2015年10月04日

スルースキル 連風牌のスルー

今回は、ダブ東、ダブ南など連風牌のスルーについてだ。

ポンの一声で2ハンつくため、無条件で仕掛けるという人も多いだろう。

相手に対するプレッシャーも相当なもので、
ドラ1程度あるなら何も考えずにポンしても基本的には問題ない。



一方、天鳳ではトップ取りよりもラス回避の方が重要な局面が多く、
連風牌の一鳴きが必ずしも得にならないケースも生まれやすい。

連風牌だからという先入観にとらわれず、
状況に照らして本当に鳴くべきかどうかというのを吟味することが必要になってくる。




それでは、実戦例を見ていこう。


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南1局、23700点持ち3着目の南家。
下家がラス目で13800点だ。

ダブ南トイツ持ちのところ、下家から南が出たが、どうするか?





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これは鳴き無しでスルーした。

急所残りでドラ待ちになってもあがりにくいので、形的スルーだ。

親の仕掛けはそれほど脅威というわけではなく、
例えば、ピンズの好形部分がドラならばポンするのだが、
好形部分が捌けてもターツ選択が残るし、
ドラ受けが残った3900では、ダブ南仕掛けのメリットがいまいち生きない。

むしろ、カン8mのドラからなら鳴きたいし、ペン3sチーもなくはない。


スルーした結果、急所の3sが埋まり、これで大分やる気が出てきた。


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対面から1巡遅れで南が出てきて、これは喜んでポン。

これが合わせ打ちでないのは、
前巡鳴き無しだったから
に他ならず、
たった1巡で鳴きたい状況へと劇的に変化している。


中途半端にラグありでスルーだと、
合わせ打ちでさらに迷う状況となり、
鳴いても微妙、鳴かなくても微妙というどっちつかずの展開となっていただろう。


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手順でドラのカンチャンを外していき、すぐにテンパイ。

親の捨て牌を見ても、チーテンは時間の問題だったと思われる。


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リズムよく2000点のあがり。


本局あがれた要因はワンスルー目が鳴き無しだったことに尽きる。

ダブ南だからといって、何も考えずに鳴くのではなく、
あがりまでの構想を考えて、ラグをかけないことによって、
一鳴きよりも圧倒的に速いあがりが生まれることもある



鳴き無しは最初のうちは判断力が必要で切り替えが難しいが、
あがりまでの構想をきちんと自分の中で持つことによって
連風牌であっても躊躇なくスルーすることが可能となる。


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別の半荘。
南3局、28200点持ち2着目の南家。
トップ目が上家の親で、ラス目が15400点の下家だ。

ダブ南トイツで赤含みの手牌をもらったところ、下家から南が出た。
さて、どうしよう?





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これはスルーした。

打点的には問題ないが、
急所が多く、ドラがポツンと浮いていて、鳴いても上手くいかなそうだ。

点棒状況的にも放銃さえ避けられればラスはなさそうな感じなのだが、
どちらかというと形の悪さに比重を置いたスルーだ。


スルーした結果ドラにくっつき、これで手牌の見通しはある程度立った。


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さらに、急所のカン3mが埋まり、感触は良い。

これで今度は積極的に仕掛けていける体勢が整った。


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しかし、その後はツモが空振り、手が進まず。
ダブ南も鳴けないまま、3着目の対面からリーチが入る。

このリャンシャンテンでは勝負にならないので、8s合わせから撤退。

こうなってくるとスルーした南は受けゴマとして生きてくることになる。


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テンパイを入れていた下家が掴み、1300の放銃。


形が悪い場合は、一鳴きを見送ることで、後々の安牌候補となりうる。
連風牌でも力を溜めるワンスルーは、攻守のバランスをとりやすい


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別の半荘。
南3局、21000点持ち2着目の南家。

上家の親が46200点持ちの抜けたトップで、ラス目は15000点と僅差だ。

1枚目を切られた直後に重なったダブ南だが、
対面から2枚目が出た。さて、どうしよう?





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これは迷うところだが、ラグありでスルーした。

鳴いて一通のイーシャンテンなので形的にはさほど問題ない。

しかし、ここで考えるのは大トップ目親の仕掛けだ。
親は無理する必要がないため、積極的に仕掛けるのは何か理由がある。

捨て牌から見ても、速そうな感じがあるし、
ドラが見えていないことからある程度の打点を伴っているのではないかと考えた。


自分がラス前2着目のラス親ということを踏まえると、
ここで最悪なのはラスになる放銃であり、
点棒に余裕のある親に対して無防備になるのは避けたい


たとえ3着目、4着目のあがりであっても、
局が一局進むことはラス回避のためにそれほど悪くない
のである。

手を決めて、中途半端に親に放銃するのが最悪で、
そのシナリオは下位者が望むところだ。


現状打点は必要ではなく、匍匐前進でもなんとかなりそうな手牌であり、
焦って鳴かずに親の動向にも対応できる構えを取ろうという方針だ。

つまり、このスルーは点棒状況的スルーだ。


スルーした結果、ドラをツモって、これで一歩後退を余儀なくされる。


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ドラ周りが伸び、意外にもタンピン系の手牌へと整ってきた。

親が2フーロで、テンパイの可能性も十分あるため、
ここでは南のトイツ落としとした。


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3着目の下家からリーチが入り、なんと赤5mツモで勝負手になった。

さて、どうしよう?





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天鳳的には絶対打ってはいけない場面だが、ここではドラをぶった切った。

ここでのポイントは、親が明確にオリの気配を出しているという点で、
親がつっぱっているなら2人に対してドラは切れないが、
リーチ者だけなら勝負に値すると判断した。

勝負に行くなら自分のあがり率を最大限高める選択をするべきで、
中途半端にドラスジ待ちではあがりを逃して放銃ということにもなりかねない。



ここで思い出してほしい。
スルーというのは、日和るためではなく、鋭い反撃をするための手段であるということを。

ダブ南をスルーした結果として、この最終形になった以上、
赤5mツモには意味がある。

親の脅威が去り、この手恰好で押さないのは日和以外の何物でもない。
ドラで放銃してたとえラスになっても、それはあなたの麻雀を弱くするものでは決してない、そう断言できる。


本手のほぼ最終形だが、ダマテンに構えるのは、
点棒状況的にリーチ棒のマイナスが大きい状況であること、
そして流局間際の最後の危険牌ではオリの選択肢も残したいから
だ。

これはラス前という状況がそうさせるのであり、
東3ならばリーチでも何ら問題はない。


このドラに長めのラグがかかり、焦ったが、これは親のポンラグだった。
親はドラドラのイーシャンテンからオリを選択。
やはりそれなりの打点も伴っていた。


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結局、ラス目が勝負に行って、2mで放銃。
裏が1mで8000となった。


ご覧のように少し日和って4m切りなら、下家の7pを捕らえていたわけだが、
これは結果論であり、勝負の姿勢としてはこちらの方が芯が通っていると言えよう。

この半荘はそのまま3着で終了した。


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別の半荘。
もつれて西1局1本場、19300点持ちラス目の西家。
点棒状況は自分から順に、19300、29800、24800、26100。

連風牌はダブ東、ダブ南だけではない。
西場になればダブ西というものも存在する。

というわけで、上家からダブ西が出たが、どうするか?





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これは、ラグありでスルーした。

スルースキル「頭がない手は鳴かない」の典型的な形だが、
ここでのスルーは鳴いてもドラがなければ2000点に過ぎず、
あがりが3着捲りにつながる可能性がそれほど高くないからである。

それならばメンゼンリーチの可能性も残した方が、
相手の対処も難しく、好結果につながりやすいと考えた。

すなわち、点棒状況的スルーである。


スルーした結果、最高のドラツモで小躍りする。

これにより567の三色による一撃捲りも見えてきた。


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ほどなくして、下家から2枚目の西が出たが、どうしよう?





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涼しい顔してスルーできたらかっこいいが、これはさすがにポン。

ここではできるだけ流局の可能性を下げたい。
なぜなら、下家がテンパイ流局で即終了だからだ。


自分のあがり率だけを見たら、
不格好でもこの西はポンした方がいいと考えた。

メンゼンでは受け入れが限定されるため、
ツモが効かないとそれまでになってしまう。


ドラが入ったことにより、
3900の仕掛けならかなり3着捲りに現実味があり、
メンゼンリーチと遜色ない打点になったともいえる。


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このイーシャンテンがなかなかテンパイせず、
まさかのノーテンを意識したところで、チーテンに取れた。


なりふり構っていられないが、
流局終了という結果だけはなんとかして避けたい。


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苦しまぎれの単騎待ちだったが、上家から出て3900のあがり。

対面にポンされた4s切りによって7sが完全に盲点となった。


苦しい仕掛けが成就し、一時的に3着浮上。
手応えのあるあがりだったが、善戦むなしくこの半荘はラスで終了した。


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別の半荘。
東1局2本場の親番。
気持ちよく連荘を決めて、トップを快走している。

ダブ東トイツの手をもらって、南をツモったところ。
さて、何を切る?





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この手恰好ではメンツ手は厳しいとみて、2枚切れの1s切りとした。

トイツ手主眼で手を進めることによって、
ドラの西にも対応しやすい。


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イーシャンテンになったところで、ダブ東が出たが、
これは鳴き無しでスルー。

スルースキル「暗刻がひとつもない手は基本チートイ」であり、
1s切った時からの構想として、これは想定済みのスルーだ。

形&点棒状況の両面からのスルーといえる。


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切りにくい発が重なって、テンパイ。


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最後は受けのチートイツに切り替えたものの、
運良くあがることができた。


連風牌かどうかにかかわらず、
鳴くべき手は鳴く、鳴くべきでない手は鳴かない、という麻雀の基本を踏まえた上で
形や点棒状況も合わせて判断していくことが重要だ。



ラベル:不鳴 天鳳
posted by はぐりん@ at 20:54 | Comment(4) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
真ん中、上から14番目くらいのドラが4pで455赤5m4456p345678sの何切る?の所ですが、下家の捨て牌に1→3pの順に手出しがあり、もし56pのターツを持っているとしたならば、ドラ受けは56でカバーできている点と親の攻めなどを考慮して、ターツ落としの順序が逆になるのでは?と思い、下家の4ー7p待ちの線は低くなると思ったのですが、どうなんでしょう。
Posted by 国家最終戦力 at 2015年10月05日 00:24
>>国家最終戦力さん
おっしゃる通り、下家の捨て牌が1p→3pの場合より、3p→1pとなっている方が、47pの危険度は上がります。これは間違いないと思います。
ただし、1p→3pと切っているからといって、47pの危険度が絶対的に下がるかと言ったら、下がらないような気がします。

ピンズが単純両面形ではなく上に伸びているような複合形あるいは準複合形なら大抵の場合、1p→3pという切り順になりますし、下家の点棒状況的には牌効率を無視している余裕などないため、1356pの単純両面形であってもタンヤオの渡りを見て1pから切るケースは十分にありうるからです。

3p→1pの方が4pは切りにくいが、1p→3pだからといって4pが切りやすくなるかといったらそんなことはないと僕は考えています。

ここでは、1pが通っているのが大きく、14pには当たらないというのを材料として4pを勝負していくぐらいの感覚でいいと思います。
Posted by はぐりん@ at 2015年10月05日 01:00
最近天鳳始めました
はぐりんさんのブログ見て5段まで行けました!とても参考になります!
Posted by 天鳳始めました at 2015年10月11日 17:29
>>天鳳始めましたさん
おお、それは素晴らしいですね!
段位が上がると楽しいですよね。
参考にしてもらえて、嬉しい限りです。
Posted by はぐりん@ at 2015年10月12日 00:06
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