2017年08月27日

リーチをかけない手組み(イーペーコー編)

麻雀において、打点が必要のない局面における手役というのは非常に重要だ。

特にトップ目の南場では穏やかな局回しを意識するところだが、
天鳳の場合はラス回避という観点からも無駄なリーチはなるべく控えたい。


そこで、リーチをかけない手組みというのが重要となってくるわけだが、
この手組みにはそれなりに技術差が生まれやすく、
効率を損ねすぎてもあがりを逃すことになるし、
クイタンで2フーロ、3フーロと仕掛けていっても手狭になって相手リーチの餌食になりやすい。
かといって、棒テンでリーチを打ってもやはり反撃を食らうというように、バランスが難しい。


基本としては、占有率の高い(つまりできやすい)手役である、
ファン牌、ピンフ、タンヤオの3役を主眼に手組みを進めていくが、
手がバラバラならチートイツ、色が偏っているならホンイツという風に臨機応変さが求められる。

ちなみに、ホンイツは捨て牌が偏って待ちが読まれやすい上に、
仕掛けると過度に警戒を呼んでしまうため、局回しの手役としては適役ではない。

打点に意味のない局では不必要なホンイツはバッサリ見切ってしまった方がいいだろう。


さて、前回トピックに絡んで、今回はリーチをかけたくない局面におけるイーペーコーについてピックアップした。

ダマテンにおけるイーペーコーという手役は、実質待ちが3枚しかなく、
タンヤオやピンフに比べてあがりやすいわけではないが、
それでもファン牌が待ちになるよりは枚数としては多い(使いやすさの差はあるが)。

牌効率の観点からは、イーペーコーは意外と盲点になりやすいが、
イーペーコー作りのコツとしては端よりの複合形を大事にするのがポイントだ。


例えば、
三萬四萬八萬八萬八萬一筒二筒三筒三筒三索九索九索發中ドラ北

この形では3pは残しやすいが、

三萬四萬八萬八萬八萬一筒二筒二筒三筒三索九索九索發中ドラ北

三萬四萬八萬八萬八萬一筒一筒二筒三筒三索九索九索發中ドラ北

上記2例における役ありの受け入れは、イーペーコーの2種がある分、
実は発や中を残すよりも広い(あがりやすさは別として)。

見た目の形的には即座に切りたくなる2pや1pだが、
ピンフが見込めない手であるので、
リーチをかけない手組みを目指すのであれば、
これを大事にして1枚切れの発や中を見切っていくなどという工夫が可能だ。


このように、局面局面における最善手は変わってくるものであり、
手役の中でもイーペーコーは盲点になりやすい分、手作りに差が生まれやすくなる。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
tenhou.12588.jpg

南2局、49000点持ちダントツトップ目で迎えた南家。

西家が2700点と虫の息。

整った形から9pを引き込み、さて何を切る?





tenhou.12589.jpg

5s切りとした。

ドラはまだ切らないとして、好形の受け入れ自体は5s残しがやや優るが、
ピンズの下を残すとイーペーコーが見える。

5mがドラでなければ総合的にはドラ切りも十分にあるだろう。


下家が飛び寸ということもあり、
ここでの最大の愚策は何かと言ったら、リーチをかけて親に放銃することだ。

これだけは何としても避けなければならない。


tenhou.12590.jpg

狙い通りに1pを引き込んだ。

2pは残り2枚と薄いが、場況的には悪くない。

リーチをかけないという方針に沿っての役ありなので感触としては十分だ。


tenhou.12591.jpg

ラス目下家からリーチが入って、これは展開としては悪くない。

ダマのまま対応しつつ、ツモって500・1000。

上手くかわしきることに成功した。

追っかけという手もなくはないが、万が一の親の追っかけがあるため、
ここは親の様子を見ながらのダマテンがいいだろう。



case2
tenhou.18487.jpg

南4局1本場供託1本、37300点持ちトップ目の北家。

下家がラス目の親番で、南家にも西家にも満貫放銃でトップが変わってしまう点差

ドラは使いどころの5pで私の手には1枚もない。
つまり、リーチだけはかけたくないという状況となっている。


2巡目にして、整った牌姿だが、さて何を切る?





tenhou.18488.jpg

内に寄せる9s切りとした。

789の三色も十分に現実的だが、端の愚形を残すよりもこちらの方がピンフになりやすいだろう。

北家ということもあり、親への対応も考えると仕掛け前提の手組みは避ける方針とした。


tenhou.18489.jpg

6pを引き込み、十分形に。

ここで自然に赤5sを放して完全イーシャンテンに取った。


tenhou.18490.jpg

4mが暗刻になってテンパイしたが、さてどうしよう?





tenhou.18491.jpg

ドラ受けもあるからとリーチに踏み切るのは愚策だ。

上家の仕掛けを降ろす必要はないし、手を固定しての満貫放銃は避けたい。
あがれないドラの方はどうせ場に出にくい。

そもそも、ピンフにならない4mをわざわざ引っ張った理由は、
縦引きでもイーペーコーの手役により、ダマが可能となるからだ。



tenhou.18492.jpg

結局、親からあがれる方が出て、1300でラスト。

上家は現状3900、親はバックの2900のみ。

伏せられた状態では過大に評価してしまうのがトップ目の立場というものだが、
慎重以上臆病未満で対処していくのがいいだろう。




case3
tenhou.23781.jpg

オーラス、39700点持ち2着目の親番。
トップ目下家とは600点差のあがりトップとなっている。

絶好の5pを引き込みテンパイ。

さて、どう受ける?





tenhou.23782.jpg

当たり前の4p切りと思ってはいけない。


下家に合わせ打ちの4pは自然だが、打点に意味のない状況につき、
受けを考えるなら、実は7p切りの方が柔軟だ。

五筒五筒六筒六筒七筒七筒

この形のスライドは、
(1)四筒引き七筒切り四筒五筒五筒六筒六筒七筒

(2)八筒引き五筒切り五筒六筒六筒七筒七筒八筒

この2種のみ。

一方7pを切っておけば、四筒五筒五筒六筒六筒七筒となり、

(1)四筒引き七筒切り四筒四筒五筒五筒六筒六筒

(2)七筒引き四筒切り五筒五筒六筒六筒七筒七筒

(3)三筒引き六筒切り三筒四筒五筒五筒六筒七筒

(4)八筒引き五筒切り四筒五筒六筒六筒七筒八筒

スライドの種類が2種増える。

気づきにくいが、イーペーコー形は受けに不向きな形で、
横伸びの牌形の方がスライドしやすく、守備に適しているということが言える。

なので、打点に意味のないこの状況においては47s受けにしても7pを切る手が十分に考えられるのだ。


それでは、なぜ4pを切ったのか?





tenhou.23783.jpg

これだ。こういう単騎変化があるからだ。

イーペーコーという手役が確定していれば、待ちはタンヤオじゃない単騎変化が効く。

タンヤオだからと7pを切ってしまった場合はこういう単騎への変化を見込めず、
かえって柔軟でない形になってしまうからだ。

そもそも守備をあまり考える必要がなく、
スライドが効果的になりやすい場況でもないというのもあるだろう。


tenhou.23784.jpg

結局、47sのままトップ目から打ち取って終了。

47sは下家の仕掛けに切りづらい河になっていたのでそのまま押し通した。

この4sはラス牌で、実は南単騎の方がいい待ちだった。



case4
42566.jpg

オーラス1本場供託1本、34800点持ちトップ目の北家。

2着目が27500点持ちの親となっている。

3sツモってきたところ、さて何を切る?





42567.jpg

北切りとした。

速度としてはドラの8m切りがベストである可能性もあるが、
北家ということもあり、仕掛けないという意思表示の北切り。

上家は満貫ツモでラス回避。
上家リーチで親も南家も止まるので、悠々と構えることでそれを期待してもいい。


42568.jpg

狙いの1sツモでイーペーコーができた。

1s4枚見えにつき、2sは狙い目となっている。

形は決まったので、後はドラ切りのタイミングを計る。


42569.jpg

テンパイが入り、このタイミングでドラリリース。

幸いにも声はかからず。


42570.jpg

直後に対面から出て、1300でラストとなった。

愚形でもリーチをかけなくて済むというのはかなり大きい。



case5
48794.jpg

オーラス、12500点持ちラス目の北家。

ダントツトップ目が親で実質1局勝負。

3着目の上家とは700点差、2着目の対面とは5100点差となっている。

好配牌をもらって、すでにイーシャンテン。

さて、何を切る?





48795.jpg

7m切りとした。

ピンズの愚形部分を何とかしたいところなので、
ソーズの厚い形を残してその部分での好形変化を見込むという意図だ。


48796.jpg

8sをツモってイーペーコーの形ができた。

さて、何を切る?





48797.jpg

ドラ方面には寄せずに3p切りとした。

あがりラス回避につき、何はともあれイーペーコーの手役があるのはありがたい。


48798.jpg

ここしかない7sを引き込み、テンパイ。

さて、リーチか、ダマか?





48799.jpg

ダマとした。

仮にリーチツモでも裏なしなら3着終了。

それならば対応させずにラス回避に全力を注ぐべきと判断した。


48800.jpg

結局3着目から出て、1300。

なんとかラス回避することに成功。


48801.jpg

裏ドラは乗っておらず、いずれにせよ3着止まり。

配牌をもう一度見るとわかるが、コーツ系の手牌での両面固定は牌形に合っていない捌きで、
69mは山に薄く、あがりづらかった。

何より恐ろしいことに、次巡があったなら親がダマツモを炸裂させていた。

リーチでも結果は変わらなかったかもしれないが、
1巡の後先で結果は大きく変わるだけに、ここでのリーチは少々傲慢であるということだろう。

ツモで2着捲り確定なら、リーチもありというところか。


このように、イーペーコーは端含みを厚く持つことで、意外とできやすい手役であるため、
リーチをかけたくない局面では意識に入れておくといいだろう。




ラベル:天鳳 手役 ダマ
posted by はぐりん@ at 22:57 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なるほど。イーぺーコーは門前限定で不自由なイメージですが、こーいった考え方もあるんですね。思考すべきバリエーションが増え、とても勉強になりました。足を使うべき局面でタンヤオやヤクハイにしか着眼できない僕には盲点になりがちな手役ですわ^^;
Posted by v at 2017年08月31日 08:37
>>vさん
イーペーコーは愚形とはいえ、役なしダマよりは大分マシですからね。
手組みの段階では役牌との兼ね合いで悩むことが多い印象です。
勉強になりましたと言ってもらえると書いた甲斐もありますね。
Posted by はぐりん@ at 2017年08月31日 19:05
鳳凰卓を稼働しながらも、過去の牌譜を引用して何かを発信するという姿勢に、引き出しの多さや麻雀への愛情を感じます。記事の内容もとても参考になりますが、自分が要所で実戦で使いきれるようになるのはいつになることやらといった感じです。
Posted by S at 2017年09月01日 01:05
>>Sさん
ありがとうございます。
定期更新となるとちょっとあれですけど、私の場合は印象に残った局面を残しておきたい、記事にして書きたいという衝動がちょくちょく起きるんですね。
上手く打てた場面でドヤ顔したいというのももちろんなんですけど、失敗した局面から学ぶこともたくさんあるなあという感じです。
記事によって技術的なものかどうかにかかわらず、なにかしらの気づきを感じてもらえれば、書いている身としては幸甚ですね。
Posted by はぐりん@ at 2017年09月01日 07:22
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