2020年09月13日

ダブルターツをほぐす時

今回は、ダブルターツをほぐすタイミングについて。

前回、「両面ターツ落としから待ちを読む」の記事の中で、ダブルターツをほぐす際は両面ターツの続け打ちをするケースはそれほど多くない、それゆえにその部分が待ちになっていることはそこまで多くない、という趣旨の話をした。

そこで、ダブルターツがどのような時に払われるかを確認するとともに、その時の河状況がどうなりやすいかについて見ていきたいと思う。

それによって、両面ターツ落としが入った際の待ち読みについてもさらに理解が深まることだろう。


まず、ダブルターツとは一体何かを説明する。

@ダブルターツ

三筒三筒四筒四筒

ダブルターツとは、上の形のようにシュンツとしてみた時に受けが被っている部分のことをいう。

昔使われていた「ダブルメンツ」の方がしっくりくる方もいるだろう。その使い方は現在も通用するもので、間違いではない。

単独で使うなら厳密にはターツだが、「ダブルメンツの種」を略したものと考えれば合点がいくからだ。

ちなみにこれをトイツとしてみると、「並びトイツ」となってこれも同義となる。

縦の比重が高い手においては、シュンツの種として認識されないことも多く、その場合は並びトイツという認識となる。

この形の欠点として、シュンツ手における受け入れ枚数のロスが多いことが挙げられる。


A準ダブルターツ

三筒四筒六筒七筒

ダブルターツの派生形として準ダブルターツがあり、これは受け入れが被った異なる2種のターツのことである。

これもダブルターツと読んで構わないが、これはダブルメンツとはあまり呼ばれない気がする。

受け入れが被っている分、他のターツより払われやすい部分ではあるが、ダブルターツとの差は牌効率からも危険度からも払われるターツが続け打ちされやすい、ということだ。

つまり河に四筒三筒と並べられたら、58pは十分に危険だが、2pは通る可能性が若干高まりやすいということになる。


ちなみにこの名称は私が勝手に名付けたわけではなくて、結構昔に出たどいーんの牌理の本で解説されていた記憶がある。

木原プロもダブルターツと呼んでいたはずなので、現在の麻雀界ではダブルターツという呼び方が主流となっているように思われる。


経験上、縦の手が十分に見える時、あるいはトイツ場だと思える時はダブルターツはほぐさない方がいい。

このダブルターツの捌きを見れば、その打ち手がトイツ系かシュンツ系かわかると言っても過言ではないだろう。

ダブルターツをためらわずにほぐしていく打ち手としては、小島武夫プロや井出洋介プロなどの古豪プロ、それから滝澤和典プロや二階堂亜紀プロが思い浮かぶ。チートイツが嫌いな打ち手が多いのではないだろうか。

私自身はチートイツが多いという雀風上、ダブルターツは温存することの方が多い。

このへんは雀風を測る上でなかなか面白い特徴となって表れてくると言えそうだ。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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東4局1本場、2着目の北家。

赤赤のチャンス手から5sが暗刻になった。

ここから何を切るか?





tenhou.26009.jpg

ダブルターツをほぐす典型となる牌姿がこれだ。

メンツ手の受け入れが違いすぎるので、ここから34mを払っていく人はいないだろう。

また、ポンテンで赤を使い切れる構えにするため、ここでの6p切りは必然となる。

赤入り麻雀で5に寄せられやすい理由がここからもわかるだろう。


tenhou.26010.jpg

これが一向にテンパイせず、痺れを切らしてチーテンに。

結果、最後まで5pが引っ張られている。

こういう単純な牌理によってダブルターツの両面部分が続け打ちされるということは少ない。

2mは拾えそうに見えるが、はたしてどうか。


tenhou.26011.jpg

すぐに親から出て、3900のアガリ。

親も南家もドラトイツで、なかなかスリリングな仕掛け合いとなった。



case2
29977.jpg

東3局4本場、3着目の南家。

メンツがひとつもなく、何やらゴツゴツした手。

さてここから何を切る?





29978.jpg

4m切りとした。

ドラの2pが両面ターツに組み込まれているので、これは基本チートイツには寄せないだろう。

実戦では36mと58pのアガリやすさを加味して、外側に寄せる方を優先させた。

マンズのツモの流れを重視するなら6p切りも普通だろう。


29979.jpg

実際は仕掛けの対面の受けに14mがあり、4m先切りは正解だった。

この巡目だと差は小さいが、ターツ落としの際はとにかく他家に危険な方から落としていくのが重要となる


29980.jpg

徐々に手が整ってきた。

マンズが思いのほか安くなってしまったのは想定外だった。

手広く受けることで自然と手は進んでいくので、ダブルターツをほぐす効果はこういうところにある。


29981.jpg

結果、対面が1000点のアガリとなった。

並びトイツが目立つ場合、場況がやや縦寄りになりやすいということがこの全体像からも読み取れるだろう。



case3
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東2局、原点で2着目、親番の私。

イーシャンテンで選択となった。

ここから何を切るか?





31602.jpg

これは少々好みが分かれるのではないだろうか?

マンズの三面張がイマイチと思えば、4mを切ってピンズのイーペーコーの目を残す手もあるし、
9mの受けがイマイチと思えば、78mを払って三暗刻の目を残す手もある。

3p切りは受けが広くて無難だが、打点的な魅力に欠ける。

ドラ1あるならもちろん悪くはないが、ここから工夫して高打点に寄せる打ち筋もなかなか魅力的に映る


31603.jpg

上家の4pをグッとこらえたところ、ご褒美の4pツモが。

4pが先に埋まってくれると、文句ない最終形になったと言えるだろう。


31604.jpg

しかし、下家のドラ3に上手くかわされ、2000・4000の親っかぶりとなってしまった。

無スジ連打されてのこの結果はちょっと悔しい。


31605.jpg

この時点で14pは山に残り2枚しかなかった。

これはたまたまではあるが、並びトイツの牌形は縦の場況でやや現れやすいということを頭の片隅に入れておいてもいいだろう。

ほぐしたところでそこが強い両面ターツになるとは限らないわけだ。




case4
35387.jpg

東2局1本場、3着目の南家。

トイツ4組の手牌から、6mを引き込んだところ。

やや複雑な牌姿だが、ここから何を切る?





35388.jpg

3mを切れば両面リャンカン形を残すことができる。

トイツ3組を残す8p切りより、こちらの方が効率的に優位だ。

最終形が愚形になってしまう可能性もまだあるものの、7m受けは場況的に良さそうなので、これがスマートだろう。

ダブルターツほぐしの応用編。



35391.jpg

狙い通りに7mを引き込んでイーシャンテンに。

ところが、間の悪いことに対面からリーチが入ったばかり。

さて、どうしよう?





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構わずに4mを押したが、なんとこれがド高目に刺さる!

一発にタンヤオ三色がついて都合4ハンアップの12000…(;´Д`)

片スジの4mぐらい通してよお…


35393.jpg

この時点で私の有効牌は山に多く、選択は間違ってはいなかっただろう。

ただ、スジで抱えている58pも対面の有効牌となっており、持ち方的には危険だったことがわかる。


35394.jpg

チートイツ決め打ちなら下家のドラを捕らえて、なんと先にアガリがあった。

これは結果論ではあるが、並びトイツや筋トイツには、縦の手との親和性があることがこの例からも見て取れるだろう

この半荘は放銃が響いてラスとなってしまった。



case5
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南4局3本場、23700点持ち3着目の南家。

上位との差は約1万点で、7700ツモればトップだが、満貫出アガリでは2着まで。

ダブ南がポンできてチャンス手だが、さてここから何を切る?





60103.jpg

5m切りとした。

ダブ南なので、ドラは2枚でいい。

ドラソバに寄せずにまずまずの7p受けを残す。

北ポンでの最終形の違いもこの場合は大きいだろう。


60104.jpg

北がやっと出てきてテンパイ。

赤5m切りが目立ちすぎるが、この場況なら7pはまずまず良いんじゃない?


60105.jpg

7pが親から出て、7700で2着捲りとなった。

89p落としだと苦しいシャンポンが残ってアガれていない。

このへんは場況や条件に合わせてアレンジしたいところ。



case6
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東4局、8100点持ちラス目の親番。

3着目も原点あり、目下ダンラスとなっている。

白を一鳴きしたところだが、ここから何を切るか?





60417.jpg

テンパイ取らずのほぐしとした。

アガリづらい最終形の2900テンパイよりも、ここは打点を取りにいく。

この形なら一手遅れでも十分に勝負になる。


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下家からリーチが入ったが、狙い通りにこちらもテンパイ。

ここはひとつ下家さんに掴んでいただきやしょう。


60419.jpg

結果はツモで2000オールと、十分な結果となった。

アレンジによってはこういう使い方もできる。


60420.jpg

ちなみに4sから切っていると、テンパイ時、下家リーチに5sで当たりとなっていた。

枚数的に必然のチョイスだが、ダブルターツをほぐす際は、危険度に繊細の注意を払わなければならないことがわかる


振り返ってみて、ダブルターツほぐしから両面ターツが続け打たれたケースはあっただろうか?

打ち手の意志にもよるが、牌理的にも残さざるを得ない形が多いことに気づかされる。

このことからも両面ターツの続け打ちにダブルターツからのほぐしは少ない、その続け打たれた両面ターツ部分は想像よりも待ちになりづらい、ということが言えそうだ。


それから、ダブルターツをほぐす前に、あなたや私の凝り固まった身体をほぐしてみるのも一考だろう



ラベル:天鳳 牌理
posted by はぐりん@ at 23:20 | Comment(0) | 成績UPに直結 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする