2019年07月21日

打点重視の打牌選択

今回は打点を重視した打牌選択の特集だ。

「科学する麻雀」に代表される牌効率を重視したいわゆるデジタル麻雀、
平成の時代は麻雀を数理学的・統計学的視点から見ることで飛躍的に技術の進歩を得ることができた。

それでは、令和の麻雀はどのようなものになるだろうか?

私が思うに、昭和の手役狙いが再度ピックアップされる、そういう回顧的な動きが起こるような気がする。


極限まで技術が高まり、相手のテンパイに対して放銃がまったくない、そういう最上位の対戦で勝利のために何が求められるか?

それは、打点力である。


最速でテンパイを入れても相手が放銃しないので、自身のツモ依存の割合が高くなる。

それでやっとこツモって500・1000ではむしろ相手が喜んでしまうかもしれない。

最終盤に眠っているたった1枚のアガリ牌、どうせそれに頼るしかないのであれば、テンパイスピードを少し遅らせても打点力をアップさせた方がトップ率は上がるかもしれない。


事実、赤なしの連盟鳳凰戦Aリーグでは時折びっくりするような手役狙いの打牌選択が見られる。

デジタルを超越した雀士が次に考えることは、リーチでは放銃してくれない相手にダマでいかにしてアガるか、である。

リーチではツモ依存となってしまうため、巡目を遅らせてもダマで打点力のある手を作ること、局収支的にはそれほど差がないかもしれないが、順位期待値としてみれば実はこちらの方が上、ということだって考えられる。

天鳳でも、最近の鳳凰卓はレベルが上がり、ファン牌をスルーする打ち手も前より格段に増えた。

誰もが画一的に統計に従って打つのでは、誰もが平均順位2.5ということになってしまう。

皆が勝つために同じことをしているからこそ、その裏をかくことが効果的になる、という側面は確かにある。

そこで、「手役狙い」という回顧主義が生まれるだろう、と私は予測している。


令和の時代の手役狙い。今回はその来たるべき時代への予習だ。

実戦から手役狙いの打牌選択をご賞味いただきたい。



case1
tenhou.2539.jpg

東4局、3着目の親番。

何を切るか?





tenhou.2540.jpg

南切りとした。

一見、何事もなくツモ切ってしまいそうな牌だが…


tenhou.2541.jpg

1メンツ完成したが、何を切るか?





tenhou.2542.jpg

2m切りとした。

ピンズが連続形だけに、テンパイチャンスなら圧倒的に3m切りが有利だが、2m切りにはそれを補ってあまりある打点力がある。

3m切りの場合は最終形が不満なテンパイになる受け入れも多い。

4m引きに備えて1mを切る、というのがMAX打点だが、巡目と危険度の兼ね合いから2mでもいいかな、と。


tenhou.2543.jpg

一手遅れの裏目4pを引いてしまった。が、これは想定内。

ドラ1あるなら十分だが、メンピンだけなら特に問題なし。この4pはツモ切り。


tenhou.2545.jpg

狙い通り来たで!ということで即リーチ。


tenhou.2546.jpg

対面から一発で出て裏が1枚乗り、12000となった。

受け入れを狭めてもメンタンピンの破壊力は十分。

雀頭がない場合、中張牌の膨らみを雀頭と見て手牌を構成することで、打点を見ることができる。



case2
tenhou.6352.jpg

東2局の親番。

ここから何を切るか?





tenhou.6353.jpg

むむっ、9pツモ切りでイーシャンテンを拒否。

ちょっと悠長なんじゃないの〜?


tenhou.6354.jpg

好形が先に埋まった場合に愚形リーチを打ちたくないので、タンヤオに寄せていることの価値が高い。


tenhou.6357.jpg

ぴったしかんかんのくっつき。勇んでリーチだ。


tenhou.6358.jpg

これをツモって2600オール。

わりと普通の手順だが、ズバリ決まると会心の手順にも思えてくる。

このぐらいでもドヤって良し!



case3
tenhou.8408.jpg

南3局、22700点持ち3着目の北家。

ラスまではやや余裕があるが、油断はならない。

さて、何を切る?





tenhou.8409.jpg

おやおや?大分狭く受けたようだが…

1mを切ってしまうとマンズ部分のくっつきテンパイが1mのみになるため、相当テンパイチャンスが狭まる。

例えば7mツモを想像してもらえばわかりやすいが、三面張のテンパイを逃すことになる。

巡目的にリカバリーが効きやすいし、打点が見込めるでしょ、ということ。


tenhou.8410.jpg

このように、わかりやすく来てもらえればありがたい。

仮にソーズのくっつきが愚形になってもタンヤオならダマが効くというのもメリット。

一方、マンズが来た際はフリテンにならない捌きをする必要が生まれる。


tenhou.8411.jpg

これを引きアガって、裏が1枚乗り2000・4000に。

これでオーラスは一躍トップまで見込める点差になった。

決まると鮮やかだが、てんこしゃんこになるということも多そう。

この半荘は2着だった。



case4
tenhou.15029.jpg

南3局、4000点しかないラス目の南家。

ここから何を切るか?





tenhou.15030.jpg

私は567の三色の助、とばかりに8pツモ切り。

6mツモよりも確定三色になる7mツモの方が嬉しかったりする。

ソーズはドラ狙いで打点十分。

フラットな場面でどうするかは好みが分かれそう。


tenhou.15031.jpg

三色崩れだが、最終形優秀のかなり嬉しいツモ。これなら即リーチに踏み切りやすい。

7sの方が急所と見て4s切りリーチ。


tenhou.15032.jpg

一発ツモで1300・2600ゲット。

次局の親番で4000オールを引き当て、2着終了となった。

昔の私は引きが強かったね。



case5
tenhou.16883.jpg

オーラス3着目の親番。

下家が2600点しかなく、上2人が36000点台。

親満のロンでギリギリ2着浮上という感じ。

待望のドラ引きだが、さて何を切る?





tenhou.16884.jpg

タンヤオ大好きタンヤオ厨さん。

3m周りの機能が微妙だが、まあ変化していけば何とかなるでしょ。

赤5sでも出たら、ポポンがポン、と言ってしまいそう。


tenhou.16885.jpg

ツモが上手で、あっという間にイーシャンテンに。

ここではさすがに3m切りとした。ソーズの複合形で雀頭ができやすいので。


tenhou.16886.jpg

無駄ヅモなく、ドラを引いてテンパイ。

ツモ直でトップ捲りにつき、私は謙虚にダマにしたが、これはリーチでも良さそう。

ダマの方が順位期待値は高そうだが、リアルならリーチかな〜?


tenhou.16887.jpg

ラス目から出て、デバサイとはならず、2着浮上。

1本場なのでトップまで100点足らずというのがいと悔し。



case6
tenhou.18493.jpg

東4局、トップ目の北家。

東は役がつくが、1枚切れ。さて、何を切る?





tenhou.18494.jpg

イーシャンテン取らずとした。

ターツ落としの選択をしない、という選択だ。

裏目のない選択とも言えるが、アガリまでは一手遅れとなる可能性も高い。

ドラがないので、比較的選択しやすいだろう。


tenhou.18496.jpg

雀頭を落としていった場合、最終的に雀頭待ちになることもそこそこ多い。

この場合ノベタンなのでまだマシだが、369sツモで単騎待ちになってしまう。

下家リーチ一発目につき、やや難しいが、8s切りとして現物待ちダマに取った。


tenhou.18499.jpg

切りにくい4mを待ちにして、赤を2枚引きロン。3900。

なんのことはない、打点重視とは赤引きのことだったのだ!



case7
tenhou.24707.jpg

開局の北家。

何を切るか?





tenhou.24708.jpg

私は三色厨、とばかりに7s切りとした。

不確定だが、赤が使い切れるのが打点的にも大きい。


tenhou.24709.jpg

さすがに三面張なら愚形は見切って7m切りか。


tenhou.24710.jpg

うひゃ〜やっちまった〜い。

天鳳を打っていたら大声を出してしまうところ。


tenhou.24711.jpg

赤5m使い切れる、セーフセーフ!

感情の起伏が激しくなる瞬間。


tenhou.24712.jpg

結局他家がアガるんかい!1300。

西家に西を絞りつつ、打点狙いの5m切り。件の西は山に3枚だった。



case8
tenhou.23681.jpg

東1局、2本場の親番。

何を切るか?





tenhou.23682.jpg

ピンフ厨なら2s切り、タンヤオ厨なら西切り。

どうやら私はタンヤオ厨のようです。


tenhou.23684.jpg

カン3s、カン6pとズバッと引いて追っかけリーチに踏み切る。

このぐらいツモが効いてくれればタンヤオにした甲斐があるってもんよ。


tenhou.23686.jpg

他家がアガるんかい!対面が隠しドラ3で7700。

私、タンヤオ厨、掴まなくて、良かった。



効率を犠牲にしたタンヤオ狙いは、食い下がりのない仕掛け時に特に効力を発揮しそう。

つまり、アガリトップの際などに効果的ということ。

次回は【鳳凰卓編】だ。



ラベル:天鳳
posted by はぐりん@ at 23:48 | Comment(6) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昭和の三色、令和のタンヤオスキー(笑)

効率を少し犠牲にしてもタンヤオの1翻を付加して打点を上げる技術と、勝負所でクイタンで捌き切る力なくしては、生き残れない気がします。
Posted by S at 2019年07月22日 17:11
>>Sさん
昭和の三色同順、令和の三色同刻、なんつって(笑)

その通りですね。
大仰な前振りの割には今回はチマチマした内容になった感も否めないので、来週の内容は期待してください!
Posted by はぐりん@ at 2019年07月22日 17:36
case7
123赤57m56p225678s ツモ4s 打7m

打4sがいいのかなと思いました。

赤5mを親に両面チー鳴かれるとたいてい5800のカンチャンやシャンポン待ちテンパイの可能性も出てくるのでリーチ込みの2000や3900では親の方が優位になり、戦いにくくなる。

決定打を作るという意味でも最低でタンヤオドラ1なる手組みしたいですね。

打点重視の打牌選択の趣旨に打7mはちょっと反していると思いつつ、これがタンヤオピンフ、またはピンフドラ1の3面帳であれば、赤57mはずす選択もありかと思います。

たぶん今後は愚形テンパイ即リー主流だった流れが見なされて、ノミ手愚形3〜7はダマテン。2・8カンチャン微妙等、打点の追求に伴ってこの辺が見直される新時代が来るかもしれません。

Posted by 国家最終戦力 at 2019年07月23日 12:44
>>国家最終戦力さん
確定三色ならともかく、ピンズ部分が567不確定ですからね。三面張を壊すのはかなりの意志が必要でしょうね。

三色で仕掛ける、という人ならその比重は高まるかもしれません。

赤5mをケアするとのことですが、親に仕掛けがまだ入っていない状況なら自身の手牌の都合で問題ないと私は考えます。仮に鳴かれたとしても自身が好形残りであれば、アガってかわせる可能性が高まるからです。

そうですね。愚形ドラ1は画一的にリーチという流れから、より精度の高い愚形リーチ、という流れになっていきそうですね。
Posted by はぐりん@ at 2019年07月23日 15:52
令和は戦略もそうですが、ネット→リアル麻雀へ回帰の流れができそうな気がします。

ネット麻雀がレベルアップしている今、そこで満足できなくなった強者たちが、+で動作や、人読み・(空気)間読み等々、もう一段深みのあるリアル麻雀へ行くのは必然とも思えます。

レベルだけの面でなく健康麻雀の広がりや、かわいいイラストの漫画や女子プレイヤーの配信等、いわゆる昭和麻雀のイメージの脱却によるところも大きいと思います。

麻雀は運と実力のバランスや・4人という多すぎなく少なすぎない絶妙なゲームで、コミュニケーションツールとしての価値は、繋がりの希薄な現代社会で高まっていくものと思います。

いったい私は何を言っているのでしょうか?w
Posted by kt at 2019年07月23日 20:07
>>ktさん
なるほど。そういうムーブメントが起こっても不思議ではないですね。
昭和麻雀の、煙い、怖い、暗いという3k鉄火場のイメージは今では完全に払拭されているでしょうからね。

ネットとリアルでは勝手が違うので、敷居が高いというのはあるかもしれませんが、牌の感触を確かめながらワイワイと打つリアルはやっぱり楽しいですよね。
Posted by はぐりん@ at 2019年07月25日 15:51
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: