2019年05月19日

天鳳は切り上げなし 要注意

天鳳のルールの特徴として、切り上げ満貫がない、というのが挙げられる。

切り上げがないので、子の30符4ハンの出アガリは7700、
親の30符4ハンの出アガリは11600ということになる。

競技においては連盟Aルールや最高位戦クラシックが切り上げなしを採用しているが、
最高位戦、協会、Mリーグ、最強戦では切り上げを採用と、切り上げが現在の主流。

フリー雀荘の大半が切り上げであることを考えても、
天鳳の点数計算は昔ながらのルールを採用していると言える


切り上げなしということに関して、注意しなければならないのは、オーラスの逆転計算だ。

切り上げありだと子の30符4ハンは8000なので、直撃で16000縮まり、これは満直と同じなのでわかりやすく狙える。

しかし、切り上げなしの場合は子の30符4ハンは7700となり、直撃で15400点しか縮まらず、満貫と600点の差異が生じる


鳳凰卓でもフリーの感覚で8000直撃を狙ったつもりがわずかに足りなかったという例が意外と散見される。

親の場合は足りなくても連荘があるので問題ないが、重要なのは自身が子の場合だ

以下に具体的に注意すべき点差を載せたい。


(1)15400点差〜15900点差

この点差が最も切り上げなしの影響を受けやすい。
つまり、直撃満貫なら捲っていたはずなのに、切り上げなしが影響して捲れないというケースだ。
この点差で打点が足りない場合は、相手が子ならハネツモでも届かないため、非常に厄介。

現実的にはリーチ棒が出るのを待つといった策が実戦的だが、なかなか思うようにはいかない。
30符4ハンのテンパイになることはかなり多いため、わずかな差に泣くといったことも少なくない。
逆に言うと、放銃しても8000ではなく7700と言われることも多いので、この差のリードを持っている場合は積極的に踏み込んでも悪い結果になることはそう多くはない。


(2)子と9900点差 親と11800〜11900点差

切り上げなしだと30符4ハンのツモが2000・3900となり、子と9900点、親と11800点差しか変わらず、満貫ツモからわずかに足りなくなる。
100点の差が順位に影響を与えるため、座順なども加味しながら逆転計算を考慮する必要が生まれてくる。

この点差の際に気をつけなければならないのは、最もお手軽な満貫である、リーチツモなんちゃら裏1という裏1期待の際に、裏1乗ってもわずかに足りないという事態が生じる可能性があることだ。
裏裏となると現実的にはかなり厳しく、100点差によってもう1ハンの手役を作らなければならないということもあり、100点の重みを実感する点差でもある。


切り上げがないと端数が出やすく、1本場2本場の際にさらに逆転計算が煩雑となる。
これに苦労させられることも天鳳では多いはずだ。

余談になるが、点数計算ということに関して言うと、もう結構昔の話だが、課金なしでプレーしていた頃、私が初めて十段に到達したあたりの特上卓では、相手との点差が一切表示されていなかった。(おそらく鳳凰卓では表示されていた)

暗算が得意ではない私にとって、逆転条件を把握することがどれだけ大変だったか、という苦労が思い出される。

今では無課金でも当たり前のように点差は表示されているが、切り上げなし、点差表示なしだと、符計算のできない人にはかなり敷居が高かったと想定できる。

逆に言うと、点差表示されるようになったことで、むしろ特上卓における私の優位性は小さくなったのかもしれない。

こんなに手軽に遊べないネット麻雀もあったもんだと今だからこそ思えるが、やはり点差ぐらいは手軽に見られてこそ、である。

切り上げのあるなしだけで、かなり逆転計算の煩雑さが増す印象で、シンプルな点数システムは麻雀において重要だと思った次第。


それでは、切り上げなしが影響を与える局面を具体的に見ていこう。



case1
61308.jpg

オーラス、33600点持ちトップ目の南家。

アガリトップの仕掛けを入れていると、ラス目の下家からおもむろにロンの声。

ラス回避の直撃が決まったか。


61309.jpg

手の内は予想通り。

だがちょっと待てよ?下家と対面の差は15800点、ということは…


61310.jpg

わずかに届かず、下家のラス確となってしまった。

切り上げに慣れてしまっていると盲点の点差であるため、勢いアガりたくなってしまうが、天鳳は切り上げがないのでこの点差の直撃だけは特に注意を払わなければならない。

鳳凰卓でも稀にあるラス確はこの手のものが含まれる。



case2
tenhou.18855.jpg

オーラス、14300点持ちラス目の西家。

3着目の下家とは11200点差で、2着目の親とは12000点差。

これなら満貫ツモで親を捲りに行く方が手っ取り早い。

待望の好形変化だが、さてどうしよう?





tenhou.18856.jpg

この点差ではこれが即リーチと行けないのだ。

切り上げなしが災いして、リーチツモ赤1裏1だと2000・3900で親とは11800点差しかつかないからだ。

切り上げありなら一発orツモ裏条件で即リーチに踏み切るところ。

渋々中のトイツ落としでもう1ハンをピンフに求める。


tenhou.18857.jpg

雀頭さえ安定すればグッと期待の持てる手に。

ここでは2s切りでくっつきを求めた。

タンヤオかピンフならリーチで全方位の出アガリも可能となる。


tenhou.18858.jpg

トップ目の上家からリーチが入って、この嬉しくないテンパイ。

さて、どうしよう?





tenhou.18859.jpg

追っかけに踏み切った。

上家からリーチ棒が出た影響で、ツモ裏1で条件成就のテンパイとなった。

トップ目の上家から直撃裏1でも西入の期待が持てる。

ツモ裏で条件を満たすのであればここは四の五の言っていられない。赤ツモで確定というのも大きな魅力だ。


tenhou.18860.jpg

しかし、親が粘ってトップ目から12000の直撃。

上家が3着転落となり、私はラスのまま終局した。

最初のテンパイ形でもツモでのアガリ逃しはなかった。

特上時代は無課金につき裏ドラも見られない。当時は当然のことだと思っていたが今だとモヤモヤする。



case3
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オーラス、7300点持ちラス目の西家。

3着目の上家が17200点と、9900点差。


45755.jpg

親から7pが出たが、さてこれを鳴く?


45756.jpg

ポンした。

トップ目も仕掛けているのでスピードを合わせなければならないの意。

この点差の際に注意しなければならないのは、2000・3900のツモでは座順で上家を捲れないという点。

つまりツモなら満貫が必要となり、ドラポン+αとかなり敷居は上がる。

現状3種の赤は受け入れ可能につき、その手の変化に期待しながらあるいは直撃を狙うという作戦だ。


45758.jpg

結局、親がツモって1000オールとなった。

1本場は2000・3900ツモでもOKとなったが、そのままラスで終了した。

ドラポン前提で上家に牌を絞られるとなると相当に分の悪い勝負。

たった100点の差が大きな影響を与えていることがわかるだろう。



case4
49528.jpg

オーラス、11300点持ちラス目の南家。

2着目の北家と3着目の親が28100点と同点で、それぞれ16800点差。

幸いにも整った配牌。是が非でもリーチ棒が出ることに期待したいところだ。


49529.jpg

意外にもトップ目からリーチ棒が出た。

これだとトップ目からの出アガリで西入も視野に入るため、大チャンス。


49530.jpg

こちらもピンフのテンパイとなり、即リーチを入れる。

ツモで直接の捲りとはならない可能性大だが、下家がリーチ棒を出した影響でツモ裏1の満貫ツモが西入条件を満たす。


49531.jpg

しかし、まさかのまさか、親から当たり牌の9mが飛び出る。

さて、これをアガるか?





49532.jpg

渋々倒した。

現状リーチ棒を回収すると上家とは15700差となり、裏1でもわずかに足りない。

それはわかっているが、これを見逃したとしてフリテンツモ裏1期待は分が悪いのではないかという判断だ。

トップ目リーチに加えて親も好形テンパイが想定できるからだ。さすがにラス目リーチに対してドラまたぎは強すぎる。


49533.jpg

そうは言っても、裏裏条件が厳しすぎることに変わりはない。

1枚だけ乗った裏ドラは悲しみの傷を深くしただけだった。

ちなみに、親は14sのテンパイだった。


49534.jpg

フリーならチップ期待と素点での挽回があるので喜んでアガるだろう。


49535.jpg

トップ目のリーチは当然好形と思っているからこそアガったわけだが、実際はシャンポンだった。

見逃した69mはなんとまだ山に6枚(!)残っていた。

天鳳ルールなら意地で見逃してツモアガりに賭ける、こちらの方が良かっただろう。

ちなみに見逃していても私にアガリはなく、トップ目が1sを掴んで上家のトップとなっていた。

上家の放銃が見事だったと言えるが、15400差〜15900差はこのようなケースでギリギリ助かることがあるため、切り上げなしルールではやや押しやすくなる点差と言える。



case5
53177.jpg

オーラス、13500点持ちラス目の西家。

3着目の上家とは9900点差、2着目の下家とは15200点差となっている。

トップ目が親なので実質残り1局が濃厚。

ひとまず手を作って、直撃か西入に望みを残したいところ。


53179.jpg

赤ツモで打点がUPし、澱みなくテンパイが入る。

さて、どうしよう?





53180.jpg

テンパイ取らずとした。

なぜかというとリーチツモ裏1では2000・3900で上家と同点となり、座順で捲れないからだ。

これが切り上げありなら即リーチを打って裏1に期待するというのが良さそうだ。


53181.jpg

好形変化となったが、さてどうしよう?





4s切ってダマにした。

ここでも裏1期待が機能しないのが大きく響いている。

白切りからのピンフ狙いが良さそうだが、実質1局勝負でのテンパイ外しは緩手になる恐れがあると判断した。

ここはダメ元で上家や親からのリーチ棒を待ちつつ、赤5mや白ツモなどの変化を見たい。


53182.jpg

結果、何も変わらないまま、下家が3900をアガって2確終了。

私が先制リーチを打っていたら展開は大きく変わっていただろう。


53183.jpg

58s待ちでリーチを打っていると5sをツモれてはいたが、裏ドラなしにつきいずれにせよラス確になる。

唯一の正解は次巡の4mツモで白落としのテンパイ崩し。そうなればドラをツモって5sツモで条件成就となる。

このへんは机上の空論に過ぎないが、長引けばギリギリのところに逆転の目もあるということがわかるだろう。



case6
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南2局、34100点持ち2着目の南家。

トップ目の下家とは7800点差。ラス目の親が1200点と飛び寸。

テンパイしたが、さてどうしよう?





66525.jpg

ダマにした。

リーチだとこの河では47pは出ない。

ダマツモで終了、脇から出アガリも可能だし、親リーチにはオリることもできる。

36sツモの変化で捲り確定となるのも大きい。


66526.jpg

親から当たり牌が出たが、これをアガるか?





66527.jpg

見逃した。

切り上げがないので7700では下家を100点かわせない。

見逃した直後にツモって幸運にも親を飛ばしてトップ捲り即終了となった。

ラス目の親を助けるだけにややリスクを伴う見逃しであり、きっちり2確でアガっておくのも悪くないだろう。



case7
45401.jpg

オーラス、36200点持ちトップ目の親番。

13500点持ちラス目の北家が自風を暗カンしてカン8mをチー。

かなり迫力のある仕掛けだ。


45402.jpg

終盤にドラを重ねて追いついたが、当然のダマ。

私は満貫放銃が許されず、伏せればトップ終了だ。


45403.jpg

最終盤に2着目対面の切った2pにまさかのロンの声。

この2pは4枚目、奇跡の捲りとなったのか!?


45404.jpg

60符3ハンはテンパネだが切り上げがないため、7700止まり。

ラス目と3着目は7800差で、ラス目と2着目は15500差、ということは…


45405.jpg

なんと、図ったかのように100点足らずに上家のラス確となった。

60符での切り上げなしはかなりのレアケースだが、こういう形で割を食うこともある。



case8
62966.jpg

南2局、30400点持ち2着目の北家。

テンパイが入り、即リーチを敢行。


62967.jpg

親から一発で召し取り…


62968.jpg

裏は乗らず。

切り上げがないので親はわずかに飛ばなかった。このわずかな差が波乱を生むことになる。


62969.jpg

トップ目で迎えた親番で、上家がリーチツモ。

メンタンピンツモイーペーコー赤、3000・6000はぴったりトップ捲られ。

そればかりか、親っ被りで3着まで落ちてしまった。

切り上げがあれば、いやあそこで裏が乗っていればなどと言っていたらキリがないが非常に痛い。


切り上げがないことの影響はごく些細なようにも思えるが、意外とそれが影響を与える場面は多い。

ラス回避が重要な天鳳では、特にオーラスの点差に注意を払う必要があるだろう。



posted by はぐりん@ at 23:53 | Comment(4) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
記事の内容とは関係ないですが、いつも記事を書くのにどれぐらい時間かかりますか?
テーマを考えるだけでなく、結構文章の構成や言い回しなども練られてると思いますし、
実際に挙げたケースについての再検証とかもそれなりに時間がかかったりするものだと思います。
Posted by T at 2019年05月20日 16:22
>>Tさん
今回の記事は3時間半かかりました。
平均すると1記事に4時間ぐらいかけていると思います。
何を書くか決まっている時はいいんですけど、ネタから考える時は時間がかかりますね。

おっしゃるとおり、実戦サンプルを見直してどれを採用するか考えるのに意外と時間がかかりますね。採用したサンプルを構成上どの順番で載せるか、みたいに準備段階でわりと時間がかかっていると思います。

なので、構成が決まってからは一気に書き上げる感じでわりと早いです。
Posted by はぐりん@ at 2019年05月20日 23:19
毎週お疲れさまです。

ブログや書籍での戦術公開については、発信者よりも受け手側にメリットがあるようにも思いがちですが

実は一番効果を感じるのは手間をかけて努力した発信者側であることが多い印象です。自分の中である程度構築した理論が更に地固めされ確固たるものになることが大きく、読者から有効な反応があれば更に改良できますからね。

一方、読者側も労せず新しい知識を得られるという点ではメリットがあるのですが、これを自分のものにするとなると相当な時間と努力を要します。その場で分かることと、能動的に実行できることの格差は想像以上に大きいイメージです。
Posted by S at 2019年05月21日 08:16
>>Sさん
ありがとうございます。

確かにその通りかもしれませんね。
文字に書き起こしてみると、伝えたいことがなかなか表現できずにもどかしい、なんてことがしょっちゅうありますし、書いていけばいくほどより深い理論が必要になったりして1つのテーマをまとめるのも一筋縄ではいかないと感じています。

感覚的な部分を言語化すると、オカルトだ!という批判が飛んできますし、万人に違和感なく読んでもらえることは難しいですが、そういう部分に個性とかブロガーとしての腕が問われているのだと思います。

おっしゃる通り、漠然とした理論を言語化することで私自身の理論的支柱ができますから、このブログを書くことで最も恩恵を得ているのは実は私自身なのかもしれません。

今後も謙虚に麻雀と向き合い、このブログと共に成長していきたいなと思っています。
Posted by はぐりん@ at 2019年05月21日 14:39
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