2020年10月18日

ピンフを取るかファン牌を取るか 速度重視ならファン牌優先

ファン牌が雀頭だとなぜピンフにならないの?


麻雀を覚えたての頃、まずぶち当たる壁ではないだろうか。

ファン牌雀頭には加符(2符)があるため、ピンフの要件を満たさないというのがその解答となる。

それを踏まえた上で以下の牌姿をご覧いただきたい。


二萬三萬六筒七筒七筒八筒九筒五索六索九索九索中中ツモ四萬ドラ二萬

上記の手牌から何を切るか?

オーソドックスにはピンフに受ける中落としだろう。

ドラ1あるのでリーチ効率もいい。

単純な何切るだと難しくない問題でも、これに様々な条件を付加した途端、選択に頭を悩ますことになる

東1なら?オーラスなら?トップ目なら?ラス目なら?序盤なら?終盤なら?ドラがなかったら?ドラドラだったら?先手だったら?後手だったら?


何も考えずにファン牌のトイツ落としをしたところ、イーシャンテン地獄にはまってアガリどころかテンパイすらしないという苦い経験をしたことはないだろうか?

この場合、ピンフが一手でテンパイするのに対し、ファン牌ポンテンは二手かかること、さらにファン牌雀頭だとリーチが必要なことから、ピンフの方が優位だと認識されやすく、基本的にはそれは正しい。

しかし、巡目が経過すればするほど、ピンフの優位性は失われやすく、ファン牌トイツが追い付いてくる

なぜなら、ピンフは受け入れが決まっていてツモ頼みなのに対し、ファン牌は仕掛けが効くからだ。

巡目が経過するほど、ファン牌ポンテンに取れる完全イーシャンテンに変化しやすく、柔軟にアガリを見ることができる。

局収支自体の損得はピンフに分がありそうだが、その分アガリ率とテンパイ巡目はおそらくファン牌受けに分があると考えられる。

これは、ファン牌トイツのデメリットでもあるリーチが必須という点において、ダマテン時よりもアガリ率がそこまで減少しないというところにポイントがある(両面リーチにつき)。


つまり、打点よりも速度やアガリ率が求められる状況においては、ピンフよりもファン牌を選択する価値が高まると言える

統計的な結論が出ているわけではないが、現状私はこのような認識を持っている。


一方、すんなりテンパイが入った際のダマピンフの使い勝手の良さというのもあり、かわしに価値のある局面はややピンフに分があるという印象もある。

このように、個別具体的には判断に迷うケースというのも少なくない。

そこで以下に具体的な判断基準を示していく。


@ファン牌トイツを優先するべきケース

(1)オーラス微差のラス目

三萬四萬三筒四筒六筒七筒二索二索七索八索九索中中ツモ八筒ドラ北

3着目と900点差のラス目南家

このケースはピンフにこだわらずに2sを落としていく。
ピンフがすんなりテンパイするとは限らず、両面ターツ部分が雀頭になれば(4種12枚)あっという間に中のポンテンが取れるようになる。
このままテンパイが入っても、ただリーチを敢行すればいいだけの話。
このケースではリーチのデメリットが小さいためそれを逆用して、最大限アガリ率を高めに行く。


(2)複合形がある

九萬九萬三筒四筒四筒五筒六筒五索六索六索七索中中ツモ八索ドラ四筒

複合形のある手は、完全イーシャンテンに変化しやすいため、ファン牌の利が生きやすい。
しかも、複合形部分でピンフの受け入れが1枚以上減っているため、テンパイの受け入れがやや狭い。
雀頭部分ができやすいかどうかという「形」も判断材料として重要だろう。
シャンテン数の変わらないファン牌ポンも形によってはあり。


(3)後手

三萬四萬五筒六筒七筒八筒九筒二索三索九索九索中中ツモ一索ドラ北

先制リーチが入っていて、リーチには9sも中も通っている

現物などの状況にもより一概には言えないが、迂回が前提なのであれば中を残した方が間口が広い。
慎重に打ち回しているうちに、安全に中のポンテンに取れることがあり、かわせる可能性が増す。
後手の場合は柔軟性に富んだ手組みを意識することが重要。


Aピンフを優先すべきケース

(1)点棒がない

三萬四萬四萬五萬五萬七筒八筒一索一索三索四索中中ツモ九筒ドラ八筒

点棒が凹んでいて、打点が必要という状況ならば素直にピンフに取る。
メンゼン限定手役であるイーペーコーが絡んでいる場合ならなおさら。
イーペーコーはピンフと相性が良く、リーチにより破壊力を発揮できる手でもある。


(2)点棒がある

点棒がたくさんあって、かわしに価値の高い局面では、リーチのリスクを負うよりもダマでかわすピンフが優位となりやすい。
例えば先制リーチの現物待ちになった際などに差異が生まれてくる。


こうしてみると、点棒がフラットな局面でより選択の余地があることがわかる。

自身のフーロ率などでも好みが変わってくるかもしれない。

補足として、ファン牌が1枚切れの場合、他家に安全牌として持たれやすいため、天鳳であれば上記ファン牌トイツのイーシャンテンは鳴き無しにしておくことをオススメしたい

完全イーシャンテンになる前のファン牌を鳴き無しでスルーすることによって、警戒なく温存されやすいからだ。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
30562.jpg

南3局2本場供託1本、21500点持ちラス目の西家。

3着目北家が23000点、2着目親が24000点と下はかなりの僅差となっている

4巡目にして手牌は良好、イーシャンテンの選択となったが、さて何を切る?





30563.jpg

白切りとした。

イーペーコーで打点が見えたのでそれを生かす手順で。

仮にダマでもアガりきれれば大きい。


30564.jpg

忙しい時にこの裏目は痛い。

1mを切っていれば、メンゼン良し仕掛け良しの超十分形となっていた。


30567.jpg

結果、親の仕掛けが間に合い、1500。

白を残していれば、7pツモで47mテンパイ、ダマなら親の直前の7mを捕らえて5200だった。

即リーチでも高目7mのツモアガリがあった(親の3mポンが入らないため)。


30566.jpg

いずれにせよ紙一重であり、白切りが間違いというわけではない。

ただ、とにかくアガリ一点にかけるだけなら白残しの方が柔軟性が高いという事例ではないだろうか。

特に天鳳ならここでの2000点がいかに大きいか理解していただけるはずである。

この半荘は幸いにもトップで終了した。



case2
34050.jpg

東3局1本場、12200点持ちラス目の南家。

南は1枚切れで後重なりの自風。

ここから何を切る?





34051.jpg

9p切りとした。

これは仕掛けにより赤ドラが出ていくリスクもあるため、迷いどころだが、例えばドラツモの変化で一気に仕掛けが魅力的となる。

仕掛けて3900あれば十分な失点挽回と言えよう。


34052.jpg

例によって、裏目を持ってきてしまった。

痛いは痛いが、逆の裏目よりダメージは小さい。


34053.jpg

下家から先制リーチを受けるも、こちらもテンパイして追っかけに踏み切る。

この場合はいずれにせよリーチにつき、現物待ちかどうかは無関係だ。

ただし、ピンフがついていないことで打点が下がっている点、リードしている局面ではダマが効かない点に留意する必要がある。


34054.jpg

これを掴んでしまい、高目裏1は12000。

痛恨のぶっ飛びで終了となってしまった。

9pを残していても4pで放銃となる可能性が高い。

結果的には上手くいかなかったが、仕掛けての加点も丁寧に見るというところで、選択としては面白かったのではないだろうか。



case3
34556.jpg

東3局、11000点持ちラス目の親番。

5pツモってイーシャンテンとなったが、さて何を切る?





34557.jpg

発切りとした。

親番だが結構なラス目につき、ここはリーチ主眼で。

イーペーコー絡みで発1枚切れとなると、ここは迷わないところ。


34558.jpg

薄くなった47pもものかは。

高目を引き入れ勇んでリーチに踏み切る。


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上家から出て裏1の12000。

出来合いイーペーコーは美しい。順当な選択に、順当な結果。



case4
40542.jpg

開局の親番。

ドラターツが完成しイーシャンテンに。白は生牌。

ここから何を切る?





40543.jpg

9p切りとした。

ダマ11600が見えているのでこれも迷いどころだろう。

仕掛けても5800あるのであれば、ピンフにこだわる局面でもないと判断した。

下家への大三元ケアというより、自身のアガリを最大限重視している。


40544.jpg

おっと、1巡でこれはGOODな変化。

たった一つの変化で、白トイツが光輝いて見えないだろうか?


40545.jpg

上家のリーチ後に白がこぼれて喜んでポンテンに取る。


40546.jpg

さらに11600に化ける。

これはもう、行くしかないやろ。


40547.jpg

しかし、下家が中スジで掴まり、8000。

当たり牌をスライドできたのに、これは残念な結果。


40548.jpg

ヤメろ!といいながら牌をめくるとそこには3p山脈が。

麻雀あるある。

似たような牌姿でも少し状況が違えば、選択が変わってくることがわかるだろう。

赤やドラが2枚以上あるケースでは、仕掛けのメリットが生きやすいかもしれない。

何のことはない、この半荘は私のトップで終了した。



case5
44233.jpg

南1局、13400点持ち3着目の南家。

手牌の締まる5p引きでイーシャンテンに。

私の切ったドラをラス目の親にポンされていて、局面は煮詰まっている。

発と東はいずれも場に出ていないが、ここから何を切る?





44234.jpg

発切りとした。

なんとしてでもかわしたい局面なので、下家へのアシストも兼ねて

持ち持ちだとすると共倒れになってしまうため、風通し良く。

こちらのピンフも場合によってはダマにできるのが強みだ。

発に声はかからず。


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すんなりテンパイが入った。

ダマでもアガれるが、さてどうしよう?





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リーチとした。

親に対してピンズが出づらい場況につき、ここは真っ向勝負に出向いた。

下家の仕掛けが遠そうなので、リーチで手を止めても問題ないだろう。


44237.jpg

ところがである、私の現物かつポンカスのドラに親のロンの声が…

えっ、これ当たるってどういうこと?


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まさかのカン7s。

12000で私は離れたラス目に追いやられてしまった。

私の河が強すぎたのも災いしたか。


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この鳴きには唖然としてしまった。

これは鳴かないんじゃないの?と思ったが、テンパイにはやや時間がかかりそうだし、打点もつくか。

アガれるかどうかはギャンブルだが、脅し込みで見ると悪くないのかもしれない。

下家にテンパイが入っていたのは意外だった。


44240.jpg

ヤメろ!と言いながら山をめくると(笑泣)

私がダマなら対面の7sは果たして止まっただろうか?

ダマでも出ていた可能性はそこそこ高い。

7sがツモ切りなだけに全体の安牌が少ないことが裏目と出てしまった。

この半荘は私がラス、なかなかにドラマな1局ではないだろうか。



case6
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オーラス3本場、22500点持ち3着目の西家。

2着目とは1300点差で、ラス目の対面が親番。

アガれば2着浮上だが、ここから何を切る?





52094.jpg

思いきって7p切りとした。

完全に発と心中する打牌で、かなり仕掛けに比重を置いた選択だ。

ピンフは完全にツモ依存だが、発はいらなければ誰からでも出る。


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おっと、このツモがあったか。当然の即リーチ。

状況的に上下は8000が打てないため、ダマが効かないのは痛いが、それも覚悟の上。



52097.jpg

東を掴んで焦るも、何とかめくり合いに勝利。

1300で2着捲りを果たす。


52098.jpg

発の位置を確認していただきたい。

2枚とも山に沈んでいて、結果的には最もアガりにくい選択だった。

重要なのは、状況によって使い分ける自身の引き出しを持つ、ということである。


いかがだっただろうか。

似た牌姿でもわずかな状況の違いによって選択の幅が広がることがわかるだろう。

私の経験から言えることは、ファン牌を残す選択は思っているより悪くない、ということ。

あなたの雀風に合わせて、微妙な選択を楽しんでみてはいかがだろうか。



ラベル:天鳳 平和 雀頭
posted by はぐりん@ at 20:19 | Comment(0) | 成績UPに直結 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする