2020年04月12日

先切り引っかけの戦略【part1】

引き続き今回も引っかけについて。

前回は引っかけが決まりやすい河についていくつか見てきた。

リャンカン形が残っている場合は、いずれにせよいつかは形を決めなければならない。

しかし、それが宣言牌となってしまうと今のご時世では警戒されて止められてしまう。


なので、できるだけ自然な形で先に布石を打っておき、リーチ後に出やすくなるように工夫をしたい。

本記事ではこれを、「先切り引っかけの戦略」と命名した。


場況とタイミング次第では、極めて効果的な先切りの布石となることが実戦例からも散見される。

時には効率を犠牲にしても、先切りしておくことで出アガリ率がUPするというような状況も確実にある。

どういう状況で決まりやすいのか、逆にどういう状況だと決まりにくいのかを、本記事から感覚的に理解していただきたい。

全体像をインプットしておくだけで、出アガリしやすい状況のイメージが掴みやすくなるはずだ。


また、失敗例から相手リーチに対して、警戒すべき先切りはどのようなものかを学ぶことができる。

例えば、リャンカンの先決めはリャンシャンテン→イーシャンテン時に行うことが多く、テンパイ前の手出し牌が引っかけに絡んでいることが多い。

なので、テンパイ前の手出しを注視しておくことで、先切り引っかけを警戒することが可能となる。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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先切りすべき典型の牌姿がこれだ。

リャンカン+愚形ターツ含みのリャンシャンテンで、現在イーシャンテンになったところ。

ここから何を切るか?





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ドラが場に2枚見えたので、5m先切りとした。

場況からマンズの上が安く、8mがドラ表示牌とはいえ、狙い目になりそう。

他家が攻め返してきても、8mは手牌で使いづらいので、それも強みとなる。


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雀頭を手広く受けて、狙い通りにカン8mで即リーチとした。

6pが食われていない方が、河の印象としてはいいかもしれない。


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しかし、下家の仕掛けにかわされ、1000点の放銃となった。

8mは上家が配牌からトイツで持っていたというのはやや意外だった。

これがリャンカン先決め基本形だが、ドラに絡んだカンチャンはどんなに先切りしても警戒の対象となるため、劇的にアガリ率が上がるということはない。

モロ引っかけよりマシ、という程度。



case2
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東4局2本場の親番。

ドラドラのチャンス手だが、ここから何を切るか?





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4p切りとした。

もちろん7p待ちの布石だが、下家の89p切りもあり、1pを切るよりはリーチ後に7pを引き出しやすいだろう。

ドラドラなので出アガリ重視で先切り引っかけとしたが、この4p切りにはデメリットもある(後述)。


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狙い通りにペン7p待ちとなり、即リーチを敢行。

ピンズの上もほどほどに安くなっている。


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場に3枚目の9pを持ってきて、これはよし。

リーチ前に切っておけばなおよし。


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しかし、対面にかわされ下家が2000の放銃。

引っかけの布石の4p切りだが、7pが出やすくなるというメリットがある一方、以下のデメリットがある。

@下家がダマの47p

4p切ったことで、自分自身の河が弱くなり、他家の有効牌である4pが場に出やすくなる。
布石を打ったはずの4pが他家のアガリに逆用されている。

A7p→4pのスライドが可能

他家が47pのいずれかを選択する際、河に1pしか出ていなかったなら、7pを切って放銃してくるかもしれない。
4pが出ているゆえに、7pと4pをスライドする選択肢が生まれる。


このように、中級者までならわりと放銃してくれるかもしれないが、上級者との対戦では引っかけの布石が逆効果となることもある。

河の情報が少ない方が相手としてはやりづらい可能性がある。



case3
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東2局、トップ目の北家。

2着目のリーチ一発目だが、何を切るか?





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まっすぐにドラを切ると、これが当たりで7700。

これはやっちまった!

69sの景色が良く、発ポンでかわしにいこうと思っていた。

通常は発のトイツ落としで回るところか。


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下家はまずここから3s切り。

リャンカン&リャンカンの愚形コンボ。


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両面が先に埋まって、ここでドラ受け固定するのはある意味必然。


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カン4mがきれいに埋まっての最終形。

3s手出しでボケてはいるが、前回手出しが5s切りというのは警戒の対象とすべき。

このように、リャンカン形の性質上、テンパイ付近の手出し牌が、引っかけに絡んでいることが多い。



case4
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東3局、ラス目の親番。

トップ目の対面リーチ一発目、さて何を切る?





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イーシャンテンにつき粘ろうと2mを切るもこれがアウト。


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一発ドラドラに裏裏で限界突破いくぜHIPHOP。

もうやめて!私のライフはゼロよ!


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雀頭なし+リャンカン形のパターン。

カンチャン部分の縦重なりでもいいので、場況的にいいカンチャンに先固定されやすい。

この場合の5mはツモ切りにつき、キズになっていない。ノータイムだとなお良し。


35399.jpg

ダマ十分なのにリーチするというのはそれだけカン2mの場況がいいということ。

1mが3切れになっていて、5m先切りが効いている。

ちなみに私が打たなくても、2巡後に対面ツモで倍満親っ被りだった。

点棒がない親番につきある程度は仕方ないが、トップ目がリーチと来るからには「それなりの何か」があると思わなければならない。



case5
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東4局、トップ目の南家。

ラス目の親リーチが入っている。

チートイツテンパイから4p暗刻に。さて、どうしよう?





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7mぐらいは押すだろう。

ペン7mに刺さるかもしれないが、47mはまずない。

役ありテンパイなら取る価値ありと判断した。


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8sツモってどうするか?





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嫌々押すもこれが当たり。裏ドラ表示牌にも8sでまさかの12000となった。

9s3切れにつき、ギリギリのライン。


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6s2枚出たタイミングでの、カン8s先固定。69mフリテン受けも厭わず。

このように、リャンカン形は場に現れた枚数次第で固定されることも多いため、場況の変化を具に観察することで危機回避力がUPする。




case6
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東4局、微差ラス目の親番。

ここから何を切るか?





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枚数的にはギャンブルだが、打点重視のイーペーコー形先固定とした。

ドラが1枚もないので、イーペーコーの1ハンは重要。


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終盤にやっとテンパイ。

さて、どうするか?





46423.jpg

ええい、ダメ元でリーチだあ!


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まさかの一発で出た。7700。

上家はテンパイから。

7pと8pの選択だが、さすがに5p手出しから距離があるため、ペン7pの可能性の方が濃いと読んだのだろう。

このように、先決めは手出しから巡目が経過すればするほど、効果的となる。



case7
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何を切るか?





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8sが2枚出たタイミングにつき、カン6s固定が自然。

ここでも場に出た枚数でリャンカン固定が見られる。3s先切りしてるしね。


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3p暗刻になって即リーチ。

本来この形は57sの重なりを待ってツモり三暗刻形まで待ちたいところ。牌形がいかにもコーツ場っぽい。

ただ、中ワンスルーしてるしドラ1あるし即リーでも十分か。


47621.jpg

親の追っかけに掴まり、3900の放銃となった。

先切りの布石を打っても追っかけられた瞬間に徒労と化す。

分の悪いただの捲り合いになってしまうので、先切りはあくまで奇襲で、正攻法は枚数重視のツモ狙いにあると知るべし。


47622.jpg

カン6sは山4。

これだけいれば両面待ちにも引けを取らない。

赤入りだとカン4カン6は警戒の対象になりやすいが、3赤579からなら先に9が払われやすいため、3を先に切ってるケースでは案外カン6は残りにくい。

このへんも深く読んでいくと案外奥が深い。赤が自分から見えているかどうかでも変わってくるし。



case8
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上家リーチに対して、何を切るか?





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中スジの5sを切ると、これが当たりで7700。

最終手出しが字牌の西でまさか先決めしてるとは思わなんだ。


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上家の2sツモ切りはここから。

456の三色(!)と効率の両天秤。

手役が絡むと先切り引っかけはかなり効果的だ。なぜなら他家からはその意図が不明瞭になりやすいから。

このケースでは、強さ不明のカン5sにわざわざ固定しないでしょ、など。


61329.jpg

ズバリカン5pが埋まって狙い通りの三色に。

西は安全牌気味でもっていたかと思いきや、まさかの暗刻から(!)

456三色という手役絡みと、字牌暗刻からの1枚外しというレアケースに継ぐレアケース。

こちらの手もまだ死んでいないため、こういう放銃は仕方ないと思える。


逆に言うと、状況によっては引っかけの先決めが極めて効果的となる場面もある、ということである。

次回も同様に実戦例をお届けする。



ラベル:天鳳 引掛 戦略
posted by はぐりん@ at 23:55 | Comment(6) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>なんやかんやあら探しをして食いついてくるのが麻雀打ちの性
これまさにその通りで、よくやっちゃいますw
だけど逆に言えば本筋が正論すぎて隙が無いことの裏返しでもあるんで、むしろ褒められてるくらいに感じる方が気が楽かと思います。
ここのとこ毎週戦略・戦術についての記事になるんで作業量が増えてアレかもですけど、たぶん皆さんも楽しみにしてるので是非今後も毎週更新していただけたらと思います。

case3や5のようにドラ絡みのカンチャンはやはり先切り固定するケースが普段より多そうなので気を付けた方がよさそうですね。

case6は東場の親番で残り1回のツモで役あり序盤引っ掛けのスジ待ち。立直打つ方がいいのか、ダマの方がいいのか実際どうなんでしょうね?
デジタル的にはダマって結論になりそうな予想ですけど、この辺って理屈より感覚でいい範疇にも思えます。

case8はまぁ安牌持っての両面両面、平和があってドラがあったら高いかなー位に思う程度で5sで三色!と言われてもそっかぁ程度で切り替えられますね。
Posted by kt at 2020年04月13日 09:24
>>ktさん
なるほど。そういう見方もあるんですね。
私も寛容になろうと努めてはいるんですが、どうしても気になっちゃう部分もありまして。これも雀士の性かもしれませんw
批判は雀士の勲章と思い、精進してまいります。

case3は手拍子で打っちゃった感じですね。

case6は大概リーチ棒出しただけ無駄になることが大半でしょうね。たまたま上手くいった例です。

case8は逆に感心するというかこんなこともあるんだな、というケースですね。ベタオリすると逆に打っちゃう待ちだと思います。
Posted by はぐりん@ at 2020年04月14日 15:28
今週は名無しのおっさんはいなくなりましたね。

コメントの乱立するのは時間の無駄だし、見にくくなるのであまりよろしくないなという感じで見てました。

あとはブログに関しては甘い打牌があったら多少突っ込まれてもしかたがないのかなとも思います。

寛容に努めるか?嫌なら思い切ってスルーするか?ですかね。


今回だと

case2は5sを引いた時に345の三色の可能性が出てくるのと赤5p引きも考慮すると打4pは微妙な気もします。ドラ1sトイツであるので人それぞれかなという感じです。

case3とcase5のドラ絡みのカンチャンは結構、警戒して降りてもいいのかなと思います。

case6のリーチは残りの巡目が少なく1発が絡みやすいのを見越して自分の河に自信があれば、リーチにいくのもありで自信がなければ、ダマでやり過ごす感じがちょうど良い気がします。

case8の放銃は刺さるとしたら5sトイツのシャボくらいしか考えられないのとうまくいけば、純チャンタ三色があるのでしかたがないという印象です。

Posted by 国家最終戦力 at 2020年04月16日 20:41
こんにちは たまに観戦させてもらってます。
ブログと全然関係なくて申し訳ないのですが、さっき観戦してまして対面0点なってから、3着目からの親番連荘でまくって1位気持ちよさそうでした。
観戦してて最後積もった時、思わず「よし!」ってガッツポーズしてましたw
Posted by にゃんこ at 2020年04月16日 20:51
>>国家最終戦力さん
そうですね。まあ、わりとこのブログの読者は良識ある方が多いかなと印象です。
ちょっと茶目っ気のある返しをしてみたら、何かに反応してしまったようです。

私はすべてのコメントを真に受ける傾向にあるので、今後は参考程度に受け止めたいと思います。

case6は形テン仕掛けなどがあればリーチで被せるのが有効でしょうね。
Posted by はぐりん@ at 2020年04月17日 15:16
>>にゃんこさん
あれ見てくれてましたか〜、嬉しいです。
相手がなじみの打てる連中だったのでいつもより気合いが乗ってました。
ドラ白の合わせ打ちで地獄待ちに放銃するというトンデモがあったので、これは負けるわけにはいかない、と。

普段はやらない大ミンカンなんかもハマったので、最後のリーチは絶対ツモアガれると思ってましたよ。
あれぐらいの気合いでいつも打ちたいですね。
Posted by はぐりん@ at 2020年04月17日 15:25
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