2015年12月06日

カンツ含みの手牌の捌き(複雑形)

今回は、より複雑な形のカンツ含みの手牌について紹介していく。

中張牌のカンツ含みの手牌は牌理的に難解な選択になることも多く、
特に一色手の4枚使いは上級者でも混乱することがあるだろう。


上手く捌くコツとしては、
カンツ含みの7枚形や10枚形のパターンを類型化して覚えておき、
パッと見である程度の受け入れを把握できるように訓練すること
だ。


一種の牌は4枚しかないため、組み合わせは無限にあるわけではない。
つまり、複雑な牌理については鍛錬によってかなりの部分を補うことができる

手っ取り早い方法としては、同じ牌種のみツモって切るを繰り返す、メンチンの練習がある。
この場合、カンツ含みの複合形が頻繁に現れるので、牌理を磨くにはうってつけとなる。



4枚使いの複雑形をもらった時に、考える重要ポイントは以下の順番となる。


@まず、自分の手牌を最大限あがりに結びつけるための牌効率を考える

その場でカンするか否かという部分まで考える必要があるため、
選択肢が多く難解となりやすいが、
中張牌の場合はカンしない方が牌効率的に有利であることが多い。
あがりなくして勝利なし、まずは最大限自分のあがりのために活用することを考える。


A次に、相手に対する危険度とその牌を使い切れる可能性を勘案する

前回も書いたように、4枚使いの牌は将来的に危険度が高い。
最終的にカンして勝負にいける形なのか、
あるいは切り出すタイミングでドンピシャにならないか、などを総合的に考え、
先に処理するか残すかを決めなければならない。
この辺のバランスを上手くとれるかどうかというのが、「センス」だ。


今回はそれほど難解な形ではないので、身構えずにご覧いただきたい。


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東4局、22800点持ちラス目の南家。
全員が30000点未満とじりじりした展開となっている。

9pカンツのイーシャンテン形から1pをツモって、さてどうしよう?





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手拍子でツモ切ったが、実はこういう部分に大きな選択肢が潜んでいる。


将来的に9pをカンするケースというのを論理的に考えているかどうか?
1pツモはこれを問うているのだ。



この手から1pを切った場合、最終的に9pカンしてリーチにいくことが確定しているのは8pツモの2枚だ。

5pツモなら9p切りリーチで2587pと、7pの受けが残るし、
2pツモなら9p切りリーチで587pとやはり7pの受けが残る。


5pツモった際に、9p切りリーチと行くことが確定している人は、
この1pツモ時に9pを切った方が若干得のような気がする。

なぜかというと、1pを残すことで25pツモ時には一通のテンパイに組めるからであり、
1pが序盤に切られている場況からは2pは非常に山にありそうに見える。
同様にスジの5pも山にいることが多い。


先に7pをツモった場合のイーペーコー確定形があるため、
期待値的には難しいところだが、
9pをカンしないなら打点妙味のある一通含みを残すのはこの場況も含めて十分考慮に値する


俺の場合、このケースでは一通のことなどまるで考えずに手拍子で切ったわけだが、
切った後にあれ?となった。

これだと5pツモ時に9pカンしないと割に合わないなという結論になる。


切った後にこのことを考えるのではなく、1pツモ時にすべてを決めておかなくてはならないのだ。
これがカンツ含みの手牌の難しさであると言える。



tenhou.3115.jpg

次巡ツモったのは、2p。

さて、どうしよう?





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正直、どっへー、である。

2pツモだと7pの受け3枚を減らす9pカンはかなりしづらく、
これは仕方なしとばかりに9p切りリーチに踏み切った。


1pツモのところで9pを1枚はずしておけば、

四萬五萬六萬一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒

この一通のテンパイに組めたわけだ。


まあ、なんというか、完全に裏目だ。


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長引いたが、5pをツモって、500・1000。

一通逃しとも思える5pツモだが、先に4pをツモっているので、
一通はいずれにせよ成就していない。

一通のテンパイにも組めず、カンせずに58pツモで裏も乗らずと、
この手材料をゴットーで終わらせてしまうのでは勝てないという印象で、
予感に漏れずにこの半荘はラスで終了した。


個人的にはこの手からはチンイツには行きにくいのだが、
あそこから1メンツ落とす打ち方もロマンがあっていいと思う。

佐々木寿人プロならノータイムではずすのかな。


tenhou.468.jpg

別の半荘。
東2局1本場、24000点持ちの親番。

タンヤオのチャンス手だが、3pがカンツになった。
さて、どうしよう?





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ここでは3pをツモ切った。

これは人によってかなり意見が割れるのではないだろうか?

雀頭があるので3pの横伸びは期待できるのだが、
下に伸びても今度はタンヤオが不確定となるため、いまいち歓迎できない。

単純牌効率から言っても、かなりめんどくさい感じなのだが、
タンヤオにいまいちなりにくいなら危険度との勘案からもう切っちゃおうという感覚だ。


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7pをツモってきた。これなら8pを残した意味があるので、嬉しいツモ。

しかしまた難しい。何を切るか?





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ドラ部分を使い切りたい4m切り。

牌効率的にはいまいちという感じもするが、
3pのカンツを1枚はずしている手前、
ピンズの部分で雀頭を作るという構想上、トイツ部分はほぐしても問題ないという感覚からだ。


tenhou.472.jpg

8pツモで予定通りの展開。ここで4s切りとした。

仮にここで4pツモの場合、3p9pがフリテン受けとなるため、
マンズの待ち取りには気をつけなければならない。


カンツ部分を先に捌くと常にフリテンになる危険性を孕んでいるのでその点は注意が必要だ。


tenhou.474.jpg

8pをポンして、最速のテンパイ。

ドラを使い切れる最終形となると、受け入れが限定されるので、
ポン材は急所と見て捌いていくのが実戦的だろう。


3pを1枚はずした構想上、どちらかというと打点よりもスピードを重視しているため、
あの手から5800クラスのテンパイに組めればそれなりに捌けたという実感がある。


tenhou.475.jpg

しかし、下家がピンフのツモあがりで決着となった。

3pカンしなくて良かったと思えるケースだ。


tenhou.9415.jpg

別の半荘。
東4局、35800点持ち、トップ目の北家。

とりあえず白を切って、カンを保留。

カンをしないデメリットは、36mチーテン時に、
固めて持っている147mを切り出さなくてはならないこと
だ。

しかし、トップ目につき自重。
南家の捨て牌も煮詰まっている。


tenhou.9416.jpg

対面からリーチが入った一発目。

さらに1mをツモってなんだこりゃ(笑)

さて、どうしよう?





tenhou.9417.jpg

4枚チートイありなら6m切りだが、ここでは西のトイツ落としでチンイツへ。

カンせずに147mを使い切る手順を考えた場合に、
25mを切ってしまうと、36mツモ時にどうしても147mが出ていく。


それならば、受けは狭いが147mを絶対に使い切る手組にしてやろうという西切りだ。


ですよね〜という感じで対面の一発ツモは4m。
裏1の2000・3900が炸裂した。


tenhou.3360.jpg

別の半荘。
東4局、20100点持ち微差のラス目の西家。

こ、これはもしや、カンツ場…?

新ドラの5mがカンツになって、
嬉しいのか嬉しくないのかわけわからない状況だが、
さて、どうしよう?





tenhou.3361.jpg

ここでは7m切りとした。

白のポンテンを残しつつ、テンパイチャンスを広げる手順を見るという意味で、
5mカンではカン4mの受けがなくなってしまう。

この打点なら白ポンでのドラ5m切りを厭わない。


感覚的には3m切りの方がテンパイチャンスは広いかなと思ったのだが、
実際は7m切りも3m切りも変わらないようだ(場に出ている牌は考慮せず)。


tenhou.3362.jpg

2mをツモってここで5mをアンカン。

これは自然な手順でカンできる。


tenhou.3364.jpg

7sをツモって、さらに悩ましい選択となった。

さて、どうしよう?





tenhou.3365.jpg

3mを切った。

ここではソーズの選択を裏目るのが最悪で、
ソーズのテンパイチャンスを狭めないのが重要だと考えた。

局面の急所はソーズで、ソーズさえ埋まればあがりが見込みやすく、
3mが1枚切られたことも根拠とした。


一方、この受け方は白のポンテンに取れないというデメリットがあり、
素直な着手はどちらかというと3sカンの方だろう。

手順で三暗刻や白という役を逃してしまう可能性があるため、
カン6sに身を委ねられれば3sカンの方が役ありになりやすい。


tenhou.3366.jpg

やっちまいました〜という感じで、ド裏目の白ツモ。

さて、どうしよう?





tenhou.3367.jpg

ここでカンするんかい!


ちぐはぐなのは間違いないが、
下家の仕掛けに対して最も切りたくない3sだけは固定し、
リーチも辞さずという感じで構えることにした。

あがり率を高める一貫性という部分では、
ここは本来3s切りの一手で、最後まで迷った
のだが、
本ドラの4枚使いまたぎということで、どうしても切りきれなかった。


8s引き戻しの好形変化で、ここでは成り行きにまかせる、5s切り。


tenhou.3368.jpg

9sツモって待望のテンパイが入る。

さて、どうしよう?





tenhou.3369.jpg

ここでは2m単騎のダマテンに受けた。

14mもかなり良く見えるが、
白切りでリーチした場合、14mの出に期待できるだろうか?

カン2発でさすがに情報がありすぎるし、
ドラ5確定リーチには誰も向かってこない可能性が高い。

そう考えると、今切られたばかりでラグのない2m単騎はダマテンなら絶好だ。
上家のトイツ落としまであるかも?


tenhou.3370.jpg

狙い通り、対面からすぐに出た。
三暗刻がついてきれいに倍満。

選択が裏目になったが、なんとか取り返すことができてホッとした。


このように、カンツ複数ともなると捌きはかなりの難易度を誇るが、
慌てずに自分なりのビジョンを持って捌いていくことが肝要だ



ラベル:槓子 天鳳 牌理
posted by はぐりん@ at 23:49 | Comment(11) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一枚目は、1p二枚見えじゃなかったら躊躇なく9pカンしてテンパイチャンスを増やしに行くんですが二枚見えだと1p縦受けも2pツモっての14pノベタン待ちも微妙なんでカンしにくいですね
メンホンの場面は、ラス目ならノータイム7mカンなんですけどトップ目だとやっぱりしにくいですよね
最後の局面、ラス目とはいえここで打ち込むとほぼ終了なんで気持ち的にはさっさと白切って降りたいですw押し引きが本当に難しい局面ですね
Posted by アクスケ at 2015年12月07日 23:48
最後の局面、打ち込んだらほぼ終了、は少し大げさでした まあでも嫌な局面ですねw
Posted by アクスケ at 2015年12月07日 23:58
>>アクスケさん
1枚目は34pの重なりのペン7pでのリーチに行かないことを踏まえれば受け入れは先カンでも大差ないですね。
ただ、7pツモのピンフイーペーコーがあるので僕は先カンはしないです。
メンホンの手はラス目ならカンですね〜。
ドラ4赤1の大チャンス手ですけどオリなんですか?
オリを念頭にするなら5mも3sもカンしない手組にしていると思います。
Posted by はぐりん@ at 2015年12月08日 23:11
最後の局面、降りなんですか?と問われるとまたそれはそれで微妙ですね
ただ、自分は上がりを重視するなら7mツモった時点で一枚切れの白を見限り、タンヤオを狙いそうです
一枚切れの白を残すのは、防御意識からではないのでしょうか?
Posted by アクスケ at 2015年12月09日 01:32
>>アクスケさん
5mが4枚になった時点では守備のことは全く考えてないですね。自分があがることだけ考えています。
白スルーは赤5mをツモる前で、鳴きたい形になっていなかったからだったと思います。
タンヤオは将来変化がありますけど、現状の受け入れが狭いので考えなかったですね。
3m切りか7m切りで少し悩みました。
Posted by はぐりん@ at 2015年12月09日 02:24
1枚目の白スルーは別にいいと思います。自分が疑問に感じるのは、あくまでも7mツモの時点に関してです。
タンヤオに移行するか、それとも一枚切れの白に頼るのか?その点があの局面の肝のような気がします。
上がりマックスに取るなら、当然残り1枚の白に頼らないタンヤオだと考えてしまうのですがどうでしょうか?
Posted by アクスケ at 2015年12月09日 04:32
たまに観戦しているとカンをよくする人がいるんですが、
そのサイトのルールでカンをしまくるって有効な戦術ですかね?

カンに限らないですが、絞らずにドラでも役牌でもバンバン切り飛ばしたりなど。

自分さえ傷つかなければ良いっていう考えがあると思えます、
あくまでラス回避という目的だけで打ってる点ですね。

ただ、ドラだったら他人に鳴かれたり、カンとか他人に載せるリスクもありますから。
そうするとその人にトップが行っちゃいがちになります。

そのサイト、トップの比率もそれなりにあるんじゃなかったでしたっけ?

それで、最速で高い段位を目指すのであれば、
ラス回避ってだけじゃ勝てないと思える。

ラス回避が最優先だが、トップもそれなりに多くないと、先に進めないですから。
Posted by Spacemj at 2015年12月09日 09:24
>>アクスケさん
あの局面のテンパイチャンスは、場況を無視すると、
白切り→6m4枚、4s4枚の8枚で、
7m切り→3m2枚、4m4枚、4s4枚、白2枚の12枚で、テンパイの受け入れに差があります。

また、タンヤオ移行といっても、現状カン6mとカン4sの急所残りなので、クイタンのスピードが生きる牌姿ではなく、縦寄りの手牌で横伸びがしにくいため、将来変化もあまり見込めません。他家が使えず、全方位から鳴ける白ポンの方が機動性が高いと思います。


そして、トイツを残すことで3mツモによる三暗刻のダマテンが効き、手順で四暗刻まで見えるため、トイツを残すことにはメリットがあります。(後に否定する手順を踏んでいますが)

このぐらい形が決まっていると、タンヤオで仕掛けるスピード的なメリットがさほどなく、それならば受け入れMAX、打点MAXの可能性を見た方がいい気がします。

他の方にも意見を聞いてみてください。
Posted by はぐりん@ at 2015年12月10日 01:16
>>Spacemjさん
カンについては、あまり深く考えずにしている人も多いんじゃないでしょうか?
打ち手のレベルによって、ものすごく広い戦略的要素があると思います。

僕の場合はトップクラスにカンは少ないと思いますが、消極的に思われることも多いかもしれませんね。

自分が損しないために、相手に放銃する前に切るっていうのは麻雀において正しいことなんですけど、手順を尽くしてギリギリの駆け引きをしていかないと本当の強者にはなれないと思います。

ラス回避のために相手を楽に勝たせるような打ち方は、結局は自分の麻雀を細くして、次につながらない感じがします。

おっしゃるように、ラス回避だけではポイントは増えませんから、勝負すべき時は勝負しなければなりませんね。

ただし、トップはやはり運なので、腕でラスを回避しながらじっくりチャンスを待つという感じですね。
Posted by はぐりん@ at 2015年12月10日 01:32
詳しい解説ありがとうございます。ハグリンさんの考え方は理解出来たのですが、やはり自分は白を切ってしまいそうです。
誰が掴んでも出てくる白だとは思いますが、王牌に死んでいる可能性をどうしても自分は意識してしまうんですよね
サンアンコのダマテンに気づかなかったのは浅はかでした
Posted by アクスケ at 2015年12月12日 03:40
>>アクスケさん
いえいえ、好みの打牌は人それぞれですもんね。
浅はかなんてことはないですよ。
自信持っていきましょう♪
Posted by はぐりん@ at 2015年12月12日 13:23
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