今年はコロナウイルスの影響で、私自身リアル麻雀は年初の1回のみだった。
私のようなただの麻雀フリークは、このような事態において「打たない」ことを選択できるわけだが、
麻雀業界関係者、麻雀プロの方々は歩みを止めるわけにもいかず、非常に苦労されたのではないだろうか。
春〜夏のシーズンにかけて休止していた活動が再開され、今大変忙しい時期だとお聞きする。
投げ出したくなることもあっただろうに、継続して活動されている方に心から敬意を表したい。
不思議なもので私自身はリアルを打ちたいという衝動に駆られることがなかった。
コロナ感染の脅威がそうさせるのかは不明だが、元々フリーに積極的に出向くタチではなかったからかもしれない。
しょっちゅう雀荘に行っているという知り合いによれば、普通に稼働しているそうである。
雀荘がクラスタになっているという話も聞かないのは、健康リテラシーの高い日本人らしいといえばらしい。
実戦日記がなくなり、ネタに困るかなと思いながら、気づけば今年が終わっていた。
実戦日記はブログのアクセントにもなっていたので、見栄えがやや淡白になってしまったかもしれない。
過去の実戦日記についてはサイトポリシーの関係で一旦全部非公開としたが、形を変えて公開することも検討しています。
さて、私にとって2020年を語る上で欠かせない天鳳の一局がある。
一年の趨勢を決定づけたと言っても過言ではない一局だ。
早速、それをご覧いただきたい。

南3局、55300点持ちダントツトップ目の南家。
上家の親さえ流すことができれば、トップは確約されている状況だ。
十分にアガリが見えるくらい配牌も整っている。

5巡目に東をツモってきて、ここで自然に3s切りとした。
3sは親の現物ではあるが、相手リーチに放銃するためにわざわざ取っておくこともあるまい、と思ったからだ。
対面への7700放銃は次局ハネツモでトップ捲りが現実的となる。
こちらのターツ候補は揃っており、ソーズを伸ばす必要性もない。

ピンズが好形になり、5sをツモってきたところ。
2着目の対面が2つ仕掛けを入れている。
さて、ここから何を切る?

親の現物の5sを温存して東を切り出すと、親からロンの声が。
しまった、東を切り遅れた。
確かに親はノータイムのドラ切りだった。
シャンポンか、単騎か、いずれにせよダマなら親満クラスは覚悟しなければならないだろう。

絶句した。こくし…だと?
頭が真っ白になった。
東をわざわざテンパイまで引っ張ったのであれば最悪だ。

実際は、なんとこの時点で東が捕まっていた。
あろうことかわずか3巡目の親国士テンパイであった。

配牌は11種11牌。
余る牌がばらけているのもプラス。

48000の一撃で100点差のラスに転落した私は、その後挽回できずにラスで終わった。
既にテンパイを警戒して受けに回っているかのような3着目下家に対し、何とか流局まで持ち込めればという私の焦燥の中に激闘の様子がうかがえる。
勢いそのままに上家がアガり切っている。

ちなみに、私が東を抑えた場合、下家に2pポンが入って対面が7sツモアガリになるか、動きがなければ親が7sを掴んで対面に放銃している可能性が高い。
いずれにせよ、ツモ山にもう1枚の東がさしかかる前に脇で決着がついたわけである。
これほどの大逆転を喰らった経験は私にとって初めてのことであった。
みなさんはこの一局を見てどのような感想を持っただろうか?
・基本的に親だけをケアすればいいのだから親に放銃するのはヌルい
・5巡目に放銃したのなら事故だが今放銃するのは事故ではない
・2フーロに対して切った親のドラ切りを軽視している
ごもっともである。
論理的に考えれば回避する要素がいくつもあったが、仮に打ったとしてもせいぜい親満ぐらいだと思っていた。
実戦では変化する状況に対して瞬間瞬間の判断が求められるため、もう少し感覚的なアプローチをしていることになる。
私が真に危惧したのは、感覚が研ぎ澄まされていない、という点だった。
言い換えれば危機回避に長けたところがない。
指運でも当たり牌の東を手元に置いたのであれば、通常はその流れで回避するのが強者の流儀である。
そうかと思えば似たような状況でテンパってもいない相手に牌を絞ったりする。
このゲームをきっかけに私の麻雀は噛み合わなくなり、この放銃が今年を占うものとなった。
気づけば私の身体はガッタガタになっており、天鳳を一時休止する運びとなったというわけだ。
人間万事塞翁が馬という言葉がある。
何が幸せで何が不幸せなのかは後になってみないとわからない、という意味である。
一つのことしかできない不器用な私に、神様は負けという形で私を気遣って下さったのではなかろうか、次第にそう思うようになった。
おかげで様々なことに気づけるようになり視野が広がった。
運動不足を解消して健康に気を使うようになったのは、単に歳を取っただけかもしれないが。
必ずや戦線に復帰し、また情熱を持って天鳳に取り組みたい。
そろそろ日本にも好景気がおとずれ、フラリと雀荘に傀が現れる頃かもしれない。
来年もブログは更新しますので、引き続きよろしくお願いします。
それではみなさま、良いお年を。