今回は、赤じゃない5切りリーチについてだ。
この場合、赤5最終手出しに比べて14・69の危険度はかなり低くなる。
牌理の面から考えても、5で構成される1メンツは3〜7の牌でできているため、
最終手出しの5が1・9に関連するためには、手牌の形にそれなりの条件がつく。
例えば、578と持っていたら赤でなければ5は不必要であるため、
宣言牌まで引っ張る理由に乏しい。
この単純な牌理がそのまま危険度低下に結びついていると考えていい。
5が宣言牌として切られた場合は、
455のまたぎや、579のモロひっかけの方をより警戒すべきであり、
巡目が深くなればなるほどその傾向は顕著となる。
それでは、実戦例から見ていこう。

南1局、2着目で迎えた北家。
ラス目上家のリーチに対して、安牌なし。
さて、何を切る?

9sを切った。
トイツで持っている端牌ということで、大体選びたくなるが、
黒5sが宣言牌になっているという情報から、
法則を知っていれば自信を持って切り出せる。
例えば、これが3巡目に切ってある5sなら、
むしろ9sは切れない。

上家は、47s4mの変則待ちだった。
対面が役なしの300・500ツモ。
69s待ちはそっちかい!

別の半荘。
南1局6本場ともつれている。
14700点持ち僅差の3着目、西家。
対面の親からリーチが入って一発目。
いわゆる絶対に放銃できない場面だが、安牌なし。
さて、何を切る?

9pを切った。
やはりトイツで持っているため、凌ぎが効きやすい。
この場面、うっかり切ってはいけない牌がある。
それは何だろう?

それは8pだ。
先にも述べたとおり、牌理上、モロひっかけの方が5pを引っ張る理由がある。
おそらく、黒5手出しリーチにおける危険度は、
モロひっかけ>>14・69 である可能性が高い。
1300オールでこの局は凌いだ。

別の半荘。
開局、上家の先制リーチの宣言牌が5s。
捨て牌からごく普通に読めば、
2巡目に切ってある5mの裏スジ14m、69mの危険度が高く、
宣言牌5sの裏スジ14s、69sの方が危険度は低い。

しかし、上家の待ちは69sだった。
一発ツモ裏なしの2000・4000。
このように、例外的に宣言牌裏スジが待ちになる牌理というのがいくつか存在する。

上家のテンパイ時の牌姿。
このような横に伸びた複合形の牌姿の場合に、宣言牌裏スジは待ちになりやすい。
黒5切りリーチに19が待ちになるケースはおおむね以下の通りだ。
@イーペーコー形に準じた複合形












A三面張複合形






Bたまたま5が関連牌










Cカンチャンがリャンメンに変化



Dノベタン





E変則三面張形






Fシャンポン形







Gメンチン














これらのケースにおおむね当てはまるのは、
複合形が多く、宣言牌黒5の周辺を厚く持っている場合が多いということだ。
つまり、宣言牌黒5の周辺が自分からどれぐらい見えているか、
自分の手にその周辺が厚い場合はなおさら14・69は安全になりやすいということである。
この牌理の特徴を頭の片隅に入れておけば、
安牌に窮した際に、きっとあなたの助けになるだろう。

別の半荘。
オーラス1本場。32800点持ち2着目の親番。
トップ目の対面とは2800点差。
2フーロイーシャンテンのところ、24100点持ち3着目の下家からリーチが入った。

一発目にツモったのは、9m。
さて、何を切る?

最も危険な9mは一発目は避け、9s切りとした。
一発で打ってしまうと大体捲られるため、
比較的安全な9sを切ってポンテンのスピードは確保しようという選択だ。

西がポンでき、テンパイ。
ここで9mを勝負。

トップ目から現物が出てラストとなった。
ご覧のように、下家の手は234の三色でカン8s待ち。
やはり黒5宣言牌は14・69待ちよりモロひっかけの方が頻出するので、
中途半端な放銃とならないように、留意していただきたい。
逆に対上級者限定になると思いますがチートイの待ち取りで5切りリーチ9待ちは使えますかね?天鳳の高段者やフリーの強者の方々がどの程度このシステムを知って居て1-4,6-9を押してくるのかが気になります。
初めまして。コメントありがとうございます。
序盤に5が早すぎるとどうしても14・69って警戒されますよね。
だから5がいらなくても意識的に引っ張るっていう人は案外いるんじゃないでしょうか。僕もその口です。
なので、捨て牌読みが得意な人ほど、チートイの5切り9待ちは有効になると思います。
後は、このセオリーがもう少し広まれば、逆用できますね!
45m578pみたいな形で、36m鳴いたら打8pでタンヤオを確定させようと思ってたら、ツモってしまったのでそんじゃ両面リーチみたいな。
567m567p578pに両面ターツが一つみたいな形で、三色と両面の天秤をギリギリまで見たパターンも無くはないないですね。
その通りですね。
個別具体的なケースを統計によって検証することで、新たな発見が得られる。
麻雀にはまだまだ可能性があるなと思いました。
危険度は低くなるとはいっても、いかんせん無スジ両面ですから、ワンチャンスや後スジよりは危険度は高いのではないかと僕は思います。
仕掛けや手役が絡むと5切り19待ちになるケースも増える、その通りですね。
手広く受けるならど真ん中の5は取っておく価値はありますから、過信は禁物といったところですね。
十分形なら複合形以外は宣言牌裏スジ待ちに案外なりにくいですよね。
先に切れている牌も合わせるとかなりのヒントになります。
今回は赤に絡めて5切りを題材にしましたが、他のスジについてもいずれ記事にしたいと思います。
国家さんブログやってたんですね、後で見ておきます。
おっしゃるとおり、危険度的には若干マシぐらいなので、
消去法で残った場合に選ぶ感じですよね。
思い浮かばなかったんですが、他には23445からのピンフリーチ、これは良くあるパターンですね。
意外とパターンが多いのに驚いています。