





複合形の両面に、2pがくっついた形で、カン3pのフォローが可能となる。
たった1枚の2pにより1種4枚の受け入れが増えるため、牌効率における必須習得事項となる。
この項目が重要なのは、出現頻度が非常に高く、複雑な形で牌理に組み込まれていることが多いからである。
また、ピンフかタンヤオか、はたまたイーペーコーかという手役の選別において選択を迫られることが多い。















例えば、上の牌姿から何を切るか?
イーペーコーという手役の種はあるものの、縦引きでは役なしになってしまうため、基本は両面カンチャン形に受ける7p切りとなる。
2p切りでも受け入れ枚数自体に差はないが、7p切りはピンフテンパイになる受け入れが多い。
両面カンチャン形はピンフと相性が良く、ダマテンを使いたいときに重宝する形である。















それでは、上の牌姿からは何を切るか?
この場合はピンフがなく、ポンテンに取ることが可能なタンヤオであるため、基本は2p切りとなる。
ピンズ部分は同じ形であっても、他の牌姿によって何を切るか変わってくるところに、この形の特徴がある。
ピンフがつくなら基本は両面カンチャン形に受ける、と覚えておくのがいいだろう。
今回は、この形を実戦例から見ていきたいと思う。
case1

東4局、17800点持ち3着目の西家。
何を切るか?

現状ピンフは複合しないが、ドラが8pなのでここは4pを切りたい。
9pは各家が切っているので、8pは山にいることも十分に考えられる。

狙い通りに8pを引き入れ、即リーチ。
この8pを無造作に河に放ることだけは避けたい。

追っかけられるも首尾よくツモって、裏1の2000・4000。
これが効いてこの半荘は2位終了。

8pは山3に対し、2s4pは山1。
ドラである上に山にいそうな8pゆえ、魅力的な両面カンチャン変化であったと言える。
これが基本となる形。
case2

南3局、19700点持ち3着目の南家。
絶好の赤引きで何を切るか?

トイツ手を見ていると手拍子で2pを切りたくなるが、ここはピンフ主眼に7p切りとした。
9sが3枚見えているため、仕掛けも含めたテンパイスピードでは微妙だが、
やはり3p4枚の受け入れが大きく、総合的には7p切りが優位と見る。
case1と同等の形であっても、場況や入り目によって選びやすさが大分違って見えないだろうか?
このように、両面カンチャン形は入り目などによってうっかり見落としてしまいそうになるため、慣れが必要な形でもある。

ズバリはまった。
上手くいくと気持ちいいが、これを逃してしまうとテンコシャンコで涙目だ。

ラス牌の9sを引き入れ、狙い通りにピンフのダマテンに。
ダマテンに価値の高い状況では、両面カンチャン形は使い勝手がいい。

タンピンに変化したが、ラス目の500・1000ツモアガリが早かった。
これで3者大接戦のオーラスとなったが、辛くも私は2着浮上で終えた。
case3

南2局、19300点持ち3着目の親番。
嬉しいは嬉しい6mツモだが、切る牌が難しい。
さて、何を切る?

2mを切ると、カン4mの受けを残すことができる。
ターツ選択における両面カンチャン形の応用版。
356778mに2枚増えただけだが、かなり複雑になったように見える。
69mが劇的に薄い場況などでは、78mを払ってもいいだろう。

さらに受け入れが広くなって、テンパイ即リーチ。
暗カンにつき、打点も十分。

しかし、下家に7700の放銃となってしまった。
嫌ったターツの14mの方で放銃って、マジか…
こういうのは通常よりダメージが大きい。
この半荘はこれが響いてラスとなってしまった。
case4

東3局、48600点持ちトップ目の親番。
かなりのリードを持っているが、ここから何を切るか?

ピンフの基本は6m切りだが、イーペーコーを見て1m切りとした。
赤1ドラ1で、リーチしないつもりなら、イーペーコーを残すことでダマ11600が見える。
6m切りはピンフの受け入れは広いものの、ダマなら5800固定となってしまう。
上家が9400点しかないので、ダマ一撃終了はかなり魅力的だ。
このように、画一的に考えず状況ごとに柔軟に選ぶのがいい。

リーチをかけないつもりなら、36m引きで打点UPの変化は大きなメリットだ。
タンヤオがある分、1m切り時の変化期待は大きくなる。

結局、イーシャンテン止まりで、下家に1000点の放銃となった。
case5

南1局、32500点持ち2着目の北家。
上と下が離れていて、安泰の2着。ラス争いが熾烈な状況。
マンズが好形となったが、さて何を切る?

9s切りとした。
テンパイチャンスだけなら1s切りの方が広い。
しかし、カン8sのリーチのみを打ちたいだろうか?
少し手狭であっても役ありテンパイを目指すべき点棒状況だ。
ややわかりづらいが、1sトイツを抜けば233457sとなり、見事に両面カンチャン形ができている。
この場合は6sのみならず、7sツモでも役ありテンパイとなる。
36m先引き時に14sテンパイに取れるのが大きい。

この時にピンフのテンパイに取れるのが、先の打牌選択のメリットだ。
カン8s残しでは、単騎からの振り替え待ちとなってしまう。

危険度の高い5sを止めて、狙い通りに1000点で局をかわすことに成功した。
このように、両面カンチャン形はピンフと相性がよく、ダマテンの手段として効果的であることがわかる。
ダマテンに価値が高い天鳳では使いこなしたい形の一つだ。
場の情報や役ありにしたいなどの状況を除き、ドラ2以下で基本リーチする場面だとすると、2456677の形は2を切ってイーペーコーを付加する価値が高いのかなと個人的には考えていました。case2は仕掛けの可能性も含めて、2pを切ってしまいそうです。
あとは余談になりますが、2445677と2445667でも微妙に判断が違ってきますよね。
2456677と2445667でした。
済みません。
case2は実戦でもかなり迷った記憶があります。
3トイツ形を生かせば仕掛け時のテンパイ効率はグッと上がるので2p切りはあると思います。
ただ、イーシャンテンまでの速度は3pの受け入れを残した方が上がるでしょうね。
外よりのトイツの方が仕掛けやすい点からも、2445667の方が4切りとしやすいですね。
イーペーコーにもなりにくいですしね。