2018年09月16日

八段復帰 〜まだだ、まだ終わらんよ〜

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八段昇段した。


天鳳界隈でも「はぐりんはオワコン」という噂がまことしやかに囁かれたが、
決してそんなことはなかった。

自分でもびっくりである。



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(9戦7トップ全連対の図)

前回降段時の反省から、天鳳とはやや距離を置き、メンタルの治療・回復に専念した。

youtuberの動画を見て世の処世術を学んでいた。

気分転換をする、麻雀以外のことをする、というのはメンタル回復に重要な役割を果たす。

気力が乗ってくるのを焦らずに待ち、実戦に臨んだところ、自分でも驚くほどの好結果を得られた。

メンタル不足が最も影響を与えるのは劣勢時で、負けが込んでいると「またか」となって反撃する気が失せる。

気力が充実していると負けていてもフラットな感情でプレイできる、このへんでおそらく差が生まれる。



@当たり前のことを当たり前にやって勝つ→好調時

A当たり前のことを当たり前にやって負ける→不調時

B当たり前のことを当たり前にできなくなっている→メンタル消耗時・疲労時


言うまでもなく麻雀において最も良くない状態はBである。

自分の実力をきちんと発揮できる状態じゃない=ミスが発生しやすいからだ。

我々はAとBを一括りにして不調時、と呼んでいる可能性があるが、Aの不調は単に結果を表現しているに過ぎない。

ミスの発生原因が自分の実力によるものなのか、メンタル消耗・疲労の影響なのかを自分の中で判別することは、実は不調を予防する契機にもなりうる。

なぜなら、メンタルが原因と考えられるミスを犯した時点で、一旦麻雀から離れてメンタルを回復させる、という選択肢を取ることができるからだ。


相場の格言に「休むも相場」というものがある。

投資の調子が芳しくない時は、一旦相場から離れて負の連鎖を生まないようにする、という意味だと解している。

麻雀もまさにこれに当てはまり、「休むも麻雀」なのである。


7・8月はやや打数的に打ち過ぎのきらいもあり、これは好不調に関係なく自身のメンタルを蝕む行為であることがわかった。

研究に没頭することも度を過ぎれば逆効果になりうる。

これは将棋など他の分野でも同じだろう。

適度に気分転換を挟む方がいいということなのだろう。


天鳳民なら理解してもらえると思うが、降段を記事にするのは実はこの上なく辛い作業だ。

天鳳ブロガーでも降段を機に更新が途切れたり、途絶えたりするのを数多見てきた。

しかし、私にとっては記事にすることで客観視でき、頭を冷やすことができるのである意味いい薬だ。

現実を直視することでまた見えてくるものもある。

涙の数だけ人は強くなれるのである。


さて、私はどのようにして昇段の途を辿ったのだろうか?

好調時の巡り合わせというのがどのへんにあるのかを見ていきたい。



case1
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南2局、2着目の親番。

ドラは1pだが、ここから何を切るか?





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くっつきの広さを取ってドラ切りとした。

できれば赤5sにくっつけてリーチと行きたい。


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望外の2pが暗刻になり、赤5s切ってリーチ。

これだと一気に打点が安くなり、ドラ切りが裏目にも映るが…


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これでドラをツモってしまうと溢れ出るやっちまった感。

あ〜あ、こりゃトップはないな。


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そして、4pツモ。

テンパネからの?


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そうだろうそうだろう。

裏裏で失地回復。

好調時はミスや裏目のリカバリーがこのような形で自然に起こる。



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オーラス、24700点持ち3着目の親番。

2着目対面の先制リーチに、13600点持ちラス目上家の追っかけが入って、こちらも5800のテンパイが入り、ダマにしている。

切りにくい5sを持ってきたところ。

ラス目に満貫ツモで捲られるが、さてどうしよう?





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9s切るか迷ったが、ラス目にだけは放銃できないので、7m切りで回った。

流局テンパイで粘り込みたいところ。


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ところが、トップ目下家がどう考えても危険な3sで対面に放銃。

2着目への直撃なので、当然捲りかと思いきや、裏ドラが乗らずに2000点ぽっきり。

何と下家が振りトップという結末となった。私は3着。


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開けてみると、上家の次のツモは9sで、満貫ツモ。まんまと捲られていた。

私が下家の立場だったら、ラス目のリーチにだけは打てないと考えるので、おそらく5pあたりを切っているだろう(3900以上の放銃で西入)。

それだと上家のアガリとなり、私と上家の順位だけが逆転する。

他家の打牌は自分の与り知らぬところにあるが、好調時はそれが自身の都合のいいように作用する。

まさに本局がいい例だ。



case3
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南1局、2着目の南家。

3着目の親からリーチが入って一発目。

自身が切ってるドラの中を持ってきた。

こちらもそこそこの手のイーシャンテンだが、さてどうしよう?





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中を手拍子で切りかけて、ギリギリ止まった。

安全牌が少ないのでまっすぐ行こうと思ったのだが、上と離れている2着目につき、ここは丁寧にオリを選んだ。


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安全牌がないが、何を切るか?





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4p抜いた以上、必死に安全そうなところを抜くしかない。

こういうベタオリは麻雀において最もつらい作業だ。


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直後にトップ目対面がツモって800・1600。

次の安牌に事欠いている状況につき、ホッと胸をなでおろす。


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まんまと中は当たり。

自分でも良く止まったと思ったが、こういうのがメンタル補充の賜物だ。

おそらく負けが込んでいる時は手が止まらなくて、12000放銃となっているに違いない。

こういう場面で我慢ができるかどうかというのは、総合力が問われるため、精神的な影響も大きい。

今回の実戦で最も差が生まれたと思える場面がこれだ。



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オーラス2着目の南家。

トップ争いとラス争いが熾烈で、トップ目と1200点差となっている。

配牌は軽めで、ドラを使ってのアガリか、テンパネが目標。

最悪、ツモ直撃狙いの1000点でもいい。


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白をポンして、安目の9pツモでテンパイ。

これだとツモ直条件。

当然ながら脇から出たら見逃す。


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ラス目から、なんと望外の赤が出てきた。2000でラスト。

この逆転条件を赤で達成してしまうあたり、好調のかほりがしないだろうか?


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対面が赤を切らなかったら、親にテンパイが入って、おそらく下家か私が2000の放銃となる。

親が他の選択肢を取れば、私が下家のカン7mに放銃することになる。

いずれにせよ混沌としてトップは容易ではなかったはず。



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東3局、21200点持ちラス目の北家。

トイトイリャンシャンテンから2pをポン。

形的にはポンOKだが、58pツモなどメンツ手を見る手もあり、親のツモを増やす北家の立場からはスルーという手もある。


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6pも即座にポンでき、トイトイのテンパイ。

これならば勝負になる。


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件の親からリーチが入り、暗刻スジの3sを持ってくる。

ピンズ分断によりスジが限定されていて、そこそこ危険度は高いが、さてどうするか?





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ここは理屈ではなく押すところ。

親の現物の東を当てにしたわけではないが、仕掛けでテンパイを入れさせてしまった以上はある程度押す。


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ほどなくして東を捕らえる。5200。

東7pは完全ラス牌で、通常は親のアガリが濃厚となる仕掛けだった。

不利なめくり合いでの勝利。

不調時と逆の巡り合わせがこういうところにある。


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36mは山3で、いずれ掴む牌だった。

直前の6mにラグがあったので、そのスジだけは止めるかもしれない。

親は先に14p両面固定ならツモアガリがあったため、その選択も私に有利に働いた。



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同半荘。スーパー競ってる南1局南家。

先制テンパイを入れて即リーチ。


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脳汁噴出の赤一発ツモで3000・6000。

見た目にもわかりやすい好調時の展開。

思い出してほしい、不調時はこれがことごとく一発放銃に結びついていたことを。



case7
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オーラス、14000点持ちラス目の南家。

3着目の親と3600点差。

急所の6mが出たが、さてどうしよう?





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これはチーテンに取った。

親は流局ノーテンが許されない点差につき、直撃のチャンスがある。

または赤5pが出ても条件成就だ。


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2着目の対面が4pをチーして…


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5pを切ってきた。

さて、どうするか?





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アガってる形だが、これをポンして…


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6p切り。

4pチーで赤5pと6pの当たり牌2枚が晒され、さらに3枚目が打ち出された格好。

上家の直撃を狙うのであれば、ポンして単騎を変えていく方が効果的だと思ったからだ。

このへんは反射神経の領域で、メンタルが消耗している時は即座に反応できない可能性が高い。

間違えてロンボタンを押してしまった、みたいなこともあるかもしれない。


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結果は3着目が2着目対面に7700放銃で私は3着浮上となった。

対面はきれいにトップ捲り。

2フーロのプレッシャーはかなりのものだったようで、3着目の判断ミスを誘った。


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後のツモを追うと、有効な単騎変化は一向に訪れない。

好形変化は36sツモぐらいだが、それだと直撃は不可能だろう。

仕掛けでプレッシャーを与えるということに意味が大きいと感じる。

反射神経のキレはメンタルと無関係ではないように思う。



case9
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東3局、トップ目の親番。

テンパイが入り、9m切りダマテンに。

789三色とドラ引きの手変わりがある。


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2着目下家のリーチが入って、危険な5mツモ。

ここから1pのトイツ落としで回る。


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上家からも追っかけリーチが入るも、ピンフでかわすことに成功。1500。

手順自体はごくごく普通で、当たり前のことをやっているわけだが、結果が違う。

不調時は最後の最後に危険牌を持ってきて降ろされたりするものだ。

この損得が地味に大きい。



case10
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東3局、18500点持ちラス目の親番。

手詰まりから5200の放銃をして、現在ラス目となっている。

可もなく不可もなく平凡な配牌。


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ツモが効いて、絶好のテンパイが入る。

この入り目なら迷わずにドラの発を切ってリーチ。


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待ってましたの一発ツモ。

この待ちなら十分にありうるとはいえ、ドラがないので一発の価値が非常に高い。


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ピンフなのに裏3で6000オールまで行った。

世が世なら2sが出て2000点だ。

不調時はなんだかわからないけど負けている、そのままドツボにはまる。

好調時はその逆で、なんだかわからないけど勝っている。気づいたら勝っているみたいなことが多い。

この例を見れば納得できるのではないだろうか。



ラベル:天鳳 昇段 好調
posted by はぐりん@ at 23:57 | Comment(9) | 降段 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
八段ベースキャンプへの復帰おめでとうございます。

七段→八段のスピード昇段ならお任せあれ、という声が聞こえてきそう(笑)。やはりロングスパンの安定段位はかなりアテになるなぁという印象あります。
Posted by S at 2018年09月17日 07:40
>>Sさん
ありがとうございます。

本来なら八段→九段でこれをやっていないとダメだと思います。
精進します。
Posted by はぐりん@ at 2018年09月17日 08:59
典型的な良い時の例ですね!

はぐりんさんと、早く鳳凰卓で打ちたいですわ(笑)

まあ、トランキーロの精神は忘れずにやりますわ(笑)

次回のセットまでには、7段なりたいなあ(笑)

Posted by むかい at 2018年09月18日 00:09
C当たり前のことを当たり前にできずに勝つ

このCも好調時の特徴だと思いますが、自分のミスに気づきにくく、正しいと思い込んでしまっているこの状態が長い目で見ると一番危険です。
Bの状態を作り出す原因にもなりますね。
Posted by T at 2018年09月18日 02:53
>>むかいさん
今までの重い展開はなんだったんだっていう感じでアガれるようになりましたわ。

愚形リーチもアガれるからどんどん攻めるって感じで好調に拍車がかかるという。

鳳凰卓で待ってるぜ〜。
Posted by はぐりん@ at 2018年09月18日 08:56
>>Tさん
おお、まさしくその通りですね。

ミスが結果に影響を及ぼさないことも結構ありますし、客観的な正誤判断が必要になります。

リアルでは記憶に頼るしかないですし、そういう意味ではネット麻雀の牌譜ってすごくいい教材ですよね。
Posted by はぐりん@ at 2018年09月18日 09:20
はぐりん@様

はじめまして!
突然メッセージをお送りしてしまい申し訳ございません。

私は「天鳳マニアクラブ」というサイトを管理/運営しているものです。
この度、誠に勝手ながら私のサイトにはぐりん@様の記事を作成させて頂きました。

こちらが記事のURLになります↓
https://tenhou.club/hagurin

お時間よろしい時にご覧頂き、
削除したほうが良い内容などがございましたら、教えて頂けますと幸いです。

特に問題ない場合にはご返信頂く必要はございませんので宜しくお願い致します。
お忙しいところメッセージをご確認頂きありがとうございました!

Posted by 天鳳マニアクラブ管理人 at 2018年09月21日 11:58
>>天鳳マニアクラブ管理人さん
私に関する記事を作成していただいてありがとうございます。
嬉しい反面、気恥ずかしいですね。

鳳凰卓に関する成績はふがいないと感じていますので、向上できるようにがんばります。

それではサイトの運営がんばってください!
Posted by はぐりん@ at 2018年09月21日 16:10
ご返信ありがとうございます!

お忙しいところ、
記事をご確認頂きありがとうございます。

はい!
是非これからも、
天鳳位を目指して頑張って下さい!

ブログの方も更新楽しみにしております!
この度は貴重なお時間を頂きありがとうございました!
Posted by 天鳳マニアクラブ管理人 at 2018年09月21日 20:46
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