2014年07月23日

トイツ場の兆候

麻雀には、頻度は多くないが、
牌が縦に重なり、シュンツ手が構成しづらい場というものが存在する。
俺はこれを「トイツ場」と呼んでいる。

シュンツ手は牌理に従って手なりで進めていけば完成するケースが多く、
打ち手の技量が反映されないことも多い。

一方で、トイツ手はその手に向かう過程で効率を犠牲にすることが多く、
打ち手の読みや感覚といった、個々人の雀力によってその成否が問われやすい。


麻雀には7〜8局に1局、牌効率に従って打つだけでは絶対にあがれないが、トイツ手ならばあがれる局が存在する。

その兆候をいち早く見極め、本来あがりのなかった局にあがりを生む工夫というのは、
常勝を歩む上で避けては通れない道のような気がする。

相手の大物手をつぶすのみならず、トイツ手はその性質上、
非常に大きな手に化ける可能性がある。

勘で打てと言っているわけではなく、あくまで確率論をベースにしながら、
時としてアナログ的な思考でトイツ手をものにしていこうということである。


「トイツ手(コーツ手)を制する者は麻雀を制す!」
最近、より鮮明になった俺の麻雀観である。


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チートイツに向かうのに最適なのは、こういう配牌である。


イーペーコー形のような並びトイツがあり、
1や2などの横機能の低いトイツがあり、
数牌に愚形があってメンツ手が難しそうな上、
この場合字牌がドラであるためトイツ手にはもってこいである。


こういう手牌の場合、一直線にトイツ手に向かうのも経験上効果的な場合が多い。
少々迷ったが、第一打は7pを選ぶ。


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絶好の北単騎でチートイドラドラのテンパイになったが、
不運にも5m単騎に放銃。
ヒヤッとしたが、ギリギリ3着で幕引きとなった。

下家の手牌が三暗刻というのもトイツ場模様の証左であろう。

配牌自体がトイツ場を示唆する珍しいケースである。


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4トイツの配牌から9pを切ったら2巡目に痛恨の9pかぶり。

この、第1打牌に切った牌を2巡目にかぶるというのは、トイツ場の兆候である
字牌でもその傾向はあるが、数牌の方が信頼性は高い。
自分だけでなく、他家でも同様である。

また、既に1sが3枚切れているように、
同一数牌が場に多く切られるのもトイツ場のひとつの兆候である

1つの数牌が数多く切られることで、シュンツの機能が低下することがその要因と思われる。


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さて、ここで何を切る?





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俺が選択したのは打6sだった。
9pかぶりに過敏に反応してのトイツ手決め打ちだ。

場況から対面の9s切りを見て6sが一番弱いという感覚での6s切り。
実際は6sは全山だった。


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ざくざくと牌が重なって、8巡目にテンパイ。

難しいチョイスだが、中切りでリーチした。

対面と下家はほぼ確実に9sを持っていない。
中はトイツで持たれているのが嫌だ。


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これが望外の一発ツモで3000・6000。

手なりなら残しにくい9sを生かしてのあがりだけに、
トイツ系雀士冥利の瞬間である。


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別の半荘。上家から1sが切られたところ。

鳴き無しでいたところ、この1sにラグがかかる。

トイツ場を見極める上で、ポンラグは非常に重要な要素だ。

この1sポンラグでシュンツ手の機能は低下し、具体的にトイツ手を志向することになる。


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11巡目に赤5mをツモってこの牌姿。

14s待ちの両面ターツはかなり弱そうだが、
23sを払っても2mが飛んでいてあがりやすい手恰好になっているとはいいがたい。


トイツ場の兆候が出ている場合は、弱いターツは未練を残さず払っていくことをおすすめする。
シュンツが出来にくいからトイツ場なのであり、
難しいターツよりトイツを残した方が柔軟に構えられる可能性が高い。

そこで23s切り。
ここでは危険度を考えて2sを選択した。


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難しいところをツモってテンパイ。
変化の効くなかなか面白い手牌になった。


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結局、対面に放銃。

実際には14sはまだ3枚も山に眠っており、
全体的にはそれほどトイツ場の様相ではなかった。


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別の半荘。
2巡目に1pのポンラグの後、この3pツモ。

トイツマスターはこの3pでビビッとこなくてはならない。

14pの機能低下+3pツモで4トイツ目。
こういう場合は、トイツに手をかけず、単純ターツを払っていくのがトイツ手の基本だ。
間違っても3pツモ切りなどしてはいけない。

つまり、12sのペンターを払っていく。
この場合タンヤオの含みもあるため、比較的選びやすいだろう。


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11巡目にテンパイ。
まずまず感触のある8s単騎に。


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ドラ単騎に振り替わって、運よくあがることができた。


序盤に西のトイツ落としから入ったが、
ツモと場況によってはチートイツに組みなおすこともあるという例。

トイツ場の兆候が現れたら、両面ターツに未練を残さず、山にありそうな牌を残すことがチートイツ作りのコツだ。


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別の半荘。
メンツが出来ているところにいかにもな4m重なりで完全にトイツ手の様相。

他家の捨て牌を見ても、同じ数牌がかぶせられていて、はっきりトイツ場の兆候だ。

こういう場合、やはりメンツ手に未練を残さず、重なりやすい牌を残した方がいい。
つまり、持たれていそうな56mを積極的に切っていくのだ。


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狙い通り、チートイツでかわすことに成功。

こういうメンツ手ではどうやってもあがりに結びつかない手で、
親の大物手をかわすというのが、トイツ場読みの真骨頂であり、
手に入る点棒以上に大きな手応えを感じる瞬間である。


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最後に、失敗例を。

この3mが重なる感触をなんとなく大事にしなくてはならない。
いかにも縦に牌が伸びるような雰囲気のツモである。


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チートイイーシャンテンから、白をポンしてドラ受け入れターツを固定する。

まずまず自然な仕掛けにも見えるが、トイツ手からメンツ手に逆流するような、
少し流れに逆らった仕掛けでもある。

こういう捌きは細心の注意を払わないと、大事故につながりかねない。


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下家のリーチを受けて、この3mが刺さる。

7m切りリーチの36mはそれほど可能性は高くないし、
ペン3m、カン3mの愚形リーチには見えない。
36mで打ってもドラが絡まないから安いだろう、という意味での3m切りだったが、
開けてびっくりドラ3裏3のハネ満放銃とあいなった。


仕掛けての3m切りは、トイツ手に逆流しての3m切りだ。
これはどういうことかというと、本来自分から出るはずのない3mであり、
自分がアンコにしているはずの牌である。

トイツ場でシュンツ手があがれないのは、スジが固まって入るからであり、
自分に重なる牌というのは他家の必要牌であるのは自明の理


トイツ手の兆候を自分で感じていながら、それに逆らった捌きをしたがために、
他家のシュンツ手に対して大物手を打ち上げてしまう。


トイツ系雀士としてはあるまじき譜であり、
トイツの神様の怒りに触れた裏3であることは間違いない。


このように、トイツ手の捌きは、一歩間違うと諸刃の剣となってしまうところも、
なかなか奥深くて面白いのである。



ラベル:天鳳 対子
posted by はぐりん@ at 02:05 | Comment(8) | トイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、いつも楽しく拝見させていただいてます♪
自分も対子手大好き(何故か刻子は嫌い笑)なので、わかるわかる〜と頷きながら読ませていただきました。
悲しいかな、配信等で「対子場かなぁ」とかコメントしちゃうと、小ばかにされるというか、オカルトだぁ〜なんつって、あまり受け入れられることがないですね。なので、この度はぐりんさんが対子全体について筆をとって頂いたことが嬉しいです!
これからもはぐりんメソッド学んでいきますのでよろしくお願いします(笑)

追伸
天鳳でもフリーでも同じ牌が隣り合わせにあることが多いような気がするんですが、これも対子場的作用なんでしょうか?(笑)
Posted by はぐりんファン at 2014年07月23日 15:41
>>はぐりんファンさん

なるほどなるほど。
確かに昨今は「トイツ場」ってセリフすらいいにくい雰囲気になっちゃってますもんね。

やっぱり言いたいこと言ってこそ麻雀は楽しいですからね。もちろん強さが伴わないといけないですけど(笑)
誤解を恐れずに色々書いていきますよ!

フリーなら攪拌による偏りの可能性もありますけど、さすがに天鳳ではたまたまでしょうね。
ツモ筋が…とか考えるのは楽しいですけど、それを語るのはリアル麻雀だけにしておきます(笑)
Posted by はぐりん@ at 2014年07月23日 20:43
こんにちは!質問なのですが最後の失敗例でペン3mカン3mリーチには見えないという根拠を教えていただけないでしょうか?自分はもろ危険牌だなと感じます。そうとわかっていてもこの状況なら3m切ってしまいますが(笑)
Posted by タンヤオ赤赤 at 2014年07月24日 13:20
>>タンヤオ赤赤さん

下家の捨て牌は脂っこい中張牌が多いので、感覚的に好形リーチの可能性が高いように見えます。
例えば、ペン3mが残っていたらそれをはずすような手順もありえるからです。
そうはいってもドラ絡みなので確かに危険なところですし、カン3mは十分ありえますね。

実戦感覚ではそういう感じで閃いたので、牌画で見るのと少し違っているかもしれません。

Posted by はぐりん@ at 2014年07月24日 18:34
この記事読んだ直後に南の地獄短期のチートイウラウラハネマン刺さってラスッタ奴見たのでびっくりしましたw
Posted by しろう at 2014年07月25日 17:12
>>しろうさん

(*ノωノ)イヤン♪
Posted by はぐりん@ at 2014年07月26日 00:35
丁度観戦していたがわざと高段位をラスらせに来るクソ野郎がいるんだな

ゴッド@川村軍団(七段R2027)
https://twitter.com/tyouwakaba
http://com.nicovideo.jp/community/co1758782

http://up3.null-x.cc/poverty/img/poverty193233.jpg
Posted by コロ助 at 2014年07月29日 00:15
>>コロ助さん

後から牌譜見てびっくりしました。

やっぱり高段位をラスらせたいと思う人は多いでしょうから、こういうのも覚悟の上で打たなければならないんでしょうね。

他家の意図は読みすぎても仕方がないので、自分はただ、一生懸命打つだけです。
Posted by はぐりん@ at 2014年07月29日 21:03
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