2020年11月15日

苦しい部分を楽にする ドラの先切り

前回はドラを無碍にしない、丁重に扱うというテーマの記事を書いた。

今回はその逆、タイミングよくドラを先切りしようというテーマだ。


麻雀は自分のターンで必ず1枚切らなければならないゲームであり、某漫画のように手牌を伏せて「闇」と宣言することはできない

ドラ周辺をブクブクに構えるということは、テンパイ時にドラ周辺を必ず1枚切らなければならず、自身がテンパイする頃には相手の手も大概煮詰まっている。

巡目に応じてこのへんのバランスを上手く取らなければ、自身の攻撃の価値よりも放銃のリスクの方が大きいということにもなりかねない。


「三国志」というシミュレーションゲームを例に挙げよう。

プレイヤーはとにかく有能な軍師や武将を獲得して戦力を増強しようとする。

史実からはありえない優秀な人材が集結して、無敵状態となり三国統一を成し遂げる、ゲームではありがちなストーリーだ。

しかし、これが現実の世界で起こるとどうなるか?

上位者同士で諍(いさか)い、争い、いざこさが始まる。有能な人は例外なく大きな野心を持っているからだ。

優秀な人材を統率するためにはそれだけの器を持ったトップの存在が不可欠だ。

天は二物も三物も人に与えない。

何かの能力が傑出している人は何かの能力が欠落している。忠誠心が右に習えで備わっていると考えるのは都合が良すぎる。

優秀な人材の衝突は、時に組織のリスクとなる可能性を孕んでいるというわけである。

だから人事というのはただ闇雲に強いものをかき集めればいいというわけではない。

人員の性格や組織との相性、忠誠心の持続度などを勘案し、バランスよく配置する必要がある。

定性的でないアナログな人の心・人の脳。この本質を社会のデジタル化の中で見失ってしまうと個人と組織が決定的に噛み合わなくなるという危惧が生じる。

個々人の満足度が上昇する組織づくり、国作り。いつの世においてもこのことが一国の勃興と大きく関わってくる。


何が言いたいのかわからなくなったが、麻雀の話である。

心と身体、人と組織のリバランスが必要なのは麻雀の手組みにおいても同様だ。

ドラや赤という強い武将ばかりを欲張っても、武将同士が喧嘩をして出て行ってしまうと12000のロンと言われる。

自身の手牌と対話をし、バランスの良い人員を適材適所に配置する。

これを意識することで不要なドラの処理も自然に行えることと思う。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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東2局、29900点持ちトップ目の親番。

3巡目にして岐路が訪れる。

色々な手役が見えるが、ここから何を切る?





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8pツモ切りとした。

メンツ手主眼で横伸び重視。

9mを切ってしまうとやや狭いし、8pは1枚切れたばかりなので。


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嬉しいことにドラを2枚引き込み、この形に。

ここから、何を切る?





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ドラ切りとした。

牌効率からも自然な着手。

ドラが1枚切れているのも踏み切りやすい要素か。

ドラを全部使い切るのは案外難しいので、アガリやすさ重視とした。


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狙い通りに7mを引き込み、即リーチ。

ドラを切った甲斐があるのはこの受け入れ意外に、待ちの強さもある。

盲点となるドラ先切りのまたぎ。

直前にパラパラと25mは切られてしまったが十分に勝負になるだろう。


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追っかけリーチの下家が掴んで、裏は乗らずに5800。

序盤から丁寧に7m受けを残したことが結果に結びついた。

何気ないが満足度は高いアガリではないだろうか。



case2
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南1局4本場、23200点持ち2着目の北家。

赤が2枚にドラが2枚とよだれが出そうな手牌をもらっている。

1メンツ完成してイーシャンテンとなったが、ここから何を切る?





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ドラ切りとした。

仕掛けが効くのでドラは3枚あれば十分で、牌効率からも必然。

他家の河も大人しい今が、絶好の切り時と言えそうだ。


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キター!567の三色テンパイとなるカン6pツモ。

点棒状況が縦長なので、ここはダマとした。対面から出れば飛び終了。

指を折って数えると、どうやら高目のロンでハネ満らしい。


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今か今かと待っていたが、まったく出てこない…。

自身の海底ツモは何とも気持ち悪い3m。

ラス目の対面はダブ南仕掛けだ。

ここで放銃したらひどいが…さて、何を切る?





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これを気合いでツモ切ると、なんとか通って二人テンパイ流局。

6mの方を切っているとカンチャンに刺さって8000だった。

同じスジでもドラに絡んだ6mの方が危険度は高いだろう。

しかし、親のテンパイ確率が低そうなので、点棒状況的にこの3m切りはどうなのか。

冷静に考えればマンズの危険度が激高につき、この打3mはギャンブルにも映る。

9m手出しから直観的に3mの安全度がやや高いと判断したが、天鳳的にはここでオリる方が普通だろう。


ドラ先切りが上手くいくも、最後まで油断は禁物という例。

この半荘は3着終了だった。



case3
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開局の北家。

ややゴツゴツした手牌だが、赤含みの5sがドラとなっている

ここから何を切る?





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2p切りとした。

3トイツは効率が悪いようにも見えるが、もう1メンツ完成した瞬間、イーシャンテン時の効率が良くなりやすい。

カンチャン固定は融通が利きづらく、選びにくい。

ドラトイツ部分がどのような形で収まるかが重要となってくる。


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3sツモで4トイツとなった。

さて、何を切る?





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ここでドラ切りとした。

チートイツに移行するのも普通で、3sが1枚見えているため、メンツ手にはやや効率の悪い手順にも映る。

ここで考慮したのが上家の赤5p切りで、攻め返すためにはドラ周辺の処理が急務だと判断した。

早目にソーズを処理することで、ツモ次第では攻め返せる態勢ができるかもしれない。


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上家よりも先に親リーチが炸裂して、ここから受けに回る。

一旦2s切りとした。

ドラを切っておいたことで、風通しよく先制に対処しやすい感じになっている。


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ペタペタと現物を合わせているうちに、このドラ引き戻し。

ん?知らぬ間にチートイツのイーシャンテンとなっている。


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そしてまさかのテンパイががが。

9mはノーチャンスで6sは無スジ。

ここは巡目を勘案して安全な9m切りとした。


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直後に親が掴んだのはズバリ6sで8000GET。

ドラ先切りからのミラクル引き戻しでまさかのアガリとなった。

ドラが暗刻になっても親に対しては割合切りやすく、結果は変わらなかったかもしれない。

ただ、受けやすい手組みを意識したことで回し打ちの難易度が下がったことは間違いないだろう。


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親の入り目は6sということで、選択はハマっていた。

上家の手は想像よりも重かった。

自身で切っている5pだけに、赤が単なる不要牌ということも多く、この場合上家の警戒度はやや下げてもいいかもしれない。



case4
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南2局、9900点持ちラス目の親番。

ダンラス状態につき、この親番で何とか挽回したいところ。

ドラトイツからテンションの上がる赤5mツモでゴツゴツ度はMAXに。

ここから何を切る?





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8m切ってチートイツのイーシャンテンに取った。

タンヤオとはいえ、さすがにメンツ手よりは速度がありそう。

6mが劇的な裏目というわけではなく、ツモ次第でメンツ手も見ている。

タンヤオのつかない9mの受けは見切っていいだろう。


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次巡のツモは、むむっ、7mが暗刻になった。

かくなる上は何を切るか?





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ドラ切りとした。

仕掛けられるメンツ手は受け入れが広く、こちらとしてもこの進行は歓迎できる。

ゴツゴツしたピンズ部分を仕掛けで捌けるのが大きい。


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すぐさまソーズのメンツが完成。

ピンズの選択となったが、何を切るか?





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7p切りとした。

最終形として58pがかなり強いので、それを先に決める着手。

先に7pを切っておくことで8pを盲点とする狙いもある。

確かに7pの方がポンしやすい場況ではあるが、最終形に照準を絞ることに重点を置いた。


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狙い通りにチーテンに取る。

最終手出しが7pとなるか4pとなるかで差が大きいことがわかるだろう。


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これを引きアガって無事に4000オールをGET。

下家の最終形を見ても、7p切りが絶妙なタイミングであったことがわかる。

このアガリが生きて、最終的には3着捲りに成功した。


手牌のバランスからドラを見切るタイミングは確かに存在する。

苦しい部分を楽にするためには、強い武将は二人もいらないということである。



ラベル:天鳳 ドラ
posted by はぐりん@ at 13:22 | Comment(2) | 成績UPに直結 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする