2016年12月18日

トイツ落としリーチにまたぎスジはかなり安全

単純なトイツ落としの手出しリーチについて。
この場合、その牌をまたぐ両面に当たることはほぼない。


これは牌理を少し考えれば容易にわかる。


二萬三萬四萬六萬七萬八萬三筒三筒四筒五索六索八索八索ツモ三筒ドラ北


ここから3pを切る人はいないだろう。

トイツ落とし手出しでまたぎ待ちを作るためには、
テンパイ形からわざわざ崩していき、かつ次巡に別の入り目を引く必要がある。

リーチしていれば一発ツモであり、速度重視の現代麻雀ではピンフに拘る価値は低い。


つまり、打点の必要な特殊な状況を除いて、
トイツ落とし手出しリーチにまたぎ待ちはほぼない
ということである。

例えば、

一萬二萬三萬一筒二筒三筒九筒九筒二索三索三索三索七索ツモ八索ドラ一萬

オーラス3着目と11600点差のラス目南家。

こういった点差に条件のつくオーラスやラス前においては、
必要に迫られてそういう状況になることはあるが、
東場では基本的には好形テンパイなら即リーチが普通だろう。

さらに、トイツ落とし手出しが宣言牌となる場合、
間髪入れずに69sを引いてテンパイを入れる必要があり、
条件を満たすハードルがかなり高いと言える


つまり、トイツ落としが宣言牌で出てくるケースの大半は、
それをまたぐ待ちはほぼないという認識でいいだろう。


安牌が足りない状況で、恩恵に預かるケースもわりと多く、
この読みがはっきり使える要因に、リーチ宣言牌につき手出しの割合が高く、
かつ手出しツモ切りが通常より認識しやすい
、というのがある。


トイツ落としではなく、2枚連続ツモ切り、あるいは1枚目のみ手出しの場合は読みの材料とはならないからだ。
些細な差だが、これを見落とさないことが重要となる。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
tenhou.17343.jpg

東2局、34800点持ちトップ目で迎えた北家。

南家の先制リーチに対し、西家が追っかけを入れたところ。

さて、何を切る?





tenhou.17344.jpg

1pを暗刻落としすれば3巡凌げる。

宣言牌が手出しでさえあれば、この1pはほぼ完全安牌に昇格する。

この場合、ノーチャンスの1sよりも安全度が高いため、
悠々と安全を確保できる。


tenhou.17345.jpg

結局、西家が南家に2000の放銃。

横移動で決着となった。



case2
tenhou.4016.jpg

東4局、29300点持ちトップ目の西家。

親リーチが入って、一発目。

こちらもドラドラでチャンスと言えばチャンスだが、
イーシャンテンとはいえ形が少し厳しい。

さて、何を切る?





tenhou.4017.jpg

8m切りとした。

この場合のまたぎは58m69mとなるが、
5mは25mの両面があり、
9mはシャンポンがあるため、5m9mは危険
となるが、
3mが通っていて36mがないため、一件隣の6mはかなり安全となり、
6m8mの2種は安全度が高いと読める


こういう局面で、8mがほぼ安全と認識することができれば、
自身の手を崩さずに粘ることが可能となる

基本となる読みの一つ一つは単純で取るに足らないものでも、
それをいかに組み合わせて、攻守判断に生かすかというのが大事だ。

基礎を丁寧に網羅することで、より実戦で応用しやすくなる。


tenhou.4018.jpg

上家の宣言牌が捕まり、親の12000となった。



case3
tenhou.4382.jpg

南3局、24600点持ち2着目の親番。

14100点持ちラス目の西家からリーチが入って予断を許さない。

安牌が1枚もないが、さてどうしよう?





tenhou.4383.jpg

8m切りとした。

対面は2枚目の7mのみ手出しだが、これは実質トイツ落としと考えていい

この場合、5m6mは下のスジがあるが、
9mシャンポンは、9mが2枚切れにつき、警戒不要となる。

実質8m9mが安全と読める。


tenhou.4384.jpg

対面はリャンカンからのカン4m待ちリーチだった。

離れトイツ落としの項目でも紹介したように、
トイツ落とし手出しは引っかけリーチに要注意となる。


対面の手は、無駄ヅモの7mツモ切りさえなければ、
手出し7m切りリーチにつき8mはかなりの危険牌となるはずだったのに、
1巡の無駄ヅモによって8mがほぼ安全牌に成り下がっている。


たった1巡の河の作用によって、
これほどまでに安全度が変わる場合があるという例であり、
麻雀の攻防は、たかが1巡、されど1巡であるということを思い知らされる。

非常に面白い麻雀の性質だ。


tenhou.4385.jpg

この局、ベタオリを続けていた私に悪夢が。

場況からほぼ安全な6sをトイツ落とししたところ、
上家に狙われ、6400の放銃となってしまった。

ラグ無しの6sは連打してもほぼ単騎にしか当たらない。
東手出しは見ていたものの、最後に東を温存しようと思ったのが甘かったようだ。


この放銃によってラス目対面と僅差になったオーラス、
まんまと捲られ、文字通り痛恨の半荘となってしまった。

トイツ落としから手を読んだつもりが、
トイツ落としを狙われてラスになる。

いやはや麻雀には思いもよらない展開が待っているものである。



case4
tenhou.17334.jpg

東4局、17300点持ちラス目の西家。

上家の3pトイツ落としリーチが入る。

とりあえず、現物の3p切りとしたが、オリきれるかどうか微妙なところ。

このリーチには何が安全か、もうおわかりだろう。


tenhou.17335.jpg

しかし、下家が一発で切った1pにロンの声。

ん? これは…シャンポン待ち?


tenhou.17336.jpg

まさかの3pまたぎ、14p待ちだった。

一発裏なしだが7700。

私が掴んでも止まらなかっただろう。


tenhou.17337.jpg

どういうことかというと、まずこのダブルターツから2p切り。

これは普通の手順だ。


tenhou.17338.jpg

8pが入ってテンパイも、ソバテンが嫌だったのかダマ。

そして次巡に3pを持ってきての空切りリーチだった。

これぐらい手の込んだ仕掛けをやられると、
1pが出てしまうのもやむを得ないと言える。


この空切りは離れトイツ落としによく見られる手筋で、
両面固定の引き戻しを空切りすることで、またぎを引き出す狙いがある。

どちらかというと読みに長けた上級者の方がはまりやすいだろう。


テンパイ取らずのトイツ落としよりも空切りの方が頻度は多く、
パターンに当てはまっていても絶対はないという例だ。


ただ、トイツが河に離れていない、単純トイツ落としのリーチとなると、
このケースのように3pをもう1枚引くタイミングがたった1巡と限定されるため、
空切りにしてもかなりのレアケースであることは確かだ。


以上を総合して、単純トイツ落としの手出しリーチにまたぎスジはかなり安全と考えていいだろう。


【追記】
もう一つ例外となるケースを思いついたので書きたい。

北四筒二索一索五萬南千点棒

親が上記の捨て牌でリーチ。

自分の手が以下だとする。

二萬三萬四萬五萬六萬七萬四筒四筒赤五筒五索六索八索八索ツモ四筒ドラ白


赤5pはかなり危険な上、切ってしまうと打点的につまらない。
こういうケースではトイツ落としがまたぎ待ちになることもありうる。

つまり、相手リーチに対応する手順として、こういうケースになりやすく、
さらに赤を含んだまたぎ、つまり3647はトイツ落としでも危険度は高くなりやすい
と言える。


しかし、通常現物の4pは先に切られることが大半だろうし、
リーチ宣言牌がトイツ落としとなるためには、次巡に47sを引かなくてはならない。

やはりかなりのレアケースであるということは言えそうだ。



ラベル:天鳳 守備 看破
posted by はぐりん@ at 00:01 | Comment(9) | 守備力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
@以前の離れトイツ落としの特集の、トイツが連続して切られるバージョンと考えて良いでしょうか。今回は単純なトイツ落としの可能性があるので、これによって関連牌の危険度が少し下がると解釈できます。

A一方、ダブルターツ落としの場合や、アンコから2枚落とす場合は、もう一つのメンツを即完成させる必要があるので(両面なら約1/17の確率)、確かにレアケースと言えますが、どういう手順であれトイツを2枚並べてすぐにテンパイするということは、即引きがほぼ必須と考えられるため、これ自体は関連牌切りのリスクを下げる要因にはならないと思われます。

Bcase2ですが、今回は69mの場況が良いのでダブルメンツ落としからの即テンパイであれば、ほぼ7m8mと切りそうですが、発のトイツあたりをもっていれば、両面落としの河を嫌って、敢えて7m連打で8mと発のシャボに受ける打ち手もいそうです。両方の可能性が打ち消し合ったとしても、8mで当たるのは感覚的にはノーチャンス牌程度と考えられるので、ドラ2枚の手であれば回し打ち的に8mを切るのはOK。自分の手がもう少しが悪い場合にどうかを知りたいです。

C逆に7m連打の場合の9mの危険度は、離れトイツ落としの場合よりは下がるので(単純なトイツ落としがあるため)、こちらもどのようなシャンテンからなら切って良いのか興味があります。
Posted by S at 2016年12月18日 09:21
はぐりんさんこんにちは、いつも楽しく読ませていただいてます。
東を温存して6sで放銃した例ですが、自分はこういう放銃をするとすごい腰にきてもやもやした気持ちでいっぱいになります笑
成績を長期的に見た時この放銃は正解なのでしょうか?
Posted by フリテンダブリー at 2016年12月18日 15:58
>>Sさん
@その通りです。離れトイツ落としのまたぎの考察についても用意してありますので、いずれ書きたいと思います。

Aその通りです。リスクを下げる要因にはなりません。ただし、離れトイツ落としの場合と違って、作為的にまたぎ待ちを構築できるわけではないため、それと比較すると全体の頻度としてはかなりのレアケースと考えられます。

B実戦感覚としてまたぎにはほぼ当たらないという印象ですが、確かにシャンポンのケアはする必要がありそうですね。ピンフのイーシャンテン程度なら押し、愚形含みリャンシャンテン程度ならベタオリでも良さそうですね。

C9mの場合はBよりはかなり警戒度は増します。ピンフドラ1のイーシャンテンで押し、ピンフのみのイーシャンテンならオリ気味。愚形含みリャンシャンテンなら行きません。この評価は若干危険度を高く見積もり過ぎかもしれませんが、感覚的にはそんな感じです。
Posted by はぐりん@ at 2016年12月18日 23:41
>>フリテンダブリーさん
ありがとうございます。

トップ目がリスクのある打牌をしている以上、ここは東を合わせ打つべきだったでしょうね。
オリの基本である「後々危険になる牌を先に切る」という観点から東を残したんですが、6sが放銃になるイメージを持つことができませんでした。

この放銃が長期的に正解ではないにしろ、大いなる悪手だったとも思えず、影響はぶっちゃけわかりません。
ただ、こういう河にも手牌にもトイツが多く見える、いわゆるトイツ場の時は、相手の手牌もトイツ寄りになっていることが多く、より繊細な対処が必要だったと反省しています。
Posted by はぐりん@ at 2016年12月19日 00:28
1、1s

2、7m7p
ほぼ通りそうですが、こういう変則的な立直もたまにみますね。
実践なら押すかも知れませんが、微妙な手なんで降りても良いかな。

3、8m

一番下のはレアケースかも知れませんが、油断は出来ませんね。
赤やドラに限らず手役とかオーラスの条件とかも絡んだら、そういう打法をする人も中にはいるでしょうし。
4443から4を切ってタンピン三色狙いとか、
Posted by spacemj at 2016年12月19日 02:11
>>spacemjさん
2、続けて切られるトイツ落としが宣言牌の場合、チートイツの可能性がほぼないことと、赤入り麻雀ならドラ1が組み込まれやすく両面に受けやすいことから、変則手を警戒するにしてもこの8mはかなり安全度が高いという印象を持っています。

オーラスの条件等については本文にも触れていますが、東場でもピンフのみの手なら三色やチャンタに渡る人もいるかもしれません。ただ、ネット麻雀ではほとんど見たことはないですね。
Posted by はぐりん@ at 2016年12月19日 16:49
2の問題は現物切るにしても安直過ぎたかも知れません、、、
私のサイトにて検証してみましたが、やはり、、、
ただ、普通に打ってても暗刻系の塔子選択で刺さるケースはあるし、
微妙と言えば微妙でしょうけど。
私個人の意見としては、ここまで情報が揃ってると8mを切りそうな気がします。
Posted by spacemj at 2016年12月19日 17:44
>はぐりん@さん
コメントありがとうございました。トイツ落としの隣接牌は「当たることもあるけど基本的に安全」とシンプルに考えておいた方が実践で活かしやすそうですね。牌理を深く考えていけばいくほど、レアケースで当たるパターンを色々想像できてしまうので、それだと逆に押し返しずらくなり、マイナス側に作用する可能性があります。他の分かりやすい例でいえばポンテンの手出し牌のソバテンが危険かどうかなどもそうで、当然当たるパターンもい幾つかあるんですけど、鳴いた人との押し引きで自分がベタオリするほどのバランスじゃなければ、無視して行くくらいの方がいいのかもしれません。
Posted by S at 2016年12月21日 09:31
>>Sさん
そうですね。離れトイツ落とし以上に、単純トイツ落としリーチでのこういう隣牌の安全度はかなり高いと認識しています。
こういうのって統計手法でデータを導ける領域のはずなので、鳳凰卓などで統計をとればどれくらい安全なのかがある程度出そうですよね。
個別具体的な状況での安全度というのは、まだまだ開拓可能な分野としてありそうです。
Posted by はぐりん@ at 2016年12月21日 21:12
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