーした結果…


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ラス2pが下がってきて、こちらもテンパイ。

イーペーコーの役ありで、しかも残りツモが1回しかない。

さて、どうしよう?





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リーチに踏み切った。

親の形テンと上家の仕掛けが噛み合ってのテンパイ。これは仕掛けが入れされてくれたテンパイと言ってもいいだろう。

さらにドラが見えていて仕掛けには全く脅威がない。

ここは咎めるタイミングと判断した。


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結果、親から一発で召し取り、8000。

まあ親はテンパイなら大概は押してくるだろうな。

それも加味すると、親の形テン仕掛けにはよりぶつけやすいかもしれない。


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親が7sを掴んだところだが、なんと次の上家のツモも7sだった。

親が仮にオリたとしたら、上家は私の河に対してドラを切りきれるだろうか?上家放銃のシナリオも十分にあった。

仕掛けを完全に咎めることに成功している。



case5
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東4局、22800点持微差2着目の北家。

終盤にタンヤオのテンパイが入り、8p切ってダマに。


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この8p切りに対し、上家が長考を伴ってのポン。


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どうするか?





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ダマにした。

いかに上家が微妙な仕掛けだとしても、ダマなら36pが拾えそうなので、リーチまではやりすぎなんじゃないかと。


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すかさず対面から3pが出て2600GET。

これはこれで悪くないが、対面はリーチでも出していた可能性が高く、チャンスを逃した感も。


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上家のポンはこの形からだった。

ノーテンからテンパイになる形ならそれほど迷わないだろうから、こういうケースは安全度による凌ぎを考慮していることが多い。


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トップ目の迷った仕掛け、ここは理屈抜きでリーチする局面だった。

ここでの8000を2600にした結果、最終的に大逆転を喫してラス転落してしまう。

出アガリできるという理由があっても、case4のように感覚で踏み切らなければならない。



case6
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東2局、24500点持ち2着目の親番。

対面に形テン濃厚の仕掛けが入る。


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テンパイが入るも、新ドラが出ていく上、愚形テンパイののみ手。

さて、どうしよう?





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リーチした。

この場合、形テンを咎めるリーチの他に、もう一つトピックがある。

仕掛けのカンを咎めるリーチだ。

裏ドラが2種あるのであれば、リーチのみでも十分に値するだろう。


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対面が現物の赤を抜いてきた。

すでに作戦成功だが、これを上家がおもむろにチー。

一発を消されてしまった。上家に放銃も覚悟だったか?


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まあこうなるわな、ってなもんでツモ。

テンパネ確定で、裏1枚乗ってくれ…


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カン裏で2枚乗って、美味しい4000オール。

対面と上家の連携を上手く咎めることに成功した。


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巡目的に対面の8pチーはごく普通にも見える。

が、これをスルーしていると対面はメンゼンでテンパイが入って、カン6pでのアガリまである。

逆にこの仕掛けがなければ私にはテンパイすら入らないというのだから、なかなか示唆に富んでいるのではなかろうか。

こういう善悪が微妙な仕掛けを直観で捉えて、機敏に打って出る。

これすなわち、「隙を突く」ということである。



ラベル:天鳳 形聴 立直
posted by はぐりん@ at 23:55 | Comment(0) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする