ファン牌をポンしてテンパイに取れるケースでは、
ファン牌ポンが期待値的に損な選択となることはほとんどない。
イーシャンテンからは受け入れがどんなに広くてもあがりの権利は発生しないので、
これは当然の理屈だ。
特に、自分にドラも赤も何もない手においては、メンゼンでの打点上昇メリットが少なく、
相手のチャンス手を潰すという意味でも、かわし手の価値は上がる。
麻雀において、局収支をプラスにする方法は、
自分があがるか、またはテンパイ流局か、しかない。
テンパイとは局収支をプラスにするための前段階であり、
テンパイの滞在割合というのは半荘の順位を決める上でそれなりに重要となってくる。
これらの前提を踏まえた上で、
好形イーシャンテンからファン牌をスルーするのはどのような場合なのか、
実戦例から見ていこう。

開局、北家の自分。
完全イーシャンテンのところ、下家から1枚目の東が出た。
さて、どうしよう?

これはスルーした。
三色が見える好手牌だが、
この手の肝は、やはりドラの7sだ。
ソーズは比較的場に高めで、ポンしたところでドラは出にくく、
4sでの2000点が関の山といったところ。
どうせ急所のソーズが残るならスルーして、
三色含みピンズ待ちの最終形でリーチしようという構想だ。
これぐらい明確に手役が見える手牌ならスルーする人も多いだろう。

次巡、望外の東ツモでテンパイ。
これはこれで嬉しい。
上家がトイトイ含みの仕掛けでドラを持っている可能性が高いが、
ここは当然リーチでぶつける。

残念ながら流局。
捨て牌が派手になりすぎ、
47s一点のような河になってしまった。
一人テンパイならまあ許容範囲といったところだろう。

リーチ時、なんと47sは山に6枚。ドラは全山だった。
仕掛けていればあがれていた可能性が高いが、
チャンス手はチャンス手としてしっかりものにすることも半荘戦では大事だ。
このケースは開局だし、
東場のうちは少々の効率を犠牲にしてもしっかりと打点を叩いていくことが、
半荘を勝ちきるために重要となってくる。

別の半荘。
東4局、34000点持ちトップ目の北家。
ピンフとの天秤も考えながら手を進めて、現在イーシャンテン。
3m中ぶくれは東コーツの雀頭候補として考えている。
下家から1枚目の東が出たが、さてどうしよう?

これもラグありでスルーした。
上家の捨て牌から69mは手早く鳴けそうだし、
打点は必要ないので、これは鳴くのもありだと思った。
しかし、所詮はシャンテン数の変わらない鳴きだ。
ここから2フーロしても巡目的にあがりやすいかといったら微妙だし、
親からポンしてしまうと、親リーチへの対処が難しくなる。
それならば、悪くないターツ2組を生かしたリーチ前提でも問題ないと考えた。
このスルーによって、好感触のテンパイが入る。
スルーして入ったテンパイ即リーチ、だ。

上家から追っかけが入ってヒヤッとしたが、
リーチ者が掴んで裏1で5200のあがり。
ご覧のように上家のリーチはドラドラの勝負手で、
待ちの58pも山に3枚眠っていてかなりやばかった。
こちらの69mはラス牌であったことから、
非常にラッキーだったと言える。
感覚として強いのは、
スルースキルのシステムにはまったリーチはとにかく悪い結果になりにくい、ということだ。
このケースでは、下家から出た東を鳴くという選択は決してないわけではない。
しかし、「迷ったら鳴かない」というスルースキルの心得を生かした結果のテンパイであり、
システムに従ったリーチを打った結果が5200のあがりに結びついたわけだ。
上家の追っかけを受けて以降は山に委ねられているため、
この結果はたまたまであることは確かだが、
例えば、迷っての東ポンから他家の反撃を受けた場合に比してどちらがいい結果になりやすいかを漠然と考えた時、
ひとつ確実に言えることは、
この局の結果のみならず、この半荘の結果自体もスルーした方が優っていると、
経験から俺の大局観が言っている。
仮にこれがリーチ後放銃という結果であっても、なぜか半荘自体で悪くない結果になることが多い。
オカルト的だと笑われるかもしれないが、現状の俺の感覚にはこうしたものがはっきりとある。

南2局1本場、23300点持ち北家。
現状2着目だが、ラス目が20700点と予断を許さない状況だ。
くっつきテンパイのところ、対面から1枚目の中が出たがどうしよう?

これは鳴き無しでスルーした。
鋭い人は気づいただろうが、
中を鳴くつもりなら前巡1pを切っていない。
この巡目なら広いくっつきを生かしてリーチと行きたいところだ。
牌重なりで中待ちになっても鳴き無しなら逆に狙い目になる。
スルーした結果、この9pで一応テンパイが入った。
ドラが出ていく上、愚形になってしまったが、どうしよう?

スルーして入ったテンパイ即リーチ、だ。
不満は不満の最終形だが、
下家の第一打9pから8pは及第点だし、
ここから好形変化を待つのでは遅い。
中をスルーしたのはメンゼンでのテンパイを入れるためであり、
この点棒状況での先制リーチは価値が大きい。
あがりきれればラス回避はぐっと現実的になる。
ここは腹を括って勝負に行った。

これが奏功し、対面から出て裏1の2600。
裏1の加点はかなり大きく、即リーチが正解だったことを告げている。
これもメンゼン主眼の構想から、
スルースキルが上手くはまったケースと言える。

南3局1本場、21800点3着目の北家。
ラス目は16600点と、うかうかしていられない点差だ。
好形イーシャンテンから2枚目の南が出たが、さてどうしよう?
ちなみに、浮いている白はドラだ。

これは鳴き無しでスルーした。
スルースキル「頭のない手は鳴かない」、にも準じるが、
この手はソーズの連続形があるため、
鳴いてもそれほど遅いというわけではない。
しかし、ここで考えるのは余っているドラの白だ。
局を進めることが大きいこの状況において、
南ポンはそれほど悪くないが、
シャンテン数の変わらない鳴きでドラを切り出して鳴かれた場合どうなのか?
それを勘案した際に、やはり白はテンパイで勝負するべきと判断した。
受け入れも悪くないのでメンゼンで十分勝負になるし、
何より鳴かないことで白重なりを見れる。
ひとつ言えることは、
ここから南をポンして23p落としのような手順だけは俺の中にはない。
南をポンする以上はスピードを見るのでこの場合100%白切りだ。
白が待ちになってしまうと打点もそれほどでもないのにあがり率が劇的に下がる。
それでは南ポンのメリットが失われるので、
打点をつけたいなら南スルーの方が優れているだろう。
南スルーは受けと攻めを両方見ながら、
穏当にイーシャンテンキープという手筋だ。

対面が2つ仕掛けてこちらもテンパイ。
構想通りなのでシステムに従って即リーチだ。
対面の4sチーは長考を伴っており、白はロンではないだろう。
ひとつ懸念があるとすれば、
上家に1sを切られた直後だということか。
これは少々感触が悪い。

俺の現物で待っていた親に4800の放銃となった。
リー棒つきのこの放銃によって、上家をわずかに下回り、ラスに転落。
かなり焦燥感を持って次局を迎えることになった。
が、なんのことはなかった。
次局に一発ツモ裏3の倍満をツモあがり、一撃トップ捲り。
この半荘はそのままトップで終了した。
もちろんスルースキルのシステムがこの結果をもたらしたというわけではない。
結局、仕掛け派は仕掛けによって、スルー派はスルーによって、
自分のリズムを作っていくということであり、
このリズムをしっかりと守っていくことで、
自分のペースを保持しているのだ。
これは言い換えれば、
自分の勝ちパターンを作るということだ。
リズムを作り、ペースを維持し、バランスを保つ。
これを自分の雀風に照らしてどのように構築していくか。
先述した、スルースキルがはまれば負けないという大局観も、
自分の雀風にあった勝ちパターンがスルースキルに内包されている、
そう考えると論理的にもしっくりくる。

別の半荘。
南3局、微差の3着目で迎えた西家の自分。
点棒状況は自分から順に、17700、50600、13400、18300。
かなりの好配牌をもらったところ、対面から1枚目の南が出た。
さて、どうしよう?

シャンテン数は変わらないが、これはポンした。
ホンイツに染める意識ではなくて、
ここではスピード重視のポンだ。
点棒状況的に、まずラス目の親を流すことが最優先だし、
1000点でも加点して上家を捲っておけば、
ラス親が上家なので、ラス落ちのリスクはかなり低くなる。
南をポンすれば全方位の仕掛けが可能だし、
マンズの複合形が手厚く、雀頭作りに苦労しない手恰好なので、
鳴きによってスピードが伴うからだ。

すぐに3mを引いてテンパイ。
受けを考えたら4m切りも有力だが、
ここでは素直に点パネの2m切りとした。

無事にツモあがって、700・1300。
この半荘はそのまま2着で終了した。
このように、スルーは画一的に考えず、
状況に応じて柔軟にしていくことが重要だ。
東場のうちは高打点も視野にゆったりと構えても問題ないが、
南場では点棒状況に合わせて積極的にあがりにいくということも必要になってくる。
15半荘連続絶賛逆連帯中のチャンタですw
何か変えようとしてペースを乱して失敗する、負けの思考に入ったようです!
それはさておいてカンGのケースの話ですが、
もっと悲しい五引きとD引きならどうしますか?
自分なら五だとダマテン、Dだとツモ切ってグダグダになりそうです・・・
もっといえばチャンタはF切って8残しちゃうタイプで、この場合だと5と入れ替えそうでヤバそうですけど・・・
(ネガネガ
15連続逆連帯ってマジですか?
お祓いが必要なレベルですね、それは…
5p引きならツモ切り、
5m引きならとりダマで変化待ち、チャンタさんと一緒です。
もっとも、ドラにくっついたのなら勢いリーチでもいいかもしれませんね。実戦では躊躇うでしょうけど。
一通はもちろん見たかったんですけど、ピンズの上が悪くないのとくっつきの広さを取りました。
結果的には上手くいきましたね。
まあこのブログでも読んで気分転換してまたがんばりましょ!
いっそどれもリーチ打っちゃうのも手かなと思ってみたり・・・とはいえ中スルーしてのドラ表リーチは、よほど自分の中で決めてないと打てないですよね。うーん・・
なかなかここまで悪いのも無いので、ちょっとブログおサボりして気分転換中です!
今のまま書いちゃうと、悪い部分ばっかり強調しそうでw
不調をブログのネタにするってのはどうでしょう?
僕も過去にいくつか書いてきましたけど、
意外と面白がって読んでもらえるんですよね。
本人はきついですけどねw
不調があるからこそ好調も輝くわけですしね、
不調をブログに載せることで案外冷静さを取り戻せたりするので、意外とおすすめです。
しばらく続くようなら参考にさせていただいて、自虐してみます!
ありがとでした!
もう日付変わってますから大丈夫かもですねw
がんばってください!
あの点棒状況では符ハネはたいして重要ではないです。
なので、安牌候補を取っておく打4mもありですね。
僕が考えたのは3mカンです。
23334の形だと3m持ってきても困るじゃないですか。
36mを完全に使い切るつもりなら2m切りの方がいいかなあ、と。
後は蛇足ですが、47pカンされた時の三暗刻変化などもありますね。
なので、点パネしつつ自然な打牌の方を選択しました。