2019年06月02日

一発を消しつつテンパイに取る仕掛け【鳳凰卓の凌ぎ編】

さて、今回は鳳凰卓での実戦譜を紹介したい。


自分の手牌を相手の速度に合わせる、これは麻雀において重要なことで、そのためには仕掛けのタイミングが重要となってくる。

チーテンポンテンに取るタイミングは迷うことも多いが、一発を消すついで、と考えればそれは一つのタイミングとも言える。



その後の押し引きは難しいことも多いが、仕掛けてテンパイに取ったからには、ある程度リスクを負って捲り合った方が好成績に結びつきやすい、と私は考えている。

相手リーチ者にとっても確実にその方が嫌なはずだし、侮れないな、という印象にも繋がるはずだ。


そのへんの押し引きも含めて、何が良くて何がいけないのか、という解説をしていきたいと思う。



case1
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東3局、24300点持ち2着目の南家。

ラス目西家のリーチ一発目に、親から8pが出てきた。

チーテンに取れるが、さてどうしよう?





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チーテンに取った。

これは巡目も考慮してメンゼンでは間に合わないと判断したからだ。

さて、何を切るか?





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3p勝負とした。

ここで考えるべきは、一発目にしては親の打牌がかなり強い、ということだ。

スジの7mは下家リーチに対して安全度は高いが、親にロンと言われる可能性がある。

下手に対応してもそのようなリスクがあるのであれば、まっすぐ自分のアガリを見るのがいいと判断した。


この場合、親と下家を同時にケアできる牌が少ないので、一発を消しつつテンパイに取る、ということの価値が高いと考えられる。


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結局、下家と私の二人テンパイで流局。

親の8p切りは7pのワンチャンスで、高打点ゆえのシャンテン押しだった。

全体の場況からは、暗刻の3pの危険度はかなり高いため、賛否は分かれそうだが、こういう迷った場合に一発消しが背中を押してくれることがある、という例だ。

親の河がもっと濃くて、親もテンパイが明白、という状況であれば3pは切らない方が賢明だろう。



case2
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南1局、15000点持ちラス目の北家。

3着目の西家とは300点差と僅差。

親リーチ一発目に、6mが出たが、さてどうしよう?





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チーテンに取った。

69mが都合5枚目と、かなり急所というのが大きい。

仮にメンゼンで進めても物理的に69mが薄くてアガリが見込みづらい。

モロヒの2sの出はあまり期待できないが、切り出す1sの危険度が特別高いわけではない。

3900クラスの打点というのも仕掛けの後押しになるだろう。


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あっさり上家から出て3900のアガリとなった。

出にくい待ちだと思っても、他家の都合でこのように出てくることもある。

親は赤ドラの本手で、これをかわせたことは大きい。

感触のあるアガリだったが、最終的には私がラスだった。上家の放銃が一概に悪いとは言えないことがわかるだろう。



case3
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開局の北家。

南家リーチ一発目に、チーテンに取れる9mがツモ切られた。

さて、どうしよう?





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取った。

やはり9mが3枚目と69m受けがやや薄目になっているのが後押し。

カン3pという難しい受けが残っているので、ノーテンのまま押すくらいならチーテンに取ってうっかりかわせれば上出来という感じ。

ドラの東は現物だが、親の仕掛けに対して引っ張りたくないので、切り出すいい頃合いでもある。

リーチという明確な攻撃に対してこちらもスピードを合わせる仕掛け、かつ一発を消せるとなればじゃあいくか、となるだろう。


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通っていない2mを持ってきたが、どうするか?





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これぐらいは押すが、カン2mに刺さり、裏1の5200放銃となった。

南家リーチは情報が少なく、2mの危険度が特別高いわけではない。

これが2600で済めば全然なんでもないが、裏1で5200となるとちと痛い。

69mは極めて薄く、急所判断は間違いではなかったが、カン3pも山に残り1枚しかなかった。

も、上家テンパイで切り出される可能性の高い3pだけに、アガリ目が薄いわけでは決してないことがわかるだろう。

局所的には失敗にも見えるが、この半荘は最終的に私がトップだった。

大局的には間違っていなかったと言えるだろう。



case4
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東1局1本場、現点持ち2着目の南家。

親リーチが入ったところ、この5pを仕掛けるか?





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チーテンに取った。

余る3pはソバで危険度が高く、待ちの58sも出は期待できないが、いかんせん親に対する安全牌がない

一発を消せることを理由に、まっすぐテンパイに取っちゃおう、という感じ。


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結果は、親が下家の当たり牌を掴み、1000点の放銃となった。

私の仕掛けは結果的に下家に赤5pを流してしまったが、親リーチをかわすことには成功した。

リーチで2600ぐらいの手であれば親リーチにそこまで押したくないので、チーテンに取る価値は高まる。

天鳳ではなく麻雀として見れば、親を独走させないことも重要だろう。



case5
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東3局1本場、10500点持ち3着目の南家。

ダントツの下家が先制リーチ、そして今2着目の親から追っかけが入ったところ。

ラス目対面との差はわずかで、押し引きが難しい。

さて、この4s、仕掛ける?





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チーテンに取り、8m勝負とした。

親に対する安全牌が乏しいので、一発を消しつつ勝負する算段とした。

ややトイツ系の場況で、6p8sのシャンポンはそれほど悪く見えない。

この場合は安全牌が増えたらオリて傍観するのも手だ。


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結果は、対面が親から2000点のアガリとなった。

対面も腹を括って攻めた結果、アガリを拾うことに成功。

下家も親もドラがトイツの好形と、きっちり手が入っていた。

全員が型を作って攻め合えば、そこまで悪いことにはならないものだ。

こちらも覚悟を決めた結果が横移動であれば、気分は悪くない。

この半荘は最終的に2着だった。



case6
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南3局1本場、23700点持ち3着目の西家。

こちらはドラドラのチャンス手だが、8500点持ちラス目の北家からリーチが入って一発目。

宣言牌の8mが合わせ打たれたが、さてどうしよう?





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チーして…


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4p切りとした。

4p切りとするとややアガリづらいが、打点と安全度を天秤にかけた。

天鳳的にはできることなら勝負したくないのだが、下家の河が強すぎて適当な安牌がない。

中途半端にオリて放銃するぐらいなら、ある程度押して自分のアガリを見る方がいい。

一発を消せるのは、そのための後押しとなる。

この場合58mは急所ではない可能性が高いが、テンパイに取ってかわせる状態になっていることに価値がある。


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7mも全然通っていないが、勢いで押す。

安全牌が1枚ぐらいなら押した方が得、という判断だ。


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結果、下家との二人テンパイで流局となった。

下家は47s待ちで幸いにもスジトイツの部分だった。

ここを掴んだら比較的ヤメやすい。


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仮にチーテンに取っていなければ、次巡の3sツモでむしろ右往左往してしまうだろう。

自身がアガリ目のない状況で危険牌を次々と切らなければならないほど苦しいことはない。

下家はツモってハネ満の本手リーチだったが、見てもらえばわかる通り、47sは山に1枚もなかった。

このように、相手リーチにアガリ目がないなんてこともあるので、きちんと自分のアガリを見て勝負していくことは決して悪くないとわかるだろう。



case7
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東4局、13100点持ちラス目の北家。

14700点持ち3着目の親がリーチを敢行してきた。

こちらの手はブクブクのイーシャンテン。


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対面から7mが出てきたが、さてどうしよう?





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ポン、して何を切るか?





6pを勝負した。

ここでよく見るのが1pのトイツ落としで回りながらアガリを見る、という手法で天鳳でも仕掛けるタイプにはありがちな打ち方だ。

6pは確かにかなり危険度は高くて切りづらいが、ここで1pを切るぐらいなら仕掛けない方がマシだと私は考える

仕掛けるのはなぜかというと、自身のアガリで親リーチをかわすためであって、リスクを回避するためではない。

リスクを負わずにアガリたいなどという虫のいい話は麻雀に限らず、ない。

天鳳はラス回避なので、一切リスクを負わずに仕掛ける手法もまかり通るところはあるが、麻雀的にはそれは正しくない可能性が高い。

仕掛けの考え方にもよるが、そのへんを混同してしまうとなかなか結果は出にくいのではないかと思う。


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2s、7sとブンブン押しているところ、白がカンツになった。

さて、どうしよう?





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カンせずにツモ切りとした。

なぜカンをしないかというと、オリる気がまったくないからだ。

この局の目的を親流しに設定している以上、カンで親リーチのドラを増やしてしまうことは勝負が本当の丁半博打になってしまう

自身のアガリが決定打にはならない可能性が高いのに、放銃が致命傷となってしまいやすい。

そうではなくて、放銃してもまだ次に繋がるように、余裕を持ってカンをしない。

決して弱気なわけではなくて、強く押すためにカンをしないのである。

もちろん、ドラ1あるなど打点上昇効率がいい場合なら、決定打になるカンをする手はある。

あくまでこの状況ならカンすることにそこまでのメリットは感じない。


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結果、ツモアガって400・700。

親リーチをかわすことに成功した。


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結果的には、7mポンによって、親のツモアガリを流していた。

かつ自身のアガリに結びつけたわけで、いかに大きい仕掛けだったかわかるだろう。

白はカンしていてもドラおよびリンシャンの影響はなかった。

6pはかなりの危険牌だが、一発を消せるタイミングだからこそ勝負に行けたとも言える。

この半荘は2着だった。



case8
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南2局、31000点持ち2着目の北家。

トップ目の南家からリーチが入って一発目。

チーテンに取れる8sが出たが、さてどうしよう?





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取った。

片アガリだが、6pは現物につき出アガリは十分期待できる。

宣言牌が3pにつき、2pはかなりの危険牌だが、一発を消せるタイミングなら勝負しやすい。

メンゼンで進めても、ソバの2pか4pはいずれにせよ勝負しなければならない。


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7mも押して全ツする算段だったが、親リーチを誘発してしまい、対面が一発放銃の11600

これにて自身がトップ目浮上となるも、ラス目の親も浮上してしまったため、イマイチ。

最終的には2着だった。


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8sをスルーしていると、4pが暗刻になり、勇んで即リーチするだろう。

すると、あろうことか69pより先にドラを掴んで対面に8000の放銃となる。

親が58mをチーテンに取る可能性も高いが、その場合も私がドラを掴んで同様となる。

この結果を見るに、仕掛け自体は私にとって悪くなかったと言える。

仕掛け一つで対面の結果が180度変わっているのがなかなか面白い。



case9
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東4局、31000点持ちトップ目の北家。

3着目の南家がドラ切りリーチ。

その一発目にチーテンに取れる3mが出た。さてどうしよう?





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取った。

リーチの安全牌が少ないので、一発消しついでにテンパイに取った。

こちらの有効牌は少なく、メンゼンテンパイで即リーチと行ける手ではないので、それなら仕掛けでかわす手が最善と判断した。

このように、テンパイ効率が悪い手ほど相手リーチに合わせた仕掛けの有効性は高まる。


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しかし、切り出した6mがまさかのダブロン。3900と8000。

対面の両面はいいとしても、上家の中スジはできすぎな気がする。しかも高い。

この放銃によって、トップから一転ラス落ちとなり、暗雲立ち込める。

妥当性のある仕掛けでも、こういう不運に見舞われることもある。

幸いにもこの半荘はトップを捲り返した。



case10
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東4局2本場、43000点持ちトップ目の北家。

2着目の親から早いリーチが入る。


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上家からチーテンに取れる9mが出たが、浮いているのは超危険牌のドラ。

さて、どうしよう?





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チーして…


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ドラ勝負とした。

面白いことに暗刻の9sとトイツの1sは5sの裏スジでかなりの危険牌。

78mは宣言牌ソバでこちらも危険。

安全なのは暗刻の発ぐらいだが、これを切り飛ばしてベタオリするのもいまいち気が引ける。

一発を消せるのなら、ということで勝負した結果はセーフ。


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7pは通っていないが、どうしよう?





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押した。

まだ通っていないスジは多い。ある程度勝負に行かなければドラ切りに見合わない。


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6pは通っていないが、どうしよう?





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押した。

9pのスジ。


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6sをブンと切って、持ってきたのはドラまたぎの2m。

さてどうしよう?





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押した。

ワンチャンスにつき。


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結果、ツモることができた。700・1300。

親リーチに対して愚形で都合5無スジ押した。ここまで押すことはなかなかないが、ドラ切りで勢いが止まらなくなった。

放銃したらしたでまた立て直せばいい。


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親の待ちはドラ表示牌のペンチャンイーペーコー形という考えうる最悪の待ちだった。

足止めを兼ねてツモアガリ期待といったところだが、実際は5巡目にして純カラのリーチだった。

先にもあったが、リーチの幻影に怯えすぎるとこういうリーチのかけ得になってしまう。

一発消しした勢いで、ついでに押してみる、というのは案外悪くないかもしれない。

一発ツモ牌を食い取って放銃したりすると、リーチ者はそのアガリ以上のショックを受けたりするものだ。



いかがだっただろうか?

総じて言えることは、一発消しついでにテンパイを取る仕掛けは有効であることが多い、ということだ。

勘違いしないでほしいのは、シャンテンを進める仕掛けではなくて、テンパイに取る仕掛け、である。

一発を消しつつシャンテンを進める仕掛けについてはまた別の機会に紹介しようと思う。

全体的に押しすぎにも思われたかもしれないが、自身がテンパイであればそのぐらいで問題ないのだ。

取ったからには、押してみる。皆さんもぜひお試しあれ。



ラベル:天鳳 一発 鳴き
posted by はぐりん@ at 23:58 | Comment(0) | 鳴き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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