2014年12月14日

トイツ場の待ち取り

デジタル麻雀全盛の現在、「トイツ場」という言葉は死語になっている。
なぜなら、どこからがトイツ場というその定義が曖昧だからである。
デジタル雀士の著作を見ると、トイツ場について語られている記事は一切見られない。

曖昧なものを排除して目に見える確実なものだけを考慮するのがデジタルなのだからそれは当然のことだ。


10年前の俺は間違いなくデジタル雀士であり、
鳴けるファンパイは全部鳴いていた。

現在の俺はというと、スーパーデジタル、デジタル、アナログ、オカルト、流れ論、体勢論、雀鬼流、すべての主張を取り入れたハイブリット麻雀だ。

なぜか?
鳴ける牌を全部鳴いていくだけでは頂点に立てないことに気づいたからである。


この立場に立った以上、俺は誤解を恐れずに書きたいことを書いていく。
アマチュアであるという立場からもそれはやりやすい。
他人の意見にも耳を傾ける。

自由な思想で麻雀を打っても、決して弱くはないということを証明していきたいと思っている。


そして、トイツ場である。
この言葉に抵抗があるなら、縦場、横場でもいい。

麻雀において今の場況が縦か横かどちらを向いているのかを把握することは、
決定的な雀力の差になりうると俺は思っている。


なぜなら、デジタル的にはあり得ない選択が正着となりうるからである。
あるいは、デジタル的にも判断の難しい選択の答えを導き出すからである。

言葉では表現せずとも、感覚的にその重要性を認識しているプロ、上級者は多いはずだ。


トイツの名手として有名なプロに、土田浩翔プロがいる。

彼の著書『土田システム 麻雀が強くなるトイツ理論』は面白い主張が展開されているが、
用いる理由がいまいち不明瞭なのと、
理論がぶっ飛びすぎてて素人には使いこなせない(笑)きらいがあるため、
実戦的かというと微妙なところだ。


俺がおすすめする隠れトイツ手の名手は、金子正輝プロだ。
金子プロは縦横の場況を的確に見極め、
トイツ場ならかなり早い段階でチートイツに決め打ったりする。

攻撃の場合は十分にあがりの見込めるトイツ手になっているし、
受けに強いチートイツに組んだりもして、トイツ場でも攻守のバランスが非常に優れている。

鉄人プロ代表決定戦などでもお目にかかる機会は多いだろう。
ぜひ注目してみて頂きたい。


今後、このブログでは実戦に有用なトイツ場の用い方を延々と書いていく。
トイツ場は麻雀の面白さが凝縮している。

強くなりたい人は騙されたと思って取り入れてほしい。
トイツ場を制する者は麻雀を制するのである。


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飛び寸から持ち直して、前局6000オールをあがって迎えた南1局1本場。
2着浮上で気分もノリノリだ。

3巡目のこの牌姿からさて何を切る?





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素直に中切りもありだが、ここは7p切りを選択した。

スジトイツだらけの4トイツ。
メンツ手でまとまるには少し苦労しそうだ。

ドラ受けは残すとしても、トイツ手両天秤ならぜひとも中は残しておきたい。


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この9mツモでトイツ手を見切る。8m切り。


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8sが暗刻になり、間髪入れずにドラをツモってテンパイ。

当然のリーチだが、カンチャンとシャンポンのどちらに取る?
その理由は?





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ここはノータイムで1mを切った。

大事なのはその理由だ。
4pが中スジになっているからシャンポンなのではない。
トイツ手模様の手組みから、8sが暗刻になった準トイツ場だからシャンポン受けなのだ。


前巡の下家の1m手出しはいかにも2mか3mを持っていそうだが、
その流れで上家が1mをツモ切っているあたり、やはりトイツ風味の場況が臭う。


経験上、縦の場は縦の受けで受けた方があがりやすいばかりか打点も高くなりやすい。

横の場では牌が分散しやすいのに対し、縦の場は牌が固まって入りやすいため、
無スジのトイツ以上は出にくいことは理由として挙げられるのだが、
縦の場の縦待ちは不思議と横待ちに引けを取らない残り枚数であることが多い。


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トップ目の下家から追っかけリーチが入る。

親に追っかけている以上、好形なのは間違いない。
しかし、こちらもそれほど負ける気はしない。


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このへんまでくると、さすがに下家の待ちは「あれ」だろう。

トイツ場で待ちになりやすい好形は基本的に固まって入るスジである。

そうとわかれば、さあ振り込んでもらおうか。


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この局は流局に終わった。

下家の待ちはやはりあれだった。


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リーチ時の手牌オープン。

シャンポンなら残りは山に3枚、カン2mなら山に残り1枚だった。
これは偶然ではない。
上家の手牌を見ても、4トイツでなんとなく縦に寄った手牌であることがわかるだろう。

ちなみに、下家の待ち58sはこの時点で純カラ。
これが縦の場における横待ちのあがりにくさなのである。


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別の半荘。
南3局親番を迎えて、44800点持ちの抜けたトップ目。

8mが重なってチートイイーシャンテンに。
マンズが安く、対面と上家の捨て牌から変則場風味だが、
ソーズの並びがいかにもトイツ系の場といった感触だ。


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上家の仕掛けによって急所と思しき4sが入り、さらに1sツモでテンパイ。

鳴きで入ったテンパイだから当然のリーチだが、さてどちらに受ける?





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ここは迷わず7s切りでリーチする場面だ。

安めの1sツモだから打点の面を重視するのかというとそうではない。
序盤からトイツ場の意識を持っていたからシャンポン受けなのだ。

かつ、この場面は上家がソーズに染めていて、
スジトイツ持ちの36sは染めの急所だ。
ここを場に出してしまうと、対面が合わせるなどして、上家のあがりがかなり現実的になる。

つまり、シャンポンに取ることで、上家の返り討ちに合う可能性がかなり低くなるのだ


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結果は6sを一発ツモの2000オール。

ご覧のとおり、待ちの6s白は全山。
両面の58sも残り4枚でイーブンだった。

変則場らしく、他家の手牌も縦寄りとなっている。


このように、縦の場の縦受けは相手に攻め返された時にも強い。
打点上昇で受けに強いとなれば縦受けに取らない理由がない。


いわゆる好形は縦の場では好形にはならないことに注意が必要だ。


続いて失敗例を。


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南1局、15400点持ち3着目西家の自分。
ラス目上家は10200点、2着目下家は26800点。

ピンズが寄ってくる。
対面の捨て牌が少し気になるが、
この時点ではトイツ場という感触はない。


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ピンズが続々と寄ってきて、テンパイ。

さて、何を切ってリーチする?





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下家との点差を考え、ノミ手ではつまらないと、7p切りリーチ。

いかにも1pが山にいそうな河だ。


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ところが、ド裏目の赤5pをツモって意気消沈。

真っ先にこれをツモってしまうとやっちまった感がある。


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上家から追っかけが入って、4度目のあがり逃しとなる8pツモ。

さすがにこれは勝てる気がしない。


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テンパイの入っていた下家が4pと1pを振り替え、大ピンチを切り抜けた。

裏は乗らずの1600だが、上家がラス目だけにほっと胸をなでおろす。


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リーチ時の牌オープン。
1pは山に2枚いたが、58pは何と山に6枚。

俺が見誤っていたのは、これが本当にトイツ場かどうかという見極めだ

1p重なりの時点では、シュンツ手模様の手牌であり、
ピンズが寄っている以外は特にトイツ場の兆候を感じているわけではなかった。

手牌を作っていく過程で、自分の感覚がどちらを向いているのかというのは、
最後の待ち取りにおいて非常に重要なヒントを与えてくれる。



本局が上の2つの成功例と決定的に違うのは、
トイツの傾向が一色限定であるということである。

本局は、山にうなるように眠っていたピンズが、
たまたまトイツ系に寄ってきただけで、
全体の場況としてはそれほどトイツ場ではなかった。

このように、全体としてトイツ場を認識するなら、
三色が同様の傾向になっている方がその信頼度は高まるのである



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トイツ場を見極めるための重要なヒントをもう一つ。

上家のこの8pにラグがあるかどうかを見ることだ。

トイツ場の傾向が強い時は、他家にもトイトイ含みの手が入る。
つまり、ポン材なら仕掛ける構えを取って鳴きありの状態になりやすい


つまりこの8pにラグがない時点で、残りの8pは山に眠っているのではないかと推測できるわけだ。


三暗刻の手は、三暗刻に受けるのは基本的には正しい。

しかし、本局のように全体的にはシュンツ場だったり、
58pがかなり強いという場況を読み取ることができれば、
より間違いのない選択ができる。

そういう意味で、場況が縦か横かを真に見極める必要があるのである。



ラベル:天鳳 対子
posted by はぐりん@ at 21:08 | Comment(0) | トイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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